お知らせ

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2017年3月30日木曜日

3/31 卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会に結集を

3/31 卒業式での不起立者への処分を許さない集会に結集してください。
被処分者の会・近藤徹さんからです。

既にお知らせの通り、10・23通達に基づく校長の職務命令に不服従を貫いて、複数の都立高校教員が都教委の事情聴取を受けています。しかし現時点でまだ都教委の処分発令はなされていません。予断を許さない緊迫した状況が続いています。
不当な処分発令があろうとなかろうと、厳しい状況の中不服従を貫いた教員を励まし、共に闘う意思を表そうではありませんか。
3/31集会への多くの皆さんの参加を訴えます。

★卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会
(報道関係者の取材歓迎) 
 3月31日(金)13時30分 文京区民センター2A会議室
 〈当日の予定〉
    13時30分~ 総決起集会  
  15時(予定)  記者会見 
 主催:五者卒・入学式対策本部

2017年3月23日木曜日

◆【卒業式速報(2)】3/23都教委での卒業式処分決定の強行を許さない!

●都立高校卒業式ほぼ終了 不服従を貫いた教員の「事情聴取」に厳重に抗議
被処分者の会の近藤さんからの情報です。

今年の卒業式で、理不尽な職務命令に不服従を貫いた複数の教員に対して、都教委は3月13日及び3月21日にを都庁に呼び出し、事情聴取を強行しました。これに対して被処分者の会は、本人が指定する第三者の事情聴取への「立ち会い」を求め、「都教委の裁量で認めない」として拒否した都教委に対して現地(都庁第1庁舎35F)で断固たる抗議行動を展開しました。

●事情聴取は「見せしめ」「嫌がらせ」 その驚くべき実態
3月21日の事情聴取の様子は以下のようなものです。まさに「見せしめ」「嫌がらせ」です。
3月21日午後、都教委事情聴取には不服従を貫いた教員を支援して10名(被処分者の会事務局などが対応)が参加して「被事情聴取者」ともに都庁第1庁舎35階に行きました。
都教委の警備体制はものものしく、35階の廊下に7名、内5名が事情聴取中(1時間半以上)も立ちっぱなし。こちらが何を話しても言葉を発せず。まるで「ロボット」のようでした。

【主なやり取り】
相手責任者の職・氏名を尋ねる(事情聴取の時には職員用の名札をつけていない)が答えず。名刺も受け取らず。「答えません。○○先生に中でお話しします」。
事情聴取への第三者の立ち会いを求めるが、「都教委の裁量で認めていません。○○先生お入りください。」を繰り返す。
憲法31条の適正手続きの保障にもとずき、事情聴取への立会いを認めるよう求めましたが、相変わらず「都教委の裁量で、第三者の立会いは認めていない」との答えにならない答えを繰り返す。
○○さんが中に入った後、各人が警備の職員に、事情聴取が嫌がらせ・見せしめであること、10・23通達後の教育現場の荒廃、最高裁判決の内容、部下に責任を転嫁する石原教育行政の負の遺産であること、管理職のなり手がいないこと、こんなやり方(事情聴取)が教育庁の本来の仕事(教育条件の整備確立)に反する時間と労力の無駄遣いであること、などを話しかけましたが、全く応答せず突っ立っているだけ。
事情聴取をしたのは、人事部職員課○○管理主事(中で名乗る)、他に記録係1名、校長も同席。
事情聴取は1時間半以上の長きに亘る。まるで「拷問」。

●いくつかの特徴
事情聴取の際の都教委の対応がひどくなっていることを改めて痛感しました。
2012年1・16最高裁判決(減給以上の処分を取り消し都教委が一部敗訴)の前までは、事情聴取の都教委側の責任者は、職・氏名を名乗っていました(2004年、2005年に私が事情聴取に呼ばれた時には立ち会い要求の弁護士と名刺交換もしていました)。ところが同最高裁判決後一部敗訴したことを反省するどころか、都教委はかえって頑なになり、よりひどい対応になっています。
こちらの支援行動に過剰反応をしており、応答すら「してはいけない」との対応になっています。人事部の打ち合わせのマニュアル通りではないかと思えます。
ある学校の管理職の不起立の現認では、管理職が「回りに聞こえる」ような大きな声を出していたとのことでした。「厳粛さ・静粛さ」(都教委用語)を明らかに妨害していたとのことでした。

不当処分に対する抗議行動に参加してください。

2017年3月22日水曜日

都立高校卒業式チラシ撒き報告(その六)

3月3日から始まった都立高校卒業式チラシ撒きはほぼ終わりました。チラシ撒きはいろいろの意味で意義が大きいと思います。チラシ撒き報告は「その六」で終わります。
報告を寄せられなかったところもたくさんあります。
卒業式チラシ撒きの「総括」は追って出します。

<タ高校>
天気は良かったが、風が強くとにかく寒かった。女生徒が圧倒的に多い。生徒の受け取りは全くない。8割以上は手元に「おめでとうございます」と言って差し出しても完全な黙殺。保護者は5割程度。
こういう子たちが、この後の社会を担ってゆくのかと思うと暗澹たる気持ちになる。学校の対応は、都教委の指導そのまま。校門に日の丸、都旗。学校側は「敷地内に入らないで」と言ってきたのみ。しかし、保護者には、段ボール箱を指して、「捨てて貰って結構です」との声掛けをしていた。それでも140枚撒いた。

<チ高校>
朝起きたら雨!気象情報をチェックしたら9時位まで雨とある。前にも撒いたことがあり、自転車通学がとても多い高校であることを思い出し、条件が圧倒的に悪いが、ともかく校門までは行ってみようと思った。
校門には卒業式の看板のみで旗は無し。管理職の注意喚起も無し。7~8人の先生が、校門の外にいて、自転車の子に傘をさして乗るな、イヤホン外せとか注意喚起しているが雰囲気は比較的フレンドリー。
9時過ぎには雨もやんだ。その時刻でもまだ生徒は来る!先生も誰が来ていないと状況把握しているようで、「遅刻の女王やっときたか!」とか声掛けをしていた。こちらの気分も和む。歩きの生徒の受け取りは圧倒的に良く9割程度。保護者の受け取りは7割程度。
先生の1人が、「首都圏包囲ネットの方ですか?」と聞いてきたので「そうです」と言うと、「被処分者です」と言われる。そうしたら「彼もです」と。もう一人被処分者の先生がいた。ビラ撒きをしてよかったと思った。

<ツ高校>
雨が多少心配でしたが、降ることもなく…。
驚き① とにかく受け取りが悪い。教員と覚しき人の受け取りはよいのだが生徒、保護者の受け取りがきわめて悪い。生徒の受け取りは以前からよくなかったが、保護者までとはどうしたことか。全部で90枚程度。
驚き② 敷地と歩道 管理職と覚しき人が「敷地ではやらないでください」。ここまでは良くあること。しかし歩道に当たるところが全て高校の敷地とのこと。で、法令遵守意識が高い私は門から50mほど離れた角の交差点で行ったのだがしばらくして今度は2名できて、そこも敷地内という。
「市役所で調べてください。」とのこと。「一般の人は当たり前に歩道として利用していますよね。」というのは認めるが「敷地内です。敷地内では」を繰り返す。「常識の範囲で行いますので」といいつづけるが…。
雑談 交差点の角で配布を始めると、近くにいた人(近くで工事の準備をしている人たちのリーダーらしい)がチラシを所望。 1枚渡すと丁寧に読んでいる。読み終わると「北朝鮮のミサイル、どう思います?」「困ったことですね。」その後その人は北朝鮮の危険性を穏やかな口調ながら述べ「このようなこと(ビラまき)をしているから北朝鮮を調子づかせるんだ」というようなことを言う。
私はどう言ったものか、なめらかな反応は出来ませんでした。いろいろな人がいるものです。

<テ・高校定時制> 
風が強く寒かった。例年撒いている。午後4時50分頃から18時まで撒く。90枚撒いた。ここは学校敷地内歩道に入らないと撒けない。生徒、保護者共に8割程度。校門の中に先生が2人居たが、注意は無し。17時50分ごろにアリバイ的に、副校長が出てきて、名を名乗って「貴方のお名前は?」と。こちらは「それは必要ないでしょう、チラシの作成責任はチラシにあります」と応える。副校長は「平穏な雰囲気の中でやりたいので、乱す行為は止めて欲しい、お聞き入れいただけないのであれば外部対応します」と。
生徒が来たので、敷地内歩道に入って渡そうとしたら、副校長に「敷地内です」と制止された。副校長は、校門内の先生と会話をして消えたが、その後は変化なし。

<ト高校>
3部制高校なので、昼の12時15分~13時40分まで、東京・山日労の5人で行いました。学校側からはビラまきに対しては何も言ってきませんでした。
「ご卒業おめでとうございます」と声をかけながら配ると、生徒、親などもほとんど「ありがとうございます」「お世話になりました」という返事で受け取ってくれました。
学校側は「恒例のこと」という感じの対応でした。普段からビラまきをしていて、「顔なじみ」であれば、もっと会話になったかなと思います。(生徒とも)

<ナ高校>  
2人で撒きました。8時頃校長が出勤してきて「敷地内に入るな。保護者はいいけど、生徒には渡すな。ここは教育の場だ」と言ってきたので、「教育の場だからこそ生徒達に読んでほしいんです」と言い返すと、無言で校内に入っていった。教員とは話せた。

<ニ高校(全)> 
7時35分頃副校長が出てきて、「こちらには入らないで。早いですね、式は10時からですよ」と言ってきたので、「教職員の方に読んでほしいので、早く来ました」と返した。7時30分には、分厚い木の板に「卒業式」の立て看、大きな「日の丸」の旗が設置されていた。雨が降っていて、受け取りが悪かったです。都合で短時間しか撒けませんでした。
(葛飾区内の高校には「葛飾区労組連絡会」が毎年、ほぼ全校に撒いています。)

<ヌ中等>
この高校は入り口がたくさんあり、どこで配るか迷うところです。駅に近い西門につくと以前見たような人が「副校長のKです。去年お会いしましたよね。」「去年きましたっけ。」(私の記憶では去年はこられず一昨年か、更に前のような…。)で、それ以上は何も言われず。それにしても受け取りが悪い。生徒はもちろん保護者も。一人の生徒がチラシ受け取り、1秒程度見てから私の持っていたチラシをはたき落とし受け取ったチラシを投げ捨てて 門を入っていきました。さて、どんな国際人が育つのか。
一人の保護者は3秒ほど見てから返しに来ました。正門の内側にはごみ箱が2つもっとも受け取る人も少なく、当然入れる人もなく、受け取った生徒も入れてはいないようでした。
看板は「卒業証書授与式」でした。80枚まきました。

2017年3月17日金曜日

【速報】都教委、卒業式での「君が代」不起立の教員を事情聴取

 【速報】都教委、卒業式で「君が代」不起立の不服従を貫いた教員の事情聴取を強行 
被処分者の会の近藤さんからの報告です。

◆都立高校教員 卒業式で「君が代」不起立
10・23通達から14回目の都立高校の卒業式で、理不尽な「日の丸・君が代」の強制に対して学校現場で様々な形での粘り強い抵抗が続いています。
3月13日都教委は、10・23通達に基づく校長の職務命令に不服従を貫いた教員を都庁に呼び出し、事情聴取を強行しました。これに対して被処分者の会は、厳重に抗議し、本人が指定する第三者の事情聴取への「立ち会い」を求めましたが、都教委は「都教委の裁量で認めない」として拒否しました。

◆都教委要請
さらに3月14日、被処分者の会・五者卒入学式対策本部は、「卒業式処分をするな、再発防止研修をするな・入学式処分をするな」などを要求して都教委要請を行いました。
 14時45分都庁第1庁舎1Fロビー集合 
 15時~同庁舎25階116会議室 加藤弁護士が同席

◆都教委定例会傍聴
3月23日(木)の都教委第6回定例会で卒業式処分を決定か。
○3月23日当日、都庁前早朝ビラまき 8時 都庁第1庁舎入口
○処分決定の都教委定例会の傍聴 

◆3月31日に抗議集会
卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会(報道関係者の取材歓迎) 
 3月31日(金)13時30分 文京区民センター2A会議室
 13時30分~ 総決起集会  
 15時(予定)  記者会見 
 主催:五者卒・入学式対策本部

2017年3月16日木曜日

都立高校卒業式チラシ撒き(その五)

3月3日から行われている都立高校卒業式でのチラシ撒き報告です。

<ケ高校>この高校は「卒業式式場」という看板、他では見ない文言かと思います。
若い教員が一人で看板を門に付けるとき難儀しているので手伝う。
生徒の受け取りはよいとは言えない。副校長かな、にこやかな愛想がいい女性がきわめて丁寧に形ばかりのご注意をしてきた。ここも以前はきわめてとげとげした対応でしたがずいぶんと変わりました。
3名での配布の威力か、受け取りは今ひとつの印象ながら、310枚くらい撒いた。
日の丸は校門にはなく、近くの掲揚塔に半旗で揚がっていました。

<コ高校>
3人で卒業生の登校時に配布した。約90枚。昨年よりは受けとりは良かった。
はかま姿の卒業生が大半、男子は背広ネクタイ、たまに羽織はかまも。教職員で、「ご苦労様」、「拝見します」と言って受け取る人が数名いた。途中副校長が出てきて名乗り、「在校生と参列者に渡さないで。学校の敷地内では配らないように」と通告。形ばかり言い置いて立ち去る。

<サ高校>
7時45分から撒く。しばらくして副校長が来て、「敷地内に入らないでください」とだけ言って入っていきました。
生徒の受け取りは、早い時間に登校の生徒たちはよかったのですが、登校時間近に集団で登校の生徒たちは良くありませんでした。職員は若い職員の受け取りが良くありませんでした。保護者は比較的良く受け取ってくれました。
中に、ぎりぎりにやってきたお母さんが、「うちの子はいろいろと先生の世話になり、今日はどうしても、先生にお礼が言いたくて。」と言ってビラを受け取り中に入っていきました。これこそが血の通った卒業式です。卒業式で「日の丸・君が代」強制に血眼になることが如何に異常かがわかります。都教委のやっている卒業式は物(旗・歌)が第一で、人間は二の次です。これはまともな教育ではありません。一人でしたが約200枚撒けました。

<シ高校>
昨年も同じ高校で1人で撒きましたが今年は2人だったせいか、生徒の受け取りが良く、280枚ほど配布できました。卒業生は、着物と袴、男子生徒も和服が多くいました。保護者も和服が多かったです。校門に出された看板には「卒業式」と書かれており、「卒業証書授与式」ではありませんでした。また、校門に日の丸出ていませんでした。
「おんなじ考え方です」と私に話しかけてきた方保護者もいて、比較的順調でした。

<青山高校>
7時50分に着いたときには正門門扉と3本ポールに日の丸はあった。正門前の敷地部分と歩道の境目に赤の三角コーンが置いてあり、脇の方が通り道として開いていた。そんなことははじめてだったし他の学校でも見たことはない。
8時過ぎに副校長が来て、「敷地内には…」と言った。そのあと副校長はコーンを卒業証書授与式の立て看板(と日の丸)の前にも置いたので、余計ことだとは思ったが、私は「その立て看板の前で生徒さんたちが写真を撮りますよ。三角コーンを置いたらじゃまと思いますよ」と言ったら、副校長も「そうですね」と言ってやめて、写真を撮りやすくするため、むしろ空間を広げた。
玄関の脇にカバン?を持った男性が所在なげにいた。去年もその前年のひどい弾圧があったときもその辺に私服警官がいたので私服警官かと思ったが、それは推測である。その他に警察の動きは感じられなかった。(注:「ひどい弾圧」というのは、校長・副校長が警察に通報してビラまきを弾圧した。私服警官、制服警官は「ビラまきは違法だ」などいうことを言って、ビラまきにまとわりついて妨害した。歩道でのビラまきは最高裁判例で認められている。その後、包囲ネットは、原宿署と学校当局に抗議をした。原宿署は抗議文を受け取ったが、高校は逃げ回り、あれこれ言って会おうとしなかった。そういうことがあった。)
生徒も保護者も教職員もチラシの受け取りはよくない。男子生徒の一人が「許可をとってやってるんですか」「生徒に撒いているでしょ」という。私は「許可は必要ありません」「生徒に撒くのは自由です」と答える。生徒はそれ以上言わず校門の中に入っていった。
歩道を通る人が「卒業式」の看板をみて、笑顔になり「もうそういう季節になったんですね」と言った。また、通行人に渡したら、その人は戻ってきて、「もっとください」と言ったので10枚くらい渡した。
9時過ぎから霧雨が降り出した。9時35分にチラシ撒きをやめた。150枚撒いた。

<ス高校> 
約150枚。雨模様のためやるかどうか迷う。とりあえず行ってみようと8時着。傘を差しながら行うが、そのうち雨も止んでくる。
生徒の受け取りはよくない。ここ数年はこんなもの。看板は大きな字で簡潔に「卒業式」、小さく学校名があるだけで、年度、何回は書いてない。
保護者の受け取りもそれほどはよくない。副校長だろうか、丁寧にありきたりの注意。「2007年からしていますので、心得ています。」と言うと、「そうですね。よろしくお願いします。」と。数年前より職員も快く挨拶してくれる。
帰るときに校門の教員2名に私・福嶋の「授業してたのに処分」のチラシを渡すと「こんなことあったんですか」と少し話になる。
(注:福嶋さんは「不起立」で処分され、その「再発防止研修」の日に、授業が目いっぱいあったので、都教委に、別の日に「再発防止研修をしてください」と頼んだのに都教委は認めなかった。福嶋さんは授業の方を選んで再発防止研修に出なかったところ、そのことでも処分された。)

<セ高校>
雨の中、卒業式チラシまきを「河原井・根津らの『君が代』解雇をさせない会」のメンバー3で、7時50分近くから1時間程行いました。
この学校は教員・生徒とも、いつも受け取りが極端に悪いのですが、今日はさんざんでした。雨だったことや、7時50分にはかなりの教員・生徒が校舎内に入っていたようで、また、卒業学年以外は休みだったようで、手渡したチラシ枚数は何と、教員に3枚、生徒に2枚、通行人に1枚でした。
9時半開式ということでしたが、9時近くになっても保護者は現れず、雨もやまないので、チラシまきを止めて帰ろうとしたところに、中年の男性教員2人がやってきて、 「チラシを1枚ください」と居丈高に言った。この人は副校長なのだろう。「あなたはどなたですか」と返すと、やや置いて、「教員です」「交通の妨害をしないでください」と言う。「交通の妨害を私たちがしましたか。していませんよ。現認してから言うものです」 と返して引き上げました。
この学校の生徒の表情の硬いのが、私達には気になりました。いつも感じてはいたことですが、卒業の喜びも感じさせない表情でした。
(注:大阪府立高校でのチラシまきの報告を読ませてもらって思うことは、チラシの受け取りに違いがある。一言で言えば大阪の生徒は屈託ない感じて受け取っているようだ。その違いは、都教委の独裁支配に慣らされ抵抗しなくなった東京の気質と、橋下府知事を辞任に追い込んだ大阪の人たちの気質の違いなのだろうか…)。

<ソ高校>
包囲ネットの仲間と2人で行った。ここは「進学指導特別推進校」で、校門脇の掲示板に、この10年くらいの進学実績が貼ってある。見ると、棒グラフでこの間「国立大」+「早・慶」+「上智、?」が増えていることがわかる。おそらく受験に特化した授業になっているのだろう。まさに高校の予備校化である。でも、戦争になって徴兵とか学徒動員とかになったら、そのような実績はあまり意味がないだろうにと思う。  
生徒のビラの受け取りは良くないがチラホラ受け取る生徒もいる。しばらくすると副校長が出て来て、「敷地内に入らないでください」と言う。「わかっていますよ」と言うと、「ビラを下さい」というので、「いいですよ。どうぞ。都教委から何か言われているんですか。
警察を呼ぶようにとか」と聞くと、「場合によってはそのように・・」と言う。「何か書類はあるのですか」と聞くと、それには答えず、中に入って行った。
職員や保護者のビラの受け取りもあまり良くなかった。まいたビラは全部で100枚余だった。

2017年3月15日水曜日

3/9 都教委定例会ではなく都総合教育会議 根津公子さんの傍聴記

根津さん「3/9は都教委定例会ではなく同日開催された第3回東京都総合教育会議傍聴記です。

前回2月24日の定例会で担当者が「次回は3月9日午前10時」と通告した。ところがその後、総合教育会議を午前中に入れ、定例会は午後に繰り下げた。この変更について「総合教育会議及び定例会の冒頭、教育長は然るべき説明をするよう、言ってほしい」と私は要求したが、「2日前にネット上に訂正を載せている」と言う。「インターネットが使えない環境にいる者には、傍聴の権利を保障しないということか。傍聴者に毎回、住所・氏名を書かせるのは何のためなのか。傍聴者は数人なのだから、その住所に変更のお知らせを送るくらいの気遣いがあって当然ではないか」と言うと、担当者はぶち切れた。「都民ファースト」ではなく、いつも「都ファースト」。
私は、午後はすでに予定を入れてしまっていたので、都教委定例会は傍聴できず、総合教育会議(10:30~12:00)だけを傍聴した。













職階制、賃金査定、都教委の学校支配の弊害を考えるとき

■議題は1件、「教育管理職の確保について」

 管理職、とりわけ副校長の受験希望者が極端に少なく、受験者を増やすための対策を講じなければならないところに都教委が追い込まれての議題であった。「教育管理職を取り巻く現状と課題」について中井教育長が資料をもとに説明し、その後、参考人として呼ばれた都内公立小・中学校の校長・副校長・教員、男女各1名ずつ計6名の意見を聞くというものだった。
 傍聴して感じたことは、これでは受験希望者は増えない、ということ。6人の教員たちは、都教委の教育施策に批判的な人ではないから抜本的解決には至らない話ばかり。管理職受験希望者だけでなく、新採の受験希望者も非常に少ないのは、都教委の教育施策に批判が多いということ。まずはその批判から学ぶことが、都教委にとって必要なことと私は思うのだが。
 私は、管理職は不要と考えるから、管理職の確保に関心はない。でも、都教委が確保をしたいのならば、ピラミッド組織を止め、都教委が嫌う「鍋蓋」組織に戻すことだ。都教委の指示を受けた管理職がその実行を職員に指示するという上意下達の働かされ方を止め、かつてのように、職員会議で論議し学び合いながら協働する組織に変えること、それが、教員がいきいきと働き、子どもが楽しいと思える学校になるのだ。職階制、賃金査定、都教委の学校支配の弊害を都教委が考えるときなのだ。

■「教育管理職を取り巻く現状と課題」についての説明より
1.教育管理職(校長・副校長)選考の状況
2016年度は、①必要数572人 ②受験者数450人(うち女性は125人) ③合格者数418人(116人) ④不足数=①-③=527-418=154人
不足については、定年退職した再任用校長・副校長で対応していて、現段階では欠員は発生していない。 
2.2017年度の新たな取組
①副校長の多忙解消に向けて、副校長の業務を担う非常勤職員を配置する。2017年度は、1900校のうち小学校6校、中学校6校で試行実施。
②受験できるのはこれまでは主幹教諭だけだったが、これに加え、46歳~53歳の主任教諭まで拡大するよう制度を改正する。これにより、受験有資格者が、これまでの3倍、女性ではこれまでの5倍になる。
③副校長の管理職手当の引き上げ:現行の月72300円を80700円に。校長は現行の月104500円。(中井教育長は「80700円、これで(受験希望者増を」期待するのは無理かと思うが」と付け足した)

■6人の発言
★副校長:土、日も部活をやっている職員がいるから出勤する。地域の行事にも参加する。1日に12~13時間は勤務する。それが教職員には大変に見えるのか。
★校長:声をかけられ、研修センターに通ったことで副校長になった。副校長は女性に向いた仕事だが、子どもの病気のときに困った。
★副校長:多忙解消は、他の人に仕事を振れるかどうかだ。4割位の仕事は振れる。副校長の仕事を経験した人にサポートしてもらえたらありがたい。
★校長:副校長の仕事は我々には到底できないと、教員は思ってしまう。自信が持てないのだ。
★校長:管理職受験を職員に勧めるが、職員は「自信がない」「子どもと関わりたい」「時間が厳しい」と言う。
★副校長:管理職になると子どもから離れるイメージがあるから、私は休み時間は子どもと遊んでいる。
★10年目の教員:研修会に参加して自信が持てるようになったので、管理職になりたいと思っている。
★9年目の教員:子育て・介護で今でも大変だが、管理職の先生が輝いていると、私も管理職になりたいと思うようになる。
★校長:輝くようにしたい。疲れていても化粧して、職員にアドバイスができたり、本来の業務で力を発揮する。業務改善が必要。
★校長:自分がしっかりしたロールモデルにならないと。事務量を軽減し、校長が副校長を育てる。
6人の話を聞いて教育委員たちは、副校長の業務の見直し、女性が働きやすい働き方改革が必要とまとめた。

■職階制の破綻ではないのか

「教諭→主任教諭→主幹教諭・指導教諭→副校長→校長」の職階制を敷き、このコースに乗るための研修体制も整えたが、管理職受験希望者数はこれに反比例したという現実。職階制が破綻したのだ。冒頭に述べた、都教委が嫌う「鍋蓋式学校運営」に戻すことが、この解決につながる。
 === === === ===
小池知事は、10年前にうつ病になり自殺した西東京市の新任教員の自殺訴訟で、業務が原因の公務災害だと認めた東京高裁判決を受け入れ、上告しないことをこの場で話した(今朝の東京新聞はそれを報じている)。この判断は当然ではあるが、都教委のこれまでと比較して評価する。
しかし、新任教員に対して、指導教員が補佐しない・いじめる、校長がパワハラを繰り返し退職に追い込むという現実が相当数あること、それは職階制、業績評価による賃金査定、都教委の学校支配が始まってからの現象であることを、都教委・都知事は認識すべきである。

都立高校卒業式でのチラシ撒き報告(その五)

3月3日から行われている都立高校卒業式でのチラシ撒き報告です。

『週刊金曜日』3月10日号に掲載された小林和子さん執筆の「編集長後記」の記事






2017年3月14日火曜日

都立高校卒業式でのチラシ撒きの報告(その四)

3月3日から始まった都立高校卒業式での都教委包囲ネットのチラシ撒き報告(その四)です。

<ア高校>
快晴だが寒い朝。この学校は校舎入口付近に塀も正門もなく、歩道と敷地の区別がつきにくにので、道路を渡ったところで撒きました。
生徒の受取りは悪く、手を振り「ノー・サンキュー」の仕種をしてくれたり、「大丈夫です」と断ってくれるのはまだよく、当方が透明人間であるかのように無視する生徒が大半でした。こちらが「お早うございます」と呼びかけ、返事してくれたり会釈してくれる生徒は2―3割。受け取ってくれるのはだいたいそういう生徒で大半が女子でした(もっと女子が多い高校ですが)。それでも生徒には60~70枚手渡せたかと思います。教員の受取もあまりよくなかったです。
9時ごろからやってきた保護者は「ご卒業おめでとうございます」と声をかけると、7~8割受け取ってもらえました。
こちらが撒き始めたのと同じくらいの時刻に校門指導の男性教員が1人登場、生徒からビラを受け取りどこかに携帯で連絡、すぐにもう2人現れ何か協議。白ネクタイの男性が「副校長」と名乗り「人通りが多いので、通行の邪魔にならないようにしてください」との要望、「わかりました」と答えて撒き続けました。9時ごろ教員は4人に増えたが保護者への対応要員のようで、それ以上の接触はありませんでした。一人でしたが210枚撒きました。

 <イ高校>
3人でビラまきしましたが生徒も保護者も受け取りが悪く、50~60枚くらいしかまけませんでした。特に生徒は全く受け取ろうとしませんでした。この学校の教員の話では、「受け取らないように」と指導したわけではないようでした。長い当局の指導の中で、画一的な教育が「成果」を上げているというように見るということなのでしょうか。特に進学校ほどその傾向が強いいと感じています。この学校は決して進学校とはいえませんがこうした傾向が浸透している様に思います。
私たちのチラシ行動はまますます重要になってきているように思います。

<ウ高校>
正門前と通用門前で、2名で配りました。毎年、生徒も保護者も、チラシの受け取りがいい学校で、今年も7~8割の生徒、8~9割の保護者が、「卒業おめでとうございます」と配ると受け取ってくれました。単位制高校で、進学でぎすぎすするとかはないようで、全体に落ち着いた明るい高校生たちの学校です。ということで、持って行った280枚のチラシは9:35には配り終わりました。
8時すぎに、正門に「ウ高校卒業証書授与式」の看板が設置されましたが、正門脇の三旗掲揚台には、しばらく何もありませんでした。8:25になって、職員が「日の丸」・「都旗」・「校旗」を半旗状態で上げました。理由を聞いたところ、「指示された」とのことでした。
8:40ごろ、副校長が出てきて、「敷地内で配らないで下さい」と行ってきたので、「承知してますよ」と答えると更に「生徒に配らないで下さい」といってきたので、「読ませないではなく、いろんな意見をよく聞いて、自分の意見を持ちましょうというのが教育じゃないですか?」と質問したところ、「それはあなたの考えだ。」「あなたは誰? 私も名のったので聞かせて」と言ってきたので、「都教委包囲ネットの者です」と答えたところ、更にしつこく「名前は」と聞いてきたので、「チラシ配りを止めるような人には言いません」と断った。
その後、三旗を見ると、半旗をやめて、通常の掲揚に直してあった。(副校長が直した模様)9時頃、再び副校長が現れて、「生徒には配らないで下さい」とまた言ってきたので、「他の学校で、2度も行ってくる学校はないよ」と言い返したが、それ以上、ゴミ箱を置いたり、生徒から取りあげようとはしていなかった。その副校長は細かいところにこだわり、管理的な人という評判らしかった。
生徒や保護者・職員は、全体的に穏やかで感じのいい人が多い学校です。一人の保護者がみんながチラシを持っていたので、「私にもください」と取りに来たので、「どうぞ」と渡したら、「君が代のことが書いてあるチラシだ」と言って返してきました。他に、文句を言ってきた人はいませんでした。昨年よりは受けが良かった。

 <エ高校>
8時~10時 4人で190枚まいた。校長と副校長がそれぞれ、敷地内では撒かないようにとだけ告げる。それ以上は何もなし。静か。生徒数そのものが少ない。生徒の受け取り状況はよくはないが去年よりは良い。 
     
<オ高校>
8時~10時 3人で300枚。校長と副校長ともう一人(主幹か)がそれぞれ、敷地内では撒かないようにと言う。晴れて暖かくなる。毎年この学校の卒業式は晴れ。受け取り状況は生徒が5割、保護者は6~7割。
 
<カ高校>
8時~10時まで4人で280枚まいた。校門に日の丸が2本立っていた。かなり目立つ。
校長と副校長がそれぞれ、「敷地内では撒かないように」と言って来た。それ以上は何もなかった。受け取り状況は生徒はよくない。保護者は6割か。
 
この区では、7校で卒業式ビラ撒きをした。市民の会の人たちが包囲ネットのチラシを一緒にまいてくれた。これからも続けたい。

<板橋高校>の補足
 去年も、今年も、校舎全面建て替え工事が続いていて、臨時通用門前でのチラシ配りとなりました。最終的には、包囲ネット2人、学校と地域をむすぶ板橋の会3人、いたばし9条の会7人の計12人の豪華で賑やかなビラまきになりました。その中で、9条の会が配っているのは、チラシではなく、日弁連発行の『憲法って、何だろう?』という小冊子。
お金がかかってますが、その分有益で受け取ったら永久保存版もの。素敵なアイデアだと思いました。
先の報告にもあるとおり、今年の受け取り状況は、去年までとは様変わり。去年までは、200枚でも300枚でも持っていった分が全部さばけました。ところが今年は、生徒も保護者もなかなか受け取ってくれません。学校側が、事前に何らかの対策を講じたように思われます。

<キ高校>
被処分者のKさんとチラシ配りをしました。8時少し前に門前に着きました。「第〇〇回卒業証書授与式 都立き高校」というパネルが門柱に立てかけられていました。(昨年は普通の立て看だった気がするのですが)毎年使えそうな無味乾燥な感じのものでした。
日の丸はありませんでした。
ポツポツと生徒や教員がやって来はじめました。最初から3人の教員は、「ご苦労様です」と私たちに声をかけて受け取ってくれました。生徒達の受け取りもよく、気持ちよく始められましたが、そのうち大勢来はじめると受け取りはあまりよくありませんでした。それでも教員はかなり受け取ってくれました。卒業生、在校生に120枚ぐらい配りました。
門の中では教員が一人立っていましたが、私たちには何も言いませんでした。その後やってきたもう一人の教員は「危ないので自転車の生徒には渡さないように」と割に丁寧にいいました。10時開式で、保護者にはほとんど渡せませんでした。おもしろい髪型の男の子や化粧しているかなと思われる女の子が多い気がしました。でも市内の他校に比べると生徒の表情が明るくのびのびしていてほっとしました。

<ク高校>
7時半過ぎから2人で撒き始めるとすぐに校舎から男性が出てきて、「チラシをください」と言う。「どなたですか」と聞くと「教員です」。「平教員ではないでしょ。役職は」と返すと少し間を置いて、「副校長です」と言う。 「どうぞ」とチラシを手渡すと、頭を少し下げ、余計なことは言わずに校舎に戻っていった。さらに数分経って、出勤してきた男性がチラシを受け取り、「ここは交通量が多いですから、撒くなとは言いませんが、安全に気をつけてください」。「あなたはどなた」と返すと、「副校長です」。副校長が2名いるとのことでした。
教員の受け取りは7割弱か。手を出さなかった若い教員2人(別々に)に、「あなたは教員でしょ」-「はい」。「ならば、拒否するのではなく、まずは読んで考えてください」と言うと、受け取った。また、「ありがとうございます」と言って受け取った男性は、「都教委はホント、ひどいです。でも、教員は処罰されるから」と言うので、「私は処分され続けました」と返すと、「そうでしたか、子どもが20歳をすぎれば、(不起立を)やるんですが、まだ小学生なので、ごめんなさい、できません」。「それはそうです。そういうことも考えて私は不起立し続けたのです」と私は返した。 こんなふうに考える教員がいたことに心強く思った。
それから、「根津さん!」と女性教員から声をかけられた。私が南大沢学園に回されたときに、ここに在職しておられたという。1年毎に都教委は私を異動させたから、百数十人も職員がいたら覚えられるわけはないのだ。
私は1年毎の異動を繰り返させられたが、そのすべての学校で私の気持ちを職員会議の発言や私が作ったチラシによって伝えた。都教委の根津いじめは成功しなかったのだ。
生徒たちの受け取りもまあまあだった。6~7割は受け取ってくれた。3人の生徒(別々に)は「どういうことが書いてあるんですか」と聞いてきた。「『日の丸・君が代』には教育委員会と異なる意見があるということを書いているの」と答えたら、「読ませてください」と受け取った生徒、片や、受け取らなかった生徒がいる。保護者は「おめでとうございます」の文字に、8割以上が受け取った。
チラシ配りの意味は大きいと思った。

2017年3月13日月曜日

都立高校卒業式 チラシ撒き(その三)

3月3日から始まった都立高校卒業式のチラシ撒き報告(その三)です。

<板橋高校>
正門前に着くと、もう10人ほどの方が到着していました。包囲ネットの他は「いたばし九条の会」と「学校と地域を結ぶ板橋の会」の方たちでした。この日卒業式が行われる板橋区内の都立高はここだけでしたから、それぞれ多くの方が参加されたのでしょう。
包囲ネットは2人で撒きました。空気は少し冷たかったのですが、よく晴れて風もなく絶好の卒業式日和、ビラ撒き日和でした。校舎の建て替え工事中。
この日いちばん驚いたのは、副校長など管理者が何も言ってこなかったことで、こんなことは初めてでした。黙殺というか無視というか、「もはやお前らなんか眼中にない、相手にするまでもない」ということなのでしょうか? それとも愚かなことに気付いたのでしょうか。
生徒たちの受け取りの悪さはこれまでに例のないほどでした。しかもほとんどが「卒業おめでとう」の声掛けにも全く反応せず。教員と保護者は2~3割が受け取ってくれたと思いますが、生徒はせいぜい1割という感じでした。というわけで、包囲ネットのビラは2人で100枚ほどしか撒けなかったと思います。

<Q高校> 
257枚撒く。正門前は住宅地で、車もあまり通らず、通っても正門前で90度曲がっているためゆっくりです。8時過ぎにつくと「東京都Q高等学校卒業式」と1行書きの看板。なかなかいいですね。日の丸は正門にはなく、近くの掲揚塔に挙げられているようでしたが樹木で見えにくくなっています。 
身なり正しい長身の男性(副校長か)が門の中にいるがぽつぽつくる生徒にチラシを渡してもとくにこれと言った動きはない。生徒の受け取りもよい。ただ、自転車の生徒にチラシを渡したときには先の男性が声を荒げ、「自転車の生徒には渡さないでください。事故になります」とはっきりという。「生徒だって判断します。」といっても「小学生も通っています。怪我をさせたら大変です。」とのこと。
自転車の生徒は止まって受け取る者、かなり速度を落として受け取る者、速度を落とさない生徒には渡さないようにはしました。
恰幅のいい男性が「敷地に入らないように」ということを言ったくらいでした。保護者の受け取りもいいですね。

<R高校>
2人で264枚撒く。7時50分につくと卒業証書授与式の看板。歩道が心持ち広くなっていて、以前より配布しやすそう。校門にいた教員が軽い注意にくる。その後 副校長がきて、ありきたりの注意。「十分に注意します」と応える。
教職員の受け取りはよくないが、生徒・保護者の受け取りはこんなものかというところかな。年配の教員が「校長です」と穏やかに言い始めたので「先ほど副校長先生から注意は聞きました。十分に注意して行います。」といったら「よろしくお願いします。」
ここは数年前は主幹のようだがやたらに張り切って「生徒に渡すな、配るな、校門前ではやるな、危ない」などとずっと言い続け、生徒に渡そうとするとその間に割り込むこともあったのですが、ずいぶんやりやすくなりました。
つまらない印象なのですが、遅刻ぎりぎりでくる生徒がほとんどいなくなった。保護者も遅刻する人はほとんどいないように思います。 いいことなのだろうとは思うのですが、、。

<S高校> 
ここは進学校で男女とも和装でにぎやかですが、ビラの受け取りはあまり良いところではありません。しかし今回、杉並1000人委員会の方と二人で205枚まきました。 
ビラまきを始めてしばらくすると副校長が出て来て、「門の前に立たないでください。車の通行が激しいから気を付けてください」と言って中に入っていき、その後は特に何もありませんでした。気づいたのは若い教員のビラの受け取りが悪いということでした。「民主的な教員」ではなく、「官僚的な教員」になりつつあるのでしょう。生徒、保護者はそれなりに受け取ってくれ、こちらが「卒業おめでとうございます」と声を掛けると、「ありがとございます」と返してくれました。

<T高校>
一人で撒いたが約200枚。副校長(女性)がでてきて、「学校の敷地内に入らないでください」「通行のじゃまにならないようにしてください」と言っていく。
校門に立っている若い教員に話しかけても、自分は関心がないという対応だった。

<U高校>
ビラまきを始めてしばらくすると副校長が出て来て、「敷地内に入らないようにして下さい」といってきました。そこで、「都教委からそうした通知が出ているのですか」と聞くと、少しつまって、「通知のようなものは・・」と述べ、その後「慣習ですから」と言ってそそくさと中に入っていきました。
生徒たちは、こちらが「卒業式おめでとうございます」と言ってビラを渡すと、多くは嬉しそうに「ありがとうございます!」と言って受け取りました。約80%の生徒(女子が多かった)が受け取ったと思います。教職員もビラを受け取った方が多く、中にはわざわざ校舎から出て来てビラを受け取っていった方もいました。
9時の段階で足が途絶えたので、保護者が来る前に引き上げました。179枚まきました。

<V高校>
8時に正門前に着くと、すでに正門には、「日の丸」が左右から斜めに取り付けてあり、「平成28年度 卒業式」の看板が立てかけてあった。チラシをまき始めると、男性教員が一人出てきて「敷地内では、・・・」と言い始めたので、「分かってますよ」と返すと、それ以上は言わなかった。「教頭さんですか?」と聞くと「副校長です。」と言って、引き上げました。一応注意はした、という形式的職務態度で、とげとげさはありませんでした。副校長や数人の教員が、10mほど入った校舎入口にずっといたが、監視と言うより生徒・保護者などへの案内のためのようだった。公安警察などの気配はなかった。
生徒・職員の受け取りは、3割程度。(約100枚)。保護者は、5割程度。(約150枚)手持ちのチラシがなくなったので、午前9時半で終了しました。
教職員で「ご苦労様」と言って、受け取ってくれた人が2人ほどいました。例年、突き返してくるとか、文句を言ってくる人が1~2名いるのですが、今年はそのような人はいませんでした。
V高校は、以前制服のない学校だったので、卒業生の服装は袴やパーティー服などとても華やかだったのですが、いまは制服(標準服)が定着した。展望のない社会の反映でもあるのかもしれませんが、明るさや元気さが減ってきているように感じました。

<W高校>
8時少し前、正門前でチラシを撒き始めると5分もしないかで2人の職員がやってきて、
バインダーに止めた紙を見ながら例の「敷地の中に入らないでください。生徒にチラシをまかないでください」と言う。役職を訊いても名乗らず、「今の発言は都教委の指示でのことか」と訊いても、返事をしなかった。
その2人が来るまでに私たち(2人)の前を通った6~7人の職員は一人もチラシを受け取らなかったから、その人達の通報だったのか、それとも、チラシまきに今年も来るだろうと監視カメラの前にいたのか。
2人が引き上げてすぐに、玄関を入ったところにゴミ箱が置かれた。「可燃ごみ用ごみ箱」の表示。玄関からもってきたのだろう。
職員のチラシの受け取りは非常に悪かった。敵視し睨みつけるような目で通る職員もいた。
「ありがとうございます」という職員はほんの数名。一人だけ、「やあ、根津さん!」という方がいらした。
8時半、生徒用昇降口に回り手渡しはじめてしばらく経った頃、いかにも生活指導担当というような一人の職員がやってきて階段上から、下にいる私たちに向かって、「生徒に撒かないでください」と大声で言った。「なぜ撒くなというのですか」と訊くと、「大事な卒業式だから」。「卒業式だから撒いているのです。」と返すと、何か言いたげではあったけれど、校舎方向に戻っていった。
「おめでとうございます」と声をかけると、7割の生徒たちは「ありがとうございます」とにっこりして受け取った。10時半開式ということなので、保護者が来るのは待たずに終了とした。

 <X高校>
午前7時50分~10時まで3人で卒業式のビラまきを行ないました。8時過ぎに、教員が寄ってきたので、「副校長さんですか」と言うと「そうです。」といって、何も言わずに、ビラを受け取っていきました。教員、生徒のビラの受け取りはあまりよくなかったです。保護者の方の受け取りは、まあまあでした。
遅刻してくる生徒もなく、風紀が良い学校に思えましたが、いいことなのか? 保護者も10時前にはすっかり構内に入っていました。ビラまきにも、何も言ってこなくて、淡々とビラまきを行ないました。

<Y高校>
「卒業式」の看板を出していた教員が、「学校の敷地内にはいらない」ことと「自転車の邪魔にならないように」と言ってきた。
正門のすぐ前が大きな自転車置き場なので、そこの管理に教員2人と生徒会の学生3人が出ていた。正門の前にも3人ほど教員がいたが、自分からビラをもらいに来る人はいなかった。こちらが「読んでください」と渡すとだいたい受け取った。読んでいる若い教員もいた。
去年は、私服車が何回かビラまきをしている前を通り過ぎ、少し離れたところで車を止めて監視していたが、今年は私服車はとめずに、10~15分間隔で通過。
保護者の男性がビラを受け取るなり「君が代・日の丸は、国旗、国歌と決まっているんだ。こんなものを撒くな!」とビラを突き返してくるということがあった。
9時50分ごろ、ビラも残り4枚となり保護者もほとんど来なくなったので、そろそろ終わりにしようかなと思っていたころ、正門前にパトカーが1台止まった。何事かと思って見ていたら、中から制服警官2名が出てきて私の方に寄ってきたので、「何ですか」と聞くと、「迷惑行為があったと通報があったので」と言う。そして「何を撒いているのか、見せてください」と言ってきた。同時に、ちょっと離れたところに私服車も止まった。
私は制服警官に「何も警察に見せる必要はない」と言って、帰ることにしたところ、制服警官は「見せないのは怪しい」とか言ってしつこくついてきた。私服車から私服も1人降りてきてもう一人の制服警官と話していたようだ。
その後も大通りに出るまで制服がまとわりついてきた。「通報とは誰からか」と聞くと、「匿名ですから」とのみ。大通りに出たところで「こんなふうにまとわりつくのは違法ですよ、離れなさい!」と大きな声で抗議して駅の方へ向かった。それ以上は追ってこなかった。学校が通報して警察を呼んだのか。こういう弾圧はおかしい。共謀罪国会のさなかのことだ。

<Z高校>
正門と東門に分かれて、「戦争をさせない杉並1000人委員会」の人と包囲ネットで、それぞれ2人づつで撒いた。しかし、生徒の受け取りは悪く50枚足らずだった。5分ぐらい経ってゴミ箱が生徒入口に置かれる。間もなく、副校長が出てきて、「敷地外でお願いします」「生徒には配らないでください」というので、「情けないですね、ごみ箱を出して、捨てろという指導をしているの」というとそれ以上は黙っている。そして、東門の方へ見に行って、また帰ってきて生徒に「おはよう」と声をかけていた。副校長が校内に入ってから生徒の受け取りはややよくなる。何年か前によく見かけた茶髪がほとんどいない。制服もミニスカート。
保護者には2人で126枚まいた。

2017年3月12日日曜日

都立高校卒業式 チラシ撒き報告(その二)

3月3日から始まった都立高校卒業式での包囲ネットのチラシ撒き報告(その二) 

<I高校>
7時55分から10時まで 東京都地域連合労働組合員3人でビラまきを行いました。
8時10分過ぎに、副校長が出てきて、「敷地内に入らないように。生徒にビラを撒かないように」と言ってきました。3~4人の教員が受け取りましたが、受け取りはあまりよくありませんでした。受け取った教員のなかには、「頑張ってください」と声をかけてくれる方もいました。
生徒の受け取りはまあまあでした。自転車通学の生徒が半分くらいいて、自転車に乗ったまま、校門に入っていくので撒きつらかったのですが、それなりに受け取ってくれたと思います。保護者の方も、受け取りは良かったです。
ある保護者は、ビラをじっと見てから「これはここの学校とは関係ないですよね」といってビラを返してきたので、「卒業式に関してのことなので、ぜひ呼んでください。」と対応しましたが、さっさと行ってしまいました。ビラは200枚くらい撒くことができました。

<J高校>
卒業生へのチラシ撒きを2人で行った。J高校の卒業式は公共施設で行われた。生徒の登校は午前中。式は午後だった。生徒の8割は受け取った。妨害はなかった。警察の動きもなかった。

<K高校>
管理職も職員も誰も出てきませんでした。職員の中に、ビラを受け取る時に、丁寧に「ありがとうございます」と言ってくれた方や、「ご苦労様です」と言ってくれた方がありました。生徒たちのビラの受け取りはあまり良くありませんでしたが、それでも自転車を止めてビラを受け取ってくれた生徒もいました。保護者の方は比較的良くビラを受け取ってくれました。
一人でまいたのですが、138枚まけました。クラスは5クラスですから卒業生は200人くらいだったと思います。

<L高校>
卒業式は午後からだった。間違えて朝8時に着いてしまいました。
午後、管理職など職員から ビラ撒きをやめろに類する言動は一切なし。数年前は公安警察と覚しき人物が構内に出入りしていたのに警察関係と覚しき人物も見あたらず、平穏でした。
若い教員と思われる人物が、チラシを受け取りながら低い声で「退職者ですか」「はいそうです」「ご苦労様です。ありがとうございます」
保護者が多くなってきて、忙しいときに車から降りた男性が「PTAの会長をしています。ビラを撒かないでください」。私が言おうとすると「敷地の外、道路の上と言うことも分かっています。撒かないでください。」回りに向かって「これは学校と関係ありません。受け取らないでください。」と繰り返す。しかし、30秒ほどで中に入っていきました。「そういわれたら受け取れないわねえ」と女性の保護者たち。しかし、男性が奥に入った後は皆さん良く受け取ってくれました。296枚撒けました。
 
<M高校>
この学校は進学校。卒業生は例年男女とも派手な和装で、ビラの受け取りが比較的よくないのが特徴です。まき始めてしばらくすると、出勤してきた方が「私は校長だが、門の前から離れてお願いしたい」と言うので「自由です」と言うと、そのまま中に入っていきました。
そのままビラまきを続けていると、自転車に乗った一人の若い警官が目の前に止まりました。私が「ご苦労様。学校から電話があったので来たんですか」と言うと、「いや、匿名で門前で交通の妨害をしている人がいるというので来ました。」と言います。また「ビラまきは何人いるんですか」とも聞いてきました。「一人ですよ。ほら何ら交通の妨害になっていないでしょう。」と言うと、「そうですね」と戸惑っているので、「忙しいのでしょう。帰った方がいいですよ。」と言うと、ノートを出して「名前を教えてください」と言うので、「それは教えられません」と言うと上司に報告する必要があるのか困った顔をするので、「Aさんとしておきなさい」と言ってビラを渡すと、あきらめて帰る支度をしたので、「体に気を付けて、元気で!」と声を掛けました。すると、「お互いに頑張りましょう!」と言って帰って行きました。いいおまわりさんでした。あるいは、警察で弱い者いじめにあっているのかもしれません。
ビラの受け取りは、教職員が比較的良く、「ご苦労様」と言ってくれる方や、「かつてこの学校では『日の丸・君が代』強制反対闘争があった」と語ってくれる方もいました。
生徒の受け取りは例年同様あまり良くありませんでした。なかには、ビラを一度受け取り、返しにきた生徒もいました。保護者も、他の学校に比べ良くありませんでした。

<N高校>
7時45分から正門で始める。生徒も先生も通用門からの入る方が多い。2人で撒く。
8時少し前に、副校長が来て、「ご遠慮ねがいたいのですが」というので「ご遠慮しません」と答える。8時10分頃、校長が出勤してきて、「敷地内に入らないように。保護者と生徒には配らないように」という。「生徒と保護者に配るために来ているんです。ここは歩道で自由です」と答える。
副校長はしばらくして、校舎入口の3ケ所に大きなポリのごみ箱を置く。また、しばらくして、通用門の自転車置き場に2つのポリごみ箱を置く。こっちの方は用務員さんが置いた。しかし、副校長は「込み箱にチラシをいれてください」とも何とも書かなかったので、ほとんどの人は入れなかったようだったが、一人の生徒がごみ箱にチラシを入れたので、「チラシは捨てないで。読んで」と門外から言うと、生徒は拾って持って行った。
教職員はチラシをほとんどとらない。
若い教員で「私は国旗・国歌に賛成であろうと反対だろうと、集団でやると決まったことはやります」と言った人がいた。
生徒が「先生どうしよう」とチラシを受け取るかどうかきくと、聞かれた教員は「自由だよ。でも俺はとらない」と言ったので生徒はとらなかった。
生徒の一人が「強制はしてないでしょ」という。「いえ、強制です。だから先生たちは処分されてるんです。」と言うと「よく考えてみます」と言った。生徒には強制されてはいないと思っているようだった。
先生たちは割と多くが外に出ていたが生徒の服装や髪型のチェックをしていたようだ。
生徒は自転車が多かったがそれなりに受け取った。保護者はほとんど受け取った。通行人にも渡した。通行人のおばさんが、「日の丸と君が代のどこが悪いの。そんなの当たり前でしょ」と言ってチラシを返してきた。約200枚撒いた。

<O高校>
卒業生たち制服で、落ち着いた感じでした。
まき始めるとすぐに副校長さんが出てきましたが、対応は丁寧で、「お約束事」を一回言っておしまい。小さなダンボール箱を持ち出してきたものの、置いただけ。誰も気にせず、何も言わず、用途の表示もない。「教委から言われたように仕事はしていますからね」ということか。正門横のポールに日の丸掲揚。看板は「卒業式」でした。
生徒さん、保護者とものびのびしていて、「ありがとう」と「お断り」が6対4といったところか。自転車通学者には無理をしませんでしたが、わざわざ止めて戻って受け取る生徒もいました。
「在校生」が内容を知って話しかけてきました。開口一番「共産党ですか」。自己紹介をすると「こういうのを配るのは共産党か9条の会あたりだと思ったもので」。「君が代不起立処分」のことを話すと「僕は日本人なら歌う方がいいと思いますが」。「みんな社会のことに関心がなさすぎて」と。「私も何もわからない時はあなたと同様に『日の丸・君が代』が当然と思ってきたけれど…」話し始めたところへ、教員が「係について」と彼を呼び戻しに来てしまいました。「またゆっくりね」でおしまい。会える日を楽しみにしましょう。
保護者の中にも「処分」のことを知っている人はいて、「あれはひどい」「ご苦労様」と応える人も数人いました。不起立処分の話をすると女性がニコニコ笑って「あれって変ですよね」、私「ええ、本当に」。保護者「私『神話』の勉強しているんですけれど、あれって奥が深いでしょう」、私「はぁ?まあ歴史は奥が深く・・」なんて珍妙なやりとりもありましたが。一瞬とはいえ、直接話したり聞いたり、ビラ撒きはいいですね。

<P高校>
8時~10時までで、地域の人達とともに10人で300枚ちかく撒きました。例年必ず来ていた顔見知りの私服も今年は来ていませんでした。
8時過ぎくらいに校長が現れ、「好ましくないものを読ませたくいない」と言ってきました。そこで「こちらは好ましいと思っているから撒いているのだ」と返すと、それ以上言い返してきませんでした。それで、こちらから「校門でゴミ箱を出して回収することはしないように。もしそのような行為があれば写真に撮って証拠にするから」と言ってカメラを見せました。そして「あのね、生徒にも強制をしてはいけないのだからね。」「強制は駄目だよ」と言って聞かせました。
他のメンバーは両側で撒いていましたが、私は校門正面に正対して中を観察(監視)していました。教員はビラを取り上げることもなく、髪の毛チェックをしていたようです。追い返された生徒がいたので、「卒業生なのか?」と聞いたところ「在校生だ」というので苦情を言わなかったのですが、卒業生で帰らされた場合、文句を言う必要があります。

2/25 都教委定例会 根津公子さんの都教委傍聴記

2月25日に都教委定例会が開かれました。その傍聴報告です。


▲手続き




失敗に学ばない新たな施策を次々と

・公開議題は議案は「東京都指定文化財の指定について」、報告が①「商業教育検討委員会報告書と今後の商業教育の方向性について」 ②「東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書について」 ③「来年度教育庁主要施策について」。
・非公開議題はいつものように議案も報告も「教員の懲戒処分について」。議案にするのは停職・免職事案、報告にするのは戒告・減給処分事案のようだ。「ようだ」としたのは、このことについて私は都教委に何度か質問し説明を求めたが説明をしてもらえず、条文を読んで判断したからである。

①「商業教育検討委員会報告書と今後の商業教育の方向性について」
学識経験者や産業界の代表などからなる商業教育検討委員会が昨年1月から4回の検討を経て出したもの。現行の商業科では資格取得、検定合格等に向けた授業が中心だが、実際のビジネス活動の体験や企業・商店街との連携強化が産業界や保護者のニーズであり、それに応える商業教育の改革をするのだという。都立高校改革推進計画・新実施計画の一環である。具体的取組の一つは、都独自の補助教材「東京のビジネス」(2016年度作成)を使用する科目「ビジネス基礎」及び、都独自の学校設定科目「ビジネスアイデア」を全日制の必修科目とする。2017度は芝商業高校で試行し、2018年度から全商業高校で実施するという。教員の研修は2017年度から2020年まで4年間続く。これで商業高校がよみがえるとはとても思われない。偏差値で商業科、工業科等をつくっていることをそのままにして、「改革」はあり得ないのではないか。

②「東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書について」
 報告書は「これまでの学校体制」について、次のようにいう。
○ 我が国の学校は、明治期の学制発布以来の民主的かつ平等の名の下に、同じ学校の教職員は、管理職も教員も、その経験や力量、職責や職務内容の違いにかかわらず、対等な立場で学校運営に携わるべきだという考えの下に運営がなされ、そうした考えによる運営を当たり前とする、学校独自の慣習、いわゆる「学校文化」が根付いていた。
○ また、学校の構成員のほとんどが教員であり、学校の意思決定も教員を中心に行われてきた。
○ このため、東京都における「主任制度に関する検討委員会最終報告(平成 14 年1月)」では、三つの学校運営上の問題点が指摘されている。第一に、意思決定のシステムが十分機能していないこと、第二に、教職員間に「横並び意識」が存在していること、第三に、学校がいわゆる「鍋蓋型組織」 になっていることであった。
○ このような状況においては、校長の学校経営方針が教員に十分に浸透せず、教員一人一人が熱心に教育活動に取り組んでも、それぞれの力が統一されずに、学校全体の教育力として高まりにくい状況となっていた。
○ こうした課題に対応するため、平成 20 年度には学校教育法の改正が行われ、新たな職として「副校長」と「主幹教諭」が設置された。この改正のねらいは、学校の組織対応力を高め、課題解決や校務運営を校長・副校長を中心に、主幹教諭が副校長などを補佐しながら、学校運営を進めていく体制づくりにあった。
○ また、子供をめぐる様々な教育課題については、教員の子供に対する熱意と、研修や能力開発により、それぞれが専門以外の知識・技術を身に付けて「多能化」することで解決を図ってきた。
○ 本来「教員免許」を持つ専門職であるはずの教員が、教員免許を持たずともできる業務まで請け負ってきたが、社会が大きく変化し、子供をめぐる課題が複雑化・多様化していくのに伴い、教員の「多能化」には限界が生じ、本来の業務である授業や学習活動に費やす時間が十分に確保できない状況となった。
○ こうした中で、専門家を学校に取り込んでいくこととなり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、様々な専門家を学校に導入している現状はあるものの、教員との連携が十分とは言えない状況も散見される。

この報告も昨年6月から12月まで7回の検討委員会(学識経験者3名+学校関係者3名で構成)を経て出されたもの。文科省に並行して、都教委はこれを先取り実施する。
チーム学校とは、教員を中心とした学校組織から、「教職員が多様な専門人材と連携・協働しながら対応していく新しい学校観」への転換であり、その実現に当たっては、「教員の多能化による組織運営」から「多様な人材との協働による組織運営」へと学校の組織文化の転換が不可欠だという。これまでに都教委は「校長や副校長・教頭に業務が集中する『鍋蓋型組織』の弊害を打破し、職層に応じた業務分担ができる『ピラミッド型組織』に変換を図った」と評価した上で、校長のリーダーシップのもと、チーム学校の実現のためのマネジメント力を強化するのだと言う。「ピラミッド型」学校運営が、子どもの学びの場である学校を、都教委の考えを刷り込む場に化してしまったのに、平然とこう言いのける検討委員会なのだ。
そしてチーム学校を実現するために早急に取り組むべきこと4点を挙げる。 注:( )内    は筆者の言
 1.学校マネジメントの強化=副校長を支援する人材を、非常勤職員で新たに配置する。
  2.小・中学校事務職の1校1人配置を止め、共同実施を進める。「チェック機能を働    かす」ため(というが、人員削減でしかない)。
 3.教員と専門人材の役割分担と連携=部活動指導における外部指導員の活用。
 4.地域との連携=地域の組織をまとめるコーディネーターの育成支援や地域との窓口   となる教員などの育成(さらに忙しさを増すだろうことは必至)。

遠藤委員発言
報告を受けて遠藤教育委員が「地域」について、「地域の父兄(ママ)がサポートするのに、片や、学区自由・学校選択制では、地域はいつまでもお題目だけと私は考える」と、いつもの持論を発言したが、今日もこの一言発言で終わってしまった。この点だけでも徹底的に論議したら、都教委の施策の誤りや矛盾が明らかになるだろうに、そうはしない。一言が報酬分?なのか。論議し、問題点を明らかにすることが教育委員の仕事であることを自覚してほしいものだ。

部活動の外部指導員についてはかなり以前に導入したが、指導手当も少なく、頓挫した。スクールカウンセラーを配置したのに、今年のいじめ調査で、いじめは減少しなかった。11月10日の定例会で担当者は、「教員とスクールカウンセラーが連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、どういうわけか過去2年間よりも減少した」と不可解そうに報告した。大勢の目で子どもを見守る、相談に乗る、と言えば聞こえはいいが、子どもにとっては“たらい回し”と映るのではないか。その子が最も信頼できる教員・大人がじっくりとかかわってはじめて、子どもは心を開くのだ。こうした失敗に学んでいない「報告と今後の取り組み」である。

③「来年度教育庁主要施策について」
 東京都教育ビジョン(第3次・一部改訂)をもとに、来年度都教委が重点的に取り組む施策を出した。「知」「徳「体」「オリンピック・パラリンピック教育」「学校」「家庭」「地域・社会」の7つの柱に10の取り組みの方向をあげる。そのいくつかを紹介する。
 .10区市を学力ステップアップ推進地域として指定し、小・中学校の算数・数学   及び理科における教員の指導力向上、児童生徒の基礎学力の定着を図る。
 イ.基礎学力の定着が十分でない生徒に対し、「校内寺子屋」を都立高校10校で実施  する。あわせて、生徒が明確な目標を持ち、進路実現に努力できるよう支援するため、  「東京リ・スタディ(仮称)」を作成し、それを活用した「ゆめナビプロジェクト」  を実施する。
 ウ.小学校英語教科化の先行実施に向け、英語教育推進リーダーを配置(来年度は76  名)している10地区を「英語教育推進地域」として継続指定。
 他に、道徳授業地区公開講座の改善・充実を図る 良識ある公民として必要な主権者教育 防災への高い使命感、奉仕の精神を併せ持った防災リーダー育成のため「合同防災キャンプ」の実施  教員が研修履歴を確認できる「マイ・キャリア・ノート」の導入 等々。
 子どもも教員も一層都教委に管理されるのは間違いない。

2017年3月10日金曜日

都立高校卒業式 チラシ撒きの報告

3月3日から都立高校の卒業式が始まりました。今年も都教委包囲ネットをはじめ、いくつかの団体が、卒業式当日に、正門前で「日の丸・君が代」強制と処分反対のチラシを撒きました。その様子を順次報告します。

<A高校>
 8時少し前から撒き始める。8時過ぎから若い教職員が構内に立つ。前は不起立しそうな人を警備係にして外に出したようだが、今はそういう感じではない。普通の日も毎朝、声掛け行動として、何人もの教職員がそのように立っているそうだ。教職員の受け取りが悪い。
女性の副校長ら3人が門に「日の丸」を立てに来た。副校長はチラシを受け取って、「通行の邪魔にならないように」と言うので、「はい、気を付けてやります」というと、それ以上なにも言わなかった。3人で「日の丸」を立てているところを写真に撮ったら、声掛け係の若い男性の教員が飛んできて、「何をするんだ、やめろ」と大声で2回くらい言う。こちらが「そんなことをいう学校はありませんよ」というと、副校長が「大きな声を出さないで」とその教員をたしなめ、こちらに対して「大きな声を出してすみません」と謝ったので、その教員は引っ込む。いったいどういう教員なのかと思う。
さらに男性の副校長が来て、「ビラ撒きは…」と言い始めたので、「先ほど女性の副校長から注意をいわれました」というと、「じゃあ、わかってますね。よろしくお願いします」と言う。
自転車通学者が多いので、受け渡しが難しい。保護者の受け取りはまあまあ。200枚撒く。
「声掛け係」と言うのは実は「見張り係」で生徒の髪型や色、服装をチェックする係。何人かの生徒が引っかかっていた。
例えば、一人の女生徒は髪が黒くなかったようで注意される。生徒は自分のカバンからスプレーを取り出す。先生はそれを髪にかけていた。女性の先生がやっいたがそばに男性の先生が2人ついて、あれこれ言っていた。それで、あとで、こちらが「男性の先生がそばであれこれいうのはどんな気持ちですか」と聞いたら「別に。規則をやらせているので」という答えだった。また別の一人は、軽く化粧をしていたらしく、目の周りや頬の化粧をふかされていた。
男子生徒の一人はチラシを受け取って、「僕、卒業するんです」と嬉しそうに言った。こちらも「おめでとうございます。よかったですね」というと「ありがとうございます」と答えた。そうだ、それでいいんだ。

<B高校>
2人で行いました。交通の便の悪い場所で、自転車やタクシーで来る生徒や保護者が多く、撒きづらかったですが、220~30枚くらい負けました。
この学校は以前にビラまきで、不法侵入で逮捕されたことがあり、警察の車が張り付いて見張っていました。とにかく、バスロータリーの当たりが学校の私有地で、知らなければ境界線を越えるのが自然な場所です。被処分者のaさんがチラシ撒きに挨拶してくれました。10時になりビラまきを終えて、こちらが車で帰るとき、ずっと尾行してきました。人権侵害です。
 補足です。
(1)学校自身の対応は、10時少し前になって「管理職です」という方が出てきて、「卒業式の邪魔になる?」みたいなことを言いかけたけれど、こちらが自己紹介して「話し会いましょう」というと「邪魔とは言っていません。式が始まりますので」と逃げるように去っていく。まるでやる気なく、ビラを進呈したが受け取る手はなぜか震えていました。
思い当たることは、その少し前に「五輪バッチ」をつけた二人組の車が私たちの近くに駐車してしばらく見ていて中へ入って行きました。それが教育委員会だとしたら、学校当局を脅かしたのは、教育委員会に違いないと推察するところです。校門に日の丸はなかったようだ。。
(2)公安はマスクをして、道路に近い敷地内(ビラ撒きの人の真後ろ)に車をとめていました。
 車で来た保護者が私に駐車スペースを質問されたので、教員につなぎました。どこに置いたらいいかの返事が来るまでその保護者と話をしていると、なんとマスク男が車から降りてきて、「公園駐車場はあっちだ」というではありませんか。「あんた誰?」には無言。一瞬、あれ?! 公安がこんなことをしたのは初めて。よほど学校と一体なのか。戻ってきた先生が「公園へ」と言うのをきいて、保護者は駐車場へ。
こちらは声をかけながら「おめでとう」のビラを配るので結構和気あいあいでした。

<C高校>
7時45分~10時まで撒きました。受け取りは良かったです。9割近くの人に撒けたと思います。学校側は、「敷地内でのビラまきはしないでくださいね」と言ってきただけで、それ以上の介入・妨害はありませんでした。
ビラまきの途中に、校舎から先生が出てきて、「このビラに賛同する人がいます。頑張ってください」「都教委のやり方には腹が立ちます」と伝えに来てくれました。
「戦時中は、こんなビラまきもできなかったんだな」と考えながら、一人ひとりにあいさつをしながらビラを渡しました。

<D高校>
正門には「日の丸」なし。看板には「卒業式」。「ボス的な教員」に「正面じゃないのですか」と聞くと、胸を張って「ウチは正門の真横にポールがあって、そこにほら、あげているから」と。ここはずっと門には掲揚していなかった模様。
通学指導中の警備の教員が「ここではビラは巻かないでください」と言う。「表現の権利だから、お役目ご苦労」と返すと、その後は何も言ってこない。「指導」の教員が門の内外に7人近くでっぱって「ネクタイをあげろ」「車に気をつけろ」など怒鳴り声。曰く「いつものこと」だそうだ。ボス的な教員が盛んに「交通の邪魔だ」などと言ってくる。
副校長が登場。門を入って10歩ほどの場所に大小のごみ箱を二つ並べて、副校長がそこに立って「ここへ捨てて」と一人一人に言い始めた。抗議するとその教員は「読んでからいらない人はここへ捨てるように指導しているだけだ」という。「10歩で読めるか」と抗議したら黙るが、その後も「生徒から苦情が来た」という。都教委のマニュアルに忠実なので「この頃副校長になり手が少ないってね」と声をかけると、顔色を変えて「どこで聞いたんだ、そんなことはない」と他の教員の前で必死の抗弁。「大丈夫。あなたはすぐに校長になれるよ」と言えば「なりたいんです。ありがとう」と応える。生徒の登校指導をしているボス的教員も「私も校長になりたい」。「大丈夫。あなたもすぐになれそうよ」。
私が「学校の気に入らないビラはゴミ箱へ、なんておかしい。そんなことを堂々と言える社会って恐ろしくないですか」と話しかけると、副校長はますますカッカして「遅刻しそうな生徒を引き止めるな」と。「これじゃ学校がダメになる」と私。「いい学校ですよ、ここは」と副校長。「学校はいいでしょう。悪いのはあなた」と私。「いや、私、これでも人気あるんだ」と胸を張る副校長。「『人気がある』のを嬉しがる教員て気持ちわる~。」と私。そしたら、さすがに周りの教員が笑い出した。
保護者の中に一人だけ「共産党ね」と受け取りを拒否した方あり。あとはほぼ全員受け取り。生徒は本当に色々。ミニパトが一回巡回。

<G高校>
8時から10時まで 227枚撒き平穏に終わりました。
校長が「生徒に撒かないでいただきたいのですが」と。私「私、『表現の自由』として撒いています。」のやりとり。
校長はもう一度言うので、「都教委から言われているのだと思いますが」と言うと、「そうなんです」とのこと。
一名の男性保護者が「G高校の人か。違うんだったらやめろ」と。警察関係と覚しき人は見ませんでした。   

<H高校>
 看板は「卒業式」。「日の丸」は3本柱。教職員が門の内側に何人か立っていた。副校長は「正門の真中で撒かないでください」「交通の邪魔にならないように」などと言う。この副校長は何回か出てきて、チェックしていた。3回目かに「交通の邪魔になっていると保護者が言うので」と言うので、こちらは「そんなことありませんよ。保護者が直接、撒いている私に言えばいいじゃありませんか。そう伝えてください」というと言うと、それ以上は言わず。
生徒は自転車通学。撒きづらいが、自転車を停めて、よく取ってくれた。さすがに、8時30分の登校時間の時は一斉に来て撒けなかった。保護者は「ご卒業おめでとうございます」の字を見て、「ありがとうございます」とよく取った。一人受け取ってから返しに来た。一人チラシに目をやって、くちゃくちゃにした。一人、「これI先生のでしょ」と言われた。I先生は「元1A」担任として卒業式に参加された。3年前に「担任」になったのに、「君が代」不起立問題が原因で、担任を外され、そのうえ、異動までさせられてしまった。本当にひどい。本来ならI先生は卒業生の担任だったのだ。
学校は「チラシをお入れください」の箱を置いたが、ふと気づくとその紙は裏返しになっていた。その抵抗はあまりにも小さいがすごい抵抗だ。
毎年この学校には警察が中にいたり、外で隠れてチラシ撒きを見張っていたが、今年は見当たらなかった。9時50分には保護者も来なくなったので終わりにした。