お知らせ

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2020年12月15日火曜日

お知らせ 2021年2/7に総決起集会を開催します。

2021年2/7(日) 午後、都教委包囲ネットは総決起集会を開催します。
みなさんご参集ください。

























































2020年12月13日日曜日

11/26 都教委定例会 渡部のコメント

■11月26日の都教委定例会についての、渡部さんのコメントを紹介します。

11月26日の東京都教育委員会で、「オリパラ教育」や「五輪観戦」、「ボランティア」は既定方針通り進めることが確認された。

それを受けて11月30日に都教委は、『令和3年度オリンピック・パラリンピック教育の実施について』という通知を現場に出した。

そこには、次のようなことが述べてある。

 東京2020大会の開催年である令和3年は、本教育の集大成の一年となります。 これまでに各学校が実践してきた本教育を総括し、大会終了後はレガシーとして各学校の教育活動に引き継がれるよう、本事業の趣旨を御理解の上、ご協力をよろしくお願いします。

そして、

1、対象校 都内全公立学校

2、事業内容 (これまで出されているものなので略するが、「ボランティアマイ ンド」が第一になっている)

3、事業期間 令和3年4月1日から令和4年3月31日まで

4、予算規模 令和3年1月下旬に通知予定

5、事業の進め方

  (1)年間指導計画等を作成し、年間35時間程度を目安として、組織的・計画的に実践する。

  (2)(3)略

6、・・子供の競技観戦(学校連携観戦)について

(1)事前・事後学習の充実

(2)教育課程上の位置付け

(ア)学校連携観戦は、原則、特別活動の学校行事(3)健康安全。体育的行事に 位置付けて実施する。

(イ)教育課程届の年間行事計画に「学校連携観戦」と記載する。

(3)・・引率教職員の服務の取扱い(基本的には「出張」で、休日の場合は代休日を指定)

7、・・・Q&A

  (あくまでも五輪実施を前提に「67項目」に渡って述べてある。

 「13」のところには、

 Q:新型コロナ感染症の収束が見通せないが、学校連携観戦はどうなるのか。

 A:・・現在、大会組織委員会では、大会全体の「安全・安心」「簡素化」等を運営方針とし、大会開催に向けた準備や検討を進めるとしている。学校連携観戦についても、大会組織委員会等と実施に向けて検討しており、引き続き関係機関と検討していく。と述べてある。)

〇現在、日本でも世界でもコロナ感染は拡大の一途をたどっている。なのに、都教委はあくまでも五輪実施を前提に、来年は「オリパラ教育」の集大成の年と位置付けている。

これでは、「三密を避ける」とか「五つの小」どころではない。子どもたちをコロナの禍中に投げ込むようなものである。まさに、「インパール作戦」の現代版に他ならない。 

12/10 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

12月10日(木)都教委定例会の根津公子さんの傍聴報告です。

●都教委報告

■服務事故防止は都教委の教員・学校支配の見直しから

 今日の議題一欄を見て目を引いたのは、非公開議題の「懲戒処分者数等の推移及び服務事故防止に向けた主な取組について」。月2回の定例会で懲戒処分案件(議案とされるのは停職~懲戒免職、報告とされるのは戒告~減給)が議題にのぼらなかったのは、私の記憶では9年以上傍聴してきて1度もない。「君が代」処分は、今年度はゼロなので、体罰やわいせつ、金銭の不正受領、飲酒運転等の非違行為による処分ばかり。

 都教委の方針・指示に従って、教員は自己申告書を提出し、研修を積み技量を蓄えているはずなのに、こうした非違行為が減らない(どころか、増えているのではないかと私は思う)のはなぜか。主任、主幹、副校長と昇進していく者の非違行為が少なくないのはなぜか。これらの考察を経たうえで「防止に向けた取組」が報告され論議されたのだろうか。きっと、否。考察抜きの取組は、何度行っても無駄というものだ。子どもも大人も、居場所があり活動が充足されれば、問題行動に走ることはほぼないはず。とすれば、教員の働かせ方を見直すとなるはず。懲戒処分が減らないのは、都教委の教員・学校支配にあるのは間違いない。

 そもそもこの議題が公開されて支障を来たすことはないはずで、公開してもらいたい内容だ。都教委HPの「服務事故」欄に被処分者の学校名が記載されるのは、「君が代」処分のみ。わいせつや金銭の不正受領で懲戒免職にされた者についてさえ、個人名はおろか、学校名も明らかにされないのだから、公開議題にしていいはずだ。

 さて、今日の議題は、議案が「立川国際中等教育学校附属小学校設置(2022年度)に伴い設置条例の一部を改正する条例等の立案等について」(新たな内容はないので略)。報告「都立校入学者選抜等における新型コロナウイルス感染症対策(追加)について」と「今年度都教育委員会職員表彰について」。

①「都立校入学者選抜等における新型コロナウイルス感染症対策(追加)について」

 すでに都教委HPに掲載済みなので詳細はそちらを。

  登校時に受検者の体温をサーモグラフィーにより計測し、発熱がみられる場合は別室等で検温。37度以上37.5未満の高校受検者には追検査の受検を促すが、当日の受検を希望する場合は別室受検とする。37.5度以上の場合は受検を認めず、追検査の受検を促す。中等学校及び中学校受検者は別室受検とする。37.5度以上の場合は受検を認めない。高校受検は追々検査まで定める、等々。

 報告を受けて「受検校の教員が感染していたら、どうするのか」との質問に、事務方の回答は「教員には日々、健康管理をさせている」のみ。PCR検査をして万全の態勢をとってもよさそうなのに、そうは言わなかった。

②「今年度都教育委員会職員表彰について」

 「都の教育の発展、学術、文化の振興に貢献し、その功績が顕著で、かつ勤務成績の優秀な職員及び優れた教育実践活動・研究活動を行っている学校・グループの功労をたたえ、表彰する」ことを目的に、毎年この時期に表彰。今年度は100名10団体。特別支援教育、ICT教育等、都の方針に沿っての表彰が多い。

 教育委員の一人は、「今年はコロナ禍で学校は全員ががんばった。ねぎらいの言葉を都教委から出しほめてあげたい」と。事務方も「検討する」と応答した。表彰をありがたがる、誇りに思う教員がかなりの数存在するのだろうけれど、表彰で釣るのも釣られるのもさもしいとしか私には思えない。教育委員のこの発言・発想もしかり。


●次に総合教育会議の傍聴報告

■子ども・教員の現実を観ていない机上の空論

 総合教育会議は知事と教育委員が教育政策について協議・調整する会議であり、召集は知事が行う。首長が教育に介入できるよう、文科省が2014年に教育委員会制度を改編し、総合教育会議を開催するに至ったのだ。今年度3回目の総合教育会議だった。

 今日の議題は、「次期『東京都教育施策大綱』骨子案について」。                  

骨子案の柱は、「誰一人取り残さず、すべての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育を目指して」。

子どもたちが担うことになる「未来の東京」の姿はア)多文化共生社会の進展とイ)先端技術の社会実装の進行。それに加え、コロナからの復興でサステナブル・リカバリー(持続可能な回復)の視点が重要といい、「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」「Society5.0時代の人材育成プロジェクト」「GLOBAL Studentプロジェクト」を進める。その実現のため、「東京型教育モデル」で実践する特に重要な事項は次の6点だという。1)一人ひとりの個性や能力に合った最適な学の実現 2)Society5.0時代を切り拓くイノベーション人材の育成 3)世界に羽ばたくグローバル人材の育成 4)教育のインクルージョンの推進 5)子供たちの心身の健やかな成長に向けたきめ細かいサポートの充実 6)子供たちの学びを支える教師力・学校力の強化骨子案に対して各教育委員が自身の見解を述べた。

「『都教育施策大綱』骨子案」も教育委員の発言も多くは、子どもや教員の現実を観ていない机上の空論で、とにもかくにもICT教育・ICT活用の早期実現を目指しているということのよう。ICTにかけるお金は教員の大幅定員増に回し、子どもたちが教員に話を聞いてもらえる時間を生み出すことこそ、必要と思う。

 今回初めて大事な発言をした教育委員がいた。4)教育のインクルージョンの推進についての発言だった。この教育委員は特別支援教育の充実についてこれまで度々発言してきたが、インクルージョンの視点からの発言は今回が初めてだった。氏は、「特別支援教育は充実してきたが、一方で、地域から社会参画から外される危険をはらむ。誰一人残さず社会参画できるように、特別支援学校に入学した後、地域の一般の学校へ転入学できるようにすべき」(要旨)と。氏は、国際的認識の上に立ったインクルーシブ教育の考えを持っていたのだった。

 ならば、特別支援学校の増設、すなわち、手のかかる子ども、学習に遅れの出る子どもを特別支援学校に送る分離教育が特別支援教育の充実と誤認識する都教委に対して発言し、教育委員の間で論議を起こし深めてほしい。それこそが、有識者である教育委員のあるべき働き方と思う。長いこと、定例会や総合教育会議を傍聴してきて、初めて貴重な発言に接することができた。

11/26 都教委定例会 根津公子の都教委傍聴記

11月26日に行われた都教委定例会を傍聴した根津さんの報告です。

■オリ・パラ教育、観戦とボランティアへの動員に反対の声を

公開議題は、議案が「『東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質の向上に関する指標』の改訂について」、報告が「都民の声(教育・文化)について 今年度上半期」、「来年度教育庁所管事業予算見積について」。

後述するが、都教委はオリンピック観戦もボランティア体験も子どもたちにさせる、と張り切る。非公開議題・報告にはいつもながら、教員の懲戒処分案件があった。

■「『東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質の向上に関する指標』の改訂について」

 「教員の体系的かつ継続的な研修を充実させていくための環境整備が急務」だとして、2016年に文科省が教育公務員特例法に「資質の向上に関する指標の策定」を加えた。それを受けて、都教委は17年に策定。今回の改定は、これまで「教諭」とひと繰りにしてきた職種から、養護教諭版、栄養教諭版を分離独立させ、また、栄養教諭にも校長登用の道を拓いたこと。

 「指標」は養護教諭(採用1~3年)で言えば、「学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童・生徒理解に基づき、学級担任と連携し、養護教諭の専門性を生かした保健教育ができる。」「学校保健計画の策定など、組織の一員として校務に積極的に参画できる」など10前後の指標をあげる。

 自己申告・面接の際にはこの指標に沿って教員は自己申告をし(年度初めには目標・抱負を、中間、年度末には自己評価を)、校長は助言・評価をするということのよう。

 こんなことを学校側に課して、学校が子どもたちにとって安心して学び生活できる場になったか。その考察なくして改訂版を出しても、教員管理を強めるだけ。管理を強めれば教員はさらに疲弊し、それが子どもたちに影響する。いじめや不登校の要因は社会や家庭にもあるだろうが、学校の管理体制・それによる、教員の子どもとの人格的接触の減少に主因があるのははっきりしている。

■「都民の声‘(教育・文化)について 今年度上半期」

 今年上半期の声は例年の2倍以上の8800余件。新型コロナウイルス感染防止に関するものが最多。請願は14件。うち、教科書採択(育鵬社の歴史・公民、自由社の公民、日本教科書の道徳教科書は採択しないで等)が4件、都立高校定時制課程の存続が1件

 陳情では「特別支援学校の医療的ケア児専用車両について、希望するすべての生徒が利用できるようになるまでは、タクシー・介護タクシーを就学奨励費の対象として利用できるように」等、障がい者教育の充実に関してが最多。他に、オンライン教育の早期推進、教科書採択について(請願と同趣旨)、「日の丸・君が代」の強制と教員処分の撤回を求めたもの。

 例えば、「都立高校生が駅構内の飲食店に複数で来店して、マスクをせずに大声で話したり、通路を塞いだり…店員が注意しても改善されなかった」という苦情に対しては「当該校では、直ちに今回のご指摘の内容を校内放送で伝え、改めて…注意喚起を行うとともに、…当該生徒に対し…個別指導を行った」と報告する。しかし、都教委の方針に反する、教科書採択や都立高校定時制課程の存続についての「請願者への通知」は、新たに検討したとはおよそ思えない文面だ。形だけの、ガス抜き装置の「都民の声」でしかない。

■「来年度教育庁所管事業予算見積について」

 新規事業として、ICTを活用した教育の推進に155億、小学校教科担任制の推進(推進校において実施)に7200万、理数教育の充実(理数教育の重点校の指定)に1600万円ほか。文科省方針に沿ったものばかり。

 他に、オリンピック・パラリンピック教育の推進に53億。コロナ感染が収まる見通しのない中、オリンピックは開催できない・すべきではないと多くの人が思っている。なのに、都教委は年35時間のオリ・パラ教育を続けるだけでなく、「オリンピック・パラリンピック教育の集大成として、子供たちが東京2020大会で競技を直接観戦し、その感動を掛け替えのないレガシーとして築いていくため、公立学校の子供たちの大会観戦チケットを確保する…」「都内公立中高生のボランティア意識を高め、ボランティア文化の定着・裾野拡大を図るため、東京2020大会における中高生のボランティア体験の機会を確保」と平然と謳う。どういう神経か! 感染の危険と隣り合わせの中、観戦もボランティアも子どもたちにさせるというのだ。命よりもオリンピックの成功が都教委(都)には大事ということだ。

 この方針に対し、教育委員の誰一人からも感染を心配する発言はなかった。感染の心配なし、と思ってはいないだろうに、発言しない。そのことも恐ろしい。かん口令が敷かれている? 戦時下のようだ。私はそう思う一方で、私の理解が間違っているのかと不安に駆られ、何度も資料を読み返した。私自身が戦時下に置かれたような錯覚をした。

 コロナ禍の中の今年の卒業式は、呼名もお祝いの言葉も省略し大幅に時間を短縮した。しかし、都教委は「君が代」起立斉唱については実施を指示し、結果、全都立校がそれに応じた。命よりも「君が代」=国家優先の卒業式を行ったのだ。アベの一斉休校下であり、感染を心配した人は多かっただろうに。「君が代」、オリンピックは都教委の方針。その方針達成のためには、命は軽視するということだ。

 オリ・パラ教育、観戦とボランティアへの動員に反対の声をあげていかねば。

2020年11月29日日曜日

日本学術会議に励ましのFAXを!

 包囲ネットの青木です。

学術会議問題が重大な岐路にさしかかっています。野田隆三郎先生のメールを転送します。

岡山大学元教員の野田隆三郎です。(重複ご免。拡散歓迎)

11月17日、井上信治科学技術担当相は国会でデュアル・ユース(軍民両用)について(再)検討するよう学術会議に伝えたと述べました。学術会議は年末 までに検討結果を報告するよう求められています。

学術会議がどのような報告をするかは、科学研究の将来、ひいては日本の将来を決する 大問題です。ぜひ学術会議(梶田隆章会長)に軍事研究解禁をしないよう求める市民の声をFAXで届けてくださいますようお願いします。

FAX番号03-3403-1260

ご参考までに、文例を書きます。あくまで参考ですので、自分の思いを送ってください。

1 軍民両用に名を借りた軍事研究解禁に反対します。政府が学術会議に軍民両用の検討を求めること自体が、学問の自由の侵害です。学術会議は憲法の保障する学問の自由に依拠して毅然として政府の圧力に立ち向かってください。国民はそのことを学術会議に期待しています。学術会議は国民の期待を裏切らないでください。

2 軍民両用に名を借りた軍事研究解禁に反対します。軍事研究解禁は、50年声明、67年声明で示された先人たちの痛切な反省と決意を無にするものです。

3 軍事研究解禁派はいまの日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを理由にあげますが、1930年代末の日本をとりまく安全保障環境は欧米との対立で、今と比べようのないほどきびしかったのです。そういう中で、科学者は否応なく戦争に動員され、その反省のもとに学術会議50年声明、67年声明が生まれたことを忘れてはなりません。学術会議は同じ過ちをくりかえさないでください。

4 軍民両用に名を借りた軍事研究解禁に反対します。自衛のための軍事研究もだめです。すべての戦争が自衛の名のもとにはじまることはいまや世界の常識です。

5 軍民両用に名を借りた軍事研究解禁に反対します。私は日本学術会議が憲法前文に示された「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようする」との決意を新たにされ、軍事研究解禁に踏み切らないよう訴えます。

都教委包囲ネットの声明

 都教委包囲ネットが以下のような声明を発しました

学術会議会員任命拒否に断固抗議し、国家権力による学問と教育の支配を許さない声明

 菅政権の危険な本性が日増しにあからさまになりつつある。学術会議会員任命拒否は、権力の行使を究極の目的とするこの政権の本質を白日のもとにさらけ出した

 この暴挙に断固抗議し、撤回を求める。

 学問や教育、およそすべての文化活動はそれ自身の価値に基づいて行われるべきものであり、政治権力なかんづく国家権力からは独立していなければならない。これが自由で民主主義的な社会で自明な根本原則である。行政が行うべきは、活動に対する条件整備であって、内容にあれこれと干渉し支配することではない。  しかし安倍・菅政権は、この根本原則を破壊し、教育など様々な文化活動を、自分たちの野望実現のための手足とすることに、この8年間邁進してきた。国家主義的・復古主義的外観が看板であった安倍政権から譲り受けた菅政権は、加えて「力で脅す」という権力の行使を、躊躇せず、より一層の「スピード感」をもって実行しつつある。

 6人の学術会議会員の任命拒否の「理由」も説明できず、苦し紛れの「言い訳」も至るところで破綻しているにもかかわらず、学術を権力で支配しようという野望と強い意志だけは一貫している。

 「内閣人事局」によって官僚を人事面で縛りあげ、中教審など既存の審議機関を、内閣直属の「実行会議」の下部に置くことによって骨抜きにし、教育に対する支配を完成させた。また、NHKを報道機関から政府の広報機関に変え、民間放送局の放送内容や中枢スタッフに介入した。そして、それらの仕上げとしての憲法改悪策動である。そういう安倍の権力政治の中枢にはこの人物、菅義偉(よしひで)がいた。

 安倍・菅政権は日本銀行や内閣法制局などのような独立性の高い機関を人事面から支配し、政権の野望の手足とした。そして、現在は司法にまで及んでいる。

 そして、最後の「聖域」が彼らの及ぶことのできなかった「学術」であったのである。学術会議会員任命拒否は、このような安倍・菅政権の一連の野望の到達点である。しかし、と同時に次なる策動の出発点でもあるということを見なければならない。

 ひとつは、来年の通常国会で争点となることが間違いない「デジタル庁」である。利便性という言葉に惑わされてはならない。これが、マイナンバーを使った国民総管理を目的としていることは明らかである。まだ構想の全容は明らかになっていないが、国家権力によるインターネット社会の統制や国内外の軍事的対応とも密接に関連してくると見なければならない。学術会議の骨抜き、改編はそういう中で行われようとしているのである。技術面でも、イデオロギー面でも、この国の《学術》全体が大きな転換点に直面させられているのである。

  そして、もうひとつが、憲法15条の解釈改憲による「全権委任」の策動である。国民主権の原則に基づく、公務員の選定罷免の国民の権利を定めたこの条文を逆用して、“国民から付託された”首相に特別職を含めた全公務員の任命・監督権があるという驚くべき「解釈」をしているのである。この考えは、かのナチ・ドイツのもとで猛威を振るった「全権委任法」すなわち「授権法」と同根のものである。

  「憲法15条を根拠に」、というのは国会で「任命拒否」の理由を追及された菅が、苦し紛れの思いつきで言い出したのではない。2018年にすでに政府部内で確認され、内閣法制局の公式見解となっているのである。このような「見解」を追認した内閣法制局を断固糾弾する。

 学問や文化の自由という、これまで誰もが認めてきた自明のことが、安倍・菅政権なかんづくこの菅政権のもとで危機に瀕している。

 しかし、ここが正念場である。我々は、菅政権の暴挙に断固抗し、国家権力による学問と教育の支配を絶対に許さず、最後まで闘い抜くことを決意し、ここに声明する。

        2020年 11月24日  都教委包囲首都圏ネットワー


2020年11月27日金曜日

11/19 都教委抗議行動で出した抗議・要請文

 11月19日(木)の16時から、都教委に対して抗議・要請文を出しました。

東京にオリンピックはいらないネット

                             2020年11月19日

  東京都教育委員会 教育長 藤田裕司様

  東京オリンピック・パラリンピックの中止と生徒・児童を動員しないことを求める要望

 世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス。その影響は教育現場も直撃している。2020年2月27日15回新型コロナウイルス感染症対策本部で安倍前首相による「全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、来週3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請します」という、法的根拠不明かつ各教育現場の現状を踏まえない要請に対し、教育委員会を召集するいとまがないから教育長臨時代理として『新型コロナウイルス感染症に関する都立学校の臨時休業について』(31教学健1004号)を出し、都立中学5校、都立中等教育学校5校、都立高校186校、特別支援学校57校に対し臨時休校を実施、『新型コロナウイルス感染症対策本部の要請に基づく都立学校の対応について(通知)』(31教総総第2384号)や『都立特別支援学校の臨時休業に係る留意点について』(31教学第2412号)を出す事態になった。

 他方、東京オリンピック・パラリンピック行事は強行されてきた。新型コロナウイルスが日本国内で感染拡大する中、全国各地を廻る聖火リレーを強行するのかという批判をよそにギリシャから運ばれた聖火は3月20日に航空自衛隊松島基地に到着。石巻南浜津波復興祈念公園、3月21日仙台駅東口で展示。仙台では5時間半の間に約5万2000人が集まるなど、三密状態を自ら作り出し、新型コロナウイルス感染症対策を軽視する姿勢を如実に示した。

 東京オリンピック・パラリンピックが新型コロナウイルス感染症対策を軽視する姿勢はこれにとどまらない。「東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催における新型コロナウイルス感染症対策について総合的に検討、調整する」という名目で内閣官房副長官を議長、副議長として東京都副知事が参加している東京オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会誌では2020年11月12日の資料として「外国人観客については、2週間隔離・公共交通機関不使用を条件とすることは、観戦を事実上困難とするものである」と記載し、新型コロナウイルス感染症対策よりオリンピック・パラリンピックの観客の都合を優先する本末転倒な姿勢を明確にしている。

 オリンピック・パラリンピック開催と新型コロナウイルス感染症拡大予防対策は両立できるわけがなく、オリンピック・パラリンピックは一刻も早く中止すべきである。そこで要望をする。

要望1 新型コロナウイルスにより大きな影響を受けた学校現場の立場にたって東京オリンピック・パラリンピックは中止せよとの声をあげること。

要望2 11月10日~11月30日にオリンピック、12月1日~12月21日にパラリンピック観戦チケットの払い戻しが行われる。払い戻し期間が終了しておらずどの程度払い戻しがあるか定かではなくリセールにどの程度応募があるが不明だが、当初予定と同数の応募があるとは思われない。その場合の席を埋め合わせるための生徒・児童の応援動員の要請を拒否すること。

要望3 東京オリンピックでは8万人の大会ボランティア、3万人の都市ボランティアが参加する。オリンピックボランティアの募集期間は終了しているものの、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大等で辞退者が出ることが想定される。その場合の穴埋めとして生徒・児童のボランティアの応募用紙等を各教育現場で配布したり説明会の告知をしないこと。

                   東京にオリンピックはいらないネット


2020年11月26日木曜日

11/19都教委抗議行動で提出した抗議・要請文

■11月19日(木)の16時から、都教委に対して抗議・要請文を出しました。

①包囲ネットが出した文

                                                2020年11月19日

東京都教育委員会 藤田裕司教育長 様            

      都教委に対する抗議・要請・質問書

                    都教委包囲・首都圏ネットワーク

                                                       連絡先090-5415-9194(見城)

   この間コロナ下で様々なことが起きています。安倍前政権は2月末に「全国一斉休校」を、超法規的に突然打ち出しました。東京都教委員会は、何らの抗議もせずにそれに従い、学校現場は大変混乱しました。3月の都立高校等の卒業式で、「三密を避ける」「大声で歌わない」などと言われている中、都教委は体育館での式と「君が代」斉唱を強制しました。生徒たちの健康・命よりも「君が代」斉唱を優先したのです。考えられないことです。

 また、この間ILO・ユネスコの「セアート」が「君が代」不起立は市民的権利の範囲内であるという勧告を出しているにも関わらず、「10・23通達」に固執し、今もって処分を繰り返し、再処分や再任用拒否まで行っています。主権在民の国で、天皇主権の「君が代」を強制し、処分までするということは明確な憲法違反行為です。

 さらに、都教委は、自民党と政府による中曽根元首相合同葬儀への弔意要請の通知を発出しました。彼は行革・民営化で多くの人々の仕事を奪い生活を破壊しました。また特定の政党と政府の合同葬儀そのものが政治的中立性を著しく欠くものです。

 ところで、コロナ下で多くの生徒・教職員・保護者らは大変な毎日を送っています。それでも政府は、この時とばかりにIT企業や教育産業と一緒になり、莫大な予算を投下して、ICT・ギガスクール構想を推し進めようとしています。また、コロナ下でも東京五輪を強行しようとしています。これらは大企業・エリート優遇、弱者切り捨てに他なりません。

 この間、学校前の公道でのビラまきに対し、都教委の指導により管理職が不当な妨害(「ビラまきをするな」とか、警察を呼ぶとか、「生徒に渡すな」とか、生徒のビラを取り上げるとか、ゴミ箱を置くとか)を行ってきました。最近では、ビラまき高校生を管理職が逮捕することまで起きています(高校生は釈放・不起訴)。合法的なビラまきに対する妨害は違法行為に他ならず、生徒の知る権利を妨害するものです。

以上を踏まえ、私たちは以下のように、<抗議><要請><質問>をします。


<抗議>

1、生徒の健康・命より「君が代」斉唱を重視した都教委に強く抗議する。

2、中曽根元首相合同葬儀への弔意要請の通知発出に強く抗議する。

<要請>

1、「10・23通達」の廃止。それに関する諸処分・再任用拒否・任用打ち切りの撤回。

2、ICT・ギガスクール構想やスマートスクールを撤回し、学校数・教員定数を増やし、30

  人学級を早急に実施すること。

3、コロナ下でその重要性が見直された学校給食は無償化とすること。

4、返還無し奨学金を設けること、都立大の授業料は無償化とすること。

5、東京五輪は即刻中止すること。

6、学校前でのビラまきに対する違法な妨害をやめるよう指導すること。    

<質問>

1、公道上のビラまきは表現の自由として認められています。都教委はこのことに関して学校現場にどのよう

  な指導を行っていますか。                                           以上


②目黒九中事件を国連に通報する会の文

 「目黒九中事件」についての質問と要請

                                                          2020年11月19日

                                                  目黒九中事件を国連に通報する会

                                              代表 永井栄俊(立正大学非常勤講師)

1.高校生の「意見表明権」「表現の自由」は、わが国ではもちろん(憲法21条「表現の自由」)、国際的にも保障されている普遍的権利である(子どもの権利条約12条「意見表明権」、自由権規約19条「表現の自由」)。この権利は東京都でも高校生に学校の内外で保障されるべきと考えるが、見解を示されたい。

2.目黒九中事件において、高校生が学校の授業計画を批判した内容のチラシを配ろうとしたところ、目黒九中の高橋秀一副校長が介入して止めさせようとした行為の法的根拠、正当な目的、緊急の必要性は何か。

3.高校生を、教育的な指導も行わず、いきなり警察に引き渡したやり方は、教育者として適切な行為だったとは言い難い。このような非教育的な人権蹂躙行為が繰り返されることがあってはならないと考えるなら、当該管理職に対して人権研修を課すのが任命権者の責任ではないか。

[参考資料]

  【日本国憲法第21条(表現の自由)】

    集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

   2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

  【子どもの権利条約第12条(意見を表す権利)】

   1 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。

     2 このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。

  【自由権規約第19条(表現の自由)】

     1 すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。

     2 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。

     3 2の権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって、この権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。

          (a)他の者の権利又は信用の尊重

          (b)国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護

[目黒九中事件とは]

 2020年7月8日朝、目黒九中の敷地から200mほど離れた公道上で、都立高校生Iさんが、コロナ禍でプール授業を強行しようとした都立高の授業計画を批判する自作のチラシを配り始めた。このチラシ配布行為に対して、目黒九中の高橋秀一副校長をはじめとする教員3人が止めさせようと執拗に介入した。

 憲法に保障された「表現の自由」に対する不当な介入の証拠を残そうとIさんが、その様子をスマホで撮影を始めると、高橋秀一副校長は撮影を止めさせようとスマホに手を伸ばし、Iさんが抵抗すると逆に「いててて」などと自作自演で被害を装い警察に通報した(この時のスマホ映像はネット上に公開されている)。

 高橋秀一副校長は私人逮捕してIさんを警察に引き渡し、Iさんはそれから21日間身柄を拘束され、その間学校に通うことも出来なくなった。その後Iさんは釈放され不起訴となったが、無実の罪で人権を侵害され不利益を被ったことに対する高橋秀一副校長個人ないし目黒九中側からの謝罪は為されていない。

   <連絡先> 事務局長 花輪紅一郎(NGO国際人権活動日本委員会会員)

          

2020年11月23日月曜日

11/19 「11・19都教委抗議・要請行動」

11月19日(木)都教委抗議・要請行動が行われ26人が参加しました。

★15時から、都庁第一庁舎前で、二つの横断幕を掲げて集会を行いました。












一つは<東京五輪の中止!30人学級の実現!>

もう一つは<Stop  forced  attendance  of  Children>

というものでした。

はじめに抗議・要請にかかわるシュプレヒコールをあげました。

 日の丸君が代強制反対

 君が代処分を撤回しろ

 10.23通達を撤回しろ

 スマートスクール構想反対

 デジタルより少人数学級を実現しろ

 教員定数を改善しろ

 PCR検査を拡充しろ

 オリンピックは中止しろ

 オリパラ教育を中止しろ

 ビラまき妨害を止めろ

 罰則付きコロナ都条例反対

 都民ファーストは提案をやめろ

 都議会は傍聴を再開しろ

その後、要請団体から各々の要請内容についての発言がありましたが、今回は特別に、

都教委包囲首都圏ネットのAさんから、<学術会議会員任命拒否に断固抗議し、学問と教育の自由を守るアピール>

が読み上げられました。

★16時から、第二庁舎の会議室で要請行動を行いました。










参加した団体は以下の通りです。

 ①河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

 ②目黒9中事件を国連に通報する会

 ③東京にオリンピックはいらない会

 ④都教委包囲首都圏ネットワーク

出てきたのは、都教委の「広報統計課」(旧教育情報課)の係り2人で、須田課長は急遽小池都知事の記者会見が入ったとかで、終わる頃にやってきました。

また、今回はコロナ感染防止ということで出席人数は10人、時間は30分と制限されました。

要請に対する反応はいつもと同様、「所管にしっかりと伝えます」と言うだけでした。

2020年11月22日日曜日

報告 包囲ネットのブログへのアクセス数が100万を越える

 報告 都教委包囲・首都圏ネットのブログアクセス数が100万を越えました。

みなさん、アクセスありがとうございます。

ブログをたちあげたときより、状況は厳しくなっていますが、私たちはみなさんととともに闘いづけます。

今後とも、アクセスと拡散をお願いします。

★都教委包囲・首都圏ネットのブログ・kenkenブログは2007年2月に立ち上げ、2009年3月の段階で、アクセス数が2万5千に達しました。多くの人たちが都教委の10・23通達とそれに抵抗する「君が代」不起立・不伴奏の闘いに注目しているかがわかる数字だと思います。

2006年のレイバーネットより  http://www.labornetjp.org/news/2006/0830/

8月30日、「日の丸君が代」強制で教員の大量処分を続ける都教育委員会(都教委)に対して、怒りの「包囲デモ」が行われた。参加者は被解雇者・被処分者・労組・市民など約400人。午後4時半、都庁前は人波で埋まり「都教委の暴走を許すな! 教育基本法改悪反対」のシュプレヒコールがこだました。デモは太鼓を鳴らしながら元気いっぱいに、新宿の繁華街をすすみ、夜には交流集会が開催された。この日の行動は、今秋正念場を迎える「教育基本法改悪反対運動」のスタートにもなった。



                           都庁前

今後も「日の丸・君が代」の強制に抵抗するたたかい、根津公子さんをはじめとする闘い不屈の闘い、都教委による教育の破壊、改悪教育基本法の実働化に対する闘いについて、ブログにアップしていきます。

★「今までのブログはトラブルの発生が多くなりましたので、ブログを移転することにしました。従来のkenkenブログは過去の記録としそのままにして、その続きを新たなブログとして立ち上げることにしました。今後ともよろしくお願い致します」

以上ような断り書きをしてブログを移転しました。

★都教委包囲ネットのブログはいつ始まったかということですが、ブログ元のサーバーがなくなっりして、定かでありませんが、教育基本法改悪反対の時は既にありましたから、ブログも2005年あたりには始まっていると思います。

2020年3月13日 コロナ緊急事態の法改正に国会前抗議行動

いずれにしろ、数字的に残っている分でも100万を超えたことです。

ともにあきらめずに闘い続けていきましょう!

今後ともよろしくお願いいたします。

2020年11月21日土曜日

政治権力による学術会議への介入・弾圧を許さない

井上信治・科学技術担当大臣は東京の多摩区の選出議員です。抗議の声を

11月17日、井上信治・科学技術担当大臣は参院・内閣委員会で「デュアル・ユース(軍民両用)について(再)検討するよう学術会議に伝えた」と述べました。学術会議は年末までに検討結果を報告するよう求められています。

 井上大臣は、前回10月29日に学術会議の視察を行い、さらに11月24日(火)13時~14時30分に、学術会議に出向いて「若手研究者8人」との懇談を行うそうです。これは学術会議への圧力・介入です。

★井上信治・科学技術担当大臣へ抗議の声を届けましょう。

井上大臣のやることは、「6人を任命するよう総理に働きかけよ」

「任命拒否問題を学術会議のあり方検討にすり替えるな」ということです。

井上議員は東京多摩地区の選出です。


<井上信治 国会事務所>

(TEL)03-3508-7328

(FAX)03-3508-3328

(メール) inoue.office@carrot.ocn.ne.jp

<地元事務所>

東京25区(青梅市・昭島市・福生市・あきる野市・羽村市・西多摩郡)

(TEL)0428-32-8182

(FAX)0428-32-8183


★学術会議(梶田隆章会長)には任命拒否と闘おうとFAXで激励しましょう。

(FAX)03-3403-1260

11/17 参院内閣委員会で井上信治・科学技術担当相 「日本学術会議」のあり方の見直し

包囲ネット・渡部さんの報告です。

11月17日の参院内閣委員会で、

井上信治・科学技術担当相は、「日本学術会議」のあり方の見直しについて、「軍民両用(デュアルユース)」の検討を学術会議に伝えたと述べた。

この間、学術会議への6名の任命拒否問題について、スガ首相はその理由を語ることを頑なに拒んできた。

しかし、任命された6名は、「戦争法」や「共謀罪」、「沖縄・辺野古基地建設」などに反対してきたことを考えれば、学術会議に「軍民両用」を認めさせることがその根底にあったと言わざるを得ない。

要するに、学術会議問題の本質は、この間一貫して「戦争する国」に邁進してきたアベ政権の「戦後レジームからの脱却」「戦前回帰」の継承であり、再び戦前同様に学術を戦争に利用しようとするためであったということだ。

そのためには、戦前科学者が戦争に協力したことを反省して、「戦争を目的とする科学の研究はこれを行わない」として創設(1950年)され、これまでその原則を堅持してきた

「日本学術会議」が邪魔になったのである。戦争に使える「御用学術会議」に変質させようとしていたのである。だから「戦争する国」になることに反対する6名の学者の任命を拒否したのである。これが今回の学区術会議問題の本質である。

井上・科学技術担当相の発言はそのことを自白したものであり、まさに「衣の下から鎧が見える」である。

スガ政権はアベを継承し憲法も「戦争できる」憲法に変えようとしている。しかし憲法前文には次のように明記されている。

「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」

私たちは長年「日の丸・君が代」の強制に一貫して反対し、「愛国心」を盛り込んだ教育基本法の改悪にも反対してきた。そのスローガンは「教え子を再び戦場に送るな!」だった。しかし、「国旗・国歌法」が作られ(1999年)、教基法が改悪され(2006年)、その後には、「特定秘密保護法」(2013年)「集団的自衛権の行使容認」(2014年)「戦争法」(2015年)「共謀罪(現代版治安維持法)」(2017年)などにより、「教え子を再び戦場に送る」ような国に変えられてきた。最近では「敵基地攻撃能力の保有」(憲法違反!)まで言われるようになった。

そして、その延長線上に今回の学術会議問題が起きた。スガ政権により、「戦争する国」に反対の立場の学者らが拒否され、学術会議に「軍民両用」の研究を要求するところまできたのである。残るのは「9条改憲」であり、そうなれば、日本はいつでも公然と戦争に突入できる国になる。

しかしこれは、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ること」に繋がるであろう。

ナチスはベルリン五輪(1936年)の3年後、ポーランドに侵入し世界戦争に突入した。

このまま行けば東京五輪も同じような道を歩まないとは限らない。

私たちは学術会議の任命拒否問題に対し、強く反対しなければならないだろう。

同時に、こうした動きの中で(しかもコロナ禍でも開かれようとしている)東京五輪にも強く反対しなければならないだろう。

11/12  都教委定例会 根津公子の都教委傍聴記

11月12日に行われた都教委定例会を傍聴した根津さんの報告です。

いじめ・体罰の根絶は都教委が学校・教員支配をやめることから

 今日の公開議題は議案が

「第4期東京都教育委員会いじめ問題対策委員会への諮問について」

報告が

「令和元年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」

これらは大津のいじめ自殺等を受けて文科省の主導で全国の教委が2013、14年から始めたこと。

 いじめ防止については今年7月に2年間の取組の成果として「見逃しがちな軽微ないじめの積極的な認知や、学校いじめ対策委員会を核とした組織的対応等を推進することを通して、早期にいじめを解消に導いてきた」、しかし、「学校と保護者等との受け止めに乖離がないか…等の取組の改善は必要」との答申を得たという。その実績のうえに、今回は、第4期都教委いじめ問題対策委員会に対して、都内公立学校におけるいじめ防止に係る取組の推進状況の検証、評価及びいじめ防止等の対策を一層推進するための方策について諮問するとのこと。

 この提案を聴きながら頭をよぎったことは、2015年にいじめを苦に電車で自死した小山台高校の生徒Aさんと2018年に同じく自死した八王子市立中の永石陽菜さんの、それぞれの保護者に対する学校及び都教委・八王子市教委の対応の酷さだ。Aさんの件では都教委は「いじめがあったと判断することは極めて困難」と、永石さんの件では市教委は「いじめは不登校の原因」と認定する一方で「いじめがあってから自殺まで相当な期間が経過している」として直接の因果関係を認めなかったと(永石さんについては2020.8.13東京新聞)。Aさんのご遺族が開示請求し開示された文書は「のり弁」状態が多く、また、「不存在」としてきた文書が存在していたことが裁判の中で今年2月に発覚したという。教育委員は、こうした都教委や地教委の実態を見ているのだろうか。教育委員会の対応も問題とされた2人の件について、教育委員の誰一人意見を述べることなく今回の議案を承認するとは、木で鼻を括るものだ。生徒ひとりの命よりも教育委員会の権威が上、という思考がそこにはあるのではないか。

 体罰の実態報告について。各学校から上がってきた体罰について、ガイドラインに示された「体罰」「不適切な行為」「指導の範囲内」に分類して報告された。「体罰」に該当するのは「懲戒(処分を受け)…、児童・生徒の身体に肉体的苦痛を与える行為」であり、「指導の範囲内」は「やむを得ず行われた…ごく軽微な有形力の行使」だという。暴力は受けた側の感じ方で決めるべきこと、教員の「やむを得ず」を過大視することがあってはならない。

 今回の調査では「体罰」と認定された教員が19人、「不適切な行為」が201人、「指導の範囲内」が155人。過去3年間の推移はほぼ変わらない。調査を始めた2012年度と比べると、「体罰」は9分の1に減少したが、悪質・危険な行為の事案は依然としてあると。教員に対して研修を重ねるなどの取組をしてきても、根絶に至らないのはなぜか。それを論議してほしい。

 教育委員の一人は、「熱心な先生ほど体罰をしてしまい、懲戒処分にされる。胸が痛む。生徒が挑発する事案さえある。」(要旨)と発言。発言は、口では「体罰根絶」と言いながら、体罰容認の思考ではないかと私は思ったが、発言権がある教育委員からの反論はなかった。他の教育委員も同様に考えるのか。論議してほしいものだ。

 話はそれるが、この教育委員は熱心さから体罰をしてしまった教員に対して胸が痛むという。では、「君が代」不起立で処分案件とされる教員に対しては、どう思うのだろうとも思った。体罰で処分を受けた教員は、複数回体罰で処分されても、定年後の再任用への道は絶たれない。一方、私たち不起立教員は(定年退職前5年間に不起立処分を受けた場合)再任用されない。体罰根絶と言いながら、都教委は「君が代」不起立の方を問題行為と見ているということ。体罰に対しては、上記した教育委員の発言と同じく、寛容なのだ。

 いじめも体罰も同根で差別意識から。失業や低賃金で食べることさえこと欠く人々が存在し、「公助」すべき政治が「自助」を言い、また、いくつものヘイトが見える、差別・分断の日本社会。子どもたちは大人社会の差別やいじめを見ている。命・人権が大事にされる社会に向かわない限り、いじめも体罰も根絶に向かわない。学校について体験的に断言できることは、教員がもの言える職場にし、人権・平和教育を進めていくと、生徒たちもものを言っていいと理解し、自治活動のできる学校になっていく。そうなれば、生徒も教員も誰もが学校に居場所があり、いじめや体罰は起きない。その実践を保障するためには、都教委が学校・教員支配をやめること。教員に教育を任すことだ。

 都教委の事務方も教育委員も、いじめや体罰に本気で向き合っているとは、私には思えなかった。


2020年10月31日土曜日

中曽根康弘元首相の葬儀へ学校を動員することに抗議文

 中曽根康弘元首相の葬儀へ学校を動員することに抗議文

 文科省は、10月17日に行われた中曽根元首相の葬儀に、約1億円の税金を使い、かつ、弔意表明を知らせる通知を、国立大学や都道府県教育委員会などに送りました。

弔意表明とは、学校に弔旗を掲揚して葬儀中に黙禱することをさします。

 都道府県教委に対しては、弔意表明について「参考までにお知らせします」とし、さらに市区町村教委への参考周知を依頼したということでした。

 都教委は各学校への強制はしなかったようです。

 私たちはこうした行為は看過できないと考え、総理大臣、文科大臣、都教委に対して、抗議文を送りました。


                                                                            2020年10月17日

 内閣総理大臣 菅義偉様 

 文科大臣 萩生田光一様

東京都教育委員会 様


                                 抗議文                                  

 私達は10月17日に行われた中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬儀を巡り、文部科学省が「弔意」要請の通知を国立大学や都道府県教育委員会などに送ったことに関して強く抗議します。同時に、この通知に従う教育委員会に抗議します。

通知は日本国憲法で保障された「思想・信条の自由」・「表現の自由」の侵害以外の何者もでもありません。これは明らかに国家権力による教育現場への介入であり、政治的中立性違反です。こうした暴挙を許すわけにはいきません。

そもそも元首相中曽根康弘氏は国鉄分割をやった人物です。労働運動に敵対してきた人物であり、国鉄の赤字を労働組合や労働者のせいにして、分割民営化を強行しました。結果、多くの労働者が自殺に追い込まれました。

また元首相中曽根康弘氏は原発推進の先頭にたち、今に続く原発問題を作った人物です。労働者派遣法も中曽根政権下で成立した法律であり、格差社会の先鞭をつけた人物です。

さらに元首相中曽根康弘氏は、日本軍兵士のために海軍主計中尉のころ「慰安所を作ってやった」と自身の回顧録に臆面もなく書くような人物です。

 私達はこのような人物に「弔意」を表す通知に従うことは、国鉄分割民営化・原発・格差社会・そして「慰安婦」問題を肯定する教育を押し付けるような行為であると考えます。

 たちは、元首相中曽根康弘氏の「弔意」を教育現場に強制する通知を言語道断の所業として強く抗議し、これに従う教育委員会を弾劾します。


〇田中龍作ジャーナルより 

自衛隊員が居並ぶ葬儀





2020年10月30日金曜日

お知らせ 11/19に都教委への抗議・要請行動

要請都教委包囲・首都圏ネットワークでは、

去る9月6日の公開討論会「コロナ下の学校現場」での討論を踏まえ、以下の要領で都教委への抗議・要請行動を行うことになりました。

みなさん 集まってください。


<都教委への抗議要請行動>

日時:11月19日(木)15:00~ 都庁前での抗議行動

            16:00~ 都教委要請行動

抗議要請項目(とりあえず包囲ネット分)

 ・コロナ下の卒業式での「君が代」斉唱強制に抗議する!

  ・中曽根元首相合同葬儀への弔意要請の通知発出に抗議する!

 ・ITC・ギガスクールではなく30人学級を!

 ・給食の無償化を!

 ・返済無し奨学金の拡充を、都立大の授業料無償化を!

 ・東京五輪は即刻中止せよ!

 ・ビラまきに対する妨害はやめろ!

  (追加もありうる。質問項目もありうる)

2020年9月12日土曜日

8/27 都教委定例会 根津公子の都教委傍聴記)

8月27日に行われた都教委定例会の根津さんの傍聴報告です。

いじめで自死した現実に蓋をしてはならない

今日の定例会は、

公開議題は議案が「来年度使用の高校教科書の採択について」、

報告「いじめ問題対策委員会答申について」。

非公開議題は議案が「校長の任命について」と「教員の懲戒処分について」。

「教員の懲戒処分について」は報告にもあった。「戒告・減給を超える停職・免職」案件については、議案となる。


■「来年度使用の高校教科書の採択について」——教育委員は実教出版教科書に対して行ったことを忘れてはならない

高校教科書については毎年、学校側が選定し、その結果を都教委に報告する。都教委はそれを定例会に諮り、教育委員は承認する。今年も、そうであった。

それを傍聴しながら、私は、2013年から教育委員たちが、実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」を学校に選定させない圧力をかけてきたことを忘れるわけにはいかない。

2013年6月27日に非公開の委員会を開き、実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」は「都教委の考え方と異なる」記述があるから使用は適切ではない(=実質選定させない)という「 見解 」を出して高校に通知し、ものすごい圧力を加えて選定から外させたことだ。

「日の丸・君が代」について実教の教科書が、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」と記述したこと都教委には気に喰わなかったのだ。

2016年に「高校日本史A」が、17年に「高校日本史B」が「新訂版」を出し、この記述を削除し、「また教育現場に日の丸掲揚、君が代斉唱を義務づけることに対する反対運動もおきた。」と書き換えることで、「一件落着」した。

しかし、「見解」についての都教委の反省の弁は一切ない。このとき教育委員で今なお任期中の教育委員は半数の3名いる。また、その後教育委員(教育長)になった3名も、最近のことなのだから、当然そうした経緯は知っているはずだ。反省の弁がなされるまで、私はこのことにこだわり続ける。こうした委員会を非公開にしたこと自体が、問われなければならないし、私たちは看過してはならない。

■「いじめ問題対策委員会答申について」——いじめで自死した現実に蓋をしてはならない

いじめで自殺し、都・市教委の対応に遺された保護者が納得していないケースが現実に存在するのに、それには蓋をしていじめ対策を論議する教育委員たちって何?と毎回思う

2015年9月に小山台高校生がいじめにより自殺した件で、保護者が学校と都教委に開示請求したところ、開示された文書は3枚でどれもが「のり弁」状態。しかも、「いじめがあったと判断することはきわめて困難」といじめ問題対策委員会は報告した。

この報告に納得しなかった保護者は、再調査を求めるとともに、提訴時効を迎えることから、提訴。裁判の中で、今年2月、都が「不存在」としてきた調査資料が60枚あることが発覚したという。この生徒は入学直後からいじめを受け、いじめアンケートにその旨を記載し、スクールカウンセラーへの相談を希望するなどしていたのに、学校は一切対応しなかったのだ。

八王子市の中学生が家族旅行で部活動を休んだことを理由にいじめを受け、そのことで転校した後もいじめが続き、2017年に自殺した件では、いじめに気づいた保護者が学校に相談した際に、学校側の対応が極めて常軌を逸したものであったことは、当時のニュースでも報道されていた。

相談に行った保護者に学校は、「当校には悪い子は一切いません」。中学生が残した遺書には、部活動でのトラブルを乗り越えられなかった自分を責める言葉が並んでいたという。

生きたいはずの人生を絶たねばならなくなった子どもに対して、教育委員の誰一人もが思いを馳せることはなかったのだろう。思いを馳せていたならば、一言でも触れていたであろうから。したがって、答申を受けての議論はまさに机上の空論であった。いや、「答申」自体が、この2件に一言も触れない、机上の空論であった。

さて、「答申」は——。

「答申」の名称は、「東京都内公立学校におけるいじめ防止に係る取組の推進状況の検証、評価及びいじめ防止等の対策を一層推進するための方策について」。

全学校を対象に調査した結果、いじめの認知件数が上がった。いじめを把握した際に「学校いじめ対策委員会」に報告することがほぼ、全学校で定着した。しかし、認知件数が0件の学校があることは、自校のいじめの認知に係る取組を見直す必要がある、という。そのうえで、「まず、子供を信頼していることを示そう」などと「提言」する。

これを受けて教育委員が発言。

「答申はよくできているが、対処療法でしかない。『保護者・地域社会と手を取り合う』が解決の本質だ。コロナ差別で文科大臣が発言しなければならない現実。いじめを子どもが見ている。子どもから信頼される大人になれるか、だ」(遠藤委員)などともっともらしい発言がなされたが、上記した現実から目を背けた空虚な「答申」と発言に、怒りと無責任さを感じざるをえなかった。

※9月第2週は議題がないとのことで、次回定例会は第4週の24日

2020年9月11日金曜日

お知らせ 9/6公開討論会の報告

9月6日の公開討論会について
二つの報告がネットにのっていますので、お知らせします。

 ①ブログ 多面体Fに記事を掲載させていただきました。 
 コロナ禍の学校で教員と生徒に起きたこと 
https://blog.goo.ne.jp/polyhedron-f/e/d75af60101f22208f38b5777821e613d 

 ②ユープランの動画 
https://www.youtube.com/watch?v=lzQVEXxjouQ&t=5s 

 注)多面体のブログでも、ユープランさんの動画でも、タイトルが<コロナ禍>となっていますが、包囲ネットは<コロナ下>と表現しています。 

コロナ禍は一般的に使われていますが、包囲ネットでは若干討論して、コロナは禍とは言えない。禍はコロナなどに対処できない国や自治体の政策によってもたらされているのだという視点から、コロナ特措法反対の国会前闘争でも、<コロナ禍>という言葉は避けてきました。みなさんもご検討ください。

2020年9月9日水曜日

4/7 緊急事態宣言発令反対闘争のパンフ発刊

 都教委の包囲ネットは安倍政権の「新型コロナウイルス特措法」反対で国会前闘争を闘ってきました。

さらに、4月7日の「緊急事態宣言発令」反対・新宿駅東口アルタ前抗議闘争を闘いました。4/7参加者の発言をパンフレットにし、9/6公開討論会で配布しました。以上、報告まで


Ⅰ君緊急カンパへの御礼

  Ⅰ君緊急カンパへの御礼

 残暑お見舞い申し上げます

 コロナと猛暑の二重災禍の中、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。

 このたび私たちがお願いしました緊急の救援カンパに対してご援助いただきましてありがとうございます。ここに改めて御礼申し上げます。

 2020年7月8日早朝、目黒第9中学校近くの公道で現役の都立高校生のⅠ君が「常人(私人)逮捕」という不当な形式で現行犯逮挿されました。中学校の副校長による不当な現行犯逮捕という事態に対して「東京新聞」(2020.7.18)は、「表現の不自由次々に」の見出しで、取り上げ報道しました。

 Ⅰ君は7月28日に勾留から開放されましたが、21日間の長期勾留となりました。この間、弁護士は毎日Ⅰ君に接見して、励ましてきました。皆様のご支援のおかげで、Ⅰ君は元気に復帰していますが、この事件の与えた影響は大きなものがあります。

第一に、東京新聞が報じたように「表現の自由」の危機を象徴しています。

第二は、常人(私人)逮捕という形式で現行犯逮捕されるならば、その法的根拠が曖昧なままに弾圧が可能であるという新しい事態が現出していることです。

第三は、現役教員(副校長)が、たとえ他校生であるとはいえ、現役生徒を警察に売り渡すという教育のファッショ化です。警察と一体になった教育現場がここにあります。

 このように今回の事件は多くの問題を残しており、私たちの今後の課題となっています。

 「Ⅰ君救援会」は、救援という直接的な役割を終えており、解散となります。しかし、課題は残されており、今後の闘いとして引き継がれて行くことになります。

 つきましては、貴重なカンパをいただいた皆様に、会の解散をご報告と共に、会計報告させていただきます。なお、多くの課題が残されており、今後の闘いへと継承することとなります。

カンパについてのご報告  8/22締切 カンパ総額25万円

救援連絡センターへ支払い(弁護士費用も含む)     20万円

その他の諸費用                                    3976円

残金は今後の闘いに役立たせていただきます。

            2020.8.22        I君救援連絡会 代表 永井栄俊

 ※「ビラまき弾圧を考える会」を発足させました。

2020年9月8日火曜日

<9・6公開討論会「コロナ下の学校現場」>開催

 9月6日(日)午後、都教委包囲ネット主催の<9・6公開討論会「コロナ下の学校現場」>が、東京しごとセンターで開かれ、57名の参加がありました。(渡部さんのまとめ)






★主催者を代表して「問題提起」を行った伏見さんは、2月末の安倍首相の「一斉休校」要請以来のコロナ対策が、いかに学校や社会に混乱を引き起こしたかを述べ、コロナがあぶりだしたものとして、

①社会的インフラの重要性がわかった。それを新自由主義は削ってきたのだ。

②政治権力が独裁的であった。しかし、出てきたのはアベノマスクなど思い付きで、ドタバタ喜劇だった。

とまとめ、それをふまえ、現場の声をしっかり聞き受け止め、次の活動へつなげたい、と述べた。


★その後、以下の方々に報告してもらった。

  ①義務制(小学校)小田さん(東京教組)

  ②特別支援学校  田中(聡)さん(S特別支援学校)

  ③高校(3人)  田中(宏)さん(都立高校)

           岡田さん(都立高校)

           石井(聡)さん(千葉高教組)

  ④大学生      田中駿介さん(慶大4年)

いずれも、混乱した現場に様々なことが丸投げされ、子ども・教職員・保護者に大きな負担を強いていることが明らかになった。


たとえば、オンライン授業をやるにしても、家庭状況や子どもの理解状況が異なりうまくいかないこと、教員もその準備にかなり時間をとられ、授業以外にも毎日掃除や消毒に追われていること、などなどが出された。


★特別支援学校の田中(聡)さんは、

「学校生活全般について、事細かくガイドラインが定められています」

「6月に、・・感染拡大防止の取り組みが増やされました。全ての授業について、その授業を行った教員と児童生徒の配置がわかる指導案の略案を作って保存しろ、というものです」というようなことを報告した。


行事なども次々と中止になり、石井(聡)さん(千葉高教組)は、修学旅行先が、「台湾」→「沖縄」→来年6月に、と変更され、その度ごとに生徒たちは業者から2000円ずつ引かれている、というようなことも紹介した。


★田中駿介さん(慶大4年)は、大学が休校中、インターネットでの授業があるが、50ギガの容量がないと受信できず、困窮している学生たちが疎外されつつある実態を報告した。

これに関して、休校しているにも関わらず授業料をとっている大学への批判の声もあげられた。「年間100万円も払っているのに、大学構内に入ることもできない」とは何なんだと。


質疑・討論では、こうした問題について、様々な質問と意見が出された。


★その中で、八王子の市民49名が八王子教育委員会あてに「新型コロナウイルス感染防止に関する一斉休校に 関する請願」(2020年3月3日)を出し、意見陳述もやり、子どもたちへの給食や居場所をかちとった報告があった。


やはり、愚策のトップダウンや無策を繰り返す行政に対し、声を上げることが重要だということだろう。

「破防法・組対法反対共同行動」の方からは、コロナ特措法との闘いは続いている。10月11日には集会とデモをやる」との発言があった。


★「まとめ」に立った包囲ネットの見城さんは、「現状を見なければはじまらない。本日はよかった。大学生も来てくれた。でも参考になっただけではだめで、どうこれから現場と我々が手を繋いで闘いをやっていくかだ。しっかりと物を言い、要求し、実現するための活動が大事だ。」と述べた。


★都教委包囲ネットでは、今回の公開討論会を踏まえ、今後具体的な要求項目を立て、都教委要請を行いたいと考えている。


(追)

田中聡史さんは発言の後ろの方で、

自分の「君が代」処分に触れ、次のように述べた。

「最高裁は昨年3月に、2件の<減給処分>取り消しを決定したが、都教委は改めて<戒告>の再処分に向けて、執拗に「事情聴取」をしようとしており、それに対しては「代理人弁護士の立ち合いを認めてくださるのであれば、事情聴取を受けたいと考えています」

として、回答期限を8月17日にした要請をしたが、期限を過ぎた現在まだ回答がない。」

とのことです。


★チラシに逮捕された高校生の問題について、発言があるように載っていたので、そのことについて関心を持って参加された方もいた。

この問題については、高校生たちが独自活動をしていることと、支援者たちの運動とが必ずしも一致しているわけではないので、今回は発言が見送られたことが報告された。

2020年9月7日月曜日

10・25集会へのお誘い 「学校に自由と人権を!」

「学校に自由と人権を! 10・25集会」

2003・10・23通達が出されて16年たちました。毎年、10・23の日時に近いところで、被処分者の会は抗議集会を持って来ました。

今年は下記のとおり行います。

コロナ下  集会のやり方などに制限を余儀なくされています。みなさん、ご参集ください。また、ご賛同ください。





2020年9月4日金曜日

9・6  都教委包囲・首都圏ネットの公開討論会



9・6 公開討論会  コロナ下の学校現場

      是非お集りください。

 ★学校現場からの報告と討論

 ★コロナ緊急事態宣言発令反対の闘いの報告集配布 

2020年8月7日金曜日

7/24 大阪集会 高橋哲さんの講演レジュメ

  7/24 大阪集会 高橋哲さんの講演レジュメです。







7/24 大阪で交流集会開催 報告 (遅くなりました) 

7月24日 第10回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流会(主催:実行委員会)

『コロナ危機で明らかになった教育の大分岐――ICT・オンラインでええのん?

 今こそ子どもと向き合う学校を』

が開かれました。(主催:実行委員会)94名が参加しました。 渡部さんの報告です。

■黒田伊彦氏の開会挨拶

卒業式などでコロナ感染(人命)よりも「君が代斉唱」を重視する「愛国心」教育に対する闘いの重要性を述べるとともに、ITC教育の危険性について次のように述べました。

「コロナ危機の中で長期休校による緊急対応としてのオンライン学習が日常化され、企業の参入により学校の民営化ともいうべき状況がつくられようとしている。政府は全国の小中学生に一人一台の端末機の整備のため4600億円を計上している。経産省は景気浮揚のため通信情報産業を学校教育に参入させ、EdTechを導入しようとしている。

提供される学習情報による学習成果は、ビッグデータとして民間産業に保管され管理される。そしてA.I.によって個々人に最適な学習プログラムを提供するという「個別最適化学習」が構想されている。これは学校の民営化に他ならない。

これによって培われる価値観は、企業が商品として売り出すものであり、子どもらは消費者になるだけである。

(渡部コメント)ここには、現在行われつつあるICT教育の危険性が簡潔に述べられている。簡単に言うと、公教育が「民営化」により、金儲けのための全面的な市場になるだけでなく、子どもたちの情報支配と教育統制の手段になるという事である。


■埼玉大学・高橋哲准教授の講演

『新型コロナウィルス臨時休業措置をめぐる教育法的検討

~「不当な支配禁止」原則の意義と学校自治、地方自治の重要性~』

(渡部要約)

★ここではまず、安倍首相による「全国一斉臨時休校」要請は、<法的根拠>も<科学的根拠>もないものだったことを明確にされた。

そのために「学校保健安全法」では、権限は自治体の教育委員会にあること、「新型インフル特措法」では、都道府県知事が「要請」「指示」できること、しかし従わなくとも罰則はないこと、を示された。

★また、米国疾病予防管理センター(CDC)の三原則

(地域決定の原則、専門機関活用の原則、最小限の制約原則)に照らしても、「0点」の措置であったことも示された。(この3原則は日本の感染症対策にも採用されていた)


★一方、政治アピールを狙う各自治体首長の「悪ノリ」が起きてきたことも指摘された。

そして、首相「要請」がもたらしたものとして、

 ①現行教育法体系が備えていた「適切な対応」を「台無し」にした

 ②各地域における休業措置の政治利用があった(大阪府、北海道、奈良市・・)

 ③教育の「不当な支配禁止」の意義が鮮明になった

とし、③に関して、第二波への対応においても、保健所の科学的・専門的支援を前提に、

 教育の地方自治、学校自治を如何に発揮できるかが重要な鍵になる、と述べられた。


★その後、「教員の『働き方』改革の問題」で、新型コロナウイルス対応のもとで動き出し、各自治体の9月議会で導入、来年4月から実施される(?)予定の「一年単位変形制労働時間」について詳しく説明してくれた。


これは実質的には、サービス残業を認めるもので、その上限が

①1か月の合計時間が45時間 ⇒ 特別な事情がある場合は100時間未満

②1年間の合計時間が360時間 ⇒    〃     720時間未満

というものである。


問題点としては、

 ①労使協定締結義務の不在

 ②割増賃金支払い義務不在

 ③臨時的な特別な事情の上限超過への罰則不在……をあげ、

 ・教員の「タダ働き」を公認する法的機能を果たす?

 ・上限まで「働かせて良い」基準として機能する可能性

とし、「労基法32条の4」との関係でさらに詳しく説明してくれ、今後、①自治体レベルでの交渉 ②学校レベルでの交渉が重要であることを述べられた。


これらのことがなされなければ、「働き方改革」「一年単位変形労働時間制」により、教員は、引き続き無権利なまま長時間労働が強いられるということだろう。

2020年8月3日月曜日

9/6 都教委包囲ネットは公開討論会を開きます。
ご参加ください。



2020年7月28日火曜日

お知らせ! ビラまき高校生保釈されました。

速報です。 I君救援会(F)

7月28日(火)8時37分、I君が釈放されたと本人から電話がありました。取り急ぎご報告します。

7月8日に逮捕されたI君は、20日間の長期勾留のうえ、処分保留で釈放されました。
処分保留とは、起訴か不起訴を決めずに釈放することです。今回のような、明らかなでっち上げ逮捕は、起訴しても、公判を維持できず負けてしまいます。しかし、犯罪性が有るとして長期勾留したわけですから、簡単には不起訴にできない。
そこで、起訴か不起訴を明確に決めずに処分保留とするのです。また、保留とすることによって、まだ起訴する可能性があるぞと脅す効果もあります。
まさに検察の面子と脅しののための「処分保留」です。

そもそも、今回の逮捕は異例ずくめです。
ビラをまいていた高校生を妨害して、別の中学校の副校長が「公務執行妨害」で、「私人逮捕(警察ではなく民間人が逮捕すること)」私人逮捕の要件は、現行犯逮捕であるにもかかわらず、I君は身分を明らかにして逃亡もしなかった。まったく逮捕要件を満たしていない不当逮捕です。
逮捕した目黒9中副校長高橋は、予備校や塾のビラまきも同じように逮捕するのでしょうか?I君のまいていたビラが、生徒にも意見を表面する権利が有るというビラだから、妨害したのです。この副校長は、憲法の表現の自由も、こどもの権利条約の意見表明権にも違反する、ファシズム教員としか思えません。
上意下達の都教委の体制が、このような管理職、教員を生み出しているのでしょう

I君奪還、碑文谷署抗議行動に参加された皆さん、カンパやご支援くださった皆さん、心より御礼申し上げます。この間の状況や今後の闘いは改めてご報告させていただきます。
不当逮捕の責任がどこにあるのか、警察・検察への反撃等は、改めて行いたいと思います。さらなるご支援をお願いします。

2020年7月26日日曜日

7/22 東京新聞報道 「日の丸・君が代」問題 教職員らの政府交渉

7/22 「日の丸・君が代」問題で教職員らの政府交渉

7月21日、「『日の丸・君が代』ILO/ユネスコ勧告実施市民会議」はILOなどが『日の丸・君が代」の強制の教員への強制は不当だ」と勧告したにも関わらず、日本政府はそれを無視していることに対して文科省交渉をした。
その中心の渡辺厚子さんは、「今後も継続して文科省と都教委を追求していきたいと思っております。取り上げてくださった新聞記事を添付いたします。」とMLに発信された。





2020年7月23日木曜日

7/22 不当逮捕・拘留されているI君激励と碑文谷署抗議


高校生のI君が不当逮捕・勾留されていることに対し、22日、I君激励と碑文谷署への抗議行動が取り組まれました。










★16時に都立大学駅に集合したら、すでに公安が10人余り来ていました。
碑文谷署に着くと(公安もついてきた)、署の前には多数の警官が立ちはだかっていました。
一緒に来てくれた土田弁護士がI君の接見に入り、私たち(20人)は署前の歩道で、
「ビラまき高校生への弾圧を許さない! I君に対する不当な長期拘留をやめ、即時解放しろ。I君宅に対する不当な家宅捜索を糾弾する」というビラを(裏面は「東京新聞」の記事です)通行人に撒きながら、
 ・不当な逮捕に抗議する!
 ・不当な長期勾留をやめ即時釈放しろ!
 ・不当な家宅捜索を糾弾する!
などのシュプレヒコールを、I君に届くよう繰り返しました。

★その後、代表4人が署長に抗議に行こうとしたところ、「抗議は受け付けない。署の中には入れない」と言う。
それに対し、みんなで「都民を入れないのか」と強く抗議をすると、係りの警官が中と連絡を取った結果、「要請なら、代表2名で」と言うので、都教委包囲ネットの渡部と「救援連絡センター」の菊池の2人で入ることになりました。

★通された部屋は取調室のような狭いところで、警務課のT課長代理とI係長が出てきました。
私たちは、公道上で平穏にビラを配っていたI君を逮捕し、長期間勾留していることに対し強く非難しました。(I君は拘留理由開示裁判ののち、さらに10日間拘留になっています。)
私たちは次のようなことも付け加えました。
校長に対する「公務執行妨害」というが、しかもそのビラは目黒9中には関係のないビラであり、かつ交通の邪魔にもなっていなかったのに、副校長は「公務員」の立場でそれを妨害してきた。これこそ憲法違反ではないか。職権乱用ではないか。問われるのは副校長の方だろう。
しかも、普通ビラまきに警察がやってきても、何も問題が無ければ、すぐ帰っていく。それを7人もの警官がやってきて、逃げもしないI君を車に乗せて逮捕する。まさにでっち上げ事件だ。
今、高校では期末テストなどが行われている。I君はそれも受けることができない。あなたたちも子どもさんがいるだろうから、よくわかるだろう。どう思うか、と。
しかし、彼らは「取り調べ中なので・・」と言って、何も答えませんでした。

★「東京新聞に載った記事のことは知っていますか」と聞くと、これには二人ともうなずいていました。
最後に、「抗議声明」(添付のビラに掲載)を渡そうとすると、「受け取りません。置いてっても処分します」というので、「じゃ、置いていきます。そちらで処分してください」
と言って置いてきました。

その後、警察署前で抗議を続けていた仲間たちに報告をし、再度シュプレヒコールを上げ、17時ごろに解散しました。
I君の接見に入った土田弁護士はまだ接見中だったようです。

★レイバーネットに抗議行動がアップされています。
http://www.labornetjp.org/news/2020/0722shasin

2020年7月22日水曜日

7/22 東京新聞コラム 都教委批判


7月22日(水)の東京新聞コラム欄に、斎藤美奈子さん(文芸評論家)の「都教委無責任体制」が載った。前日の東京新聞の「コロナ禍でも『君が代』都教委が指示」の記事を受けて、都教委を批判した。
斎藤さんは公道でビラをまいていた高校生を「私人逮捕」させた目黒9中の高橋副校長をどう批判するだろうか。


2020年7月21日火曜日

公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕・拘留(その三)

《7/17、 I君勾留理由開示公判、法廷外で待機していた報告》

 7/17、I君勾留理由開示公判の傍聴支援行動に参加しました。(報告Y)

東京地裁429法廷(傍聴席を15に制限)での傍聴ができなかった法廷外待機組(25名
ぐらいか?)は、429法廷へ行く通路近くの廊下で、バリケードと東京地裁の臨時警備職員(40名ぐらい?)に阻まれながら、午後1時半から公判の終わる3時頃まで待機し続けた。

公判が始まり1時間ぐらいたったころ、429法廷の方から大きな声が響いてきた。
 まもなく1名の傍聴者が強引な法廷運営と暴力的な退廷に抗議の声をあげながら、複数の職員に暴力的に引きずり出されてきた。
 廊下は騒然となり、不当退廷や強引な引きずり出しに、待機組は当然にも抗議した。
しばらくしてからの退廷者の説明によると、弁護士による裁判長への勾留理由の40項目以上にわたる釈明(説明)要求に対して、裁判長は、ことごとく「答えられない」を連発したという。
 不当勾留かどうかを問いただす裁判なのに、逮捕時の状況やその理由・家宅捜査の合理性・勾留するに足る罪状があるのか等々、弁護士による当然の釈明要求に、裁判長は、ことごとく「答えられない」とごまかし続けたので、退廷者がつい「答えろ!」と叫んだところ、裁判長は、即座に《強制退廷》を命じたとのこと。
 暗黒裁判と言われても仕方がない状態だ!

廊下での待機組は、暴力的に傍聴者を排除した東京地裁の職員たちに、まずは、《1人退廷させたのなら、別人を1人入れさせろ》と要求した。
 新型コロナ対策と称し、傍聴席数を勝手に削減したため、入れない人がたくさんいるのだから、せめて空きができた席数だけは入れさせろと要求したが、正当な理由は示されずに拒否され続けた。
 また、この事件がどんな事件か説明し、職員たちが地裁内でバリケード封鎖に動員されている不当性を訴える話もされた。
 1高校生のビラまきを中学副校長や警察・検察が一体になって不当勾留し続けているこの事件は、他国で起きていたら、マスコミは独裁国家の不当弾圧事件として大きく報じることだろう。

 司法の反動化が激しいこの日本でも、この東京地裁でも、これほどの「ささやかな事件」で、勾留理由開示裁判になることはなかったのではないか。そういう意味で、この裁判は歴史的事件になっている。
こんな逮捕が許されるのなら、あなたの子どもや孫たちが、チラシ撒きのバイトをしていたら、いつ逮捕されてもおかしくない時代になってしまうのだよ。
学校の管理職や裁判官などにも、全部ではないけど強引な連中がいるよね。そんな連中の意見が当たり前のように通る組織ではだめだよね。おかしいことは、おかしいと止めなくちゃいけないときがあるんだよ。今がそのときなんだ。
だから、私たちは駆けつけてきたんだよ。
 などという訴えには、先ほどまで興奮してけんか腰だった職員のなかにも、真剣そうにじっと聞いていたも職員もいた。 

 1時間半ほどして公判が終わり、その後、弁護士会館のロビーで、待機組にも公判
の様子が報告された。

2020年7月20日月曜日

7/20 東京新聞報道「都教委指示 全校で『君が代』

■7月20日、東京新聞朝刊の1面に
「飛沫懸念 校歌もやめたのに… 都教委指示全校で『君が代』」が出ました。18面にも載りました。

「君が代」起立斉唱最優先の卒業式の異常さについてです。都教委となっていますが、この指示は都教委ばかりではなく、千葉県教委もそうだという報告があります。
















2020年7月19日日曜日

高校生が逮捕・拘留の記事の振込先の訂正

高校生が逮捕・拘留の報告記事(その一)の末尾の振込先ナンバーの訂正

(その一)に記した振込先のナンバーは間違っていましたので訂正します。
すみませんでした。

正)振込先 00110-5-449424
  <加入者名>「全国集会・交流集会」
  「I君カンパ」と書いてください。

公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕・拘留 (その三)

高校生が不当逮捕・拘留

■レイバーネット・松原明さんのフェイスブックから
  (7月18日)

●高校生にはビラをまく自由もないのか!〜7.17「勾留理由開示公判」ドキュメント

 「公道上でビラまきがいけないのか」「ビラまき、表現の自由はないのか」「子どもに意見表明権はないのか」。7月17日、東京地裁前で高校生グループ「日本自治委員会」のメンバーはマイクで強く訴えた。この日午後1時半より、学校外の公道でビラをまいていただけで逮捕・勾留されている現役高校生I君の「勾留理由開示公判」が開かれた。(I君は都内の単位制高校生・20歳)

 I君は、7月8日にブラック学校を批判するビラを東京・目黒区立9中付近で撒いていた。それを目黒9中の高橋副校長がとがめ、ビラまきを妨害した。妨害がひどかったためI君がそれをスマホで撮影したところ、副校長が怒鳴りながらI君にぶつかってきた。ところが副校長は逆にI君に殴打されたとして、その場で「私人逮捕」し、警察に引き渡したのだった。罪名は「公務執行妨害罪」。スマホがあたったとしているが、副校長には何一つケガはない。救援会メンバーは裁判所前集会で「こんな“私人逮捕”が乱発されたら大変なことになる。ビラまきひとつできなくなる。絶対に許してはならない」とアピールした。

 今週はじめにネットにこのニュースが流れると、「あまりにひどい話だ」ということで瞬く間に関心が広がっていった。そのせいか、この日の公判には15人の傍聴席に対して48人が集まった。メディア関係者も多かった。

 もともと事件は軽微で、管轄は強行犯係扱いだったのが、この日は公安扱いに「格上げ」されていた。指定された法廷は、軍事法廷なみの「429号警備法廷」。裁判所が「凶悪事件・過激派事件」用につくった法廷で、空港並みの金属探知機での身体・所持品検査、 さらに傍聴席に入る際に再度厳重な所持品検査と全身の身体検査が行われる。初めての傍聴者は「これが日本の国で起きていることか」と驚きを隠せなかった。    

 またいっぽう裁判所前には、10数人の公安警察が監視を続けていた(写真上)。声を上げる高校生を国家権力はなぜに恐れるのだろうか。応援に駆け付けた多くは「日の丸・君が代」の強制に反対してきた元高校の教員メンバーだったが、先生と生徒がタッグをくんで「教育の自由」「表現の自由」を求めることが目障りなのだろうか。それにしても、やりすぎとしか思えなかった。

 記者は傍聴抽選に当たらず、公判の間は同じ4階のフロアーで待機していたが、しばらくすると強制退廷者が出されてきた。事情はこうだった。公判は約1時間行われた。弁護団が勾留理由の説明を10数項目にわたって「求釈明」したが、裁判長は何を聞いても「答えられない」「答えられない」を繰り返した。勾留理由が開示されないのだ。一番前で傍聴していた若者が思わず「ふざけるな!」と声を上げると「退廷命令」が出た。するとあっというまに20〜30人の警備職員が現れ、若者は担ぎあげて外に連れ出されてしまったのだ。傍聴していたある年配者は「あんな回答だったら怒るのはあたりまえ」と語っていた。

 公判後、弁護士会館ロビーで簡単の報告会があった。弁護団がI君からとして「みんなの顔がみえてとてもうれしかった。ありがとう」と伝言すると、「よかった、よかった」の声と大きな拍手が起きた。

・レイバーネット記事 http://www.labornetjp.org/news/2020/0717shasin
・動画(11分) https://youtu.be/T3MualHdLA0

公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕 ・拘留 (その二)

高校生が不当逮捕・拘留

東京新聞報道

2020年7月18日土曜日

公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕・拘留(その一)

 公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕・拘留
(その一)
 不当逮捕を許さない! 支援しよう!

7/17日(金)勾留理由開示裁判が開かれた。
彼を支援する仲間たちがが出した『校民日報』(1号、2020年7月15日発行)を配った。

一、どうして不当逮捕されたのか






































二、Iさんは逮捕されたのちどうなったか。
逮捕されると通常、逮捕されたという被疑事実について、警察官が事情聴取し、次に検察官が事情聴取し、さらに、裁判官が事情聴取して、逮捕が「妥当」かどうか判断して拘留を決める。これを「2泊3日」と言って、今回のような場合は、これで釈放される。

ところがIさんは、さらに10日間の拘留となった。
<被疑事実>には次のように述べられている。
★被疑者は、令和2年7月8日午前8時頃、東京都目黒区洗足1丁目8番13号青木方路上において、目黒区立第九中学校の職員証を首から下げて同所を巡回していた同校副校長高橋秀一(当時55歳)らから、ビラを配ることについて注意を受けたため、所持していた携帯電話機のカメラで同校教員を撮影しようとし、その頃、同所において、被疑者が撮影するのを遮った前記高橋の右手を、携帯電話機で殴打する暴行を加え、もって同人の職務の執行を妨害したものである。

また、勾留の事由としては、下記の2、3に当たるという。
  1、被疑者が定まった住所を有しない。
  2、被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある。
  3、被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある。

こうした拘留に対して、逮捕され者が「裁判所が拘留を認めるのはおかしい、不当だ」と「拘留理由開示裁判」を請求することができ、7月17日(金)にその裁判が東京地裁で行われた。そこでの裁判官と弁護士のやり取り等が行われ、あろうことか、裁判官はIさんをさらに10日間延長して拘留するかどうか決めた。

三、拘留理由開示裁判
















緊急な連絡だったが、傍聴に48人が駆けつけた。
12時少し前から、裁判所裏門で、数人で、Iさんを乗せた碑文谷署のワゴン「護送車」を待ち受け、激励のシュプレヒコール。Iさんにその声が届く。 

12時過ぎから、裁判所正門前で「Iさん不当逮捕抗議集会」を開く。
















12時45分から傍聴抽選のための並びの開始。13時30分抽選。傍聴席はコロナ感染予防で15席しかなかった。429号法廷は「警備法廷」と言われるもので、429号室の前は40名程の警備の裁判種職員がおり、物々しく、持ち込めるものは筆記用具だけだった。抽選にはずれた者は法廷そばの廊下で待機。

公判の様子
公判では、最初に裁判官がIさんの氏名・生年月日・住所・職業について聞いたが、彼はすべてに「黙秘します」と答えた。
その後、裁判官は先に述べた「被疑事実」と勾留の「事由」を述べた。

それに対し、弁護士(3人)は、40項目以上のことについて釈明を求めた(「求釈明」)。
しかし、多くの項目について、裁判官は「答えられない」と述べたため、傍聴者の一人が
 思わず「答えろ!」と声を上げたところ、裁判官は「退廷」を命じた。
すると、警備の職員が一気に大量に法廷になだれ込み、彼を押さえつけ退廷させた。
(退廷させられた若者が廊下に待機している者たちと合流し、ともに抗議をする。)

 「求釈明」は、次のような構成からなっていた。
  第1、勾留状に記載された被疑事実について
  第2、被疑者に対する逮捕行為(逮捕前置主義について)
  第3、勾留の理由について
  第4、勾留の必要性について
ほとんどの所で、「答えられない」と述べたが、いくつか答えたところがあるので、以下に箇条書きにしたい。

「…青木方路上」とある場所は「第9中学校の構内か」については、「構内ではない」と答えた。
「公道上かそれとも私有地か」については、「公道上である」と答えた。
「公道上で巡回し、注意をする立場であったのか」には答えなかったが、「巡回しビラへの注意をしたことは適法である」と述べたので、弁護士は「本気か?」、「ビラには第9中学校のことは書いていないのに、また生徒に何もやっていないのに、なぜ注意できるのか。なぜ適法なのか理由を述べてもらいたい」と述べた。
しかし、これには答えなかった。
また、「携帯で殴打」についても、「そのとき副校長は職員証を下げていたのか」、「携帯を奪い取ろうとしたのではないか」、「携帯を触ったのではないか」、「どのような資料から殴打したと判断したのか」などについても明確な釈明はなかった。
「逮捕時」のことについても、「Iさんは逃げようとしたのか」(彼は逃げもせず、警察の車に乗せられ初めて逮捕されたことを知った:接見弁護士)、「告知をしたのか」についても釈明はなかった。
そこで弁護士(3人)は、それぞれ、
・「公務執行妨害というでっち上げ事件だ」、
・「言論の自由を妨害するものだ。7月14日に家宅捜索も行われたが、、押収されたの
  はそれ以前の、逮捕と無縁のビラ26点だけで、情報収集活動をしている。これは政治
  活動を鎮圧するものだ」、
・「裁判所は人身の自由を奪っている。証隠滅とか逃亡の疑いなどはない。勾留延期を
  棄却すべきである」と述べた。

 以上のように、今回の事件は、高校生の公道でのビラまきに対し、
 1. ビラに直接関係のない副校長が学校の構外まで出てきて執拗に妨害し、
 2. それを撮影しようとした携帯を取り上げようとし、
 3. 「殴打された」として警察を呼び、「公務執行妨害」で逮捕させ、
 4. 高校生を勾留までしているという、
きわめて不当で異常な言論や表現の自由への弾圧事件であることを明らかにした。

四)拘留延長がついた
にもかかわらず、閉廷後1時間程して、裁判所は「勾留期間の延長」(理由:証拠解析・精査の未了。検察官による被害者、目撃者の取り調べ未了、処分決定のための補充捜査未了)という文書を出してきた。
明らかにこのでっち上げ事件を利用して、ビラまきなどに対する弾圧を強化しようとしていると考えられる。
中学校の副校長が公道でビラまきをしている高校生を警察権力の前に差し出したということである。
私たちは支援し、闘わなければならない
  
「Iさん救援会」は、近く、彼が勾留されている碑文谷警察暑への抗議行動を行います。

 また、闘いが長引くことも考え、カンパ募集も始めました。
  <振替番号>00110-5-49424
  <加入者名>「全国集会・交流集会」で、「I君カンパ」と書いてください。

是非ご協力ください。

法廷内で写真等を撮ることは禁止されているので、映像・動画はありませんが、レイバーネットには、行動については出ていますから、見て、拡散してください。
              
 http://www.labornetjp.org/news/2020/0717shasin