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2018年1月31日水曜日

1/25 都教委定例会 根津公子さんの都教委傍聴記

■定例会の内容
 山口香委員が「オリンピックはいらない、があっていい」発言。
 今回も公開議題は1件、「『東京都スポーツ推進総合計画(仮称)』策定(都知事策定)に関する意見聴取について」。非公開議題はいつもながら、「教員等の懲戒処分について」。

<『東京都スポーツ推進総合計画(仮称)』策定に関する意見聴取について>

■国や都は個人のスポーツにまで口出しするのか?!

★文科省は1961年成立のスポーツ振興法を50年ぶりに全面改訂し、2011年にスポーツ基本法を成立させた。同法は「地方公共団体(の長=都知事))は、『地方スポーツ推進計画』を定めるよう努めるものとする」。その際に「教育委員会の意見を聴かなければならない」と定める。それに沿って、都知事は今年3月に「東京都スポーツ推進総合計画(仮称)」を策定することとし、その案を都教委に提示。都教委はこの日の定例会の議案としたということだった。
 案は、「誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化する『スポーツ都市東京』を実現する」と謳い、3つの政策目標《スポーツを通じた健康長寿の達成》《スポーツを通じた共生社会の実現》《スポーツを通じた地域経済の活性化》を掲げる。
 《健康長寿の達成》では、都民のスポーツ実施率(18歳以上)56.3%(2016年)を2020年には70.0%を目標にする、という。過労死ラインの長時間労働及び非正規・低賃金労働が深刻化していることには触れずに、何と脳天気な、と思わずにはいられない。《共生社会の実現》を小学校入学から「特別支援」という名の下、都や国が奪っておいて、何をか言わんや、である。《地域経済の活性化》は、オリンピック競技場としてつくった施設の維持に頭を抱える都の姿が垣間見える。

■「オリンピックはいらない、があっていい」の発言

事務方の提案を受けて、教育委員から次の発言(要旨)があった。
〇北村教育委員
「スポーツの影の部分を伝えるべき。ドーピングやスポーツ嫌いなどの」
〇山口教育委員
「東京オリンピック・パラリンピック2020に向けてスポーツ過信になってはいないか。オリンピックはいらない、があっていい。皆がスポーツをやらねばということになるのは怖い」
〇宮崎教育委員
「できない人を排除することのないように。オリンピックでの北朝鮮と韓国の歩み寄りに見られるように、オリンピックは政治であることを示していくことも大事」

★山口委員の発言には同意できる。しかし、だ。山口教育委員を含む全教育委員が定例会で承認したうえで始まった、年間35時間を課すオリンピック・パラリンピック教育。それは、「オリンピックはいらない、があっていい」とはなっていない。都教委作成の「オリンピック・パラリンピック学習読本」は、オリンピック・パラリンピックの「負」の部分は一切示さず、「オリンピック・パラリンピックは素晴らしい」との認識に立ち、そこに子どもたちを誘導する。

★その一例を挙げる。読本の「はじめに」の扉では、「東京2020大会は、開催都市東京で学ぶ中学生(高校用は「高校生」)の皆さんにとって貴重な機会となるとともに、この経験は、生涯にわたるかけがえのない財産となります。・・・理解を深め、」と言い、読本の最後は、中学生用は「自分にできること、やるべきことは何かを考え、2020年の自分のあるべき姿を思い描いてみよう」と締めくくる。高校生用では「ボランティアと社会貢献」を言った上で、「自分がやるべきことは何かを考える」ことを勧める。しかも、都教委は、高校生にはボランティアを必修=義務とした。「オリンピックはいらない」の選択肢など、子どもたちにないことは歴然としている。子どもたちに対し、「国家事業としてのオリンピック・パラリンピック大賛成」の意識・価値観の刷り込みを、都教委は教育委員会定例会の承認のもと行なっているのだ。ここを曖昧にしてはならない。

★オリンピック・パラリンピックに関するこれまでの定例会で私の知る限り、山口教育委員がこのような発言をしたことはなかった。しかし、現時点でこのように考えられるのなら、ぜひとも定例会で問題提起し、教育委員で論議し、進行するオリンピック・パラリンピック教育に変更や改善を加えてほしい。いや、そうすることが、教育委員としての責務ではないのか。その責務は、山口教育委員ひとりにあるのではなく、全教育委員にある。

■意見聴取に対する「回答」は
 「東京都知事が策定する『東京都スポーツ推進総合計画(仮称)』は、都教育委員会策定の『アクティブプランto2020(第3次推進計画)』、「『東京都オリンピック・パラリンピック教育』実施指針」等と、理念や施策の方向が一致していることから、(教育委員会は)『異議なし』として回答する。」事務方が予め用意した、この都教委「回答」案に全教育委員が賛成し、議事は終了した。したがって、この文面が都知事に届けられる。
  上に紹介した発言と「計画(仮称)」は矛盾しないのか。提案に対する意見の違いをしっかり論議すること、それを経て提案をどうするかを決めるのが定例会での教育委員の任務であろうに、教育委員はそれをせず、いつもながら事務方が出した案に容易に賛成した。無責任もいいところ。

1/22 通常国会はじまる。改憲をさせないために闘いましょう!

1月22日(月)。2018年通常国会が開会した。

午前中に開かれた自民党の両院議員総会で、安倍首相は、「我が党は結党以来、憲法改正を党是として掲げてきた。いよいよ実現する時を迎えている。」と語り、通常国会で議論を加速させる考えを表明した。渡部さんのコメントです。
しかし午後に国会で行った「施政方針演説」では、
<おわりに>の部分で、わずかに、「50年、100年先の未来を見据えた国創りを行う。国のかたち、理想の姿を語るのは憲法です。各党が憲法の具体的な案を国会に持ち寄り、憲法審査会において、議論を深め、前に進めていくことを期待しています。」と述べただけだった。
これまで安倍首相は、国会開会前や選挙期間中は「本心」を隠し、いかにも人々の声に耳を傾けるような言葉を発しながら、一旦多数の議席を取ると、「本心」むき出しの国会運営や政権運営をやってきた。今回も多数の議席を背景に同じようなことをやろうとしている。
ところで、施政方針演説では次のようなことが柱になっていた。
1、はじめに
 (ここでは明治150年が強調された)
2、働き方改革
 (ここでは、戦後の「労働基準法」を70年ぶりに<大改革>することが強調された)
3、人づくり革命
 (ここでは、「前世代型社会保障」「教育の無償化」「多様な学び」など、つまり<一億総活躍社会(一億総動員?)>が強調された)
4、生産性革命
 (ここでは「生産性向上」に向けての「政策の総動員」が強調され、そのための法人税減税が打ち出された)
5、地方創生
 (ここでは「農林水産新時代」「地方大学の振興」「観光立国」などが強調され、同時に危機管理や福島イノベーション構想が述べられた)
6、外交・安全保障
 (ここでは、北朝鮮の脅威をあおり、「防衛力の強化」と「日米(軍事)同盟」が強調された。ただ、中国やロシアに対しては、表向き関係重視の表現となっている)
7、おわりに
 (ここに、改憲についての短文が入っている)


結局、「働き方改革」で戦後の「労働基準法」を骨抜きにし、「人づくり革命」で<一億総活躍(一億総動員?)>の社会にし、「生産性革命」でドンド<ン合理化を推進し、「地方創生」で地方でもイノベーション(合理化)を推進、「外交・安全保障」で日米同盟のもと軍備を増強し海外に打って出る、そしてそのために憲法改正を成し遂げる、という事だろう。

ただ、いろいろな形でバラまきをする一方、他方で法人税減税をし軍備増強を限りなく進める、という構図も見えてくる。ということは、新年度予算案が過去最大の97兆7128億円(膨らむ防衛費)に見られるように、財政的にはますます悪化する方向に進んでいくであろう。
安倍首相は日本を、頭でっかちで好戦的ではあるが、足元がおぼつかない社会にしようとしていると言えよう。

2018年1月21日日曜日

1/11  都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

2018年1月11日に行われた都教委定例会の、根津さんの傍聴記です。














■都教委の内容 
表彰されるのは都教委に認められた「善行」のみ

 公開議題となったのは、報告「都教委の児童・生徒等表彰」の1件のみ。要した時間は15分。非公開議題では、懲戒処分の議案(停職以上の案件)が3件、懲戒処分の報告(戒告・減給の案件)も何件かは明記されていないが、議題となっていた。
公開議題は次回定例会に先送りしても良さそうな内容なのに、この日、定例会を開いたのは、次々に生じる懲戒処分の議題を先送りできないからなのかと思わされた。遠藤委員、宮崎委員は欠席。

▼「都教委の児童・生徒等表彰」について
「善行や優れた活動を行った」幼児・児童・生徒を表彰するもので、都教委が1984年から始めた。これが始まった当初は、これに協力しないというささやかな抵抗を私もしてきたが、表彰は良いこととの意識及び部活動の表彰を希望する顧問教員の熱意が勝って、表彰に対する疑問の声は学校職場から消されていった。
今年度の表彰件数は、幼稚園2件、小学校67件、中学校64件、高校65件、中等教育学校11件、特別支援学校9件の計218件。2月10日に都庁で表彰式が開催されるとのこと。

表彰基準は次の5点。
1.地道な活動を継続的に行い、他の児童・生徒の範となる者。
2.当該児童・生徒等が行なった活動が契機となり、その効果が波及し、他の児童・生徒  等の具体的な行動や取組に良い影響を与えた者。
3.環境美化活動や福祉活動、伝統・文化の継承活動、奉仕活動、子供会等、地域における活動を継続的に実践した者。
4.スポーツ・文化活動において著しい成果を上げた者。
5.人命救助またはこれに類する行為を行った者。

 お上から表彰されることを有難がる風潮が問題だと私は思うのだが、それはおいても、表彰基準「3」は都教委の意図を明白にあらわしている。「3」の事例として挙げられていたのは、「自主的・継続的に公共施設や道路のゴミ拾いを行い、地域の環境美化に貢献」「地域における防災訓練に継続的に参加するとともに、地域の防災活動の推進に貢献」「和太鼓のボランティア演奏を通して周辺地域との交流を深め、地域の活動に貢献」。
どれも、都教委が認めた「善行」であって、戦争しない・させないための活動をしている生徒たちがいても、その活動は「3」には該当しないのだ。
お上から表彰されることを有難がるのではなく、学校内や学年・学級、仲間で認め合う関係が作られていくといいなと思う。

▼教員の懲戒処分の多さに関して(今日の議題とは離れるが、追記)
「君が代」不起立で停職6月処分を3回もされた私にとっては、一般的な犯罪に関して都教委がどの程度の処分をするかをいつも注視してきた。東京都教育委員会HP「教職員の服務」に掲示される「教職員の服務事故」報告の昨年12月27日は8件、次のような案件だ。
①複数の女性のスカートの中を盗撮した主任教諭・懲戒免職
②500円程度の弁当を窃盗した教員・停職6月
③2年間に亘り、保護者から徴収したお金で購入した副教材テストをほぼ使わず、1枚も返却せずに細断した教員・減給3月
④上記③の教員に徹底した指導を行わず、教育委員会及び次期校長に報告しなかった校長・減給1月
⑤講師の実際の勤務日と異なる書類を作成し、教育委員会から勤務実績と異なる報酬費が支払われる事態を招くなど(3件)のことをした副校長・減給1月
⑥届け出た通勤方法ではなく、自転車などで通勤し、通勤手当182,466円を不正に受給した主幹教諭・減給1月
⑦生徒の指導要録等を紛失し、報告しなかった教員・戒告
⑧「お前みたいなゴミがいると死人が出るんだよ、お前が死ね」と言い、右手に持った週案簿の表紙部分で生徒の左頬をたたいた教員・戒告


――教員の処分件数の多さは、学校が子どもたちにとって安心できる場所ではなくなっているということでもあるのでは。

2018年1月11日木曜日

今年最初の「オリンピック教育」批判ビラまき報告

オリンピック・パラリンピック教育批判ビラ第9弾です。渡部さんの報告です。

■1月9日(火) 始業式
<N高>7:30~8:30
杉並1000人委員会の方と二人でやった。
ビラまきを始めるとしばらくして中から副校長が出てきた。「いつものように交通に気を付けてください」と言って、ビラを受け取り中に入っていった。またしばらくすると校長らしき人物が出校してきたが、こちらの「おはようございます」にも答えず、何も言わず、
ビラも受け取らず、中に入って行った。
生徒の受け取りは相変わらずあまりよいとはいえない。それでも、一人の男子生徒がビラを受け取り、「またオリンピックか」と言うので、「そうです。新しいものです」と答えておいた。二枚一緒に渡してしまった女子生徒に、「もう一枚は友達に渡して」と言うと、
「はい」と言って中に入って行った。いつも受け取ってくれる女子生徒はこの日も受け取って行った。
教員の受け取りもいまいちだが、それでも何人かの教員は受け取ってくれた。ビラは32枚まけた。

■1月10日(水)
<M高>7:30~8:30 
早めに登校してくる生徒は比較的受け取るが始業時間間際にやって来る生徒はほとんど受け取らない。そうしたなかで、自転車に乗った男子生徒が「校門前でビラをまかないでください」と言って中に入って行こうとしたので、「まず読んでみてください」と返した。
そのすぐ後に、女性教員がやってきたので、生徒にそういうことを言われました、と話しかけると、「学校に断っているんですか」と言うので、「断る必要は無いんです」と言うと、「敷地外ですからね」など言ってビラを受け取らず中に入って行った。
ビラの内容も読まずに、頭から「ビラまきは問題だ」と考えている。教員がこうした意識では生徒たちもそのように考えるようになろのは当然だろうと思った。ただし、笑顔で受け取ってくれる教員も何人かいた。
八王子の方のある高校では、ある先生が生徒たちに、「どんなビラでももらって読みなさい」と言い、生徒のビラの受け取りも良いという学校があったようだが、これこそ具体的な「政治教育」というものだ。しかし、この学校に限らず、日本中の多くの学校では、頭からビラまきは問題だと考え、生徒に(おそらく若い教員にも)ビラを読ませないようにしているのだ。そして、「政治教育」どころか、実際は生徒・教員を政治的・社会的に無知にし、他方で体制順応の「道徳」を注入しようとしているのでだ。これは戦前の教育と同じである。








2018年1月7日日曜日

都教委包囲ネットは2.25に総決起集会を開きます。

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2月25日(日)に都教委包囲ネットは例年通り、3月卒業式に向けて「総決起集会」を行います。参加と賛同をお願いします。