中曽根康弘元首相の葬儀へ学校を動員することに抗議文
文科省は、10月17日に行われた中曽根元首相の葬儀に、約1億円の税金を使い、かつ、弔意表明を知らせる通知を、国立大学や都道府県教育委員会などに送りました。
弔意表明とは、学校に弔旗を掲揚して葬儀中に黙禱することをさします。
都道府県教委に対しては、弔意表明について「参考までにお知らせします」とし、さらに市区町村教委への参考周知を依頼したということでした。
都教委は各学校への強制はしなかったようです。
私たちはこうした行為は看過できないと考え、総理大臣、文科大臣、都教委に対して、抗議文を送りました。
2020年10月17日
内閣総理大臣 菅義偉様
文科大臣 萩生田光一様
東京都教育委員会 様
抗議文
私達は10月17日に行われた中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬儀を巡り、文部科学省が「弔意」要請の通知を国立大学や都道府県教育委員会などに送ったことに関して強く抗議します。同時に、この通知に従う教育委員会に抗議します。
通知は日本国憲法で保障された「思想・信条の自由」・「表現の自由」の侵害以外の何者もでもありません。これは明らかに国家権力による教育現場への介入であり、政治的中立性違反です。こうした暴挙を許すわけにはいきません。
そもそも元首相中曽根康弘氏は国鉄分割をやった人物です。労働運動に敵対してきた人物であり、国鉄の赤字を労働組合や労働者のせいにして、分割民営化を強行しました。結果、多くの労働者が自殺に追い込まれました。
また元首相中曽根康弘氏は原発推進の先頭にたち、今に続く原発問題を作った人物です。労働者派遣法も中曽根政権下で成立した法律であり、格差社会の先鞭をつけた人物です。
さらに元首相中曽根康弘氏は、日本軍兵士のために海軍主計中尉のころ「慰安所を作ってやった」と自身の回顧録に臆面もなく書くような人物です。
私達はこのような人物に「弔意」を表す通知に従うことは、国鉄分割民営化・原発・格差社会・そして「慰安婦」問題を肯定する教育を押し付けるような行為であると考えます。
私たちは、元首相中曽根康弘氏の「弔意」を教育現場に強制する通知を言語道断の所業として強く抗議し、これに従う教育委員会を弾劾します。
〇田中龍作ジャーナルより
自衛隊員が居並ぶ葬儀