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2018年3月30日金曜日

都立高校卒業式 正門前ビラまきの報告(その4)   2018.3

都立高校卒業式 正門前ビラまきの報告(その4)   2018.3

■い高校
 7時40分~10時 299枚、2人で。校門には「卒業式」の簡素な看板。ぽつぽつ来る生徒に配布をするがほとんど受け取らない。まあいつの頃からかこの学校の生徒は余り受け取らなくなった。でも配っているとそれでも受け取る生徒はいる。おとなしそうな生徒がにこっと笑って2・3歩走って丁寧に受け取ってくれるとそれだけでうれしくなる。
 管理職と思われる人+3名くらいが「日の丸」を揚げに出てきたもようなのだがどこに挙げたのかよく分からない。(掲揚塔が周りの樹木より低いので見えなかった)以前の学校で同僚だった方2名ともご挨拶。
 生徒の受け取りも以前よりはいいかも。保護者の受け取りは悪くはない。早めに来る保護者も少しいたが、9時を過ぎてからは配っても配っても保護者が来る感じ。土曜日ということが関係しているかもしれない。知り合いも保護者で来ていました。
 9時40分頃、校門にひもで固定していた「卒業式」の看板を奥の校歌の碑の隣に移動する。記念写真を撮りやすくするためか。Kさんの柔らかさもあり、校門に出ている職員とも友好的な感じ。腰の低いにこやかな女性の副校長も丁重なありきたりの注意だけ。
 帰りに掲揚塔を見てみると3本の旗は半旗になっていました。(初めに見たときは上まで揚がっていたと思ったのですが)東京大空襲の半旗なのでしょうか。

■う高校
3人で、8時15分~9時50分まで、開始が遅れたため配布数180枚
在校生は10数枚、卒業生は20数枚で、ほとんど受け取らない。昨年も同様だが、受け取らないよう指導がされているのか。保護者は半数が受け取る。入口の指導教員がビラを見ても何も言ってこない。副校長は今年は出てこなかった。

■え高校
 8時から市民の会3名で配布開始。南部法律事務所所属の弁護士1名に立ち会う。
 当該校は、2003年以来、学校側の何かと強気の姿勢が顕著で、初期は警察官を交えての小競り合いを起こしたりしている高校である。ただ、最近は目立ったトラブルはなく、学校側の対応も他校と同様で、副校長とおぼしき職員が出てきて、敷地に入るな、生徒に配るな、交通の邪魔をするなと言って引っ込むかたち。ただ、いまはあまり見かけなくなった青いポリバケツ2個を門近くに置いて、当方への意思表示はその名残りか。
撒いている途中で校内から教職員が一人出てきて撒き手と言葉を交わした。この人は被処分者のKさんで、今年、この学校に転任してきたとのこと。10時に終了したが、配布枚数は270枚となり、数字的には良好であった。
    
お高校
 この高校は環七通りから50~60m入ったところに位置するが、狭い通りが曲がりくねった角に正門があるため、生徒たちの自転車や保護者の車が行きかうとビラ撒きも容易ではない。正門の左右の門柱には、お約束ともいうべき大きな日の丸が取り付けられていた。
毎年見る光景だが、本来はポールに掲揚するサイズではないかと思われ、大田区内の他校では見られないものだ。
 8時になり、市民の会3人で配布を開始する。8時5分、「卒業式」と大書された大きな看板が門柱の一方に据え付けられた。8時9分、副校長とおぼしき人が出てきて、撒き手に対しいつものコメントを告げたとのこと。続けて、8時14分には、校長自らが出てきて、別の撒き手に「できれば配らないでほしい」と、なんどかお辞儀をしながら言ってきた。8時20分、建物の玄関わきに赤い小さめのポリバケツが置かれた。ビラをいれるための物のようだ。8時50分すぎ、本格的に保護者が訪れるようになる。その直後、ポリバケツが2個になったが、ビラを受け取った保護者が入れた様子はない。9時ちょっと前、門のわきに出てきていた職員の1人がやって来て、ビラを1枚持っていき文面に眼を落していた。配布枚数は165枚で、毎年この程度かと思われる。

■か高校
 Kさんと2人でビラ配りをしました。Kさんによると一昨年よりも生徒はビラを受け取ってくれると言っていました。それでも受け取らない生徒が圧倒的でした。保護者は比較的受け取りがよかったと思います。それでも保護者の半分程度かもしれません。私が「もとこの高校の教員です」というと、あわてて受け取ってくれる保護者も中にはいました。保護者も来なくなったので、9:50に止めましたが、およそ200部を超える枚数をまけたのではと思います。
学校に制服がないせいか、女子は和服袴が圧倒的で、男子はスーツが多かったと思います。8:20過ぎに、副校長らしき人物が、「ビラをまかないでくれ」との趣旨のことをいったので、「なんで」と繰り返し聞くと、「通行の邪魔だから」といいました。「副校長か」と聞くと、「そうだ」と答えました。あまりしつこく撒くなとは言いませんでした。またゴミ箱を置くとか、ビラを生徒から回収するとかということもありませんでした。9:00過ぎに少し離れたところでこちらを見ていた50代の男性がいましたので、「先生ですか」と聞くと、「そうです」と答えたので、ビラを渡したら受け取って校舎に入っていきました。また、ビラを受け取って10mぐらい歩いてから私のところに戻りビラをさして、「全くこの通りだ」と言ってくれた50代の男性もいました。
 生徒は政治の問題を見て見ぬふりをしてやり過ごそうとしているような気がします。

■青山高校
 7時45分~9時45分撒く。学校に着いたときはすでに正門の両脇と3本ポールに「日の丸」などがあげられていた。8時過ぎに作業着姿の用務員さん2人が「卒業証書授与式」の看板を設置。一昨年などはこのすべての過程に校長も加わってやっていたように記憶している。卒業式チラシは生徒もまあまあ受け取った。保護者はかなり受け取った。合計約220枚くらい撒く。
 8時15分頃に男性教員がやってきて、「門の前で撒かないでください」「生徒に渡さないでください」「やるならあっちに行ってやってください」「敷地内に入らないでください」「通行の邪魔にならないようしてください」「今日は卒業式で、こんな日に撒かないでほしい」と言いに来た。こちらはそれらの言い分にきちんと対応した。こちらが「副校長か」ときくと「そうだ」と言った。この副校長の場合の特徴は、上記の言い分を、私のそばに立って言い続けたこと。チラシを生徒に差し出すとき、手にぶつかるくらいの所に立ったりしたので、「そういうのはやめ方がいいですよ。そんなことしたって、せいぜいこの人は都教委のおぼえめでたくしたいんだなーと私が思う程度でしょう。佐川と同じになりますよ」と言った。それでも、こうしたやりとりを笑いながらやっていたので、副校長と仲良くチラシ撒きが行われていると見えたのか、生徒の受け取りはむしろ良いような感じがした(笑)。副校長は「もう8時30分だ。」と言って門の中に入っていった。30分からホームルームだそうだ。
保護者は「卒業証書授与式」の看板の前で、子どもを撮ったり、保護者同士で撮ったりしていた。母親同士が「入学式のことを思い出すわねー」なととも言い合っていた。
今日は暖かく、スーツでよい陽気だったので、余計軽やかな感じだった。

■く高校
 8時前に着くと校門のところに7・8人の男子生徒が集合して談笑。名残惜しい高校生活を語り合っていた。一人一人にビラを渡し、“卒業式は何時からですか?”と訊くと、
“10時からです。”と丁寧に教えてくれた。
 8:10ごろ、先生方5・6人が校門に出てきて登校する卒業生を迎える。その中の一人が“敷地内に入らないように離れてまいてください。”“まくなとは言いませんが。”と伝える。
自転車登校生が多く、徒歩で来る生徒に50枚くらいまいた。ビラをほとんどの生徒が受け取った。校門には卒業式を知らせる看板だけ。9時現在では、日の丸も校旗もない。極めて簡素な雰囲気。以前は、学校のグランドにあるポールに日の丸を挙げていたが今年はどうだろうか。
 生徒の登校が終了したころ、先ほどの先生が“元教員の方ですか、寒いとビラまきも大変ですが今日はまだよかったですね。”と話しかけてきた。被処分者の先生とは会いました。9時過ぎまでしか撒けなかった。70枚くらいか。

■け高校
 「教育を考える多摩西部市民の会」として3名で撒く。7時45分~9時50分まで。350枚くらいか、
生徒の受け取り、一時(オリンピック教育批判ビラの時)は多少悪くなったが卒業式となると少しよくなったか。保護者の受け取りも悪くはない。校門に「卒業式」の簡素な看板。
屋上のポールに日の丸がいつの間にか揚がった。「卒業式」の看板と一緒に写真をとる生徒と保護者、それなりににぎやかになるが混乱するほどではない。顔なじみの副校長が丁重におきまりの注意。こちらも「分かっております。十分に注意して行います」
渡したビラを返却した人1名。

2018年3月29日木曜日

都立高校卒業式 正門前ビラまきの報告(その3)   2018.3  

■T高校
 8時5分かから9時45分まで、「安倍9条改憲NO! 中央区民アクション」の方といっしょに8人で撒きました。
この学校は生徒も保護者も受取が悪く、枚数は152枚でした。正面入り口には「第20回卒業式」という立て看板のみ、校舎側面の掲揚ポールに国旗、都旗、学校旗の3本が翻っていました。学校側からははじめて10分ほどしたころに校門前指導をしていた生徒部の教師が「過度にはやらないでください」と言ってきたので、「受け取ってくれる生徒にしか渡していません」と答えておきました。学校からはそれ1回だけでした。
教師がそばで立っていた数分間は、ほぼすべての生徒がビラを受け取ってくれました。
皮肉なものです。生徒の出欠確認が8時半、保護者の受付開始が9時20分と聞いていたので、その間、時間が空いてしまうと思っていたのですが、出欠確認は在校生だけで、卒業生は8時40分くらいから9時半くらいまでにボツボツ登校していたようでした。

■U高校
 8時10分~9時40分 280枚。
 「日の丸」は3本のポールの真ん中に立っていた。さほど大きくない。他に日の丸は
見当たらなかった。旗3つは半旗になっていた。
教員がすぐに出てきて、「校門の前で撒くのはちょっと。。。いつもあちらの方(校内から見えない位置を指差す)で撒いてもらってるのですが。。。」と。「あ、はい、写真とか撮る人の邪魔にならないようにします」と答えておいた。半旗の理由を聞くと、痛々しい表情で東京大空襲でそれはそれはむごい被害が出て大勢の人が亡くなってと説明してくれた。
基本的に言われた通り、端の方で撒いていたが、ガードレールの内側に入ってしまうと逆に通行人の邪魔になると気づき、ギリギリの位置にいた。しかし反対側の道からも多少は生徒さんや親御さんが来るので、時々正門前を横切ってそちらの方にも行った。
受け取りは良い。親御さんが(誤解から)受け取りが良いのはどこの学校も同じだが、ここは生徒の受け取りがかなり良い。今風の素直な子供たちだが、明るい。いったん断った子も、「学生なんだから勉強して」というと受け取る、会話が成立する子供たちである。下を向いてイヤホンの音に集中している生徒はとても少ない。
 特筆すべきは、カップルや5-6人の集団が良く受け取ること。ピアプレッシャーがないということかな?校内の雰囲気が良いのではないだろうか。また、自転車の生徒さんも2割以上?が手を出して、あるいはわざわざ止まって受け取っていく。これは、正門の前のスペースに余裕があり、また車の通りがほとんどないことと関係あると思う。
抗議?してきた親御さんが一人だけいた。校門から出てきて、「ゴミになるからいりませんっ」とつっ返してきたが、シワ一つついていなくてきれいなままだったので再度使った。
 9時半につかつかと出てきた教員が、「あなたはどういう方ですか」と硬い声で聞くので、「都教委包囲ネットのメンバーです」と答えた。「ここで撒いていること、校長は把握しているのですか」と聞くから、「さっき来た先生に、どういう立場の方かはわからないけど、端の方で撒いてくださいと言われました、」と言ったら、不満そうな顔だったが、それ以上何も言わずに行ってしまった。完配したので「終了しましたので、これで失礼します。」と頭を下げたら、笑顔だった。

■V高校
 7:55~9:45。343枚配布。2名で配布しました。
この5~6年連続して撒いてきた学校で、生徒や保護者の対応もよい学校です。正門と通用門の2カ所で配布。今年も「おめでとう」といいながら渡すと、生徒の7~8割は受け取ってくれました。(自転車通学の子は受け取りが悪いのですが、人数はあまりいませんでした。)保護者は、9割ぐらいの方が受け取ってくれました。
男性の保護者で一人だけ、ざっと見てからでしょうか、「いらん、返す」と言って返しに来た人がいました。それ以上の発言はありませんでした。教職員は、5割程度。
 7:55に正門脇の3旗掲揚ポールに日の丸・都旗・校旗を職員が結びつけて揚げましたが、半旗でした。数年前から、東京大空襲の日には「半旗」にして掲げるように通知が出ていたと思いますが、掲げた職員に半旗の理由を聞いても、知りませんでした。
 正門の門柱にくくりつけた看板には、「卒業証書授与式」と大きく書かれていました。
8時過ぎに「副校長です。」と名乗った男性が出てきたので、チラシを渡すと受け取り、「昨年もいらしてましたね。一人ですか。」と聞いてきて、「もう一人いますよ」と答えると、「気をつけて下さい」というので、「分かってますよ」と答えておきました。
校門内に生徒指導なのか保護者対応のためか常時3~4名の教師がいましたが、こちらには何も働きかけはありませんでした。出勤してきた一人の中年の男性職員が、チラシを受け取るとき、どこのビラですか」と聞く。「都教委包囲ネットのチラシです。」と答える。今年も穏やかに配布できました。

■W高校
 7時30分蒲田高校門前に到着。小雨がちの天候であったが、配布に支障はないようだ。
 8時すぎ、配布を開始する。市民の会5名、包囲ネット2名、南部法律事務所所属の弁護士1名の計8名の陣容であった。例年より2~3名多い撒き手となった。
8時10分すぎ、道をはさんで向かいの区立小学校で、児童の登校を迎えていた教員の方が、当方のところにやってきて、「1枚ください」と言い、受け取ると持ち場にもどってビラに目を落としていた。
 8時30分すぎに式服、白いネクタイの副校長とおぼしき者が出てきて、当方に対し会釈をしながら何やらコメントしたが、よく聞き取れなかった。しかし、そのことには頓着せず、そそくさと引き下がった。後で他の撒き手に確認すると、敷地に入るな、生徒に配るな、との物言いであった。配布枚数は256枚で、全体としてビラの受け取りは良いほうであった。

■X高校 
 朝から小雨がちの天気で、風がないのが幸いであった。市民の会2名、包囲ネット1名、弁護士1名の体制で、8時から配布開始する。
 8時20分すぎ、校長が出て来て、敷地に入るな、生徒に配るな、交通の邪魔になるな、との要請あり。他校では副校長が言ってくるケースが多いが、ここは校長自ら。また、8時30分すぎには、生徒指導担当とおぼしき2名の職員が出てきて、生徒には配るなと言って来た。その後、4名の職員が威圧するように門の少し後ろに並んで、当方を見ていた。
撒き手の一人によれば、2,3名の生徒からビラを受け取っていたようだ。9時すぎから保護者が来はじめ、校門に対して三方からやってくるので、撒き手はやや追われ気味の場面もあった。配布枚数は219枚で、例年どおりとはいえ、生徒の受け取りは良くなかった。
生徒受け取り悪い 保護者はまあまあ 300枚くらいか。この日も寒かった。

■Y高校
 8時から10時まで3人で配布。生徒受け取り悪い。10人に一人くらいか。保護者は良好 頑張って330枚撒く。

■Z高校
 ●練馬教育問題交流会。今日は雨がやんだけど、ちょっと寒かったです。8時に開始しました。校門前は、「卒業式」の立て看板と生花の花束が飾ってありました。出入り口は一つのようで、卒業生と保護者がちらほら来始めたところでした。私服の高校で、服装は女生徒は着物袴、男生徒は背広が多く、数人の羽織袴の男生徒もいましたが、きらびやかなドレス姿は見かけませんでした。
 手荷物で両手がふさがっていたり、ポケットに両手を入れたり、如才なく受け取り拒否の仕草をしたり、手を握りしめて受け とらないぞというような生 徒もいて、受け取りは、よくはありませんでした。学校から言われてるのかと思えるほど。
 副校長らしき人が出てきて「危険だから向こうで配って下さい」と校門から離れた少し先を指しました。「危険じゃありませんから」と応えると、「危険だから」とくり返しましたが、「配るな」とは言いませんでした。
 やや経ってから、先ほどの副校長らしき人が、「どんなのを配っているのか一枚下さい」と言って来たので渡すと、「卒業式の主役?生徒に決まってる じゃないか、生徒に」と声を荒げて言いながらさっと校門に入ったので、その背中に「生徒ですよね。読んで下さいね」と声をなげかけました。
 卒業生の集合は、8時45分だったらしく、それまで校門の中に二人、外に退職教員らしき人が一人いて「おめでとう」とか「集合は8時45分だぞ、転ばないように急げ」とか声かけをしていましたが、悠然と歩いていて急ぐそぶり何ぞない生徒もありでした。
 途中、Hさんが3本とも半旗なのに気づいて、外に居た教員に尋ねましたがわからず、中の人と話していました。だいぶ経ってから、わざわざ「今日は3月10日で東京大空襲の日なので半旗なのです」 と教えに来てくれました。 Hさんも私も3月10日が東京大空襲の日だとは知っていましたが、卒業式と結びつきませんでした。そう言えば、数年?前から東京都は3月10日と3月11日は半旗を掲げるように指示しているとか。
 10時には引き上げました。チラシは119枚配りました。生徒には50枚くらいでしょうか。回収箱は外から見える限りでは、無いようでした。保護者の受け取りもよくはありませんでした。受けとって目を通した後か?、怒ったような声で「お返しします」と戻ってきた保護者が一人いました。

■あ高校
 練馬教育問題交流会から。2人で、8時から行いました。まきはじめるとしばらくして、副校長が出てきて、「敷地内でまかないでください。自転車に気をつけてください。通行される方の邪魔にならないよう気をつけてください。」としつこく言うので、「毎年やっていますから、よくわかっています」と答えると姿を消しました。
 生徒たちは、卒業生お在校生もまあまあとってくれました。6人ぐらいの男子のグループで、Oさんが配ったら、3人はとってくれて、一人が「みんな、ビラちゃんと受け取れよ」と言っ てくれていたのが印象的でした。また、自転車で入ってくる人もスピードをゆるめたり、自転車をとめて受け取ってくれるので気持ちがいいです。
 途中、校旗と「日の丸」を持った教師と、大きな「 第40回卒業証書授与式」と手書きで書いた大きなアーチ状のパネルを、7,8人の生徒(在校生?)が運んできて、校門前に設置しました。校旗は右側に立てかけられ、そのパネルは中央に設置され、さらには左側には「平成二九年度卒業証書授与式」と縦に書かれた立て看が置かれましたが、「日の丸」の設置場所はなかなか決まらず、立て看の横に、何となく立てかけられました(半旗ではありませんでした)。
 9時すぎると、父母や家族がやってきましたが、こちらも受け取りは良好で、文句を言う人は皆無でした(ご丁寧に返す人は一人いましたが)。10時直前でも駆け込んでくる卒業生がいるのがなぞでした(例年もそうだった?)。全部で、193枚まきましたが、生徒や親の受け取りが良かった 反面、教師はほとんど受け取ってくれませんでした。

2018年3月28日水曜日

都立高校卒業式 正門前ビラまきの報告(その2)2018.3

■野津田高校
 2人で撒く。交通の便の悪い場所にあり、自転車通学の生徒も多く、ビラまきにはなかなか大変でたが、150枚以上のビラが撒けました。
①この学校でのビラまきは、2004年に2人が警察に逮捕されましたことがありました。校門前に広いバスロータリーがあり、このバスロータリーの奥の校門前でビラまきをしていて逮捕されました。このバスロータリーが学校の私有地だというので、不法侵入の不当な言いがかりでした。このために、バスロータリーの外でのビラまきになりました。このために、バスで登校する生徒には撒けないという不利な条件でした。
 ビラまきをしていますと、生徒から回収したピンクのビラを持った教員が現れました。「どういう権利があって生徒のビラを回収しているのだ」「憲法を知っているのか」とせめますと、「憲法は守らなければならない。これは生徒の方から持ってきたのだ」と嘘ぶきました。「何を言っているのだ。生徒から無理に回収しているところを見ているのだぞ」というと、「勘違いだ」などと国会の安倍や麻生のような言い訳をしてきました。
 私は「教育とは何かわかっているのか」「教育基本法を言ってみろ」、「我々の時代では教育基本法を暗唱しなければ教員になれなかった」といって、教育基本法(旧)の冒頭からスラスラ暗唱して、「教育は人格の完成を目指すものなのだぞ」といううと、「すみませんでした」といってかえってリ来ました。この教員はもう一人のKさんの方に行って、「えらい人が来るからな」と言ったようで、「偉い人は誰だ」と聞くと「管理職だ」と答えたようです。
③その「偉い人(?)」がKさんの方に行って、「警察に連絡をするから」と脅したようです。事実、いつの間にかロータリーの中に白い車が長く止まっていて動かない車がありました。警察なのかもしれません。
 学校関係者がKさんの方に教えに来ました。都教委関係者が来て、「箱を置いて回収しろ」と言っていると。校門の中はロータリーの外側の私たちからは遠くて見えなかったのですが、都教委が来て学校にそのようなことを命じているならば大きな問題です。都教交渉で糾弾する必要があるように思います。

■K高校
 この日は早朝から降雨で、しかも真冬並みの寒さでした。例年、地域の人たちが10人ほどで参加してくださっていたのですが、この日の寒さが過酷で参加者は4人でした。230枚程度が撒けました。毎年同校でビラまきをしていますが、これまで警察が来たり、校門で箱を置いたり、校長がいろいろ言ったりしてきましたが、今回は何もなくビラまきを終えました。長いビラまきの歴史の中でたどり着いた状況です。警察に撮影されたり、跡をつけられたこともありました。校門に教員が大きな箱を置いて回収していた時もありました。この時にはかなり激しく抗議をして箱を撤収させたこともありました。校長が必ず一言いいに来たのですが、今回は何も言わなかったです。学校側も寒くて出なかったこともあるかもしれませんが。

■L高校
 7時45分に着く。8時頃に校旗と「日の丸」を出した。看板は「卒業式式場」。その後男性がきて、「なにを撒いてるのか」というのでビラを見せ、「毎年卒業式に撒いているビラです」というと、「ビラはまかないでください。正面なんかで撒かないで下さい。あんただって自分の家の前でビラを撒かれたら迷惑でしょう」という。私は「何言ってんですか。個人の家の前とは違うでしょう。」というと、それについては言わず、「正門前で撒かないでください。撒くのをやめてください」という。私は「校長さんですか。副校長さんですか」と聞くと「そんなこと言えません」と言った。その後、その人は大きなポリバケツを二つ玄関前に置いた。私は「そこにビラを入れさせるってんですか。そんなことすべきじゃないでしょう」と大声で言う(門のところから玄関までは距離がある)。
その後、ビラを受け取った生徒のところに、「警備」をしている教員が近づいて、生徒からビラをとりあげたようなので、私は「生徒のビラを取り上げて捨てるんですか。そんなことおかしいでしょう」というと、教員はビラを生徒に戻し、生徒はそのまま玄関に入って行った。卒業生は約130人くらいだそうだ。
 生徒は自転車通学が多く、取る人取らない人のばらつきがある。また門が2ケ所だったが1ケ所でしかできなかった。若い教職員はビラを受け取らなかった、それに対して、被処分者のIさんの他にも、「ビラを撒いてくれてありがとうございます。本当は僕たちがやらないといけないのに」とまでいう教職員がいた。茶髪生徒が自分で持参したスプレーで先生に黒にしてもらっていた。
教員が生徒に対して、「校歌を歌えよ。大きな声で歌えよ」と言っていた。「国歌」とは言ったなかったと思う。
保護者はだいたい受け取った。撒き手が2人に増えたので、後半はほぼ撒くことができた。
門の前を通る人も、ビラを差し出すと割と受け取った。年配の女性はビラをみて、安倍内閣の批判をした。「でもなんてったって、国民が悪いんだよ。ああいう人を見抜けなくて。安倍の支持率が高いなんてどうなってるんだか」と言っていた。

■M高校
 2人で撒く。8時~10時 350枚くらいか
校門には「卒業式」の簡素な文字。しばらくして職員が「日の丸」を横開きの校門の端に置く感じで立てかける。そのような構造になっているらしい。
 ぽつぽつ来る生徒は良く受け取る。保護者も受け取る方だと思う。人なつこい感じの生徒が多い印象。以前はいわゆる突っ張り風の生徒が少なからず見かけられたが今年はそんなこともなく、校門に数名の教員はいるものの服装・身だしなみのチェックもなくそうする必要のある生徒も見られず。女子生徒3名、2名は卒業生と分かるが1名はスカートのしたにジャージのいわゆる埴輪ルック。さて、と思っていると校門前でジャージを脱ぐ。
少し驚きました。
 以前はしつこく言う副校長がいたり、公安警察が数年に渡り近くにいたり、と言うこともあったが、今年はこれといった注意もなく 校門の教員も好意的な感じでした。年配の保護者?(生徒の祖父?)チラシを受け取り校門を入る頃紙を丸めつぶす音。この人くらいか。

■板橋高校
 7:50~9:20
 校舎改築中のため、これで3年連続正門から70m程離れた東門前でのチラシ配り。
 小雨模様でしたが、何とか最後まで傘を差さずに撒ききることができました。2種類のチラシ配りのお手伝いをしました。
 「学校と地域をむすぶ板橋の会」のちらしは、A5版折り畳みカラー印刷。「日の丸・君が代」を強制する教育はおかしい、一緒に考えましょうと声を掛けながら配っていました。去年は板橋区内の8つの都立高の卒業式で配ったそうです。
 「いたばし九条の会」は、卒業式独自のチラシというわけではなく、日弁連作成の憲法絵本『憲法って、何だろう?』というA5版24pのパンフレットに、
 (ダウンロード可能:https://www.nichibenren.or.jp/activity/human/constitution_issue/what.html)
 自作の「一緒に守ろう!"平和憲法"」というリーフレットを折り込んだものを配っていました。しっかりした冊子なので、霧雨状態の中で配るには好都合でした。
 総勢7人で配りました。大人(保護者・教職員)よりも、生徒の受け取りがよくないのが昨年からの傾向です。
 9時前に一度副校長らしき黒い式服の男性が「敷地内に立ち入らないで」「生徒に配らないで」と言ってきましたが、それに対して、九条の会の年配の男性がものすごい剣幕で、
「なぜ生徒に配っちゃいけないんだ」「あんたはそれでも教育者か」などとくってかかったら、その気迫にたじたじとなって、すぐに消えて二度と現れませんでした。

■O高校
 7時50分から、2人で撒く。卒業生も在校生も普段と同じ8時半登校らしく、その時間にほとんどの生徒が登校してきました。
 雨も配っているうちにどんどんひどくなり、チラシもぬれて受け取りはあまりよくありませんでした。それでも「おはようございます」より「卒業おめでとうございます」に反応して受け取ってくれる生徒もいました。
 教員は半分ぐらい受け取ってくれたでしょうか、「ご苦労さま」「生徒の受け取りはどうですか?」と声をかけてくれる人もちらほらでした。
 行ったときは奥のポールに旗はなかったのですが、いつの間にか日の丸が揚がっていました。
いつもの副校長が、「いつもの方ですね、おわかりだと思いますが、危ないから自転車の子には渡さないように、敷地内には入らないでください。」と言ってチラシを1枚受け取っていきました。
 8時40分ぐらいから生徒達の登校が途絶え、保護者はまだ姿を見せずだったので、
 寒さと雨に負けて帰ってきました。たくさんチラシを持って行ったのですが、100枚弱しか撒けませんでした。

■P高校
 7:40~9・40. ここは進学校です。特に女子生徒は華やかな和装で、校門前は記念写真撮りでにぎやかでした。しかし、ビラの受け取りはよくありませんでした。
しばらくして、副校長が出て来て、「車の通行が激しいので気を付けて下さい」と言うので「ハイ、気を付けます」と答えると、「生徒や保護者に何かあったら、しかるべき措置をとります」と言うので、「しかるべき措置って何ですか」と聞くと、それには答えず、中に入って行きましたので、後ろ姿に「都教委からそう言えと言われているのですか」と
声を掛けましたが、そのまま行ってしまいました。
ビラの受け取りは生徒・教職員・保護者とも余り良くなく、78枚だけでした。ただ、いつもビラを受け取ってくれる生徒は今日も受け取ってくれました。

■Q高校
 8時に学校に着くも、卒業式は午後から駅そばのホールでやるとのこと。出直す。
11時~14時。2人で撒く。
12時きっちりに警察権力1人現れて隠しマイクで状況報告していましたがすぐ引き上げました。
 配った枚数230枚。受取は、生徒が30%ぐらい、保護者が50%くらいかな。在校生の一人が話しかけてきて「君が代を歌わないのが犯罪なのですか?」とびっくりしていました。学校の先生に「君が代」不起立で処分された先生がいることなど全く知らないと言っていました。
サラリーマンような格好の今風の若い教師たちの姿がありましが、ビラなどになんの関心むもなくスイスイ動き回っているのにはびっくりしました。数人固まって昼飯から帰ってきた中で一人が「なんですか、それ」といって受けとっていきましたが、緊張感もなしで受け取っていきました。「日の丸・君が代」をめぐる緊張感というものすら知らない教師が増えているんだなと思いました。

■R高校
7時45分から一人でビラまき開始。主事さんが入学式の立て看板を設置。生徒、保護者が登校し始める。保護者の受け取りは良かった。生徒はほとんど受け取らない。驚いたのは卒業男子生徒が袴姿で来たこと。管理職が来て、この辺りは目の不自由な人が通るので、気をつけて撒いて下さいと声をかけてきた。
何でこんなに袴姿が多いのか聞くと、本校は制服が無いので多いとのこと。校門前で写真を撮る家族も多い。9時終了。約80枚。

■S高校
 1人で撒く。受け取りがよくなく、70枚くらいになりました。雨は降らなかったのですが、影になった場所で寒くて辛かったです。生徒も保護者も受け取りが余りよくなく、受け取って返しに来る保護者もいました。
ビラまきをしていますと、60台くらいの男性が話しかけてきました。保護者だと思ってビラを渡していたのですが、住民だったようです。「思想良心の自由だと言いますが、みんなが立っている中で1人だけ座ることなど、私には絶えられませんね」と。私は「それが信念というものです」と。すると「法律で起立斉唱が決まったのではないですか」と誤解を述べてきました。そこで「国旗国歌法は、日の丸を国旗、君が代を国家と定めているだけで、強制をするものではありません」と。そうすると「ああ、そうなんだ」と応えたのですが、次にこういいました。「私の職場にも共産党の人がいましたが、優秀なのにいつまで経っても平のままで、給料も低いままであった。いいことなど全くない」と。そこで、私は「誇りが残ります」と応えると、「ふーん」といって離れていきました。しかし、私たちはいつの間にか希少生物のように見られているのだと愕然としました。

2018年3月27日火曜日

2018年3月 都立高校の卒業式へのビラまきの報告(1)

3月2日から始まった都立高校の卒業式は3月22日で終わりました。
都教委包囲ネットは例年通り、卒業式当日、ビラまきをしました。
ビラを撒いた高校は(全、定)は例年同様、約60校で、その枚数は約1万5000枚でした。協力して下さったみなさん方ありがとうございました。

全体の傾向としては例年と大きく変わりませんが、以下のような傾向があったと思われます。
<管理職の対応>
  比較的穏やかになってきているが、まだまだヒドイ対応もある。
<生徒>
 ビラの受け取りについては学校によってばらつきがある。どちらかというと予備校化しつつある「進学校」の方が受け取りは良くなく、普通の学校の方が受け取りが良い。
<教職員>
  管理が強まっているせいか、どちらかというと若い教職員の方が受け取りが良くない。生徒に撒かれるビラに関心を持たない教職員!?ってなんだ。そもそもそれがヘンではないのか
 年配の教職員の方が受け取りが良い。なかには、歓迎してくれる教職員もいる。
<保護者>
 ビラに「ご卒業おめでとうございます」と書いてあるせいか、比較的受け取りはよいが、が、やはり<生徒>と同様の傾向がある。

〇学校側(管理職)の対応として、大抵の学校では「生徒に渡さないで下さい」と言うが、ゴミ箱を置く所もある。学校側はなにを恐れて、生徒にビラを受け取らせたくないのか。
板橋高校ではそれを聞いた市民が「それでも教育者か!」と大変怒ったそうだ。当然です。

〇「政治教育」「主権者教育」が重要なんて言うが、また、「いろいろな意見を」などと言っているが、実際には、生徒たちから「いろいろな意見」を遠ざけ、生徒たちを「洗脳」していることを自ら示しているようなものだ。
  以下、ビラまき報告を何回かに分けてアップします。


都立高校卒業式 正門前ビラ(チラシ)まきの報告   2018.3 
  
■A高校 
 A高校は2人で8:00~9:50実施。120枚配布した。練馬教育問題交流会の2人の人も独自ビラを配布した。お互いに「別のバージョンです」と言いながら渡したが、10名程の人は受け取らなかった。受け取った人は殆どが二種類のビラを受け取ったことになる。
学校対応は「敷地内に入らないでください」と一言だけだった。
Hさんが明るくて「今日はよい天気で良かったですねー」と呼び掛けたりして、生徒・保護者共に文句を言う人もいなかった。
●「練馬教育問題交流会」の人からの報告
 私たちの方は、途中一人が帰ったこともあってか、89枚でした。在校生、卒業生、保護者の順番できましたが、生徒の受け取りは3割程度、保護者は7割程度でした。自転車でビュッーは渡せません。校門の表示は「卒業式」、ここは掲揚塔に「日の丸」が掲げられているので、校門の「日の丸」はありません。
 のんびりした雰囲気で、OBOGであると思われる兄弟姉妹がまとめてくるという情景もありました。

■B高校 
 8時前に正門前に着いた。男性が門扉に「日の丸」の旗を括り付けていた。9時45分には教員もいなくなったし保護者の足も途絶えたのチラシ撒きはやめた。一人で撒く。180枚。
生徒はまあまあの受け取り。自転車通学が多いので注意しながらやる。保護者はだいたい受け取った。「ご卒業おめでとうございます」の文字が目に入るので。「ありがとうございます」と言う人は多い。
今年の特徴は学校が何も言ってこなかったこと。教職員でチラシを受け取って「ありがとうごさいます」という人は数人。若い教職員は受けとらない。

■C高校
 7時45分~9時45分。8時過ぎに、「日の丸」の設置を見にきた副校長が、「ビラを撒くのをやめてください」という。この人は9時過ぎに、同じことを言う。
チラシは生徒も保護者もだいたい取ってくれた。合計で270枚撒いた。但し、校舎の入口に段ボール箱が置いてあり、チラシを捨てさせる指導をしていたかもしれない。それでこちらは「先生、ビラを捨てさせる指導はやめてください」という。教員は「いらないという生徒のためだ」なんて意味のことを言った。以前は、この学校では門を入ってすぐ正面のところに段ボールを置いていた。
 生徒たちはフレンドリーな感じだった。5~6人で集団ではしゃいでいる男子たちがいたが、そのうちの一人の母親がきたら、母親とも打ち解けて、みんなで写真を撮ったりしていた。女生徒たちは口紅をして華やかな感じの子が多かった。髪の毛については、一人の女生徒が茶髪だったが、先生に茶髪が強すぎると言われると、(そういわれるのを予想していた)生徒は、そばの公園で母親と一緒にスプレーで黒髪にした。本人も母親も先生もニコニコした感じだった。
 卒業式チラシの「ご卒業おめでとうございます。」は差出だすとすぐわかり、卒業生も保護者も「ありがとうございます」と応じる人が多かった。卒業できてうれしいという気分があふれた感じだった。「プログラムですか」と聞いた人もいた。読んでくれるといいのだが…。

■D高校
 この学校の宣伝文句は1900年創立、118年もの長い歴史をもつことと。2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が1958年から5年間定時制に勤務していたことです。生徒は卒業生も含め、ほとんど学生服の制服なので見分けやすい。半分以上が自転車通学。生徒は「読んでください」と声をかけると、8割くらい受け取ってくれました。
全体に素直で、自転車の生徒には渡せないものの、「お早うございます」と声をかけると半分くらい会釈してくれました。逆に保護者の受取があまりよくなく、半数くらいでした。
原則として、路上でビラは受け取らないという世相の反映だと思われます。
 教師は通行人と見分けがつきにくく校門を入っていってから気づく例が多数でした。校門内で案内係をしている方が6人ほどいたので、「先生、1枚どうぞ」というと「どんな内容ですか」と問われ「ご卒業おめでとうございます。立たない、歌わない自由があります」というものですと返事すると、はっきり「いりません」と拒否されていました。
チーフ格のようにみえたのですが、ひょっとすると立場上、受け取れなかったのかもしれません。またビラを手にわざわざ話しかけてくれた生徒が1人いて「こういうビラは生徒には渡さないほうがよいと思います」というので「どうしてですか? 国旗国歌の起立斉唱のとき、強制だと勘違いしている人もいるかもしれないので、そんなことはないと知らせるビラなのですが・・・」と答えました。「もう時間がないので」と立ち去ろうとするので「話してくれてありがとう」と答えておきました。態度はていねいでまじめだったので、礼をいう価値がある生徒でした。ただこういう体験は初めてでした。
 学校側からは、8時半ごろ副校長と名乗る方がビラを手に出て来て「生徒に撒くなとはいえませんが、生徒に影響が出ないよう配慮をお願いします」と一度言われただけでした。
「自転車の生徒には気をつけており、渡さないようにしています」と答えました。
朝8時5分から10時までで1人で172枚撒きました。自転車通学の生徒が多いことを考えると、かなりよい受取だったと思います。

■荒川工業高校
 東京・山谷日雇労働組合の組合員4人で行ないました。7:40に到着。ビラ250枚は受け取りが良く、9:40ころには無くなりました。
先生の受け取り6割、在校生・卒業生・親族の受け取りは9割近くだったと思います。
先生の中には、「ビラまきありがとうございます」とわざわざ言いに来る先生がいました。
教頭は、「卒業式のじゃまになるのでまかないで下さい」「警察に通報します」という対応。通報を受けてパトカー1台と制服警官3名、私服1名が来ました。来ても、ビラまきをさせない理由も無いため、遠くから見ているしかないというものでした。
 卒業式当日に、「日の丸・君が代」強制反対のビラまきに対して、当たり前のように警察に通報するとは。「これが都教委の作りたい教師なんだな」と皆思いました。

■F高校
 7:30~9:25まで。職員10枚程度、そのうち若い人は3人ぐらい。50数枚撒く。
校長らしき人が「敷地内では撒かないで」と言いながらビラの内容について、「前のときもビラまきの人に言ったが、こんな難しい言葉で言ったって生徒でわかる者は少ないだろう。もっと易しい言葉にしろ」と言う。その教員の態度などから、要するにビラに難癖をつけているようで、決して好意的というものでない。

■日野台高校
 7時55分~10時 248枚
  到着してぽつぽつと登校してくる生徒に配布を始めると3人連続で受け取ってくれた。
さい先いいな、と思ったのだがその後はそれほどでもない。保護者の受け取りは悪い方だろう。でもやはり卒業式、このくらいの枚数にはなった。校門の看板は「卒業式」の簡素な文字。掲揚塔は3本同じ高さで3つの旗が風もなくぶら下がっている。
 「副校長の○○です。」という人が出てきて「生徒に渡さないでください」「交通の妨害になるので離れてください」などのことを言い、生徒に渡そうとすると間に割り込もうとする。「生徒の知る権利を奪わないでください」「私の表現の自由をうばわないでください」などとこちらもいい、「政権批判が出来なくて主権者教育は出来ませんよね」
というと何かをもごもご言っていました。
 一度は引っ込んだ副校長でしたがしばらくしてまた来て同様のことを言う。また、別の、小柄だががっちりした感じの年配の人が出てきて居丈高に大きな声で「生徒に渡さないように」「通行の妨害になる」などのことをしつこく言う。「貴方はどういう方ですか」には「学校関係者」とのみ応える。生徒に渡そうとすると「生徒に渡さないように」と大きな声で言う。すると受け取りそうな生徒の手がちぢんで受け取らない。結構生徒に影響力のある人のようです。
 「警察に連絡しますよ」と言うので「その方が分かりやすいかもしれません」と応えると副校長に「警察に連絡してください」とあごで使うような言い方をしていました。
その人はしばらくいたものの(その間は生徒は受け取らず、渡せませんでした)いなくなると生徒の受け取りはそれなりによくなりました。さて、あの人は誰なのでしょうか。服装などは多少ラフな感じで・・再雇用の管理職経験者かな、あるいは事務系の偉い人かな、、。
 忘れた頃にパトカーが一台通り過ぎてゆく。回りを回っているだけかなと思っていると
 しばらくして警官2名がゆっくりと歩いてくる。「通行のじゃまになっているとの通報があったので」「学校からですか」「どこからかは分かりません」「私が法律に違反しているならはっきりとそれを言ってください。そうでないなら私は表現の自由を行使しているだけです」「法律と言うことではなく・・」「警察は法律に基づき仕事をするところでしょう」「苦情が来ていますので・・」「その苦情が妥当なものかどうか警察が判断してください」「判例についても弁護士さん数名から聞いています」などのやりとりを穏やかな口調で行う。警官は少し離れたところで数分間見ていたがそのうちにいなくなる。
 9時45分頃に 見覚えのある顔、胸には議員バッジと日の丸のバッジ チラシを受け取ると少し丁寧に見ながら何も言わずに中に入ってゆく。都議の古賀でした。(校長、都教委に何か言うんだろうな)
 チラシを受け取った後、返しに来た人が2名。私の差し出したチラシを受け取らずに5秒くらい凝視し「いりません」との人1名。「がんばってください」との励ましの言葉をかけてくださった方2名。

■H高校
 7時30分到着 ~10時まで
 「『日の丸・君が代』の強制に反対する大田・市民の会」2名と包囲ネット1名で配布。
 南部法律事務所の弁護士1名が例年通りの立ち合ってまれた。
 この高校の正門は駅方向とは反対側にあるため、生徒は主に駅方向に近い裏門から入ってくる。そのため撒き手は正門2名、裏門1名に分かれて配布を行った。8時の時点では、生徒はほぼ登校完了の様子。9時10分頃から保護者が三々五々やってきた。ビラの受け取りは良好で、クレームをしてくる保護者は見られない。パトカーが回ってきた以前とは大違いである。
 9時20分頃、副校長が出て来て、生徒に配るな、敷地に入るな、交通の邪魔になるな、といつもの3点を指摘してすぐに引っ込んだ。在校生と思われる生徒のビラ受け取りは、例年通りあまりよくない。10時直前まで、細く曲がりくねった一方通行路の正門前に乗りつける保護者がいて、いつもながらに慌ただしい風景であった。10時にて終了、配布枚数は、204枚であった。全体的には、例年に比べ保護者の受け取りがよかったとの印象であった。

■I高校
 午前8時~10時まで。東京都地域連合労働組合が撒く。到着するとすでに、校庭の三本のポールの真ん中に「日の丸」が掲げられていました。8時過ぎには、ぱらぱらと教員が出勤してきましたが、ビラの受け取りはあまりよくありません。
 8時13分ころ、「卒業証書授与式会場」の看板を正門に掲げに来た3人の教員の一人が「敷地内には入らないように」といってきました。
8時半ころから9時前までが卒業生の登校のピークで、自転車で登校する生徒以外は大体受けとっていました。正門前にいた教員は、「自転車に乗っている生徒には、ビラを渡すと危険だから気をつけてください」などといっていました。
 保護者はよくビラを受け取っていました。撒いたびらは、221枚でした。

お知らせ 卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会開催

3月31日 (土)に「卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会」を開催し、今年の卒業式の状況についての詳しい説明も行います。ぜひお集まりください。
★卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会
 3月31日(土)13時30分~
   豊島区生活産業プラザ8F(池袋駅東口5分 工事中の豊島区民センター裏)

2018年3月26日月曜日

3/22 都教委定例会 根津公子さんの都教委傍聴記

3月22日に行われた都教委定例会についての根津さんの報告です。

5歳から公民づくりに邁進する学校

公開議題《報告》は、
①研修動画の配信に向けた環境整備と今後の方向性について、
②幼小の一層の円滑な接続を測るための教育課程の研究・開発について。

①研修動画の配信に向けた環境整備と今後の方向性について
 ―効果的・効率的な研修に向けて―
 都教委は今年(17年)度から全教職員に「マイ・キャリア・ノート」(PC上に)を配り、専門性向上・目指す職層のための研修計画・報告を記入することを求めている。本人と校長が閲覧・書き込みができる。何も記入しない教員に対しては、受講計画を記入するよう校長が書き込むという。

 18年度からはこのマイ・キャリア・ノートに研修動画56本を配信し、学校でも家でも研修できるようにするのだと言う。講師は都教委・主任指導主事や文科省職員、大学教授等。
 例えば、事前に動画を視聴して受講すれば、1コマ3、5時間の研修を3、0時間にする。「校長候補研修」は今年度5日の通所研修だったところ、動画で研修すれば、通所日数を1日減とする。「学校を離れて受講するのはオーバーワークの続く教員にとって大変だから、(動画での研修は)働き方改革につながる」と、報告者はぬけぬけと放言した。
 本来、教員の研修は本人が決めるもので、強制されるものではない。なかった。現在は研修と言えば官制研修を指すが、かつては民間サークルの研修も尊重されていた。初任者研修制度の導入(1988年)に組合が反対できずにきたことが今につながる。

②幼小の一層の円滑な接続を測るための教育課程の研究・開発について
 「小学校教育の現状と今後の在り方検討委員会」の提言(17年12月14日)を受け、「5歳児から小学校低学年をひとまとまりにした教育課程の方向性を検討する」とのこと。これは文科省が出した保幼小連携の方針に呼応したもの。
  外部有識者3名+モデル地区教委2名+都教委3名の委員構成。モデル地区を荒川区に指定し、モデル校(公立幼稚園1園・公立小学校1校)で実践・検証するという。
2017年度:研究・開発委員会の設置
2018年度:モデル校の指定、検討委員会の開催(6回)、2019年度入園児募集(新3歳児)
2019年度:文科省「研究開発学校制度」申請
2020年度:教員研修、教材の開発、教室環境の整備
2021年度:モデル校での実践及び検証開始
 この報告に対し、教育委員から「モデル校に入るために、受験教育が3歳前になる不安がある」などの発言はあったが、反対の発言はなかった。不安があれば、一言感想ではなく、職責としてしっかり論議をしてほしいものだ。無責任とは思わないのか、と思う。

★「研究開発学校制度」とは、「現行の学習指導要領によらない教育課程の編成・実施を認める研究開発学校を指定し、新しい教育課程、指導方法等についての研究開発を行い、教育課程の基準の改善等に資する」もので、指定期間は原則3年、平均200万円程度が予算措置される。1976年に導入されたとのこと。こんな制度を私は知らなかったが、幼小中連携に関して新潟大付属小学校が2003年度から研究開発学校となったなどの事例があがっていた。★東京初の民間校長を採用し、区が独自に採用した教員を持つ杉並区も、「杉並区幼保小接続期カリキュラム・連携プログラム」を策定したと杉並区のHPに掲載されている。

 さて、保幼小連携は1年生がじっと着席していられないなどの「小1プロブレム」があってのことなのか。いや、もっと積極的に、昨年3月、3歳以上の幼児が「国旗・国歌に親しむ」ことを求めた、「幼稚園教育要領」及び「保育所指導指針」の改定と関係するのではないかと思った。
幼稚園教育要領は「正月や節句など我が国の伝統的な行事,国歌,唱歌,わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親しんだり」と、保育所指導指針は「保育所内外の行事において国旗に親しむ」と謳う。どちらも、18年度から施行となる。

★教育行政は子どもを、一人ひとりが人格を持った、人格形成の途上にある存在と見ずに、国のために命を捧げる人材としか見ない。そうした人材育成を、幼小一貫した学校教育で、1年でも早くから国旗・国歌、「愛国心」を教え込み、行うというのではないのか。そう考え、ムカムカしながらこの報告を聞いた。それは、私だけではなかった。Wさんは退場時に、「子どもたちを都教委の、国のロボットにするな!」と叫び続けた。
幼小連携も「子どもたちを戦場に送る」ための教育ではないのか。「子どもたちを再び戦場に送らない」との日教組のスローガンは今も「健在」のはず。日教組や全教執行部、及びその組合員はスローガンを行動で示すべきだ。組合が大きく主張し宣伝すれば、多くの人に理解されるはずだ。「我が子が大事」と誰もが思うのだから。

3/8 都教委定例会 根津公子さんの都教委傍聴記

3月8日に開かれた都教委定例会の根津さんの傍聴記です。

「国際理解教育」は英語だけ

公開議題は、
①来年度使用都立高校用附則9条本の採択について、公開報告が
②都独自英語教材「Welcome to Tokyo」Beginner及び日本語版について。

①来年度使用都立高校用附則9条本の採択について
 附則9条本とは、学校教育附則第9条が規定する教科用図書のこと。一般には文科省検定済教科書を使用するが、フランス語や中国語等の外国語科目や工業等の専門科目で使用する図書、特別支援学校(知的)で使用する図書をいう。
  附則9条本の採択については「都教委の考え」が支配することはなく、今回も各学校が選定した図書がそのまま採択された。

②都独自英語教材「Welcome to Tokyo」Beginner及び日本語版について
 2016年度より都教委作成の「Welcome to Tokyo」(小学5,6年生用、中学生用、高校生用)を使った授業が各学校で行われている。新学習指導要領は2020年度から小学校で、21年度から中学校で、22年度から高校で本格実施となる。ただし、安倍政権が目玉とした教科「道徳」は前倒し実施で、小学校は2018年度からとされた(1989年からの「日の丸・君が代」の強制も、前倒し実施だった)。本格実施前2年間は移行期間とされるが、小学校英語は移行を急がされている。それに乗じてか、都教委は小学3,4年生用の「Welcome to Tokyo」を作ったとのこと。子どもには冊子を、教員には指導書とDVDを3月中に配り、新年度からそれを使った授業を各学校に課すという。また、3,4年生用以上の「Welcome to Tokyo」の日本語版を作り、姉妹校や国際交流を行う学校、海外から来た子どもにも配るという。小学校英語が、子どもたちの負担になるだろうことが気になるが、都教委はこうした「都教委、やってます」的なことには、金をふんだんに使う。

 都独自英語教材「Welcome to Tokyo」を使った授業の狙いは、次の3つ。
ア.日本・東京の文化、歴史等の理解の促進
イ.英語によるコミュニケーション能力の伸長
ウ.オリンピック・パラリンピックに向けた国際理解教育の推進


  小池都知事は、毎年9月1日に市民団体等で構成する実行委員会が行ってきた「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」への追悼文の送付を昨年、やめた。歴代都知事ではじめてのことだった。歴史修正主義者であることをもろに見せつけたこの人が言う「国際理解」とは何ぞや。この人の言う「文化、歴史」とは何ぞや。きれいなことばを表看板に、近隣諸国条項を撤廃した如くの、「日本ファースト」の差別意識・歴史歪曲の刷り込みが、ここでも進むのではないかと考えるのは、考え過ぎか。すくなくとも、英語=国際理解は止めてもらいたい。

非公開議案
詳細は後日都教委HPに掲示される「服務事故」を見なければわからないが、今回も停職・免職の懲戒処分案件が7件。またも、性的行為や窃盗が続出するのか。子どもに被害を及ぼすことには我慢ならない。

2018年3月3日土曜日

都立高校の卒業式に撒いているチラシ

3月2日から都立高校の卒業式が始まりました。都教委包囲ネットは例年通り、卒業式の当日、高校正門前で、チラシ撒きをしています。
チラシは下記のようなものです。
チラシをご希望の方はお送りしますので、ご連絡ください。




2/25 総決起集会報告(その二)

2/25 総決起集会報告(その二)  

②闘いの現場からの報告が8件ありました。なるべく簡単に紹介しますが、現在現場では困難な中、様々な闘いが行われていることが分かりました。

(1)<朝鮮学校の「無償化」排除との闘い> 報告者:「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会の方

2014年4月に始まった「高校無償化」は、8年たった現在でも解決されないままだ。
2013~14年、大阪、愛知、広島、福岡、東京で、生徒・卒業生たちが中心となり裁判 闘争が始まった。
昨年(2017年)7月に大阪地裁で原告勝訴判が出たが、9月に東京地裁は原告敗訴の不 当判決を出した。各裁判は控訴審に移る。
当時原告だった生徒たちは大学を卒業し、朝鮮学校の教師になってるのもいる。
かれらは毎週金曜日16時~、文科省前で抗議行動をやっている。是非支援に駆けつけ てほしい。また東京高裁(101号室)では、3月20日(火)15:00~ 第1回口頭弁 論が行われる。傍聴希望者は14:15までに集合していただきたい。

(2)<都立高校の現場から> 報告者:都立高校教員

五者卒業式・入学式対策本部では、都立高校でA3版両面刷り1枚で半分に折ったパン フを作った。そこには「卒業式を前に・・・」ということで、(「10・23通達」は人権 侵害?)、(裁判闘争)、(卒業式は誰のため)、(「日の丸・君が代」の歴史)、(戦争と愛 国心)などが書いてある。



















現場では、50代後半の人間がいなくなると、「10・23通達」が意識されなくなる。疑問 を持たず、現状を当たり前と思う教員が多くなる。職場で校長が「職務命令書」を渡す と「どうもありがとうございます」と言って受け取っている教員がいる。自分が命令さ れているのに。

(3)<河原井・根津裁判> 報告者:根津さん

2015年高裁での須藤判決(07年3月「不起立」)で、河原井・根津がともに勝訴し損害 賠償も認められた。そこには「自らの思想や心情を捨てるか、それとも教職員としての
身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、・・思想及び良心の自由に対 する実質的な侵害につながる」と述べられた。
しかし、2017年地裁判決(08年3月「不起立」)は、「トレーナー着用」と「過去の処 分歴」を理由として原告敗訴にした。この控訴審はこの1月、2人の本人尋問終了後、
突如結審、5月24日判決となった。

(4)<道徳の教科化に抗して> 報告者:小学校教員

「10・23通達」の年に採用された。
Jアラートには反対した。しかし管理職や多くの教員は下を向いていた。担任をはずさ れている。
この10年、入学説明会の時に、入る前から「こういう子どもに育ててから学校へ入れ てください」と言っている。フランスではデコボコな子どもたちが入る。日本はみんな 同じ状態にしてから学校へ入れようとしている。家庭教育にまで口を出している。
道徳の教科書が出来、さらに評価がある。道徳は教科書になり得るはずがない。そして 学校がそれを評価する。公立学校がそういうことをしてはダメだ。22の項目(徳目)を扱う事になっているが、奴隷根性を育てるようなものだ。現場は 降伏し、受け入れ、「評価は何回すればよい」などが議論になっている。

(5)<千葉の高校現場から> 報告者:千葉県の高校教員

★静脈認証問題
今年度、一人一台配布された校務パソコンの個人認証方法として「静脈認証」を利用することになった。導入の手続き 各人の了承はなし、詳しい説明もなし。静脈パターンは、究極の個人情報。管理は、富士通リース(株)まかせだ。
認証を拒否した場合は使用不可になる。代替措置は、現在のところなし。(交渉中)
それをしないと成績の入力もできず、「拒否した場合は再任用しない」と言われた人もいる。これに対し、裁判闘争を考えている人もいる。
★「学校スタンダード」問題
定期テスト問題を学年統一問題にするという圧力がある。評価の公正さ、単位不認定のさいに問題とならないように、との理由だ。
同時に、授業内容への指導計画、シラバスの機械的適用で、画一化、マニュアル化がすすんでいる。教職員の自由、独自性、特色を奪い、やる気、働きがいを低下させる。教員は、専門職から従業員に。教員のロボット化だ。
★受験産業の介入問題
 「高大接続改革」で導入される「大学入試共通テスト」や「学びの基礎診断」(一斉学力テスト)に関して、ベネッセ、リクルートなどの受験産業が公教育に、ビジネスチャンス到来とばかりに売り込み。もうけの対象になっている。
 進学校では模擬テスト、受験教材購入。困難校では、学び直し、朝学習教材購入。 文科省官僚と受験産業幹部との癒着や利益誘導、政治家の関与があるかないか。

(6)<反ミサイル防衛訓練、反オリンピック> 報告者:東京にオリンピックはいらな いネットの方

1月22日に内閣官房、消防庁、東京都、文京区主催で行われた弾道ミサイルに関する住民避難訓練について一言。
都立高校には依頼がなかった。訓練参加者はあらかじめ声をかけた町会と事業者、東京ドームの従業員だ。混乱を避けるという意図で都立学校への参加依頼がなかったと分析している。今後はどうなるか分からない。警戒が必要だ。

★儀式の持つ教育効果をよく知っているのが学校関係者であり支配者層だ。オリンピックを利用して社会を一つにしようと企んでいるのではないか。その証拠として「みんなでラジオ体操プロジェクト」を紹介する。
 目的に「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への気運を醸成し、大会を成功に導くためには、都民・国民の心を一つにする必要がある」とある。文字通りファシズム的発想だ。状況はそこまで来ている。そのために選ばれたのがラジオ体操だ。
「音楽を流せばいつでも誰でも一緒に体を動かすことができる」「都民・国民が一つになるスポーツ」として最適である、と言っている。
東京オリンピック開催期間時期の7月24日から9月6日、都庁内に午後2:50ごろ放送が流れ、職員がラジオ体操をしていた。

★小池都知事の悪だくみは東京都だけにとどまらない。全国に広げようと企んでいる。
それが2017年8月10日付の各道府県担当あての「ラジオ体操の動画について」だ。ご当地のゆるキャラや知事が参加したラジオ体操動画を撮影して、送ってくれというのが内容だ。募集の締め切りは2017年9月6日だった。
 しかし、締め切りまでに送ってきた自治体はゼロだった。締め切り後に愛媛県、徳島県、神奈川県、熊本県、京都府、長崎県、滋賀県、大分県、兵庫県、秋田県、宮崎県、埼玉県、福島県の1府12県。他に岡山県の真庭市が動画作品をとったと連絡してきた
(2018年1月26日まで)
 東京都はラジオ体操プロジェクトのためにノボリも作っている。マスコットキャラはユリカモメをモチーフにしたゆりーと君だ。このノボリが何本作られてどこに配布されたかについては現在調査中だ。
東京の教育は様々な点で問題があり、オリンピックは大きな問題だ。具体的な事例一つ一つを見逃すことなく、おかしいことはおかしいと言うことでしか社会は変わらないと思う。

(7)<共謀罪は廃止へ> 報告者:破防法・組対法に反対する共同行動の方
 明治100年の時、反対運動をした。しかし、現在私たちの運動が弱すぎる。ただ、「共謀罪」法は通過したが、これまで「共謀罪」を適用した件はゼロだ。その為の捜査が進められていると思うが。
 いずれにしても「共謀罪」実働化体制が作られている。
 「司法取引」「微罪逮捕」「大量盗聴」「大量の私服警官」「職務質問」など準備が進められている。「テロ対策基本法」では令状なしの拘束も認められる。「転向」させる法も準備されている。刑罰制度を前面「改正」しようとしている。
これで憲法に「緊急事態条項」が入れば、どうにでもなる。
当面、3月12日(月)には、戦争・治安・改憲NO総行動霞が関デモがある。また、3月25日(日)には、戦争と治安管理に反対するシンポジウムを開く。是非、参加を。

(8)<練馬自衛隊基地ウオッチング> 報告者:練馬平和委員会の方が別件で来れず代 読)
 ★自衛隊員の現場の実態
 上官:さあ!冬休みだ。田舎に帰って”広報マガジン”持って自衛艦獲得してこい。
 部下:それどころじゃねえすよ上官!
    部下が火気厳禁のはずの射撃演習中、何回指導してもタバコやめないスヨ。
 上官:バカ!特定秘密だ!漏らすんじゃねーぞ!
    とにかく隠せ。バラしたら首だ。
 (として、実際に訓練中にタバコを吸っている写真:左手に小銃、右手にタバコ)
 「消防士試験落ちた。自衛隊に入った瞬間ヤバイと思った。
 ・・・騙された。
 安保ってヤバイってなんとなくわかってきた。
 そんなはずじゃなかった。」
 「アメリカで3週間演習に参加した、アメリカだけには逆らえない。
 PAC[3ミサイルが朝霞に配備され、レーダー照射訓練の時は、
 電磁波の危険性から建物の中に入れという命令が出た。
 ミサイルが自爆したら朝霞駐屯地には消防車一台しかないから無理」
 「日米共同演習の時だった。米軍は使用したナマダマ弾の薬きょうは
 演習場にそのまま捨てていった。誰が拾うの?もちろん自衛官だ。」
★自衛隊演習場でオリンピックのライフル競技
 日本ライフル射撃協会の指導員に質問した。「オリンピックが軍基地で開催された事例ありますか?」「射撃はありますよ。」「それはいつどこの国でしょうか」「・・・・今忙しいので」、答えにつまった。
★ヘリコプター無料遊覧飛行
 2月24日あるいは25日に実施。陸上自衛隊朝霞駐屯地からスカイツリーまで。
 申込期間は1月5日~2月10日まで。これをヘリ墜落事故(2月5日)後もやろうとしたので、中止を要請、しかしやめようとしなかった。
★オスプレイ1機、練馬区上空を通過
 2月20日、16:20頃、北から南方へ。練馬区総務係:「オスプレイの飛行全く情報提供なし」と言う。

③「卒業式におけるビラまき」の行動提起
④集会アピール採択 閉会挨拶



















「私たちは、2018年における『日の丸・君が代』強制との闘いを、反戦・反改憲、そして教育勅語復活阻止として闘います。…教職員・労働者・市民・学生の共同した闘いで今春期の攻防を闘い抜きましょう!」
「団結頑張ろう!」で集会を閉じる。
新しい春の闘いが始まります。「春なれや名もなき山の初がすみ」(芭蕉)

2018年3月2日金曜日

2/25 『2・25総決起集会』(主催:都教委包囲ネット)の集会開かれる

2月25日(日)東京で、卒業式を前に、<「日の丸・君が代」強制反対!「10・23通達」撤回!>のスローガンを掲げ、『2・25総決起集会』が開かれ、会場いっぱいの90名が参加し、成功することができました。
参加者の皆さん、また賛同などでご協力いただいたみなさんありがとうございました。(渡部)




















集会の内容(その一)
 ①講演:小倉利丸さん(批評家・元富山大学教授)
 ②闘いの現場からの報告
 ③行動提起

が行われました。




①小倉利丸さんは、
<明治150年」と改憲攻撃~「日の丸・君が代」強制反対の闘いの意義~>
という演題で講演されましたが、この演題は主催者が依頼した演題で、小倉さんは、講演に向け同タイトルの力作論文(A版9ページ、参加者に配布)を作成され、冒頭「与えられた宿題への回答です」と言われました。講演はそれをもとに、してくださいました。

小倉さんはまず、(その論文には出ていないのですが)現在学校現場で進行しているコンピュータ教育に関して参加者に、「ウインドウズ」のソフトをどのくらい使っているかを確認しました。すると多くの人(あるいは学校)が使用していることが明らかになり、
小倉さんは、マイクロソフト社の日本法人社長が「働き方改革」に全面的に賛同していることを紹介、現在私たちは、「多国籍企業のグローバリゼーション」と「安倍の極右ナショナリズム」が結びついている状況jの中に置かれていることを述べられました。

その上で、以下のような内容の事を話されました。
<近代150年の断絶と継続>
 「明治150年」はいかがわしい。だから、「現行憲法が出来た1945年の重要性をチャラにするものだ」「戦後と戦前を一貫したものとしてとらえ、戦前へ戻そうとする」などと言われる。しかし、ことはそう単純ではない。
 経済的な観点から見ると、日本資本主義にとっては大きな区分にはならない。むしろ、第一次大戦から第二次大戦の間の時期の方が大きい。それは1917年にロシア革命が起こり、社会主義が成立し、同時にファシズムも生まれてきた。世界不況の下でケインズは、財政政策を重視し、国家による経済への介入を正当化し、社会主義でなくとも自分の理論でうまく行くとし、「ドイツのナチス政権がそれである」と言っている。
 戦後日米欧などがやってきたのはそのケインズ経済理論だった。ドイツは反省し、日本は反省しなかったというが、国家利益を計算しながらやっているだけだ。だからナショナリズムを煽る言説が、どちらにも生まれている。「日本人は優秀、他は優秀でない」などという言説だ。












<憲法とナショナリズム>
 国民という枠で主権の主体を作る。国民主義としてのナショナリズムがある。憲法はその歯止めになるか。ならないだろう。トランプは繰り返しアメリカ憲法は素晴らしいと言い、だから「銃を保持する」と言っている「国民国家」は争いを作る基本的な構造だ。これが火種ともなり戦争になる。だから「自国ファースト」の支配者たちに利用される。

<憲法はナショナリズムとどのような関係をもつのか>
 憲法第1条から8条まで天皇のことについて書いてある。その中(第1条)で天皇の地位は「主権の有する日本国民の総意に基く」と述べてある。しかし、その「総意」の確認方法が規定されていない。
 「代替わり」は、次の天皇を承認しなければならないが、その規定がない。象徴天皇は国民の総意というが「総意」とは何か。
 権力者が国民に「総意」の一員であることを強制・義務づけているのが実態だ。これは憲法違反である。しかし、あいまいな「総意」で強制・義務を憲法が下支えしているのではないか。
 これに関連して「国民国家と戦争」について。
 9条は形骸化されている。戦争放棄を宣言していても戦争できる体制ができてくる。これは「国民国家」の体制の枠内では戦争放棄ができない。それを乗り越えていく世界にならなければならない。

<日の丸・君が代とオリンピックをめぐるナショナリズムの攻勢>
 スポーツと戦争は心情的には同じナショナリズムであう。1968年ごろは国別イベントに対する異論が出た。国家と文化・スポーツの関係は厳しい目で見られた。(ちなみに、オリンピック憲章には、「オリンピック競技大会は、・・選手間の競争であり、国家間の競争ではない」と書かれている。:渡部)
 スポーツでは「速ければ速いほど良い」と言われる。これは近代社会の機械の発達の表れでもある。軍隊も同じだ。
★時間(50分)の関係で、小倉さんは十分論文の内容を紹介できなかったようですので、この部分に関する論文の記述を二つほど紹介しておきます。
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〇2020年の東京オリンピックに向けて、日の丸・君が代が日常的な風景のなかで繰り返し登場するようになるだろう。オリンピックに先立って行われる天皇代替わりの行事は象徴天皇制の継続の具体的な制度化の一環としての新元号の制定と即位儀礼によって、象徴天皇制の国家としての「日本」というこの国の近代国家としての枠組みとイデオロギーが露出することになり、ここ数年を通じて、ナショナリズムを再構築する時間に入ることになる。そしてこうした時期が同時に改憲と重ねあわせるように政治のタイムスケジュールが組まれている。
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 戦争放棄という重要な私たちにとっての課題は、武器や兵器を廃棄するだけでなく、
戦争の心情を形成する国家や国民へと収斂(しゅうれん)するアイデンティティ形成の文化的なイデオロギー装置をいかにして打ち砕くか、という課題をも含むものでなければならない。

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小倉さんは講演で、
・グローバリズムとナショナリズムの共存、
・「明治150年」というもののとらえ方
 (特に戦前戦後を通して資本主義が続いていること)、
・「国民国家」の存在とナショナリズムのきっても切れない関係
・象徴天皇を決める「国民の総意」を権力者が勝手に決め、「国民」をそれに一方的に従 わせていること。
・スポーツと戦争とナショナリズムの関係
などについて明らかにされたと思います。
小倉さん、短い時間で申し訳ありませんでした。また、大変ありがとうございました。