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2020年7月18日土曜日

公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕・拘留(その一)

 公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕・拘留
(その一)
 不当逮捕を許さない! 支援しよう!

7/17日(金)勾留理由開示裁判が開かれた。
彼を支援する仲間たちがが出した『校民日報』(1号、2020年7月15日発行)を配った。

一、どうして不当逮捕されたのか






































二、Iさんは逮捕されたのちどうなったか。
逮捕されると通常、逮捕されたという被疑事実について、警察官が事情聴取し、次に検察官が事情聴取し、さらに、裁判官が事情聴取して、逮捕が「妥当」かどうか判断して拘留を決める。これを「2泊3日」と言って、今回のような場合は、これで釈放される。

ところがIさんは、さらに10日間の拘留となった。
<被疑事実>には次のように述べられている。
★被疑者は、令和2年7月8日午前8時頃、東京都目黒区洗足1丁目8番13号青木方路上において、目黒区立第九中学校の職員証を首から下げて同所を巡回していた同校副校長高橋秀一(当時55歳)らから、ビラを配ることについて注意を受けたため、所持していた携帯電話機のカメラで同校教員を撮影しようとし、その頃、同所において、被疑者が撮影するのを遮った前記高橋の右手を、携帯電話機で殴打する暴行を加え、もって同人の職務の執行を妨害したものである。

また、勾留の事由としては、下記の2、3に当たるという。
  1、被疑者が定まった住所を有しない。
  2、被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある。
  3、被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある。

こうした拘留に対して、逮捕され者が「裁判所が拘留を認めるのはおかしい、不当だ」と「拘留理由開示裁判」を請求することができ、7月17日(金)にその裁判が東京地裁で行われた。そこでの裁判官と弁護士のやり取り等が行われ、あろうことか、裁判官はIさんをさらに10日間延長して拘留するかどうか決めた。

三、拘留理由開示裁判
















緊急な連絡だったが、傍聴に48人が駆けつけた。
12時少し前から、裁判所裏門で、数人で、Iさんを乗せた碑文谷署のワゴン「護送車」を待ち受け、激励のシュプレヒコール。Iさんにその声が届く。 

12時過ぎから、裁判所正門前で「Iさん不当逮捕抗議集会」を開く。
















12時45分から傍聴抽選のための並びの開始。13時30分抽選。傍聴席はコロナ感染予防で15席しかなかった。429号法廷は「警備法廷」と言われるもので、429号室の前は40名程の警備の裁判種職員がおり、物々しく、持ち込めるものは筆記用具だけだった。抽選にはずれた者は法廷そばの廊下で待機。

公判の様子
公判では、最初に裁判官がIさんの氏名・生年月日・住所・職業について聞いたが、彼はすべてに「黙秘します」と答えた。
その後、裁判官は先に述べた「被疑事実」と勾留の「事由」を述べた。

それに対し、弁護士(3人)は、40項目以上のことについて釈明を求めた(「求釈明」)。
しかし、多くの項目について、裁判官は「答えられない」と述べたため、傍聴者の一人が
 思わず「答えろ!」と声を上げたところ、裁判官は「退廷」を命じた。
すると、警備の職員が一気に大量に法廷になだれ込み、彼を押さえつけ退廷させた。
(退廷させられた若者が廊下に待機している者たちと合流し、ともに抗議をする。)

 「求釈明」は、次のような構成からなっていた。
  第1、勾留状に記載された被疑事実について
  第2、被疑者に対する逮捕行為(逮捕前置主義について)
  第3、勾留の理由について
  第4、勾留の必要性について
ほとんどの所で、「答えられない」と述べたが、いくつか答えたところがあるので、以下に箇条書きにしたい。

「…青木方路上」とある場所は「第9中学校の構内か」については、「構内ではない」と答えた。
「公道上かそれとも私有地か」については、「公道上である」と答えた。
「公道上で巡回し、注意をする立場であったのか」には答えなかったが、「巡回しビラへの注意をしたことは適法である」と述べたので、弁護士は「本気か?」、「ビラには第9中学校のことは書いていないのに、また生徒に何もやっていないのに、なぜ注意できるのか。なぜ適法なのか理由を述べてもらいたい」と述べた。
しかし、これには答えなかった。
また、「携帯で殴打」についても、「そのとき副校長は職員証を下げていたのか」、「携帯を奪い取ろうとしたのではないか」、「携帯を触ったのではないか」、「どのような資料から殴打したと判断したのか」などについても明確な釈明はなかった。
「逮捕時」のことについても、「Iさんは逃げようとしたのか」(彼は逃げもせず、警察の車に乗せられ初めて逮捕されたことを知った:接見弁護士)、「告知をしたのか」についても釈明はなかった。
そこで弁護士(3人)は、それぞれ、
・「公務執行妨害というでっち上げ事件だ」、
・「言論の自由を妨害するものだ。7月14日に家宅捜索も行われたが、、押収されたの
  はそれ以前の、逮捕と無縁のビラ26点だけで、情報収集活動をしている。これは政治
  活動を鎮圧するものだ」、
・「裁判所は人身の自由を奪っている。証隠滅とか逃亡の疑いなどはない。勾留延期を
  棄却すべきである」と述べた。

 以上のように、今回の事件は、高校生の公道でのビラまきに対し、
 1. ビラに直接関係のない副校長が学校の構外まで出てきて執拗に妨害し、
 2. それを撮影しようとした携帯を取り上げようとし、
 3. 「殴打された」として警察を呼び、「公務執行妨害」で逮捕させ、
 4. 高校生を勾留までしているという、
きわめて不当で異常な言論や表現の自由への弾圧事件であることを明らかにした。

四)拘留延長がついた
にもかかわらず、閉廷後1時間程して、裁判所は「勾留期間の延長」(理由:証拠解析・精査の未了。検察官による被害者、目撃者の取り調べ未了、処分決定のための補充捜査未了)という文書を出してきた。
明らかにこのでっち上げ事件を利用して、ビラまきなどに対する弾圧を強化しようとしていると考えられる。
中学校の副校長が公道でビラまきをしている高校生を警察権力の前に差し出したということである。
私たちは支援し、闘わなければならない
  
「Iさん救援会」は、近く、彼が勾留されている碑文谷警察暑への抗議行動を行います。

 また、闘いが長引くことも考え、カンパ募集も始めました。
  <振替番号>00110-5-49424
  <加入者名>「全国集会・交流集会」で、「I君カンパ」と書いてください。

是非ご協力ください。

法廷内で写真等を撮ることは禁止されているので、映像・動画はありませんが、レイバーネットには、行動については出ていますから、見て、拡散してください。
              
 http://www.labornetjp.org/news/2020/0717shasin