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2018年4月27日金曜日

2018年3月 卒業式での「日の丸」不起立者と処分報道

2018年3月 卒業式での「日の丸」不起立者について

★朝日新聞の報道のある戒告処分を受けた教員は不起立3回目です。 被処分者の会とは別に、独自に行動されています。

★都教委の処分を許さず、粘り強く闘い続けましょう。
安倍は「9条に自衛隊を明記する」方針をあくまでも堅持しています。戦争への道のあくなき追求であり、「日の丸・君が代」の強制と処分に深く関係します。みなさん、都立学校の教職員たちの「君が代」不起立闘争に連帯。支援をお願いします。

4/25 東京地裁・東京高裁が免職処分を取り消しOさん勝訴

4月25日(水)、Oさんの6月処分取り消し裁判が勝訴

<Oさんの処分>についての経過    近藤徹さんの報告です。
・2014年7月に懲戒免職処分 Oさんが担任の女子生徒に「不適切なメール」を送ったなどとして、都教委が、都立F高校の教員Oさんを懲戒免職処分とした。
Oさんは免職処分取り消しを求め提訴。
・2015年10月 東京地裁判決で免職処分取り消し
・2016年3月 東京高裁で免職処分取り消し。
→都教委は上告せず。
・2016年5月 敗訴した都教委が停職6月の再処分をする
→Oさん停職6月処分取り消しを求め提訴
 (都教委は最高裁に上告せず、高裁判決を受け入れましたが、「違法」な処分をしたこ
とをOさんに謝罪するどころか、「免職処分がだめならより軽い停職処分なら良いだろう」と改めて停職6月の処分を出し直しました。)。
2018年4月25日 処分取り消し判決

◆再処分が断罪され都教委3連敗~恥を知れ!都教委は控訴するな!
4/25の地裁判決は<停職6月>処分取り消しの判決です。
・Oさんは、不当な再処分、それも停職6月という重い処分に衝撃を受けましたが、再処分取り消し、損害賠償を求め、改めて東京地裁に提訴し、4/25の判決を迎え、勝訴した(損害賠償は認められず)のです。
・都教委は、本件処分を担当したAN人事部管理主事(当時・現特別支援学校校長)が証言に立つなど必死の巻き返しを図りましたが、敗訴しました。
都教委は本事件では、最初の免職処分事件で一審、二審で敗訴し、本件再処分事件で地裁で敗訴し、「3連敗」となりました。先ずおのれを顧みて真摯に反省し、原告らに謝罪するべきです。教員を「違法」な処分で脅しイジメる都教委に「道徳」「イジメ根絶」を語る資格はありません。恥を知れ! 都教委は控訴を断念せよ!

◆生徒に寄り添って頑張る教員を免職にした!~免職処分取消事件の地裁法廷から
Oさんは、これまで免職処分前の研修、免職処分、停職処分のため、長期に亘り、授業をすることのもできず「教壇に立てなかったのが一番つらかった」といっていました。停職処分を終えて学校に復帰したOさんは今、学校になくてはならない存在として賢明に働き、教壇にたっています。

<Oさん裁判の法廷での記録から>

生徒本人の事情聴取もせず~地裁では教え子Aさんも法廷で証人として出廷
最初争われた免職処分取消請求事件では、地裁の口頭弁論の中で、「教え子」の生徒Aさんも証人として出廷し、親に学校をやめさせられそうなほどの厳しい家庭環境で、O先生の援助で学校を卒業できて感謝していること、Oさんを免職処分するにあたり、都教委は女生徒本人の事情聴取もしなかったこと、などを証言しました。

●校長は強制されて都教委に出した虚偽の陳述書を撤回した!
また、同地裁でF高校の校長(当時)は、都教委作成の虚偽の陳述書に無理矢理署名・押印させられたが、良心の呵責に耐えかねてその陳述書を撤回する旨の陳述書を裁判所に提出しました。

●都教委のパワーハラスメントだ!
これらの証言などにより、この免職処分が、生徒を思いひたすら生徒に寄り添う教育実践をめざしていたOさんに対する都教委によるパワーハラスメントであることが明らかになりました。

◆「君が代」再処分との闘いに希望を与えるOさんの判決
都教委は、東京「君が代」裁判二次訴訟(7名)、三次訴訟(9名)、四次訴訟(2名)で減給処分を取り消された都立高校教員・18名に再処分(戒告処分)をしています。
Oさんの再処分を取り消した今日の地裁判決は、「君が代」再処分と闘う私たちにも希望と勇気を与えます。

2018年4月23日月曜日

4/19 再雇用二次訴訟 最高裁弁論を開くの通知

◆4月19日付で再雇用二次訴訟 最高裁弁論を開くという通知が来ました。
再雇用二次訴訟は原告らが勝訴しています。都教委が上告しましたので、原告勝訴の一審・二審判決を変更しようとするものでしょうか。
近藤さんの報告です。

6月25日午後3時 最高裁弁論を開く
最高裁(第1小法廷)から4月19日付で再雇用拒否撤回第二次訴訟(2015年12月高裁判決)について、
①都側の上告受理申立を受理する(注 上告事件となる)、②6月25日(月)午後3時に弁論を開く、という正式な連絡がありました。
弁論を開くということは、都に約5370万円の阻害賠償を命じて、原告らが勝訴した一審東京地裁、2審東京高裁の判決を変更する可能性が高くなったことを意味します。

現在同じ最高裁第1小法廷に係属している同種の事件、東京「再雇用拒否」第3次訴訟(2017年4月東京高裁判決)、大阪中学校教員・Sさんの再任用事件(2017年8月大阪高裁判決)は一審・二審とも敗訴していますが、弁論再開の連絡がありません。
 
 東京高裁判決から2年半後の6月に、再雇用拒否撤回第二次訴訟のみ弁論を開くということなので、同訴訟の原告らにとっては厳しい事態(勝訴判決の変更)が予想されます。

6/25当日の弁論の予定は以下の通りです。傍聴・支援をお願いします。
★再雇用拒否撤回を求める第二次訴訟・最高裁弁論期日
(原告22名 07~09年損害賠償請求) 
6月25日(月)15時(最高裁南門14時~14時20分 傍聴整理券交付)
 *時程の詳細は追って連絡。


◆東京再雇用拒否二次訴訟の経過
一審・二審とも勝訴!都教委を断罪!損害賠償を命じる!

2015年12月10日、再雇用拒否撤回を求める第2次訴訟において東京高裁(第2民事部柴田寛之裁判長)、「君が代」斉唱時の不起立「のみ」を理由に、東京都が定年退職後の再雇用職員、非常勤教員等の採用を拒否した事案について、一審東京地裁判決(2015年5月)を支持して、「期待権の侵害」を認め、「裁量権の逸脱・濫用で違法」として、東京都の控訴を棄却し(当方は控訴せず)1審同様1年分の損害賠償(総額約5370万円超)を元都立高校教員の原告ら(24名 私近藤もその一人です)支払うよう命じる判決を言い渡しました。

本件訴訟は、2007年度~2009年度に再雇用を拒否された原告が2009年9月東京地裁に提訴して、「君が代」斉唱時の不起立を理由とした再雇用拒否等が違憲であり、かつ東京都・都教委の「裁量権の逸脱・濫用」であることを争点として「損害賠償」を求めて争ってきた事案です。残念なことに、この間3名の原告がお亡くなりになりました。

一審・二審の判決は、都教委の主張をことごとく斥け、不当な採用拒否を断罪しています。10・23通達から15年、最高裁でも下級審判決が維持され、呻吟する学校現場に「憲法を取り戻す」きっかけとなると期待されていました。しかし最高裁は、私たちの期待に反し、都教委の「上告受理申立」を受理することを決定したのです。

4/18 東京「君が代」裁判四次訴訟の東京高裁判決 戒告処分は控訴棄却

◆都教委の減給処分は違法(都教委は敗訴) 戒告処分を不当にも容認

4月18日、東京「君が代」裁判四次訴訟の東京高裁判決がありました。東京高裁(第12民事部・杉原則彦裁判長)は、一審東京地裁判決を踏襲して、都教委の控訴を棄却し「裁量権の逸脱・濫用」として一審原告1名(2件)の減給1月の処分を取り消ました。しかし一方、一審と同様、戒告処分を容認し不当にも原告らの控訴を棄却しました。近藤さんからの報告です。



(主文)
1.1審原告らの本件各控訴及び1審被告(都教委)の本件控訴をいずれも棄却する。
2.1審原告らの控訴費用は一審原告らの、1審被告の控訴費用は一審被告の負担とする。


◆一審に続き累積過重処分を断罪 
これにより都教委による不起立の回数(今回は不起立4回目・5回目)を理由とした累積加重処分は再び断罪されました。都教委がこれを不服として最高裁に上告受理申立をするかどうかが注目されます。
一方原告らは憲法が保障する思想・良心の自由、教育の自由を守るため、最高裁を視野に戒告を含む全ての処分取消まで決してあきらめず粘り強く闘います。これからもご支援を。
東京君が代裁判4次訴訟控訴審判決を受けての声明は被処分者の会のホームページに載っていますのでご覧ください。

◆都教委請願行動に参加しよう!
東京「君が代」裁判四次訴訟・高裁判決を受けて都教委請願行動を行います。都教委の違法な減給処分、再処分及び都教委の不誠実な対応も徹底追及します。多くの参加を訴えます。
 4月23日(月)
  16時 都庁第1庁舎1Fロビー集合
  16時15分~請願 同庁舎25F103会議室都教委請願行動に結集しよう!

2018年4月12日木曜日

4/18東京「君が代」裁判四次訴訟・高裁判決の傍聴支援を!

 4/18東京「君が代」裁判四次訴訟・高裁判決の傍聴支援を!
被処分者の会の近藤さんからです。

◆学校に自由と人権を!~粘り強く闘う原告らに絶大なご支援を
石原都政下に東京都教委が発出した卒入学式などで「日の丸・君が代」を強制する「10・23通達」(2003年)。この通達を契機に命令と処分の教育行政が横行し、教職員の相互理解と協力による生徒を主人公とした学校教育が破壊されてきました。この間「君が代」斉唱時の不起立・不伴奏等を理由に482名もの教職員が処分されています。
憲法が保障する「思想・良心の自由」「教育の自由」を守る裁判に勝利し、10・23通達(2003年)による東京の命令と処分の教育行政を変えましょう!「『日の丸・君が代』強制は戦争への道」との思いを胸に「憲法が生きる教育」をめざして決してあきらめず粘り強く闘う原告らに絶大なご支援を!

◆「日の丸・君が代」強制のターゲットは子どもたち~身をもって抵抗する被処分者ら
「日の丸・君が代」強制の真のターゲットは子どもです。今年度小学校、来年度から中学校で始まる教科「道徳」では「国を愛する心」=愛国心の育成が露骨かつ執拗に中心課題に据えられ、しかも「評価」の対象になっています。「日の丸・君が代」を道具にして愛国心を刷り込み、「お国のために命を投げ出す」子ども作りが狙いであることは明らかです。
被処分者らは、このような流れに身をもって抵抗したが故に処分されたのです。しかしそうした抵抗は教員の責務ではないでしょうか。「子どもたちを戦場に送らない」ために。

◆東京「君が代」裁判四次訴訟とは~高裁での勝訴を目指して
2010~13年の卒業式、入学式で「君が代」斉唱時に起立せず処分された都立学校教員14名(8名が現職教員)が2014年3月に提訴。東京地裁で10・23通達がもたらした教育の荒廃などを告発しながら違憲判断、戒告を含む全ての処分の取消、損害賠償を目指して闘ってきました。
2017年9月15日、東京地裁判決は、「裁量権の逸脱・濫用で違法」として6名・7件の減給・停職処分を取り消し、原告らが一部勝訴しました。中でも連続不起立4回目・5回目の減給処分(1名・2件)を取り消したのは貴重な成果です。
都側は上記不起立4回目以上の減給処分取消に対してのみ控訴し、5名・5件の減給・停職処分取消は確定しました。
原告らは、戒告を含む全ての処分取り消し、損害賠償を求めて13名が控訴し、今回控訴審判決を迎えます。

◆東京「君が代」裁判四次訴訟、いよいよ高裁判決~傍聴支援を!
 4月18日(水)
  12時20分 原告・支援者弁護士会館集合 
  12時35分 行進(弁護士会館→裁判所)
  12時45分 傍聴希望者集合(傍聴抽選なし・先着順)
  13時15分 開廷・判決
  15時00分 報告集会(弁護士会館12階講堂)
  東京高裁824号法廷(地下鉄霞ヶ関A1出口・1分)
  *混雑が予想されますので早めにお出で下さい。判決結果は「旗出し」ですぐにわかりますので、入廷できなかった方は裁判所前でお待ちください。

  ●報道関係者の取材歓迎! 記者会見 15時 司法記者クラブ会見場(裁判所2F)

◆質問書に「回答拒否」~断固糾弾する!
3月30日付で3月12日の都教委要請で要請書とは別に出した質問書に対する都教委の「回答」が届きました。「回答」とは名ばかりの「回答拒否」です。
*3・12要請書、質問書と都教委回答の全文はHP http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/ に掲載しています。

●質問書(3月12日)への都教委回答(3月30日付)
「(回答:上記について)
本件「質問書」記載の平成29年11月27日付け及び平成30年2月7日付けの「回答」は、都教育委員会が必要と判断した範囲で皆様の要請にお答えしたものです。
要請等については、引き続き教育情報課を通じて御意見をお聞きするとともに、必要に応じて回答をいたします。(所管:人事部職員課)」
というもので3月12日の質問に全く答えていません。

◆都教委請願行動に結集しよう!
四次訴訟判決を受けての都教委請願行動を行います。上記「回答拒否」も徹底追及します。多くの参加を訴えます。
 4月23日(月)
  16時 都庁第1庁舎1Fロビー集合
  16時15分~請願 同庁舎25F103会議室

2018年4月10日火曜日

3/31「卒業式総決起集会」開催される

3/31「卒業式総決起集会」開催される

  3月31日の午後に池袋の豊島区生活産業プラザで「卒業式・入学式対策本部」主催の「卒業式総決起集会」が開催され、55名が参加した。
 都立高校の教職員が中心になって運営している「卒業式・入学式対策本部」は毎年2月3月の時期に、現場で取り組んでいる現職の教職員に対して、宣伝・啓発活動を継続的に行ってきた。対策本部は、被処分者の会と連携して毎年、新たな不起立者・被処分者との連絡・調整を行ってきた。今年は15回目を迎える。これまでに被処分者の累計は延べで482名にのぼっている。これは大変な数だ。裁判は現在も進行中である。この482名の中には、18名の「再処分者」も含まれている。
 
今回都教委は、第4次訴訟で減給処分が取り消された2名の現職教員に対して、こともあろうに同一案件で再度の処分(戒告)を新たに2月21日に発令した。


 対策本部は、現場の教職員向けの啓発ビラ・パンフを作成し本部委員会などで全員向けに配布し、1月26日と3月12日の2回にわたって、被処分者の会と共同で都教委に対して要請行動を行った。
2003年の10・23通達から15年、強制反対を闘った先行する世代が次々に退職し現場から離れているという状況の中で、学校現場の中では通達そのものについて知らない教員も多くなり、「日の丸・君が代」強制の意味そのものが次第に忘れ去られようとしている。そういう中で対策本部を中心とする少数の現職教員が孤軍奮闘しているのが現状である。
 問題を風化させず、継承させていくことが今ほど必要な時はあるまい。10・23通達以来、毎年不起立者が出たが、今年はこれまでのところ表立って出ていない。従って、例年の「卒業式処分抗議集会」が今回は「卒業式総決起集会」となった。
                                ◆  ◆  ◆ 

















  集会は、開会挨拶の後、対策本部のKさんが、2017年から18年にかけての卒・入学式をめぐる全体状況を報告した。その要点は以下の通りである。
1.被処分者に対する再発防止研修は2012年から強化され、研修の内容が単に服務規律に関することだけではなく、「国旗・国歌」の意味についてまで言及されるようになった。「日の丸・君が代」強制の意味が教職員に対してだけでなく生徒保護者ら対しても向かっていることを意味している。しかし、再発防止研修そのものは、取り組みによって形骸化させている。
2.都教委は校長連絡会・副校長連絡会において「教育課程の適正な実施」という文書を配布し、今年も、卒業式にいたるまでの管理職の行動を事細かく規制している。例えば、(問題のある教員の)職員会議での発言や同僚教員への働きかけの様子や、個別的職務命令の受け取り状況などを事細かく記載し、報告することを要求している。教員の思想行動の監視を管理職に要求している。また、当日の年休行使にも「時季変更権」の活用についても言及している。
3.生徒の不起立を認めず、式次第の中に「起立をうながす」旨の記載を要求している。
4.昨年の入学式から都立看護専門学校でも「君が代」の斉唱が始まった。「日の丸・君が代」の強制は、どんどん拡大している。
5.改定学習指導要領の「公共」にさきがけて、“高校版道徳”の「人間と社会」がすでに都立高校では行われている。
  Kさんは、「『戦争をする国』へと突き進もうとしている流れを食い止めるため、生徒のための卒業式を取り戻すために、10・23通達を撤回させる取り組みを今後大きく展開していく必要があります」と結んだ。
                            ◆  ◆  ◆
 

















弁護団から澤藤弁護士が挨拶した。澤藤弁護士は韓国の運動団体との交流から帰ったばかりで、韓国の長い粘り強い闘いに触れつつ、「日の丸・君が代」強制反対の15年にもわたる闘いは、何よりも、国という抽象的な何かがあるのではなく、国をつくっているのは一人一人の国民であり、その国民こそが主権者であるということの意味をつきつけたものであることを力強く述べた。
  続いて、会場からの発言の時間は、最近の学校の現場の状況の話や、高校新学習指導要領のとくに新科目「公共」の危険な問題点などについての活発な意見が出された。現職の教員からは、10・23通達そのものが忘れられようとしており、「日の丸・君が代」の強制の意味すら理解されないという危機感が叫ばれた。都教委包囲ネットから、今年の卒業式へのビラまき報告もなされた。3時間にわたる集会はあっという間に終わった。
                           ◆  ◆  ◆
 毎年必ず1名以上の不起立者が出現し、15年にもわたって裁判闘争が続けられてきた。このことは特筆されるべきことである。今年は、現在までのところ不起立による被処分者は確認されていない。しかし、これで終了したわけでは決してない。10・23通達による「日の丸・君が代」の強制が続く限り、闘いは継続されていく。    (青木茂雄)

2018年4月2日月曜日

都立高校卒業式 正門前ビラまきの報告(その5)   2018.3

■こ高校
「教育を考える多摩西部市民の会」として3名でまく。7時55分~9時50分。250枚くらいか。生徒の受け取りはよくないがそれでも卒業式、多少はよくなっている。保護者の受け取りも今ひとつではあるがそれでもこのくらいの枚数にはなる。
「校長の○○です」という人が何か言いそうだったので、こちらで「教育委員会からのことですよね。十分に注意して行います」といい、「よろしくお願いします」でおわり。
 ここは線路沿いの通用門から生徒のほとんどが入る。反対側の正門は自動車で来た保護者が駐車場に車をあずけてくるぐらいでした。
 正門に1名、通用門に2名の布陣でおこなう。通用門の掲示板には「卒業証書授与式」の紙が張ってある。ずっと奥の式場のところに「卒業式」の看板。校門の右に都旗、日の丸は校門から1mくらい入ったところの照明灯だろうか、の柱に長い金属ポールに付けたものをひもで結んでいる。風もなく、たれているので両方とも何かわかりにくい。

■さ高校
 2人で撒く。7時45分~9時30分。190枚。
ここは以前も生徒だけでなく保護者も受け取りが悪く、2年前には70枚くらいだったが
今年は2名でもあり、このくらいは配布できた。
女子のほとんどは袴、男子はスーツが多いが紋付き袴も10名を超えるくらいはいたか。普通の高校では制服での卒業式がここ2年くらいの間に一気に進みこのような格好の卒業生は見られなくなったが、昔のナンバースクールだけは認められているようで1つの格付けになっているのでしょう。
校門脇の掲揚塔に旗が3つ風もなくぶら下がっている。卒業式の看板が見あたらないと思っていると奥の昇降口のところに「卒業証書授与式」の看板。
「副校長の○○です」という人が 敷地内で撒かないでくださいとしつこく言う。ここは
 高校前の交差点から正門までの、どうみても歩道のところが高校の敷地なんだそうで、以前にもいわれたことがある。「常識の範囲内で行います」と応じるが「敷地からは出てください」を繰り返す。しばらくのやりとりの後、「別の措置をとることになりますが」と、「はい、分かりました」ととりあえず終わりました。気がつくともう一人の撒き手は交差点まで移動して配布している。私は逆側からくる人を中心に配布するようにしたら、車道に出ることが多くなり、結果として副校長の希望にそう感じになりました。幸いなことに車道は高校側はほとんど車が通らず(反対側はかなり車が通るのですが)助かりました。
 副校長の隣にいた人、知っている人だよな、と考えていたら昔の同僚でした。その人が少ししてからきて、「ありがとうございます。申し訳ありません。」 こちらも「都教委からいわれていると大変ですね、このような配置の学校は他にないでしょうから大変でしょう」とお互いねぎらいあう。
 
■ し高校
 東京・山谷日雇労働組合の組合員5人で行ないました。式は14時からなので、12時45分から開始。150枚くらい撒きました。
在校生・卒業生・親族の受け取りは9割くらい。「警備」の腕章をした教員が3~4人。妨害はなく、民間会社の駐車場の近くでビラをまいていたメンバーに、校長が、「校長の○○です」と寄ってきて「ここは民間の敷地なので、車の出入りに注意してください」というのみ。「警備」の腕章をした教員が一人、ビラまきメンバーの所に来て話しかけてきました。ボランティアでホームレス支援の炊き出しを手伝っている、と言ったその教員は、
山谷の現状とか聞いてきましたが、「日の丸・君が代」処分に対しては、自分の立場を明らかにせず、こちらのメンバーが「(不起立の教員を)見殺しにするの?」と聞いても、はっきりと答えず、ということでした。
 都教委の締め付けの前に、良心的な教員でも口を閉ざすという状況に、怒りと同時に残念さも覚えました。

■す高校
 2名で撒きました。この高校は、女子はほとんどが和服と袴で、男子も紋付き袴の生徒もいました。背広姿の卒業生もいました。保護者は母親は胸に大きなリボンをつけて、「卒業式 〇高校」の看板の前で写真撮影が人気でした。私も、シャッターを頼まれました。
だいたい、約300枚近くを撒くことができました。
有名な進学校で、ビラまきにもこれまで注意されることはなかったのですが、今回は中間管理職らしき人物が「ビラを撒かないでください」と言ってきた。ほとんど無視していたのですが、それから30分ほどした頃、校門内から大きな声で私の名前を呼んで、元同僚が出てきました。「後2年で終わりだ」といった世間話をして、「受付ですから、失礼します」と言って中に入っていきました。きっと学校の中で、ビラを撒いているのは誰だ、といった話しがされていたのだと思います。それで元同僚が確かめに出てきたのだと思います。この進学校の特徴は、毎年そうですが、何時になっても登校する卒業生が絶えないことです。
もう一人の撒き手からの報告。
 保護者が「日の丸・君が代」強制するなというけれどオリンピックなどでは日の丸も君が代のあるでしょ。こちらが「オリンピックなどは嫌だと思う人は行かなければいいし、やらなければいいが卒業式で強制するのは選びようがないでしょ」というと、「ああそうですか」と言って、それ以上にはならなかった。

■せ高校
 7時30分から9時20分。200枚撒いた。
 校門前につくと校旗、日の丸、都の旗が校門横のポールに3本並んで立っていた。高さが気になるのか、何回も確認しながら設置していた(都教委から下町大空襲の犠牲者の慰霊のため、半旗にするようにとの指示が出ていたことを後で知った)。看板の文字は「卒業式」だった。
 直ぐに管理職と覚しき人がとんで来て、「敷地内に入らないように、子どもたちにまかないように、事故に気をつけるように」と命令口調で言ってきたので、「生徒のみなさんに読んでほしくて来たのですよ。撒き方は心得ていますから」と言って、目の前で登校してきた生徒にビラを手渡した。しばらくするとまた出て来て、もう一人にも同じことを言うので、「わかってます。気をつけて撒きますから」と語気強く言ったら引っ込んだ。
 8時頃になると何と10人もの教員が門のところに居並んだ。道路に反対側に立って威圧する風な人もいれば、気まずそうに立っている人もいた。8時半頃になると5人に減ったが、10人も居並んだのには驚いた。
 自転車通学の生徒が半分以上いたが、遠くから声をかけると上手に受け取ってくれる生徒が多かった。おおよそ生徒100枚、教職員20枚、保護者80枚くらい手渡せたと思う。

■そ高校
 7時25分から9時40分   ビラ200枚
  校門に立てかけるように大きな日の丸、門柱の横に木の板に「卒業式」と書かれた看板がすでに設置されていた着くと直ぐに管理職らしい人が出てきて「早いですね」と声をかけてくる。「教職員のみなさんにも読んでほしくて早く来ました」と言うと、笑いながら「ご苦労様です」と返答。「敷地内に入らないで、自転車の子が多いので気をつけて」と申し訳なさそうに言って引っ込んだ。監視体制は一切なし。そういう状況の中で、通行人や卒業生の親類だという方といろいろ話ができた。
ここも自転車通学の生徒が半分以上という感じだったが、受け取りは良かった。生徒120枚、教職員30枚、保護者50枚くらいだったか。「君が代?」と声をかけ、にこっと笑って受け取った教員もいた。教員の若い層は表情が硬く、手を出さない人が多かった。

■た高校
8時前に正門前に着くと、すでに日の丸の据え付け作業が始まっていました。
すぐ後に地域の「9条の会」の方がきて、その方は「憲法って、何だろう?」と題した日弁連作成の小冊子を、私は包囲ネットのビラを撒きはじめました。(しばらくして、「9条の会」の方もう1名が加わりました。)
教師や生徒がちらほら登校してきます。
彼らが入っていく背後に目をやると、校舎に「学力向上推進校」の垂れ幕が掛かっているのに気づきました。また、正門の横に「体力気力鍛錬道場指定校」という大きな横断幕が取り付けられているのが目に付きました。
後者の意味がわからなかったので帰宅してから高校のホームページを見ると、校長名の「た高校11のお知らせ」という文書(昨年11月付け)の中に「生活指導」という項目があり、以下のように記載されていました。
 *携帯・スマホ等は朝集め、放課後返却します
 *アルバイト禁止です。・「体力気力鍛錬道場」指定校です。部活動全員加入です
 *化粧・装身具・染髪は厳禁です
 *制服・自転車指導を強化します
要するに、部活動に全員を加入させるというのが「体力気力鍛錬道場」の意味のようです。その是非はともかく、ネーミングのセンスに驚かされます(「気力」を「鍛錬」する「道場」って、なんなんでしょうか?)。
アルバイト禁止など他の事項についても疑問符が付くところでしょう。最近の都立高校ではこんなことがまかり通っているのかとビックリしました。
8時20分ぐらいになると、生徒たちが続々と登校してきました。
正門の前に2人の教員(生活指導担当でしょうか)が出てきて、「その髪じゃ(式場に)入れないよ」(茶髪の女子生徒がけっこういました)とか「化粧を落としなさい」(これはかなり多かったです)とか「ピアスを外しなさい」(男子もいました)とか(自転車の生徒に)「危ない!斜めに横断しないの」とか、間断なく声をかけていました。まさに上記の「お知らせ」を実践していたわけです。
しかし生徒たちはどこ吹く風という様子で、「(髪を黒くする)ヘアスプレー持ってきたから」などと答えながら入っていきます。
 ビラについては、屈託なく受け取ってくれる生徒もいれば、無視して通り過ぎる生徒もいましたが、前者は圧倒的少数派でせいぜい2割ぐらいだったでしょうか。念のために書いておきますが、生徒たちのビラの受け取りを教師が規制することはありませんでした。
自転車で入っていく生徒も多く、1人ではいろいろな方向から門を入っていく生徒に対応しきれないこともあって、撒けたのは40枚ほどでした。
 8時30分頃、「卒業証書授与式」の看板が取り付けられました。毎年思うのですが、なぜ「卒業式」と言えないのでしょうか。
9時近くになると生徒たちは減り、その少し前から保護者たちがやってくるようになりました。
ちょうど9時頃、正門前にいた教師の1人が「もう生徒は来ないので帰ってください」と言ってきました。もちろん「保護者にも撒きますので」と答えましたが、こんなことを言われたのは初めてでした。
そのすぐ後、今度は副校長らしき人が出てきて、例によって「敷地に入らないでください」などと言った後、口調は穏やかでしたが「ゴミが出るんですよね。どうするんですか?」と因縁を付けてきました。これも初めてのことで驚きましたが、視野の及ぶ限りでビラが捨てられた様子はなかったので、「この周りで気づいたら拾っておきます」と答えておきました。
そうこうしているうちに保護者も少なくなってきたので、9時半頃学校を後にしました。

■その他、報告が寄せられない学校もたくさんありました。
★葛飾区の高校には全日制、定時制全部。9校。
★多摩地区の学校

 ・α高校 140枚。
 ・β高校 60枚
 ・γ高校 100枚
上記の3校とも「卒業式」となっていた。卒業証書授与式ではなかった。前は、「卒業証書授与式でなければだめだ」といわれた。「卒業式」になってよかった。