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2013年3月31日日曜日

3/29 全水道会館で、『卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会』開催

■3月29日朝、都教委は「君が代」不起立者に対して、自宅で処分書を手渡しました。午後1時30分より、抗議と激励集会を開催しました。(参加者120名)

◆集会の内容
★最初に高校の「卒・入学式対策本部」からの報告では、被処分者は6名、うち5名は高校教員(不起立1回目一人、2回目二人、3回目二人)で、いずれも「戒告」。
特別支援学校の田中さん(不起立4回目)だけが減給1カ月の処分でした。

●東京新聞報道(3/30)

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★また今年度の特徴としては、
 ・強化された「再発防止研修」
 ・都議会の動き(12月に「10・23通達」の遵守強化の決議採択)が挙げられ、さらに都教委の指導強化が述べられました。
 その指導強化とは、例えば管理職止まりの文書には、「不起立行為等に対する懲戒においては、当該処分を選択することの相当性を基礎付ける『具体的な事情』が認められる場合は、戒告を超えて減給以上の処分を選択することが許容される」として、不起立等をしそうな教職員については、卒入学式前後の行動をよくチェッ クし、克明に記録しておくようにという指示がなされていました。

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★田中さんの職場では、卒業式の練習が2回、予行が1回行われ、その度に、「不起立」の田中さんに対し、<現認>と校長室への<呼び出し(事情聴取)>がなされ、「練習・予行」であっても職務命令」違反に相当すると言われたとのことです。「練習・予行」は減給処分するための証拠作りでもありました。

◆集会では、被処分者4名の方が発言しました。
Aさん:校長と副校長は卒業式前日、私に最敬礼して「明日はお願いします」と言った。
私の隣の席の先生も、管理職が危ない(「不起立」するのでは)と思ったのか校長に呼ばれた。二回目の不起立。<事情聴取>は前回は15分くらいだったが、今回は72分もかかった。

Bさん:三回目。職場は無関心、考えないような雰囲気になってきていると思っていたが、今回有志という形で都教委への「要請書」(「再発防止研修」はやめてくれ、という)を出してくれた。諦めないで闘っていきたい。不起立者には担任をさせない。生殺し状態に置かれるのが一番辛い。

田中さん:(前述の練習・予行の件を報告)<事情聴取>は昨年より厳しくなった。職場では、市職員会議ではないが、ところを変えて、話す機会が増えてきた。厳しい状況だが闘って行こうと思う。

Cさん:初めての不起立です。こんなに集まって頂いて支援が嬉しい。職場の同僚から「僕たちを代表して座ってくれたんだね」と言われた。みんなおかしいと思っている。
(その後行われた記者会見の席上) 
両親から戦争の時の苦しさを聞いて育った。教員になって「平和教育」に力を入れてきた。定時制の高校生たちと4年間正面からぶつかってきた。だから、このこと(「君が代」)だけを別にすることはできなかった。現場の教員が諦めたら最後だ。私自身がやらなければならないことを感じている。
特に、今回初めて不起立された方(Cさん)の「僕たちを代表して座ってくれたんだね」
現場の教員が諦めたら最後だ。という言葉は印象的でした。

★最後に、当面の行動提起として、
4月5日(金)に行われる「再発防止研修」に対する行動が被処分者の会から提起されました。以下にその概要を貼り付けます。
<再発防止研修抗議・該当者支援行動> ●報道関係者の取材歓迎!
 *早朝からの行動ですが、ご協力を!
 □4月5日(金)東京都教職員研修センター前(JR水道橋駅2分 都立工芸高校隣)
       8時20分 集合・行動開始
       8時35分弁護団申し入れ
       8時50分該当者(受講者)入場、激励行動
       12時30分頃(予定) 研修終了後、該当者激励行動 
           *呼びかけ:被処分者の会
 できる限り多数の方の参加!!
 これが、都教委に対する反撃の大きな第一歩になると思います。

3/28 卒業式で6名に不当処分(1名に減給処分)―処分者数延べ447名に

■3月28日、東京都教育委員会(都教委)は定例会を開催し、卒業式での「君が代」斉唱時の不起立などを理由に6名の教職員(都立高校5名、特別支援学校1名 被処分者の会調査)の懲戒処分を決定し、29日に都教委職員が各学校・自宅に出向いて該当者に対する処分発令を行いました。これで卒業式・入学式などで「君が代」斉唱時の起立・斉唱、ピアノ伴奏を強制する都教委の10・23通達(2003年)による処分者数は延べ447名となりました。 近藤徹さんの報告です。

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1・16年の最高裁判決を受けて、昨春の処分は2回目以上の不起立等に対しても戒告処分でしたが、今回都教委は4回目の不起立(1名)に対して減給処分の発令を強行しました。
 私たちは、都教委の卒業式での不当処分に満身の怒りを込めて抗議すると共に、被処分者を対象に予定されている服務事故再発防止研修の中止を求めるものです。

◆不服従の抵抗が続く 処分者数は昨年の倍に

10・23通達発出から10回目の卒業式。都教委は処分を振りかざして抵抗を抑え込もうと必死になっています。学校現場がますます息苦しくなり、自由にものが言えない雰囲気が蔓延しています。しかし、このような状況の中でも不服従の抵抗が継続しています。

昨年の卒業式の処分者数は、3名(都立高校1名、特別支援学校2名)でしたが、今年は6名(都立高校5名、特別支援学校1名)に倍増しています。

◆卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会を開催

本日、被処分者の会など都立高校四者卒・入学式対策本部は、卒業式処分発令に抗議・該当者支援総決起集会・記者会見を水道橋の全水道会館で開催しました。約120名の人々が参加して集会会場を埋め尽くしました。

集会・記者会見では、対策本部より卒業式を巡る状況の説明、該当者4名の発言などがありました。

今回処分された人たちは、「日の丸・君が代」を強制する10・23通達を以後の学校現場が命令と服従の場と化し、教職員がものも言えない状況に置かれていることをを告発し、この異常な事態を何とか変えていかねばならない、と切々と訴え、参加者の胸を打ちました。

◆処分内容、処分者数

被処分者の会の調査による処分の内訳などは以下の通りです。
(まだ都教委ホームページに発表されていないので最終的には変わる可能性があります。)

<卒業式の処分の内訳> 
1.都立M高校 戒告(不起立処分3回目)
2.都立A工業高校 戒告(不起立処分2回目)
3.都立MT高校 戒告(不起立処分3回目)
4.都立K高校 戒告(不起立処分2回目)
5.都立T高校 戒告(不起立処分1回目)
6.都立IT特別支援学校(不起立処分4回目)
 計6名

<学校種別>
 都立高校5名 都立特別支援学校1名

<発令日> 3月29日(各学校・自宅に処分発令通知書を都教委職員が持参)

2013年3月29日金曜日

3/28 被処分者の会 都庁前チラシ撒き

■3月28日(木)、早朝、都庁前にて、<被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団>によるチラシまきが行われ、23人が参加しました。

チラシの内容は ○教育委員会は、「君が代」処分をしないでください ○・内心に踏み込む再発防止研修は憲法違反ですというものでした。

★終了後、都教委定例会を有志数名と傍聴しました。30階の定例会室に近い廊下に行くと、いつもと違った物々しい警備体制(警備員と教委による)が敷かれていました。これは明らかに、その日の定例会で「君が代」処分を決めるので、それへの反対行動を押さえ込むためだったと思います。

★定例会では「都立高校学力スタンダード」の導入などが話し合われました。
これは、学習指導要領でアバウト(大綱的基準)に定められた教育内容をより具体的に定め、末端まで徹底しようとするものだと思います。一言で言えば、教育内容の国家統制であり、教育内容の形骸化です。

★なお、「君が代」不起立者への処分抗議と被処分者への激励行動が3月29日(金)、13時30分~、全水道会館(水道橋駅下車2分)であります。みなさん参加して下さい。

3/25 国立市の某小学校で卒業生の保護者がチラシ撒き

■3月25日(月)、 国立市の某小学校にて、卒業生の保護者が 『6年生、5年生の皆さんに』というチラシを <6年生のお父さんと5年生のお母さんの有志からの「おたより」> として、撒きました。  
 保護者の70%、児童の80%が受け取りました。 (他に「子どもが主体になる学校行事を求める会」もまきました)                                                            この保護者の一人は、卒業式会場で「君が代」不起立をし、校歌(谷川俊太郎作)の時には大声で歌ったということです。

◆チラシには次のようなことが書いてありました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ご卒業、おめでとうございます。
 卒業式で”君が代”の時、立つか座るか、歌うか歌わないかは、一人一人が判断して良い問題です。

 6年生の皆さん、・・・今日の卒業式、小学校生活のしめくくりですね。 ・・「門出(かどで)のことば」(呼びかけ)を、とても楽しみにしています。 また、「ベストフレンド」「心の中にきらめいて」「旅立ちの日に」の3曲の式歌を、6年生の皆さんは教室でよく練習していましたね。 とてもいい曲で、こちらも楽しみです。

 卒業式は6年生の成長を祝う日であり、式の主人公は言うまでもなく、6年生です。 しかしこの式の最初に、司会者の先生が 「ただ今から卒業式を始めます。一同起立してください」と、 参加者全員に立つように求め、その直後に「国歌斉唱(せいしょう)」 と発声し、音楽の先生が”君が代”という歌をピアノで弾(ひ)き始めます。 この”君が代”を立って歌うかどうかは、一人一人が判断して良い問題です。
 ・・・・
 (以上に続いて、
  1、”君が代”の意味は?
  2、昭和天皇の戦争責任と”君が代”
  3、戦争中は「天皇は敬わなければいけない」と教え込まれていた
  4、日本国憲法が保障(ほしょう)する「基本的人権の尊重」
 などの内容が載せてあり)
 ・・・・
 (最後に)、〇小の校歌の「まなぶ、みとめる、たすけあう」のうち、特に「一人一人の異なる考えや行動を<みとめあう>」ことは、「基本的人権を尊重する」こととすごく関係が深いのです。」
 (と結ばれていました。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 児童たちには少し難しいかな、とも思いましたが、戦前のように、子どもたちが何も知らされないまま、
 「原発神話」ならぬ「君が代神話」に取り込まれようとしている現在、<保護者たち>がこのように問題提起をすることは、大変重要だと思いました。

2013年3月26日火曜日

3/29 卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会

★今年の卒業式も終わりました。「君が代」不起立者をゼロにすると都教委は豪語していましたが、今年も心ある処分を覚悟の教職員たちが不起立を貫きました。処分の発令は3月28日です。都教委は不起立者の勤務校で伝達すると思われます。

それで、以下のような行動を行いますので、集まって下さい。

(1)高校のた卒業式処分をするな!都庁前ビラまき   四者卒入学式対策本部                 3月28日(木)8時 都庁第2庁舎前集合                                     処分決定の教育委員会の日、都高教が例年の早朝ビラまきをしないので、早朝ビラまきをしますので来て下さい。

(2)卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会  *報道関係者の取材歓迎!
 3月29日(金)13時30分~
  全水道会館(水道橋・都立工芸高校北隣)
  主催:都立高校四者卒・入学式対策本部

2013年3月25日月曜日

3/21 都庁チラシ撒きの後、東京委定例会を傍聴の報告

■3月21日(木)、<河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会>の早朝都庁前チラシまきの後、都教委定例会を5人で傍聴した。

◆都教委定例会の様子
(1)都教育庁の「理事」を、4月1日から『教育監』にするということが決められた。                理由は、教育行政が「いじめ」「体罰」「学力向上」「高校改革」「職業教育」「小中高一貫教育設置」「言語能力向上」などの喫緊の課題に対応するため、だという。
そして「理事」は、 (教育の専門職員の立場から教育内容について教育長を補佐)というものだったのを、
『教育監』は、 (教育の専門職員と行政系職員の力を統合し、教育課題の解決 に向け、教育長を補佐)
となった。つまり、行政権力を兼ねるようになったわけである。そうしてこの役職は、「教育長の直下」に置かれるという。

「教育監」という名前からして、いかにも権力的な名前であり、戦前の「視学官」を想起させる。それは、
(文部省および地方に置かれた教育行政官で、 学事の視察や教員の監督を行った)、役職だった。
そうして、この視学制度が初等教育を完全に統制下に置いたのであった。 また、「教育総監」といえば、戦前には陸軍の教育を司る役職で、陸軍大臣・参謀総長と並んで陸軍三長官と呼ばれた。

従って、これは明らかに現在進められつつある国家主義教育への新たなステップであると言える。      しかし、これに対する論議はほとんど深められず、事務方のもっともらしい説明を受け、「いいだろう」で決められた。

(2)都独自の「道徳教育教材集」(小学校版:1・2年生版、3・4年生版、5・6年生版)  の作成・配布について報告された。                                                       これらを読んでの第一の感想は、「儒教思想」に貫かれているということだった。いずれの版にも、「大学」、「論語」、「易経」、「中庸」などからの言葉が紹介されている。

特に1・2年生版の<第一章 先人のことばに 学ぶ>の最初に出てくるのは、「大事をなさんと欲せば、小さなる事を、怠らず勤むべし。小積もりて大となればなり。」(二宮尊徳『二宮翁夜話』)であり、二宮金次郎像の写真が載せてある。

さらに<第二章 先人の生き方に 学ぶ>の最初に出てくるのも、『直して つかう ――二宮 尊徳の ものがたり――』であり、ここにも「二宮金次郎の ぞう」の写真が二枚載せられている。             二宮金次郎と言えば、戦前国定教科書に載せられ、像も作られた。また、二宮金次郎は、戦前の「修身科」国定教科書では明治天皇についで多く載せられた人物である。まさに戦前回帰である。

また、5・6年生版の<第一章 先人のことばに学ぶ>の中程には、『仰げば とうとし』の歌詞が1~3番まで載せてある。校庭に咲く桜と教室の窓の写真をバックに。これも戦前回帰である。

ところで、儒教といえば長期間封建制度の思想であり、この思想が中国や日本の近代化を遅らせたのであった。中国では清朝が倒された辛亥革命(1911年)以来、儒教批判が活発になった。
日本ではそれ以前、明治維新(1868年)前後に儒教批判が強まった。かの福沢諭吉も儒教批判を展開したが、彼の『文明論の概略』(1875年)の中には、次のような指摘もある。

・「後の学者、孔孟の道に由(より)て政治の法を求むるなかれ。」
・「徳義の事は形を以て教ゆ可(べか)らず。」
・「徳は智に依(よ)り、智は徳に依り、無智の徳義は無徳に均しきなり。」

ちなみに福沢諭吉は「修身科」設置については批判した。

以上から、現在日本社会で進められつつある「道徳」教育は、日本の子どもたちの思想を封建社会の思想に戻すようなことであり、70年以上も前の(あるいは江戸時代の)思想に戻すことである。

行き着くところ、「無智の徳義は無徳に均しきなり」ということになろう。 日本は日々ダイナミックに変化する世界から取り残されていくだろう。

3/21 あきる野学園中学部卒業式 根津さん学校へ

■3月21日(金)、今日はあきる野学園小中学部の卒業式。中学部を卒業する生徒は1年生のときに根津さんが(も)担任した生徒たち。前夜は生徒たちの写真を見て、思い出にふけったという。根津さんの報告。

◆7時20分に校門前に行った。チラシ撒き。                                      ★7時あ32分、副校長2人が連れ立ってやってきて、「ビラの配布は止めてください。敷地に入ることは止めてください」と通告。私はいつもの通り、無対応で応じた。その後、副校長2人は「国歌斉唱」時だけは不起立者のチェックに会場に行ったが、それ以外は今日も玄関の中で、私(?)を監視し、出動態勢をとっていた。                                                          昨日都教委が5人も来たのは、19日に板橋特別支援学校に支援者が大挙したからだという。
今日は遅くに行ったので、都教委の人間が来ているかは不明だった。 福生警察からも2名が動員されていた。

★同僚だったAさんは温かい飲み物を差し入れてくれた。Bさんは「田中さんからのお祝いのことばを子どもたちに伝えるよ」と言いに来てくれた。Cさんは、「根津さんのこと(式への出席)、何もできなくて、ごめんなさい。」と。                                                           担任した生徒の保護者には、訳を話してチラシを手渡した。「そんなひどいことをするんですか」と。

★今日も長いこと、門の前に座り、卒業式と教室に戻ってのお別れの会を終え、校門に出てくる卒業生親子を待った。 1時半、校門前に出てきた親子にお祝いのことばをかけ、思い出話をした。
生徒も保護者も私が来たことを喜んでくれた。

「一緒に写真に入って」と保護者から言われ、「私は校長から敷地に入るな。入ったら警察を呼ぶ、と言われているので」と一旦は辞退したのだけれど、間髪入れず、「そんなこといいよ」と誰かが言うのにつられて、写真に収まった。 私も何枚もの写真を撮った。
しばらくの時間そこで「お祝い」をし、入学式にもお祝いに来ることを約束して、別れた。

★この様子を副校長や校長は見ていたのであろうか。
 「君が代」不起立者を排除することに血道を上げるよりも、排除しないことの方
が、賢いやり方であることに、気づいてもよさそうなものを、と思う。

2013年3月22日金曜日

3/21 あきるの学園高等部卒業式 校門前チラシ撒き報告

■3月21日(木)、あきる野学園高等部の卒業式でした。ここは田中さんの前任校であり、根津さんの最後の勤務校でした。

◆根津さんの報告
 卒業生は私も教えた生徒たちなので、事前に校長に参加したいと申し出たが、断られていたので、卒業生が校門に出てくる2時半過ぎまで校門前に佇み、一人お祝いをした。

★7時、校門前に着くと、すでにハタは揚げられ、しかし、門扉は閉まっていた。
 7時11分、見たことのない男性3人が通用門を入って行った。玄関の中では副校長2人が出迎えている。都教委の人間だろう。しばらくすると、また、都教委の人と思われる男性が入って行った。数分してまた、オリンピックバッジをつけた男性が中に入って行った。バッジが証明しているので、「都教委の方ですね」と声をかけたが、返事はなし。5人もの都教委職員を配置したのは、人事部が何を予測してのことなのだろうか。

★7時34分、副校長2人がやってきて、例の通り、「ビラを配布しないでください。敷地に入らないでください。もし、敷地に入るようなことがあれば、警察に通報します」と、いうことだけを言って、引き返して行った。式が始まるまで、2人は玄関を入ったところで、明らかに警備に就いていた。

★職員が出勤してきても、業者が車で来ても、門は閉ざしたままだった。「今日はなぜ門があいていないの」と、言う職員や生徒・保護者もいた。
 スクールバスが入ってくる時刻から式が始まるまでの間だけ、門を開けたが、その間は、職員を配置する有様。根津が入ってくるとでも思ったのだろうか。

★一昨日の職員打ち合わせで校長は、「卒業式の朝、チラシを受け取るな。話をするな」と職員に言ったのだという。前代未聞の事態である。時間のない中でこの校長発言に抗議の発言がなされたという。
いくらなんでも、そこまで言うか、と受け取った職員は多かったようだ。私からチラシを受け取りながら、何人もの人が憤慨し、あるいは呆れながら、そう教えてくれた。

★保護者のお一人から、「今も頑張っていらっしゃるのですね」と声をかけられた。
昨年の卒業式の時にも、私の行動(不起立)にお礼を言ってくださった保護者や、私が卒業式への出席を拒否されたことに怒ってくださった保護者がおられた。こちらは知らない方でも、見ていてくださるのだと、今日も胸が熱くなった。

 チラシには、私の思いの他に、田中聡史先生が転任先の学校で一昨日、不起立をした事実と、田中先生からの「おめでとうございます」のことばを入れた。

★卒業式が終わってから聞いたこと。
「国歌斉唱」の時副校長(3人)はバタバタと動き回っていたという。「異様だった。起立していない人を探し回っていたのだろうが、副校長たちこそ、起立して斉唱しろよ、と言いたい」と。昨年も同じことを聞いたのを思い出していた。

 「君が代のことだけで参加させないというのはどう考えたって、おかしいよ」等々、私が担当した在校生や卒業生、昨年の卒業生は言っていた。事情を伝えることのできた保護者もまた、同じように思われたようだった。そう思うのが偏見のないふつうの見方であろう。
 しかし、根津への対応を通して、行き過ぎた校長=都教委のやり方を目撃したあきる野学園関係者のかなり多くの人が、都の教育行政の異常さを感じ取ったのではないか。根津対策をほどほどにした方が利口なのに、それにさえ、あの人たちは誰も気づかないのだろうか、と思った。

 都教委の問題点を、目に見える具体的な行動やチラシで学校関係者や世に訴えるこ
とが、いかに大事であるか、今日も十分感じた一日であった。
 卒業生が学校を後にする時、「田中先生に、ありがとうございました、と伝えてく
ださい」とことづかった。

 福生警察から2名が派遣されていた。

2013年3月21日木曜日

3/19 卒業式で「君が代」不起立を現認されました。 田中聡

 ■3月19日(火)、田中さんの卒業式でした。「君が代」不起立の田中さんご本人から報告がありましたのでアップします。

◆田中さんの報告

 東京では、急に暖かくなりましたが、皆様お元気でしょうか。
 本日、板橋特別支援学校で卒業式があり、「君が代」斉唱時に私が不起立をしていたところを、副校長により「現認」されました。
 東京では、既に都立高校で、この3月19日までに、少なくとも4名の不起立が「現認」されているそうです。東京都教育委員会は、遅くとも3月29日までには処分を出すべく、手続きを進めるでしょう。
 皆様、ぜひとも、都教委に対し、不起立者を処分するな、との声をお届けください。
 田中聡

総務部教育情報課(都民の声を聞く担当) :電話 03-5320-6733 FAX 03-5388-1726            人事部職員課服務係(処分を発令する担当) :電話 03-5320-6792 

◆処分に向けての動きと抗議行動

★都教委は3月28日(木)に臨時会を開催して「君が代」斉唱時に不起立を貫いた教員の処分を決定し、その日の午後には各学校に出向いて処分を発令することが予想されます。また、春休み中には被処分者に対する「服務事故再発防止研修」を強行しようとしています。昨年より質量共に強化された「再発防止研修」は「違憲・違法の可能性」を指摘した東京地裁決定(2004年7月)等に反し許し難いものです。処分と再発防止研修で二重に教員を苦しめる都教委にいじめ問題を語る資格はありません。

◆被処分者の会など都立高校四者は、都教委の処分強行、再発防止研修強行を許さないため、以下の行動に多くの皆さんの参加を訴えます。                                         ★卒業式処分をするな!都庁前ビラまき   四者卒入学式対策本部                       処分決定の教育委員会の日、都高教が例年の早朝ビラまきをしないので、とし早朝ビラまきをしますので来て下さい。
 3月28日(木)8時 都庁第2庁舎前集合

★卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会  *報道関係者の取材歓迎!
 3月29日(金)13時30分~
  全水道会館(水道橋・都立工芸高校北隣)
  主催:都立高校四者卒・入学式対策本部

2013年3月20日水曜日

3/19 田中聡さんの勤務校の卒業式 チラシ撒き報告

 ■3月19日(火)、田中聡さん(特別支援学校)の卒業式でした。「君が代」不起立を表明している田中さんを支援し、校門前チラシ撒きと支援活動を行いました。根津さんの報告です。

◆支援・チラシ撒き行動のの報告

★7時15分に学校前に到着すると、すでに物々しい警備体制が敷かれていた。多くの職員や生徒が通る通用門から見ると警備要員は6名に見えたが、あとで正門前に行ってみるとそこにも5人ほどの人がいたので、総計10名程度で警備に当たっていたことが分かった。そのうちの半数は都教委の職員のようだった。

★通用門前には、私たち、河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会のメンバーや渡部さん、学校と地域を結ぶ板橋の会の他にも駆けつけた人たちがいて、総勢16名で田中さんの「君が代」不起立を支持し理解を訴えるチラシを保護者や生徒、職員に手渡した。

 その間、副校長と主幹らしき人物は、「チラシを配らないでください」「生徒にチラシを配らないでください」と連呼し続けた。副校長は生徒に「受け取らないで」と言い、生徒からチラシを取り上げようとまでしたが、配っている私たちの何人もの抗議に、生徒の手にチラシを返すという醜態を演じた。保護者には半数ほど受け取ってもらえたので、事実を知らせることはできたのではないか。

★監視体制の中だったからだろう、職員の受け取りは前回の半数にも満たなかった。しかし、その中でも、「お世話様です」「ありがとうございます」と声をかけてくれた職員もいたし、ご自分から手を出してくれる職員もいたことに、ホッとした。田中さんの気持ちに寄り添ってくれているのだろうと。

★田中さんは7時半頃、皆に挨拶をして、中に入って行った。

★生徒が下校した、休憩時刻少し前に私たちは再び、学校の前に行った。式は終わったというのに、警備の人が7人ほど正門前に立っていることに驚いた。帰り際、私たち4人は、この人たちの多くは都教委の職員だと推測し、締められた門扉越しに、「都教委の職員ですか」と聞いた。しかし、答えはない。答えてもらおうと中に入って聞いたが、マニュアルどおりに一切無応答だった。

★田中さんは「一同起立」で立ち、「国歌斉唱」で着席し、「校歌斉唱」で立つという、彼名づけての“雲竜型”の不起立をしたとのこと。名づけは相撲の土俵入りにちなんでのことという。

田中さんの不起立を見た副校長は、田中さんのところにやってきて、「国歌斉唱ですのでお立ちください。国歌斉唱ですのでお立ちください。お立ちください」と声を発して、不起立の現認をしたとのこと。

式が終わり、卒業生退場が終わるや否や、田中さんは校長に呼び出された。田中さんの担任する生徒が下校していないにもかかわらず、である。校長たちの一番大事なことが「日の丸・君が代」であることを表している。

校長は証人として副校長を同席させ、田中さんに、「職務命令を出していることはわかっていますね」「このことは都教委に報告します」と、マニュアル通りのことを告げたそうだ。

★2月頃か、校長は田中さんに、「繰り返し研修をしても成果が上がらないのであれば、分限処分があり得る」と告げた。校長にもその懸念があるからだろう。そうでありながら、その校長の頭にあるのは、自身の保身であって、定年退職まで20年を残す田中さんが、どんな思いで不起立をするのか、そこに思いを致すことはないのだろうか。

★校長は、板橋の会の人が電話をしたときに、「田中教諭については、その教育実践を評価している」と言われたとのこと。そうであれば、なおのこと、不起立の意味を考えてもらいたいものだ。アイヒマンになるな!と言いたい。

★私たちはこの後、以下の3点の用件があって都教委に行った。
(1)2月22日に「田中さんへの処分をするな」と申し入れ、質問したことへの回答が1カ月近くたつにもかかわらずまだされていないことについて質す。
(2)今日「君が代」不起立をした田中さんに対し、処分をしないことを再度要請する。
(3)今日、板橋特別支援学校に出張した都教委の職員の数や部署、目的等について訊き出す。 これについては、指導部の回答が「答える必要がない」ということだったので、開示請求の手続きをとった。

■レイバーネットに報告記事がありますのでごらんください。
 ↓http://www.labornetjp.org/news/2013/0319tanaka

3/18 都教委要請行動 被処分者の会など

■3月18日(月)、「10・23通達撤回」、「処分撤回」、「再発防止研修中止」などを求め、
被処分者の会などによる都教委要請行動がありました(約30名参加)。教育情報課は羽田課長を含め3人が応対しました。

◆要請行動の内容

はじめに二種の要請文が渡されました。そのうちの一つは、すでに2月5日に要請し2月19日に回答をもらったが、それが型どうりで「説明不十分」だということで、<再要請>したものでした。

★二つの要請文とも都教委の処分は最高裁判決をも無視したもので、再発防止研修は東京地裁判決にも反するものだとしたものでした。
ちなみに2004年7月23日の地裁判決ではつぎのように述べられていました。
 「何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生ずる可能性があるといわなければならない。」

 また、2007年7月19日の地裁判決では次のように述べられていました。
 「本件各研修において、思想、良心、信仰を直接に禁止したり変更させることなどを意図して(職務命令が)発令されたものである場合には、そのような研修は受講者に対する思想及び良心の自由や信教の自由の侵害をもたらす事態を目的とするものであって、研修の命令は違法であり、また、研修自体が憲法違反となる余地があると解される。」

★その後、口頭での補足説明がありました。

 今年の度の卒業式で不起立をしたOさん(女性)は次のように述べました。
 「卒業式の<君が代>の際は立っていられなかった。 背中が痛くなって座った。このように体調不良になるのは式に関わることだ。公務災害と認定してもらいたい。再発防止研修があれば何倍も精神的苦痛が生じ、内臓から出血することもある。最高裁・地裁判決を真摯に受け止めた対応をしてもらいたい。」

 また、被処分者の会のHさん(男性)は次のように述べました。
 「最近都教委が出した<いじめ>に関する資料には 『人間として許されない人権侵害』と書いてある。
 しかし、実際には、都教委自身が先頭に立って、<被処分者いじめ>をしている。人権や民主主義を大切にする雰囲気がない。再発防止研修はやってはならない。我々は人間の尊厳をかけて闘っているのだ。」

★これらに対して教育情報課長波田課長はなんら具体的なことは答えないままだった。
(3月26日と指定した回答期限についても)

3/18 都教委要請行動 被処分者の会など

■3月18日(月)被処分者の会などか都教委要請行動を行いました。                      近藤徹さんからの報告です。

 既報の通り、今東京の公立学校で卒業式が行われていますが、「君が代」斉唱時の起立・斉唱の強制に不服従を貫き起立しなかった教員(不起立者)の数は、都立高校だけで既に昨年を超えており、今後も増えるのは確実です。

◆3・18都教委要請行動の報告                                              本日3月18日、被処分者の会、弁護団、四者卒入学式対策本部は、都教委の卒業式処分・再発防止研修の決定を前に、不服従を貫いた該当者を支援し、再発防止研修中止を要求して「卒業式処分・再発防止研修強行を許すな!都教委要請行動」を行いました。

まず、被処分者の会及び四者卒・入学式対策本部から要請書を手交し、要請の趣旨を補足説明し、弁護団からの発言・要請がありました。この中で昨年度より質量共に強化された「服務事故再発防止研修」が東京地裁決定(2004年・2005年7月)及び同地裁判決(2007年7月)にも反する」との強い指摘がありました。(決定文、判決文も参考資料として都教委に渡す。)

「回答期限までに回答するように努力する」との都教育庁教育情報課長の発言を受け、該当者、原告、被処分者の会共同代表から「被処分者を二重に苦しめる」「研修を強化した理由を示せ」「この研修は被処分者イジメに他ならない」などの発言がありました。

◆被処分者の会の申入書
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申 入 書

東京都教育委員会
 教育委員長 木村  孟  殿
 教育長  比留間 英人 殿

<申し入れの趣旨>
1.東京都教育委員会は、本会の本年2月5日付「申入書」の「5 卒業式、入学式で10.23通達に基づく新たな懲戒処分を行わないこと」との申し入れに対して「卒業式等の式典において国歌斉唱時の起立斉唱を教員に求めた校長の職務命令が合憲であることは、平成24年1月16日の最高裁判決でも改めて認められたところであり、職務命令達反があった場合には厳正に対処します。(所管課:人事部職員課)」と回答し(2月19日付)、今次卒業式・入学式でも新たな懲戒処分を行う姿勢を示しています。
 また同「申入書」の「6 同通達に係わり懲戒処分を受けた教職員に対する『服務事故再発防止研修』を行わないこと」との申し入れに対する回答(同日付)では、「懲戒処分の原因となった服務事故の再発を防止するため、関係規定に基づき、懲戒処分を受けた者に対し、服務事故再発防止研修を実施します。(所管課:人事部職員課)」とし、卒業式・入学式の被処分者に対する再発防止研修を強行しようとしています。

2.本会は、貴委員会が、今年も懲戒処分を行おうとする姿勢を厳しく糾弾します。貴委員会は、硬直化した処分行政による教育環境の悪化を危惧して、「適切妥当な解決のための具体的な方策を見いだすよう最大限の努力」を求めるという最高裁判決の補足意見を顧みることなく、「紛争を拡大」させています

3.「服務事故再発防止研修」は、「思想良心の自由」と「教育の自由」によって立つ信念から不当にも処分された教職員に「服務事故者」というレッテルを貼り、反省や転向を迫るもので、日本国憲法下では到底あり得ないものです。
 この「研修」については、2004年7月23日の同研修執行停止申立に対する東京地裁民事19部決定(須藤裁判長)で「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があるといわなければならない」という警告が発せられています。(別紙資料など参照)

4.しかるに貴委員会は、毎年「再発防止研修」を繰り返してきたのみならず、昨年から「研修の基本的内容」を「地方公務員法(服務規律)について」から「教育における国旗掲揚及び国歌斉唱の意義と教職員の責務について」に変更しました。
加えて、昨年より、①事前課題(受講前報告書)の作成、②センター研修(1回目)では全体研修に加えての個別研修の導入、③2ヶ月の所属校研修の導入、④2回目のセンター研修の義務付けなど、研修の枠組みを大幅に変更・改悪しました。
 しかも「研修」に先立って課された「受講前報告書」の内容は、①服務事故を起こすに至った状況を振り返り、その原因・理由について記述する、②服務事故を起こしたときの気持ちはどのようであったか、その時の気持ちを記述する、③起こした服務事故に対して、現在の気持ちや考えを記述する、というものです。

5.事前課題を含む昨年の「研修」は、明らかに受講者に内心の表白を迫り、「思想改造」を企図しており、上記3の東京地裁決定(2004年7月)に反して「思想・良心の自由」を真っ向から踏みにじるものです。

以上の趣旨から、以下の諸点を申し入れます。

<申し入れ事項>
1 東京都教育委員会の臨時会(又は定例会)で卒業式、入学式に係わり10.23通達に基づく新たな懲戒処分を決定しないこと。
2 卒業式、入学式で処分を受けた教職員を対象とした「服務事故再発防止研修」を行わないこと。
3 同研修対象者に受講前報告書の作成を強要しないこと。
4 都教育庁関係部署(人事部職員課、指導部指導企画課、指導部高校教育指導課、教職員研修センター研修企画課など)の責任ある職員と該当者及び被処分者の会・同弁護団との話し合いの場を研修実施予定日の前に設定すること。

2013年3月18日

「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団              <回答期限> 2013年3月26日(火)。上記近藤まで文書(FAX)で回答すること。

2013年3月19日火曜日

卒業式 高校門前チラシ撒き報告(4)

<YU高校>
 高校に到着したとき、大田市民の会のメンバー数人がすでにビラまき実行中。すでに副校長が来て、マニュアルの通りの通告は終わっていた。校門付近に警備の教員がいただけ。トラブルなし。スムーズにビラがはけた。在校生の受け取り状況は悪かったが、保護者はほぼ全員が受け取ってくれた。約200枚まく。

市民の会の人から聞いたことだが、6日のKM高校では、学校側か警察に通告し、蒲田署の女性1人を含む私服刑事5人がきた。刑事の対応は穏やかで「学校から連絡があれば来なければならない」「出来れば道路使用許可をとってほしいが」などといっていた。ビラまきはほぼ予定通り行われたとのことである。

<HR高校>
 いつもは朝なのだが、この日は二次募集の入試があったとかで午後2時からの式だった。 保護者受付は1時半からだというので1時すぎに到着した。しかしこの時間では卒業生や在校生は登校したあとでほとんど配れなかった。しかし2人で約150枚撒くことができた。この日配ったのは都教委包囲ネットのピンクのビラと練馬・教育問題交流会の黄色のビラの2種類である。                                ビラの受取率はほぼ100%だった。こちらがスーツを着ていたせいもあり、どこかのお父さんに「3年間大変お世話になりました」と頭を下げられ、面映ゆい思いをした。

<BN高校>
 裏門と正門と、入り口が2つある。一人だったので、裏門で撒く。 生徒は大体受け取った。9時前に、正門に移る。 その段階で約100枚余撒いた。

 正門には「卒業証書授与式」の看板。 「日の丸」のたぐいはポール上。門にはない。教員は2人立っていた、自転車の生徒が手を出したので、渡すときに「敷地内」に入る形になったら、すかさず、そのうちの1人が「敷地内に入らないでください」と言ってきた。それ以上は誰も何も言ってこなかった。
 保護者はほとんどが式に出席の様子。みな、チラシを受け取った。そのため、持っていったチラシ300枚は全部撒いた。 暖かな日で、保護者たちはスーツなど軽やかな雰囲気だった。
 9時20分頃に校舎脇の路地をパトカーが通った。

<KB高校> 
  私は今回も北門で配ることにしました。 8:10に北門着、卒業式の看板と
 掲揚塔には日の丸を中心に旗が3つ、卒業式であることは間違いない。しかし生徒はぽつりぽつり、8時半を過ぎた頃、校長と副校長と覚しき人が「生徒にわたさないでください。学習指導要領にもとづいて生徒を指導しています。式を乱さないでください。国旗国歌の尊重を・・・。」などと言いますので、その都度、
 「生徒にも知る権利があります。私にも表現の自由があります。指導要領に尊重は書かれていません。」などと応えました。
 「敷地内に入らないように」に対しては、「十分に注意して行います」「都教委への報告もあると思いますので、確かにお聞きしました。」と言いました。

   9時を過ぎ、9時半を過ぎても 生徒も保護者も来ない。卒業式は午後とのこと・・・・・
 公園で休憩して11:30から再び校門前に。

   12:30頃から保護者の姿も増えてきました。校門前で待ち合わせて、写真を撮って、父親も少なからず参加して、一時は30名を超える保護者が校門前に集まって記念写真を・・・、親の行事になっています。

  大型バス(KB高校直通の表示)が保護者・卒業生を乗せて校門内に。近くの駅からの貸し切りバスのようです。その人達にはさすがに手渡せません。そのバスは計4往復、、、。2時まで配り約170枚というところかな。朝からでさすがに疲れました。 が、めげずに反原発集会に向かいました。

<板橋高校>
 9年前、9割の卒業生が着席して、校長と土屋都議が大騒ぎした学校です。その前に保護者に着席を呼びかけた来賓の藤田元教諭が、刑事罰を科されました。                                 7時半に校門前に着くと、 「学校と地域を結ぶ板橋の会」の方がもう来てました。ちょうど出勤してきた校長が「敷地内に入らないで」など型通りの注意をしていきました。
 「板橋の会」が2人、「包囲ネット」が2人、併せて4人で、各々のチラシを配りました。

 生徒と保護者は、明るいです。「君が代の歌詞の意味も勉強しましょう」「都立高校の自由を守りましょう」
 などと声を掛けて配るようにしました。                                          教員は硬い表情で受け取らないで通り過ぎる人が多いです。そんな中近づいて小さく「ご苦労様」と囁いて行った先生がいました。みんな内心では「都教委はいい加減にして欲しい」 と思っているのではないでしょうか。

 地域の人が「ここは茶髪で来るとスプレーで黒くされるんだ」と言っていました。そう言えば、茶髪の生徒をまるで見かけません。
 今年から校門の立て看板が、「卒業式」の墨書きの3文字のものから、「卒業証書授与式」の活字の味気ないものに変わっていました。
 4人で随分配れました。

<KS高校>                                                          7時50分正門前に到着。正面玄関1カ所しか開いていないので、ここで二人でまきはじめました。
まだ、ハタも看板も出ておらず。

   最初に「ここではまかないで。生徒にはわたさないで」と相当な剣幕で言いにきたのは、何と「用務員」を名乗り聞けば堂々と名前も言う女性。挨拶しようにも、プンプン、ツンツンし、さらには「私も組合だから。組合ならわかるでしょ」ときたからビックリ。
思わず「え?わかりません。組合って、あなた、いったいどこの組合ですか。もしかして○○ですか?」
それには答えず「(ビラ回収用の)ゴミ箱出さないと」と来たから、またビックリ。
この用務員さん、この後、校門に旗(大きな日の丸と校旗)を門扉に斜めにたてかけ、狭い歩道の上に突き出すように掲げる段になって、「もっと右」とか、「ここにひっかけて」と副校長以下教員に細かく指示を飛ばし、飾り付けの段取りや時間まで取り仕切っていました。
   用務員さんの次は、3人の男性がバラバラ勢いよく門の外まで出てきて、まくな、と威嚇。結構しっかりしたストライプの背広に、短髪に「ヒゲ」。もうひとりは若頭風。                               しばらくして副校長さんが出てきて、こちらもあらためて自己紹介。「都教委包囲ネット」と知った副校長さん、「では、学校ではなく都教委に言っていただいた方が」とおだやかな物言い。
こちらもていねいに説明し、「都教委がブログを読んでいると言ってましたから、そちらがちゃんと何度も注意にこられたと書いておきますから御心配なく」と。

 生徒さんたちは、ほとんど全員ビラをうけとってくれる。笑顔で「ありがとうございます」と返してくれる人がほとんど。制服も登校時間もビシッと決まっている。教職員はほとんどがビラまき前に入ってしまったのか、数少ない。年配の方々は黙ってうけとってくれるが、若い方は、完全に無視したまま通過。             その後代わる代わる出てくる教員は、なんだかみんな「肩」いからせ妨害を試みる。ある女性教員などは、受け取ろうとする生徒との間にわりこんで手で私を押し、抗議したら、すぐに奥に引っ込めらた。

  9時近くなって、今度は男性の少しえらそうな教員が出てきて「玄関先」ではまくな、と言ってくる。
「学習指導要領が・・」「法律に則り・・」など、一人でまくしたててくる。生徒は間をつっきりながら平気で次々と受け取っていく。
 ついに興奮で顔を真っ赤にしてその教員が奥に引っ込んだ頃には、まだ9時前なのに300枚のビラがなくなってしまった。
 門前に残っていた教員に挨拶し終わったところへ、「指導要領信奉」教員が戻ってきたので、「じゃあね」と挨拶して、歩道を歩きはじめた。
そこへ追いかけるようにさっきの「若頭」風の教員が門からとび出して歩道を私の方へ向かってきて、「てめ~、このやろー」とドスの聞いた声で言うではないか。
「アラ、まあ。なんてこと。テメ~なんて失礼な!そんなこと言っていいのかね。お名前は?」には「自分で調べろ」といいながら、顔を突き出して最接近。

生徒たちの礼儀正しさ、笑顔の背後には、「テメ~、コノヤロ~」に代表される教師による支配の存在があることを確信したからだ。教員間にも「弱肉強食」の序列や、差別分断、いじめ・排除の蔓延があるのではないか。 通学時間帯に「防犯」の腕章をまいた地域のオッサンたちが自転車で何組か学校周辺をパトロールしていた。例の「ヒゲ先生」が、その人たちに丁寧に挨拶し、「どんなちいさなことでも、おしらせください」なんて言ってました。

「それにしても、今や教員(学校教育)は、けんかをする気をなくさせるほどに崩壊しているのではないか。
私たち、そして何よりもこどもたちの未来に向けて、もう教育を「専門家」にまかせておくことはできない、との思いを一段と強くした一日でした。

<KS高校>                                                         8時10分前頃から撒き始める。職員と生徒がやってくる。ある女性の先生がチラシを見て受け取り、「ご苦労さまです」と声をかけてくれる。生徒たちに対しては「お早う!卒業式おめでとう!」と大きな声をかけて撒く。(卒業生は240名とのこと)、受け取りは比較的良い。

しばらくして、男性の教員が出てきて、「ご苦労様です。頑張ってください」と言う。
私からは「ナショナリズムが強まっていますが、インターナショナリズムでなければなりませんよね」と答える。保護者も次第に増えてきたが、こちらも受け取りは良い。校門付近に立てられた看板には「第22回卒業式式場」となっており、「卒業証書授与式」などとは書いていない。

 「ここは警察も、管理職も出てこない、平和な学校だな」などと思っていいると、突然、一人の職員が出てきて、「私は副校長の○○です。ここでチラシを巻かないでください。」と言ってきた。「言論の自由です。公道でまいているのです。」と言うと、「それならこちらでそれなりの対応をとります」と言って校舎に入っていった。  しばらくして出てくると、「保護者から文句が来ているのです。<本校の職員が撒いているのか>と言われた」と言うので、「その保護者にチラシ撒きは権利ですからと伝えればいいのでは。でなければ私のところに来るように言って下さい。」と言う。
さらに「お願いを聞いてもらえないのですか。」と言うので、「それは聞けません。」と答える。するとまた帰っていった。

このやり取りを見ていた警備の年配の教員は、私からチラシを受け取り、「自分は組合員だ。今の政治家はみんだダメだ。東京オリンピックなどは金の無駄遣いだ。」と話してきた。その後、式の時間が近づいたためか、副校長は出てこなかった。チラシ撒きはその後も続き、計280枚撒いた。警察はいなかった。また来なかった。

<T高校(定)>
 6時50分くらいに校門に到着。誰も他にはいない。高校チラシ撒きは初めて。最初の人は明らかに先生。チラシを見て「ご苦労さまです、頑張ってください」と。全日制の部活が終わって帰途につく生徒に、「こんにちは!良かったら読んで」と声をかけて渡すが、ほとんどは無視し、受け取らない。数人の男子達がきて2人受け取って、みんなで内容を見ている。「これヤバイじゃん!受け取っちゃったよ!」と笑って騒いでいる。
 17時15分。中から先生が来た。「学校のものですけど、学校の敷地内で撒くのは控えていただきたいのですが」と。「通路でしょう」と言ったが、説明を聞くと確かに、道路ではなく敷地内に作られた学校の校舎に沿った敷地内通路だった。「分かりました」と言う。先生は一応言ったら、さっさと引き上げた。

 定時制の生徒と保護者たちには「おめでとう」という言葉と受け取ってくれたら、「ありがとう」と言ったが、95%は受けとってくれた。

2013年3月12日火曜日

卒業式 高校門前チラシ撒き報告(3)

■高校門前チラシ撒きから様々なことが見えてきます。門前ではともかく、当の先生たちは、実際にとのように働き、教えているのだろうかと考えさせられる場面が多いです。

<M高校>
 8:40ごろから始めましたが、生徒の受け取りは悪く、せいぜい10%ぐらいの生徒しか受け取ってくれません。在校生も参加するようですが、とにかく受け取ってくれません。
保護者は比較的受け取ってくれます。40~50%ぐらいでしょうか。おおよそ10時まで、約220枚渡すことが出来ました。
 配り始めて5~10分ぐらい立ったとき、管理職とおぼしき人が出てきて、「配ってほしくない。道路が狭いので通行の邪魔にならないように」と言われました。
約10人、教員が立っていましたが、私の方には無関心でしたが、年配の教員が来て、ビラを1枚ほしいと言ったので渡しました。

<K高校>
 校舎の建て替えで、卒業式は地域センターで行う。生徒は9時に建物に入った。暖かい日で、生徒は外でたむろする形で待機していたので、そこでチラシを渡す。みな取った。一人の教師が飛んできて「生徒に渡すな。こんなこと関係ない」と激しく言い、何人かからチラシを取り上げた。
 私が「生徒に撒きに来たんですよ。そんなことしない方がいいでいすよ。」と言った。
 結局、数人からしか取り上げることはできなかった。取り上げたチラシをその教員は丸めた。

 副校長が建物の中から出てきて、「入り口で撒かないでください。」という。私が「ここは公道でから撒くなということは出来ません。全体が公共のものですから」というと
副校長「それはそうですが…。端の方でさりげなくお願いします」と。
 先生たちは「ご苦労さん」言って取る人がわりと多かった。
 工事中の学校では広い空間がなく、予行が出来なかったので、生徒は、予行と本番をするという。保護者が出席した卒業式は11時からなので、保護者へのチラシ撒きは断念した。教員と生徒に170枚くらい撒いた。

<HT高校>
 3部制の高校なので、7:30~8:30に教職員を対象に、11:30~14:00に卒業生・保護者を対象に配った。

正門は閉め、そこには3本の「2020年オリンピック 日本で!」の旗と「日の丸」、そして、「卒業証書授与式会場」の縦看板が立てられていた。オリンピック招致の旗は毎日立てっ放しのよう。縦に長いこの3本の旗の中に「日の丸」が一段も二段も低く立てられている。「日の丸・君が代」で頭がパンクするほどの校長たちが、このことに違和感はないのか、不思議だ。
 それにしても、正門は旗のためにあり、人間は正門横の通用門を通る。変だとは誰も思わないのだろうか。晴れの卒業式くらい、正門を通らせよう、そういう声も上がらないのだろうか。

 7時50分、副校長を名乗る男性がやってきて、「敷地に入らないでください。通行の妨害にならないように」と、マニュアル通りに言った。こちらは、「ご心配なく」「心得ています」。副校長は都教委から指示された「仕事」を終えて去って行った。
 8時、今度は出勤してきた男性が、副校長を名乗り、前の副校長と同じことを言って、やはり仕事を終えたとばかりに中に入って行った。

 教員たちは、総じて若い人が多く、受け取りはかなり悪かった。50代と思われる男性が「ご苦労様です」と言ってくれ、60代の男性がビラを撒いているFさんと知り合い、その他2~3人が会釈を返してくれた。

 11時半、再び。出入り口(「在校生入り口」と表示された)が他にもあることに気付き、一人はそちらに回った。副校長は、そちらの入り口にもやってきて、注意を発したそうだ。保護者も生徒も、まあまあの受け取り。
 途中、副校長の一人がやってきて、「公的行事なので、チラシを撒かれては迷惑です。お引き取りください」と言った。
 その時ちょうど、私たちのもうひとりが、この様子をカメラに収めたところ、「個人情報に引っかかります」と副校長。「公務員は対象外です」とこちらが答えると、中に入って行ったが、次に、その副校長は男性を伴ってやってきた。
 男性は「写真を消しなさい」。私たちが先ほどと同じように、「公務員は仕事の中では、撮影は個人情報の漏えいに当たりません。肖像権もありません。」と言うと、その男性、「警察を呼ぶ。警察に相談したんだ」と声を荒げた。私たち、「どうぞ」。
副校長は横にいるだけで一言も発しないので、上下関係が明らか。「あなたは校長ですか」と聞いたけれど、返事はなく、中に引き返して行った。

 その後40分くらい私たちはそこにいたけれど、警察は来なかった。当然だけれど。校長らしき人物は、口から出まかせを言ったんだろう。こういう校長がかなり多い。

<FS高校>
 「教育を考える多摩西部市民の会」の人と計2名で、市民の会で用意したビラ200枚を、その後包囲ネットのビラ約100枚くらいを配布する。
 8:20くらいに門で配り始めると中から管理職と覚しき人が来て、「ビラを撒かないようお願いする」「公道の使用許可を取っているのか」などの言いがかりをつけてきたので「表現の自由にもとづいて配ります」「許可が必要なことではありません」「警察に問い合わせていただければわかります」と言ったところそのまま中に入っていき、それ以後は管理職は出てきませんでした。

 そのやりとりを遠くから近づきながら見ていた教員が「やめろと言った?お願いだった?」と訊いてきたので、「お願いとは言っていた」と応えました。生徒・保護者の受け取りは中の上といったところか。

<HK高校>
 8時、50歳くらいの男性が出てきて、「チラシをくれ」とばかりに手を出したので渡した。訊くと、「副校長だ」と言い、「ここで配るな。(式を)妨害するな」と怒鳴った。

 ちょうど登校してきた生徒10人ほどが、その様子を横目で見ながら通る時、副校長はすぐ横を通り過ぎようとした生徒の手からチラシを奪い取った。別の生徒は、もらったチラシを副校長に差し出した。
 「没収などしていいわけがないでしょ」と、私たちが少し大きい声で言うと、副校長はそこでやめはしたが、しかし、都教委に反対するものについては何をしてもいい、私は権力、という感覚になっていると思った。

 さらにしつこく私たちに言ってきた。「私はこの学校を守っているのだ。何でうちの学校に(あなたたちは)来るのか」。そして、「敷地に入るな」と。私が、「ここは公道でしょ」と返事をすると、「違う。旧内務省の土地だ」と副校長。
 半月前にここでチラシを配った時に、校長は副校長と連れ立ってきて、歩道を「内務省、旧内務省の土地です」と言ったのだった。校長の出まかせを、この副校長は真に受けたんだろうか?有り得ないことだけれど。

 教職員は7時以降、50人ほどが通ったが、チラシを受け取った教職員はたったの4人。そのうちの一人は、先の副校長であったことが、あとでわかったから、実質受け取った人は3人。
 都教委と異なった意見には耳を塞ぎ、目を閉ざす教員が、生徒に何を語るのだろうか。どんな助言をするのだろうか。教員が自ら進んで国家のエージェントになっている中、異なる意見があることを生徒たちに積極的に示していくことをしたい、しなければと考えている。

<MB高校>
 8時からチラシを撒き始めると副校長が出てきた。「交通も多いので事故に気をつけてください。」と言うので、「わかりました。私も事故が起きないように見ていますよ。日本社会も危なくなってきましたね。生徒たちが心配です。」と言ってチラシを撒いていた。生徒たち(卒業生240名、在校生は自主参加)の受け取りは良い。
 しばらくして、私のチラシを受け取った生徒のうち一人が出てきて、「ここで撒くな。」と言ってきた。そうして私の手からチラシをひったくり破いた。
 私が「どうしていけないのか。私はチラシをまく権利があるし、ここは公道だ。」というと、「日本は大昔から天皇が治めてきたんだ。」と言うので、「戦前はそうだが戦後は変わったのだ」と言うと、「変わっていない。戦後も象徴としてずーっと天皇がいるのだ。」と言う。
 さらに、別のチラシもひったくり破ろうとした。そこに警備の教員や副校長も出てきて、彼を止めようとした。すると彼は、警備の教員にも「お前は日教組だろう。こんなことをしているから投票率が下がるんだ」と文句を言い、チラシをひったくり、破り、靴で踏みつけて、校舎の中に入っていった。
 しかし、その後も生徒や保護者たちの受け取りはよく、計290枚撒いた。

 警察はパトカーが一台通り過ぎて行っただけだった。

 戦前、大人より若者の方が戦争に熱狂していった。その挙句多くの若者が犠牲になった。その大きな理由は教育にあった。今また同じような状況に日本社会は近づいている

2013年3月10日日曜日

卒業式門前チラシ撒き報告(2)

■都立高校卒業式の門前チラシ撒き報告の続きです。警察権力を導入する学校!
<FC高校>
 教職員の受け取りは3分の2くらいか。生徒の受け取りも、保護者のうけとりもまあまあ。200枚くらい撒く。

 出勤してきた副校長が「生徒にはまかないでください」(生徒にまくのです。)「撒かないでください。」しばらくしたら、また副校長がきて、「自転車の生徒には配らないでください。あぶないから」(「そうですね。気をつけてやっています。」)
 副「あぶないですから、けがでもしたらどうするんですか」「ビラ撒きをやめてください」という。(「ビラ撒きにきたんですから、やめるわけにはいきませんよ」)

 そのあとすぐ、別の教員が、青のポリのゴミ箱をもって来て、門から入ったところに置いた。ちょうどチラシを受け取って入ってきた生徒から、チラシをとってその中に入れた。
 私「先生それはないでしょう。そんなことすべきではないでしょう。」
 教員「うちの生徒は読まないでそこいらへんに捨てるから。ちらかるので」
 私「生徒が捨てるのは自由だけど、そこらへんといったって、あちこちに投げ捨ててるわけじゃないでしょ。ゴミ箱に捨てるでしょ。だからそんなことしなくていいんですよ」
 その教員は黙っていたが、今度は矛先をかえて、つづけて、「門の前ひろく開けて。交通のじゃまになるから」といって歩道に出張ってきた。
 私「別にじゃまになんかなりませんよ。」
 教員「邪魔になるよ。どかないんだったら警察にいう」と言って、ケイタイをポケットから出しながら校舎の中に入っていった。」

 そうしたら、別の警備の腕章をつけた教員が「じゃまなんだよ。警備が言ってるんだ。思想信条の自由はあるけれど、ここ(校門前の歩道)をあけて。俺だって、「日の丸・君が代」反対だよ。味方を敵にしてどうする。俺は組合員だ」
 私「別に交通を妨げているわけではないでしょう」「そんなことをいう学校はないよ」
 その後、何事もなくビラ撒きを続けた。

 と、学校関係者とは思えないジャンパーを着た2人が門の中に入っていった。
 9時20分頃か? その男たちが門から出てきた。そのとき、別の警備(腕章はつけてない)の教員が、「早く帰れよ」とか言っている。きくと、警察だった。
 私服刑事2人は門から出て、しばらくこちらの様子を見ていた。
 私「どうして警察がきたんですか。学校から通報があってきたんですか。」
 警察「そうだ」
 私「何しにきたんですか。取り締まれって言われてきたんですか。逮捕でもしようっていうんですか。逮捕するならして下さい。」
 警察「何者かわからないから、様子を見に来たんだ」
 私「何者かわからないったって、名前が入ったチラシをまいているんだから」 。警察はそれ以上は言わず、しばらくいたが帰った。(写真:歩道はおおむねこのような状態。人通りはそうない。)s-Image1淵江
(別の方向に、隠れるようにしていた男性がいたので、そこに行って「警察ですか」と聞いたら、「違います」と否定したが、警察の可能性大)
 歩道で撒いていて、じゃまだからといって、警察に通報するとは。しかも、警察を校門のなかに入れるとは。生徒の補導も警察と連携している。教育とはなんなのか。

<N高校>
 例年撒いている通用門に8時に到着。2人で撒く。例年と変わったのは門のところに「日の丸」が掲げられていたことだ。卒業生の女子はほとんどが和装、男子はほとんどがスーツ姿である。ビラの受け取りは生徒は比較的良いが、教員は悪い。

 しばらくすると、校長が出てきて「生徒には巻かないで下さい」という。
 私が、「生徒に知らせるために来たのです。今、また戦争が起きるような状況になっているじゃないですか」と言うと、校長は「戦争なんか起きませんよ」と答え、中に引っ込んで行った。
 その後、警備係の教員が二人出てきたが、特に何も言わずに通用門付近に立っていただけだった。

 しばらくすると、カメラを持った教員(副校長?)が出てきた。「卒業式の看板を撮りたいからどいてくれ」と言うのでどく。撮り終わったので、「チラシをどうぞ」と言うと、「卒業式の邪魔なんだよー」というので、「卒業式を祝いに来たんですよ。言い方がヤクザみたいですね」と言うと彼は黙って帰っていった。

 在校生で写真部の女子生徒たちが、通用門のところで、登校する卒業生たちの写真を撮っていたのでチラシを渡し、「わかりやすいから裏面のイラストを見て下さい」と話した。

 チラシ撒きのもう一人の方は正門の方で撒いた。
 こちらは、登校というより、記念写真を撮る親子が多く、あまりチラシは撒けなかった。約150枚撒いた。警察の姿は見えなかった。 

 終わってから一人になりしばらく歩くと、マスクをした男性が道路で携帯で連絡をとっていた。彼は私の方を見て、私と反対方向に行った。しかしその後、私をつけてきていることがわかった。そこで、私は道路脇の物陰に隠れたところ、彼は私がいるところを通り過ぎた。その時、私がいることに気づき、彼はマズイと思ったのかそのまま歩いて行った。今度は私が彼の後ろを歩く形になったら、彼は逃げるように歩いて行ったので、途中でやめて帰ってきた。おそらく、公安警察だったのだろう。

<NY高校>
 8時30分前頃からまいたのですが、小太りの教員らしい(?)人物が登校してきましたのでチラシを撒きました。後で分かったのですが、この人物は公安でした。

 校門には、「校門警備」の腕章をつけた教員が3~4人で門の中にいました。
ビラをまき始めて10分ほどして、カメラを持った人物(大きなマスクで顔が分かりづらい)が盛んにこちらを撮影を始めました。非常に露骨な撮影の仕方でパチパチでした。先ほどの小太りの人物が近づいてきて、「つきまとうな」「交通のじゃまをするな」と言ってきました。そして「おまえは誰だ」と言ってきたので、「市民だ」と言ったら、へへら笑いで「何が市民だ」と応えてきた。
 あまりにもしつこい写真の撮り方だったので、マスクの男に「人の写真を勝手にとって、名前をなのれ」と言ったところ後ろをむいて黙った。そこで「名乗れ」と繰り返すと逃げた。

 しばらくすると今度は管理職らしいい人物が来て、「ここからこっちは学校の敷地だから入るな」と言ってきた。先の2人の公安は少し離れたところで監視していた。2人の公安が虎視眈々とねらっているような感じでした。
 保護者も生徒も「おめでとうございます」と声をかける時には受け取りが良くなりました。校門の中では箱が置かれ、ビラの回収が行われていました。
約200枚ほどをまきまいた。

 終わって、帰ろうとしたところ、2人の公安が後をつけてきたのです。「何で後をつけるのだ」と抗議しましたが、「歩いてるだけだ。何がいけないのだ」と言い返してきました。角を曲がってもついてきました。バス停までも行ってもまだついてきました。どこまでもついてきました。次のバス停でバスを待っていたら、その近くで監視していました。そこでタクシーで駅まで行ったのですが、これでようやくつきまといがなくなりました。
これが安倍政権の言う、「学校と警察の連携」の正体であります。警察監視国家の正体です。

卒業式門前チラシ撒きの報告

■3月1日(金)から都立高校の卒業式が始まりました。包囲ネットは例年通り、卒業式当日、いくつかの高校門前でチラシをまきました。報告があったものについて、紹介します。

<A高校>ビラまき人数3人   8時~10時まで
  15分経ったころ校長が来て、「生徒にビラをまかないでください。敷地内に入らないこと。登校の妨げにならないようにして下さい。」と言ってきました。その後は何も言ってきません。
  ビラはけは良かった。自転車通学は多いですが、止めて受け取ってくれました。300枚ぐらいまけました。雨も降らず暖かくてよかったです。

<NK高校> 天気予報では「暖かい」ということだったが、朝の時間帯に外にずーと立っているので、やはり寒かった。7時50分頃から撒きはじめる。先生たちも生徒たちもほとんど受け取った。
 若い先生に渡したチラシを、ポールに旗(日の丸、校旗、都旗)を付けていた教員が取って、スーツのポケットに入れる。それで、その先生に、「何も人から取らなくてもあげますよ」と声をかけたら来たので渡す。
 8時40分頃に校長が出来て、「敷地内には入らないでください。生徒には配らないでほしいです。」(生徒さんに配るためにきたんです) 「本校では指導要領に基づいて適正にやっていますから」と言った。
 2人で約300枚くらい撒いた。

<RK高校> 8時から10時まで、寒風の吹く中2人で300枚配布。受け取り状況は良好。他にも「大田区民の会」のメンバーが数人で別のビラを配布していた。
 9時過ぎに、副校長が来て、「敷地の中に入るな、通行のじゃまになるな。生徒には配布いないでほしい。」 黙っていると「いいですね」としつこい。当然無視。
 9時20分ごろ、今度は都教委とおぼしき者とともに来て、「通行のじゃまになるのでビラ配布はやめてほしい。」と言う。無視しているとしつこいので、「ビラ配布は憲法にも認められていることだ。どこに中止させる理由があるのか。都教委に指導されたのか。」と言うと、「私の判断です。」と返答。
しばらく後に、今度は穏やかな口調で、「都教委からいつ指導があったのか」と聞くと、「あなたに答える必要はありません」だって。じゃあ、独り言をつぶやいただけか。

<GS高校>
 第五商業高校の卒業式に参列する卒業生と保護者、教員に向け、「ご卒業おめでとうございます」とのタイトルがぱっと目につくチラシを手渡した。私たちは2人。

 7時半から始め10分ほど経った頃、副校長がやってきて、挨拶に続けて「よろしくお願いします」と言った。「よろしく、とおっしゃるのは、どうよろしく、ですか」と訊くと、「生徒の迷惑にならないようにということです」と副校長。「もちろん、心がけています」と返すと、副校長は頭をやや下げ、戻っていった。

 さらに10分経った頃、校長が出勤してきた。 「また、いらっしゃいましたね。生徒によろしくお願いします」とおっしゃる。副校長と同じことを聞くことになった。「どう、よろしく、ですか」。校長は、「晴れの門出ですので、生徒に動揺を与えないよう、配布はしないでください」と言った。 「生徒に動揺を与えるというならば、それをしているのは都教委です。今朝は、生徒に手渡すために来ています。チラシで動揺はしません。」と答えると、それ以上は言わずに、中に入って行った。

 ここでは昨年も今年も、生徒、保護者とも受け取りがいい。
 私たちは生徒たちには、卒業おめでとうございます」の他に、「『日の丸・君が代』の強制に反対しています。読んでみてね」などと声をかけながら、手渡した。

 6人でおしゃべりしながらやってきた生徒たちに声をかけると、「私たちの先生も反対しています。(「日の丸・君が代」のこと)授業で習いました」と一人が返してくれた。 そこで、「私も教員をしていたの。私も授業で話してきたわ。この学校で、授業で話されたのは、誰かな」と投げ返すと、「○○先生」。他の生徒も、「うんうん」と。 「私は「君が代」起立をしなくて、何年も学校に来るな、給料やらない、という処分を受け続けたの」と言うと、皆目を丸くして、「そんなのひどい!」。 「私が『日の丸・君が代』の強制に反対するのはね」とひとしきり立ち話をした。「授業を聞いたみたい」と生徒。その後、写真を撮ってあげて、見送った。

 250枚くらい用意していったが、式の始まる30分前にはチラシはなくなってしまった(卒業生は190人ということだった)。差し出すチラシが風にあおられるほど風が強く、寒かったけれど心を温かくしてもらえたチラシ配りだった。

 「日の丸・君が代」及びその強制が何なのか、私はどう考えるかを、生徒たちに話し、投げかける教員が学校に一人でもいれば、生徒は考えようとすることが、ここでも証明された。

 戦前・戦中と同じように、子どもたちが国家の色に染まるのは第一に教員たちの沈黙によることを、教員には厳しく問うてもらいたい。
 「沈黙は加担すること。いじめに沈黙することはいじめに加担すること」と、教員たちは生徒に言ってきたはずなのに、どうして自身のことになると、見えないのだろうか。
真摯にご自身と向き合おうよ。

10・23通達から10回目の卒業式 不服従の抵抗が続く

3月1日から22日まで都立各高校で卒業式が行われています。10・23通達(都教委、2003年)に基づき、各学校で全教職員に職務命令が出され、「君が代」斉唱時の起立を強制しています。 被処分者の会の近藤さんからの報告です。

◆「君が代」不起立の教職員、昨年を上回る

これに対して、思想・良心の自由、教育の自由を守るために不当な職務命令に不服従を貫き起立しなかった教員(不起立者)の数は、都立高校だけで既に昨年(3名=都立高校+特別支援学校)を超えています。まだ都立高校の卒業式の最中ですし、特別支援学校、小中学校は卒業式は殆ど18日以降なので今後も増えるのは確実です。

東京の「日の丸・君が代」強制に反対し、10・23通達撤回を求める闘いを決して風化させず、全力を挙げて該当者を支援しましょう!

◆卒業式処分・再発防止研修の強行を許すな! 
 都教委要請行動へ!

都教委は3月28日(木)に教育委員会会議を開催して、卒業式処分、再発防止研修の実施を決め、同日午後、各学校へ出向いて処分発令を強行しようとしています。

昨年は、1・16最高裁判決(2012年)に縛られ機械的な累積・加重処分を強行できず、2回目以上の不起立などに対しても「戒告処分」にせざるをえなかった都教委は、卒・入学式の被処分者対象の「服務事故再発防止研修」を質量ともに強化し、「嫌がらせ・イジメ」で抵抗を「根絶やし」にしようと躍起になっています。

厳しい状況の中、不起立を貫いた該当者を支援し、再発防止研修中止要求を中心とした都教委要請を行いますので参加をお願いいたします。

★卒業式処分・再発防止研修強行を許すな!都教委要請行動
 3月18日(月)
  14時45分 都庁第2庁舎1Fロビー集合
  15時~ 要請(同庁舎10F212会議室)
*要請文(申入書)は2種類(被処分者の会、弁護団)を予定しています。

◆下記の集会への大結集をお願いします。

★卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会
*報道関係者の取材歓迎!
 3月39日(金)
  13時30分~
  全水道会館(水道橋・都立工芸高校北隣)
  主催:都立高校四者卒・入学式対策本部

2013年3月8日金曜日

3/1から都立高校の卒業式始まる チラシ撒きも開始

■3月1日(金)から都立高校の卒業式が始まりました。都教委包囲ネットは今年も、「君が代」誰にも立たない、歌わない自由があります。のチラシを卒業式当日、校門前でまいています。

▼チラシ表面

Image3ビラ表

▼チラシ裏面

Image4ビラ裏

2013年3月2日土曜日

3/1 大阪市議会「橋下市長に市教委などの調査権限を与える条例」を可決

■3月1日、大阪市議会は橋下市長に市教委などの調査権限を与える条例案を維新、公明、自民の賛成で可決しました。可決した条例は、教育内容への無制限の介入を可能とするものです。しかも条例は、いじめや体罰などの「重大案件」が対象のように報じられていますが、そうではありません。

◆大阪からの情報を貼り付けます。

条例には、市長に調査権限を与える場合として

(1) 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するために事実関係を明らかにすることが必要であると認めるとき

(2) 住民の福祉に重大な影響がある本市職員の職務の執行について、法令等(法律及び法律に基づく命令並びに条例及び規則(地方自治法第138条の4第2項に規定する規程、地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第10条に規定する管理規程その他の地方公共団体の長以外の機関の定める規則その他の規程を含む。)をいう。)に違反するおそれがあり、住民の福祉を確保するため必要があると認めるとき となっています。これらに該当するかどうかを判断するのは、市長自身であり、あらゆる問題への調査権限拡大を含んでいます。
また、対象も教育委員会に限らず市の行政全体となっています。

条例の全文はブログに載せましたのでご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/osaka-edu

■また、大阪市議会に提案されている議案を見ていると、大阪市職員基本条例の改正案が出されています。

追加された項目として「職員の降任又は免職の事由及び基準」の中に 「懲戒処分を受けた日から10年以内に懲戒処分を受けるべき行為をした場合であって、その職に必要な適格性を欠くと明らかに認められるとき」が追加されています。
これでは、10年以内に再度懲戒処分を受けた職員は免職もありうるとするもので、極めて重大な改悪になるのではないでしょうか。
情報を集めたいと思います。

■また3月1日には、大阪市議会に大阪市教育振興基本計画案も提案されました。
全文は以下にあります。こちらも大阪の教育を根本的に変える危険なものです。
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/result/pdf/2013gian170.pdf

2013年3月1日金曜日

2/28 「卒業式前日」のこと 大阪のIさんから

■大阪のIさんの勤務校も3月1日が卒業式。2月28日は卒業式に参加する3年生と、2年生の全員が参加しての卒業式の予行。

★そこで、添付の原稿にそって、人権教育推進委員会を代表して、生徒への話をしました。この内容は、3年の学年会、職員会議で、このような内容で話をすることを、口頭ででしたが確認をして、職員会議全体の了解を得て、予行の最後に話したものです。

★生徒への話が終わった途端、男子生徒が大きな声で質問しました。
「俺らの人権は保障されてるけど、先生らに人権はないということか?」
 事柄の一つの側面について、的を射た質問でした。

◆明日の卒業式を前に
                                                          2013年2月28日
                                                          3年人権教育推進委員

  私から、明日の卒業式について、少し話したいことがあります。
 今、卒業式の流れに沿って予行を行いましたが、実は明日の本番とは違うところがあります。明日は、校歌斉唱の前に、「国歌斉唱」の号令がかかり、「君が代」のメロディーが流れます。また、壇上には「日の丸」が三脚に立てて置かれます。本校教職員が、職員会議で議決した中には含まれていないものです。
 もし、みなさん一人一人が自分の意志として歌いたくないと思うなら、歌わなければならないという義務はありません。無理矢理立たせたり、歌わせたりすることは誰にもできないのです。あなたの心の中のことは、あなた自身が決めることで、卒業式は、みなさんのためにあります。何をして、何をしないか、最終的には自分自身で決めることができるのです。このような権利を「思想良心の自由」と言い、憲法に明記された重要な人権のひとつです。子どもの権利条約でも強調されています。

  スポーツの国際大会などでは、一生懸命、日本の選手を応援している人も多いと思います。日本選手が優勝して金メダルを取れば、「日の丸」が挙げられ、「君が代」が流されますね。国に「国歌」があり、「国旗」があるのは当たり前のように受けとめられています。
 「君が代」が国歌的扱いをされるようになったのは、明治時代です。天皇中心の国づくりの中に位置づけられ、国定教科書の中では、「君が代」は「君が代は(天皇陛下のお治めになる国は) 千代に八千代に(千年も万年も) 細石の巌となりて(小さな石が集まって大きな巌になって) 苔の生すまで(苔でおおわれるまで永久に)」、すなわち「天皇陛下のお治めになる世の中がずっと続きますように」という意味だとしていました。しかし、戦後は1999年の国旗国歌法制定時に、はじめて、「君が代」の歌詞についての政府見解が明らかにされました。日本国憲法の主権者は、天皇ではなく国民ですから、「天皇を国民統合の象徴とする我が国の繁栄と平和を願う歌」だというものです。

 とくに、何も疑問を感じない人の方が多いと思います。しかし、一方で、「日の丸・君が代は侵略戦争を進めた大日本帝国のシンボルであり、民主国家となった今日では、日本の国歌・国旗としてふさわしくない。」という考え方もあります。ただ、少なくとも、政府は「児童・生徒の内心にまで立ち入って強制するものではない」と国会で言明しています。「君が代」や「日の丸」の問題は、その歴史や現在のあり方から、個々人の思想や良心の問題に深く関わり、単純には「儀礼」や「ルール」の問題として受け入れることが出来ない人もいるからです。
 しかし、大阪府と大阪市では、昨年度、学校施設への「国旗の常時掲揚」と学校行事での「国歌斉唱」を義務づける条例を制定しました。これを根拠に、東京に続き大阪でも、教育委員会は、教職員に「国歌斉唱」時に起立を義務づける「職務命令」を出しました。この「命令」によって、教職員は「起立」することが強制されています。でもこれは、教職員には強制されていますが、生徒や保護者に「起立」を強制するものではありません。

 2006年末に改訂された教育基本法をめぐる国会審議でも、「国を愛する心」を育てるという問題等で激しく意見が対立しました。その審議の中でも、卒業式や入学式への「国旗・国歌」強制にかんする問題が取り上げられています。過去にとらわれず、「未来志向」で肯定的に考えればいいではないかという人もいます。しかし、「日の丸・君が代」のもつ歴史や現在の国家の在り方にかかわって、自らの思想信条にかかわる行為を強制されたくないという人もまたいます。そのどちらの考えも尊重されなければなりません。
  3年生のみなさんは、明日○○高校を巣立ちます。文字通り激動する社会の中に入っていきます。正解が見つからない問題も数多くあります。国旗・国歌の問題もその一つかもしれません。それらを自らの知識と判断力に従って自分なりの答えを見いだしてほしいと思います。一人の主権者として、自らの判断力に自信を持ち、勇気を持って生きていってほしいと思います。