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2020年2月14日金曜日

2.9総決起集会 その三 

2.9総決起集会は二つの決議を採択しました。

■集会決議 

 安倍首相は2020年を「世界中に感動を与える最高の大会」としてオリンピックを開催することと9条に自衛隊を明記した新しい憲法施行の年にしたいと言っています。改憲を「夢のままで終わらせてはならない」とも言っています。
 実際、安保法制の下で、「戦争する国づくり」をどんどん進め、今日、国会を軽視して閣議決定で、海自のP3C対潜哨戒機と護衛艦「たかなみ」を、中東海域に「派遣」したことを許すことはできません。
 
 本日の集会では関西生コン連帯労組にかけられている労働運動解体、労働基本権のはく奪攻撃について、詳しい報告を永嶋弁護士から受けました。資本や警察、検察は関西生コン労働組合に憲法28条が保障する労働基本権を認めず、「威力業務妨害」「恐喝」「強要」をでっち上げて組合員を逮捕するという不当労働行為の限りを尽くしていることを私たちの運動への弾圧、全労働者階級への弾圧として受け止めて、団結してともに反撃していかなければならないと思います。
 労働運動つぶし、労働組合をないものにする攻撃はかつての「産業報国会」に通じ、戦争遂行のファシズム的国家形成の攻撃と言えます。


 本日の集会では「戦争する国づくり」が学校現場で進行している具体的実態が報告されました。天皇代替わり儀式での天皇制翼賛化や皇国史観教育は驚くべき事態であり、小中学校の「道徳」の教科化、自衛隊員募集の学校への踏み込み行為も「国を愛する」「国を守る」という国家主義イデオロギーを学校教育を通して刷り込もうとするものです。 しかも、教育産業が入試をはじめ、学校システムの隅々に入り込み公教育が市場原理に取り込まれている事実も明らかにされています。
 オリンピック・パラリンピック教育もメダルの数を煽って国威発揚・ナショナリズムを扇動するものであり、また、商業主義、金儲け主義で莫大な金が使われていることは指摘するまでもありません。それなのに都教委は児童生徒のボランティア動員や観戦動員を「五輪教育の集大成」などと言っています。さらに、オリンピックを「復興五輪」と喧伝し、福島原発事故と放射能汚染をないものにして帰還強制に利用しています。
 私たちはこのような欺瞞的な東京オリンピックに反対します。


 集会では、教職員の過酷な超長時間労働に対して、「変形労働時間制」を導入して「働き方改革」をしたとすることに、教職員組合はこぞって反対していることが報告されました。組合が職場の団結や闘いをつくることと子どもたちを戦場に送らない闘いは不可分です。保護者や地域の労働者市民と連帯をつくり上げて、あらゆるところに浸透する「戦争する国家づくり」と闘って行きましょう。それこそが関ナマ弾圧粉砕と連帯する道です。
 2003年10・23通達から16年たち、情勢は厳しくなっていますが、ここに集まった私たちは教職員の「日の丸・君が代」の強制と処分反対の闘いを原点的に確認して、今年も卒業式・入学式で闘い続けて行きましょう。

 以上、決議します。
                       2020年2月9日 集会参加者一同



■東京五輪の観戦やボランティアなどに
     生徒たちを強制動員しないよう求める特別決議


 昨年、安倍政権は、改元と天皇代替わりを戦前と同じような儀式で行いました。即位の礼では天皇は「高御座の上に立ち、安倍首相は下から天皇を仰ぎ、「天皇陛下万歳」三唱を行いました。
 これと結びついて、東京・八王子では天皇奉迎への生徒の動員、大阪では小学校での皇国史観に基づく朝会が行われました。これは明らかに主権在民の否定であり、子どもたちを再び天皇の臣民にすることです。

 
 安倍首相は、今年1月の施政方針演説で、夏の東京五輪を「最高の大会にする」とし、これをステップに9条を改憲し「新しい時代へと踏み出していこう」などと述べました。この改憲の動きと並行して、現在急速な防衛費増大と自衛隊の海外派遣、闘う労働者たちへの弾圧が強められています。

 こうした中、3月26日には、福島県から聖火リレーがスタートしますが、一昨年10月いわき市などはスタート地点およびリレーコース招致のために、小・中・高校生100人以上を動員して模擬リレーを開催しました。放射線量の高い国道6号線を子どもたちが走らされました。しかし、この聖火リレーは1936年のベルリンオリンピックから始まり、ナチスドイツの国威発揚に最大限利用されたものです。
現在、進行中の都教委のオリ・パラ教育は、「日本人としての自覚と誇り」などを掲げ、「愛国心」を煽っています。そして、夏に開かれる東京五輪に生徒らを多数動員しようとしています。そのことは、実施方針の第一番目に「ボランティアマインド」をあげ、観戦を「オリ・パラ教育の集大成」と位置付けていることに象徴的に表れています。
 
 ところで、五輪が開催される時期は日本で一番暑い時期であり、激しい交通渋滞も予想されます。しかも夏休みにもかかります。この時期に生徒たちを大量に集団動員することは極めて危険です。昨年12月には、「小学校の五輪観戦 断念相次ぐ 熱中症・移動の混乱懸念」という新聞記事も出ました。私たちの仲間が八王子市教委に文書開示請求したところ、ある校長は、「熱中症、昼食時の食中毒等の事故も想定される。また八王子は有明までの距離も長く、安全に引率できるか不安も大きい。一人でも事故等に巻き込まれたらオリンピック観戦どころではない」と述べていました。また、世田谷区教組などからも、世田谷区と教育委員会に対し「全てのオリ・パラ観戦及びボランティア活動を中止すること」という「要望書」が出されています。


 にもかかわらず、教委は生徒の安全より、オリ・パラ教育の成功が第一と考え、大量に観戦チケットを購入し、「全校や学年単位の観戦は授業日として実施」などとし、参加したくない生徒にまでも圧力をかけています。また、夏休み中に引率する教員の負担も大きなものになります。 
 同じことはボランティアについてもいえます。ボランティアは自主的なものであるにも関わらず、都教委は、「全都立高校参加のボランティア・サミットを開催する
としています。これはただ働きの強制に他なりません。さらには聖火リレーへの参加もあります。


 そこで私たちは、都教委に対し、「愛国心」注入と「国威発揚」のための「オリ・パラ教育」を直ちにやめ、東京五輪の観戦やボランテイアなどに生徒たちを強制動員しないことを強く求めます。
以上決議します。
        2020年2月9日
    

   「日の丸・君が代」強制・処分反対!10・23通達撤廃!2・9総決起集会参加者一同






2020年2月11日火曜日

2/9「総決起集会」の報告 その二

2/9「総決起集会」の報告 その二

講演後、闘う現場からの報告があり、8人の方が発言しました。少し長くなりますが、以下順を追って簡単に紹介します。
ここには、様々な現場の状況と、それに抗して闘う仲間たちの姿が見られます。

①変形労働時間制と教育労働者の闘い(東京教組副委員長のOさん)



















1年単位の変形労働時間制導入に反対だ。
1年中繁忙期である教員の長時間労働の改善には全くならない。
週五日制導入以降、余裕のなくなった現場では業務を夏休みに移してきた。
結果、夏休みも繁忙期になっている。「まとめ取り」などできない。
繁忙期の教員の勤務時間を公然と延長するだけだ。
アンケートでの<賛成>は数パーセントにすぎず、「業務削減」や「人員増」の要求が多数だ。

②義務制の学校現場から(多摩教組の執行委員のSさん)
 最近、組合に相談がモグラたたき状態で舞い込んでくる。しかも未組合員の方からの電話が多く、内容はパワハラが多い。これは、管理職に権限を与えすぎたためだ。
今は、子どもに対応できなくなって、管理職になる人が多い。周りをまとめる力もないから裸の王様状態だ。そして一方的に「目標」を職員に求めるからパワハラになる。
 「働き方改革」でも同じだ。具体案を勝手に決め、6校時までの授業をカットし、夏み中の授業時間を増やした。かえって負担が増える。しかし職員の反対を無視して突っ走っている。
 また、恣意的な業績評価をやっており、開示請求して不服申し立てで回復したということもあった。学校は閉鎖された空間で、主任級による若手教員へのパワハラも横行している。
 大変な児童へのかかわり方についてアドバイスしておきながら、問題が起きると知らんぷりだ。いずれも権力を振りかざすが責任は取らない。このような上下関係が職場を窮屈にしているのだ。

③「天皇奉迎」に子どもを動員することに反対する八王子市民の会の闘い(根津公子さん)
 この間の経過を明らかにする中で、「天皇奉迎」をやらせたのは八王子選出の萩生田議員と、彼の後援会の有力者で、町会自治会連合会の会長でもある秋間氏(天皇奉迎八王子実行委員会代表)であることがわかった。
さらにそれに市教委も一緒になっていたことが分かった。こうした動きの中で、「即位の礼」後に新天皇が八王子の天皇の墓に報告に来ることがわかったので、再び子どもた ちに「日の丸」の小旗を振らせないために、市教委、学校長、奉迎委員会に申し入れをした。12月3日、子どもたちの動員はなされず校長たちもほっとして喜んでいたようだ。
 その後、市教委に「天皇奉迎」の際のかかわりを質すと、担当職員は「それは市がやったのではない、私個人がやったのだ」と答えた。この問題を引き続き追及していく。

④「天皇代替わり」を闘って(「おわてんねっと」の京極紀子さん)
 2018年11月に「おわてんねっと」(終わりにしよう天皇制)を立ち上げ、3年間やって きた。30年前の「代替わり」に比べ、天皇制問題にフタをするようになっている。
 しかし少数でも問題提起をする必要があると考えやってきた。
 昨年の4~5月は「反天ウィーク」とし、5月1日(代替わり)にデモ(500人)、10月22日(即位の礼)にもデモ(550人、3名逮捕)、11月14日(大嘗祭)の時は東京 駅丸の内口で反対行動をやった。
 マスコミも取り上げた。この会は閉じるのだが、2月23日(日)に「解散討論集会」をやるので参加して下さい。

⑤国威発揚オリ・パラへの子どもの動員に反対する(世田谷区教組のFさん)
 〇パワハラ校長がいる。某校長は10年間務めたがその間11人の教員が辞めた。
 〇都教委から体力向上方針がだされ、以前は、体力測定」は5年生でやったのを1年生 から行うようになった。1年生に腹筋とか握力の検査をさせたりしている。これは意味のないことなのだ。結果は民間業者に委託し、A~Eまでのランク付けをしている。
 〇「オリ・パラノート」が配布され、毎年目標を書かされる。多額の予算を振り分けられているが使い道がないので、アスリートを呼んだりしている。
 また、オリ・パラに関する絵を描かせているが、みんな「日の丸」が載っている絵になる。児童の動員については、都教委はやらせておいて責任はとらない。人気のないスポーツの観戦で観客席を埋めたいのだ。
 しかし熱中症の問題がある。大量の子どもたちを集団で移動させる。しかし交通規制で バスはだめだ。トイレはどうする。
 世教組は昨年10月、区と区教委に、「暑さ指数31を上回る場合、中止すること」「全て の移動に区の予算でバスを使うようにすること」などの要請書をしたが、ろくな回答を しなかったので、再度、今年1月に、「世田谷区として、全てのオリ・パラ観戦及び  ボランティア活動を中止すること」という要請書を出している。
 「オリ・パラ教育」は教育への不当な介入だ。
⑥「聖火リレー」動員に反対する (オリ・パラ動員に反対する練馬の会の池田五律さん)
 この会は2月7日に発足した。練馬には二つの自衛隊駐屯地があり、朝霞が拠点になる。
 そこには自衛隊体育学校もある。
 練馬はセレブレーション会場・聖火リレーの終点会場になる。これらの応援に子どもたちがかり出される。オリ・パラへの動員もある。

⑦「君が代」被処分者たちと高校の現場(被処分者のKさん)



















 生活指導部に入っているが、生徒会に「ボランティアサポートチーム」を作れと言われた。反対したが、校長から「名前を出すだけだから」と言われた。そうしたら全都立高校の「ボランティア・サミット」に参加させられた。そこでは小池都知事の映像が流された。夏休み後には、ルーマニアの国旗を千羽鶴で作ってくれと言われた。「しない」と言ったら、生活指導主任に持っていった。
 第二回サミットでは「何ができるか」を話し合わせた。今年の春には3回目のサミット が開かれる。
 自分の学校は「スマートスクールの推進校」にされた。しかしこれには教職員全員が反対した。しかし校長が決定した。若手教員にスマホを使った授業などをやらせている。
ICTパソコンを使うようにと要求された。そこにはスタディサプリが入っており、ベネッセが請け負っている。二学期期末テストからベネッセの採点システムも導入される。ベネッセ漬けだ。民間企業へ教育を売り渡している。
自分は不起立で再任用は年金が出るまでで、その後は再任用も非常勤も認めないという。
そしてこの度、昨年と同じメールが届き、校長がまたそれを渡さず読み上げた。校長も ヒドイと言っていた。
 第五次訴訟が来年始まる。引き続き闘う。

⑧自治委員会から(議長の平松さん)
 「The  Interschool Journal」を出している。学校の言いなりになる生徒会ではなく、自主的な組織として立ち上げた。現在3校に広がる。昨年は大学入試改革が問題になり、文科大臣の記者会見に出た。高校生と大学生が声を上げ中止になった。
 高校生の学校内での人権状況は劣悪だ。ボランティアサミットに参加しない場合は、その理由を求めてきた。千羽鶴も「無理やりやらされている」という反発がある。
自分たちは「東京トリエンナーレ」と名付けて高校の前でビラまきを続けている。
昨年10月から初めてこれまで延べ24校になる。
K高校は自由な学校だが最近校則が強まりつつある。そこでのビラの受け取りは良かっ た。生徒の声を聞いて学校運営をすべきだ。ビラまきの初期のころは学校側からの弾圧もあり、警察も出てきたこともあった。

●集会ではその後、<行動提起>として、毎年やっている「卒業式におけるビラまき」が 提起されました。
都教委はビラまきで真実が知られては困るのか、最近は卒業式日程を同じ日に集約してきました。都立高校は夜間も含めると200余りになりますが、今年度は、期日が3月6日(金)が38校、3月7日(土)が98校、3月14日(土)が29校、というようになっています。ビラまきに参加していただける方はご連絡ください。

最後に、「集会決議」とともに、「東京五輪の観戦やボランティアなどに生徒たちを強制動員しないよう求める特別決議」を採択しました。団結がんばろうで終わりました。

2020年2/9 包囲ネット主催「2・9総決起集会」報告

2020年2/9 包囲ネット主催「2・9総決起集会」報告    その一 

2月9日(日)の「2.9総決起集会」は90名が参加して、東京しごとセンター講堂で開かれました。

2.9集会主催者挨拶に立った都教委包囲首都圏ネットワークの見城さんは
次のように述べました。




















「昨年日本は天皇代替わりで大騒ぎし、大阪のある小学校では、民主主義と対極にある皇国史観に基づく集会が行われ、東京の八王子では天皇奉迎に小学生が動員された。
戦前、労働組合を否定し民主主義を否定した。現在も安倍政治の下で、労働組合を否定する動きが出ている。ヘイトスピーチなども広がっている。これはファジズム的動きだ。
だから、今回は関西生コンへの弾圧を取り上げることにした。ファシズムへの警戒心と闘いを重要視していきたい。

そこで、「関西生コン弾圧反対弁護団」の永嶋靖久弁護士に講演していただくことになりました。













永嶋弁護士はこの間の弁護活動を踏まえ、具体的に多くの事を語ってくれました。
参加者のアンケートには、
・「関ナマの話は時々聞いていましたが、永嶋弁護士からの説明で、トンデモないと思いました。やはり、政治的に強い組合だから当局は恐れているのでしょうか」
・「とても興味深かった。関ナマ労組をつぶす為が徹底的に行われている。弾圧に反撃していかなくてはならないと思う」などの声が寄せられました。

●永嶋弁護士の講演の一部。
ここではその講演をとても全部紹介できませんので、その根幹部分だけを紹介したいと思います。
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関西生コン(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)は、企業別労働組合ではなく、産業別労働組合だ。この業界には中小企業が多い。そこで、中小企業の使用者団体との連携を強め、過当競争による共倒れを抑制する事業協同組合化の実現によって、大企業との対等取り引きを求めて成果を上げてきた。
(要するに中小企業の労働者と経営者が力を合わせて大企業に対抗してきたわけです(反独占統一戦線?:渡部注)。
しかし、大企業側からの切り崩しと警察・検察による弾圧により、経営者の一部が切り崩され、労働者に対する酷い弾圧が始まった。
例えば、経営者と労働者が一緒に逮捕されても、経営者は起訴されず、労働者だけが起訴される。また、労働者が倒産争議の際の解決金を要求すると恐喝、ストやビラまきをすると威力業務妨害などで逮捕される。
2月5日現在の逮捕者はのべ89名(実人数57名)、捜索個所は百数十か所。大阪、京都、滋賀、和歌山、奈良と近畿全域に及んでいる。しかも、委員長は6回、副委員長は8回逮捕され、警察をたらい回しにされ、ずーっと警察署に入れられている。
2018年8月28日の逮捕から本日(2月9日)で531日になる。そして警察や検察は、調べを受けている組合員の家族にまで組合脱退を誘導したりしている。また保釈金は高く、保釈条件は一切組合活動ができないものだ。
(これらの弾圧は、憲法28条の団結権・団体交渉権・争議権を否定し、労働組合法第1条2項の刑事免責を否定するもので、2019年12月9日には、労働法学者有志の声明文
「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」も出されている:渡部注)

総じて、このような資本と権力が一体となった関西ナマコンつぶしが現在進行している。
この講演を聞いて、今や、労働者の基本的な権利は独占資本と権力によって尽く踏みにじられ、労働者はまさに無権利状態に陥れられつつあると感じました。
まさに戦前における組合つぶしと同じです。そして戦前の日本は、組合をつぶすことによってファシズム体制を完成させたわけです。