お知らせ

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2019年12月28日土曜日

12/26都教委への要請行動に25名参加

●被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団は12月26日、「再処分をするな!都教委要請行動」を実施し25名が参加しました。ご協力に感謝します。
近藤徹さんからの報告です。

都教委側は、教育庁総務部教育情報課長、同課長代理が対応しました。
要請では、被処分者の会、同弁護団に加えて、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会、練馬教育問題交流会も要請書を提出しました。
なお、都教委が私たちの要請を無視して、早ければ1月9日の教育委員会定例会で処分を決定することを懸念しています。

◆被処分者の会が出した要請書
要 請 書      2019年12月26日
           「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
            東京「君が代」裁判原告団 事務局長 近藤 徹
東京都教育委員会教育長 藤田 裕司 殿
<要請の趣旨>
1.本年3月28日、最高裁(第一小法廷)は、東京「君が代」裁判四次訴訟(一審原告14名。上告人13名)において、一審原告らの上告を棄却し、戒告処分取消・損害賠償を求める上告受理申立を不受理とする一方、減給処分取消を認めた東京高裁判決を不服とした都教委の上告受理申立についても不受理とする決定をした。
これにより、1名・2件(特別支援学校教員)の卒入学式での4回目・5回目の不起立に対する減給処分(減給10分の1・1月)が取り消され、都教委の敗訴が確定した。
これは、従来の最高裁判決(2012年1月16日及び2013年9月6日)に沿って、不起立の回数を理由により重い処分を科す都教委の累積加重処分に歯止めをかけたものである。

2.当会・当原告団はこの判決を受け4月15日、司法により「違法」とされた処分を行ったことを「反省・謝罪」し「再発防止策を講じること」「問題の解決のために都教育庁関係部署との話し合いの場を早期に設定すること」「本請願書を教育委員会で配付」し「判決について慎重に検討し、議論し、回答すること」等を求める請願書を提出した。

3.しかるに貴委員会は12月19日、司法により「違法」とされた減給処分を行い、教育行政として重大な責任が問われる事案であるにも拘わらず、原告らに謝罪し、名誉回復・権利回復の措置を講ぜず、再発防止策をも講じることなく、突如として当該特別支援学校教員を「事情聴取」と称して都庁に呼び出した。
これは減給処分を取り消された現職の都立高校教員に新たに戒告処分を発令(以下再処分という)した事例(2013年12月・7名、2015年3月・1名、2015年4月・8名、2018年2月・2名)に鑑みると、今回も減給処分が取り消された特別支援学校教員に対し「再処分」を科すための準備であることは明白である。およそ7年前の事案での再処分など到底認められない。

4.しかも、上記事情聴取については、当該教員の授業・学級運営上の都合等に一切配慮せず、前日に校長を通じて命令で都庁に呼びつけ、しかも対応した都教委職員は本人からの希望・要請に誠意をもって答えようとせず、いたずらに時間を浪費し、理不尽な対応に終始した。学校現場の実情を無視し、また事情聴取の対象とされた教員の人権を軽視し侵害するこのような行為は決して許されるものではない。
そこで以下、緊急に要請するとともに、期限までに誠意ある回答を強く求めます。

<要請事項>
1.処分取消が確定した一審原告らに直ちに謝罪し、二度と「違法な」処分をすることがないように再発防止策を明らかにすること。

2.減給処分を取り消された特別支援学校教員の再処分を行わないこと。

3.都教委は、性急にも前日に「事情聴取」を行なうこと当該教員に伝えたが、「生徒が早めに下校する月・水・金曜に、または終業式や長期休業日などの生徒に影響が出ない日に変更してほしい」との当該教員の要望を聞き入れなかった。教育現場の実態を十分に配慮すべき都教委による現場実態を無視した対応及び生徒に影響が少ない日程に変更できない理由を明らかにすること。

4.当日、当該教員は事情聴取にあたって弁護士の同席を要求したが、対応した都教委職員は「弁護士の同席は、都教委の裁量で認めていない」を繰り返しのみで「その法的根拠を示してほしい」との質問には誠意ある回答がなく、勤務時間が終了し事情聴取がなされなかった。弁護士の同席を認めない法的根拠を明らかにすること。

5.当日主として対応した3名の担当職員の職・氏名を明らかにすること

6.処分を取り消された原告らの名誉回復・権利回復のために、都教委ホームページ等での懲戒処分の公表と同じ方法で処分が取り消された事実を公表すること。
この件につき「公表しない理由・根拠を明らかにされたい」との当会からの再質問に対して「都教育委員会は、他の機関が行った決定や発表等について公表していません。本件請願に関わる裁判所の決定等についても、公表する考えはありません」(2019年8月15日付 所管:人事部職員課)と回答しているが、その「理由・根拠」を明らかにしていない。改めて、質問に正対し回答することを要求する。

7.問題解決のための話し合いを拒否し、教育委員会への要請であるのに「教育委員会への報告及び教育委員会での審議は行いません」というこれまでの態度を改め、都教育庁の責任ある職員と被処分者の会・同弁護団との話し合いの場を早期に設定すること。また、本要請書を教育委員会で配付し、慎重に検討、議論し、回答すること。

<回答期限> 2020年1月8日(水)(1月9日・教育委員会定例会前日)。上記近藤まで文書及びFAXで回答すること。

2019年12月24日火曜日

12/18河原井さん・根津さんの停職処分控訴審結審

12月18日(水)、「君が代」不起立で6か月の停職処分になった河原井さん・根津さんの09年事件の控訴審が結審しました。


この裁判は河原井・根津さんにとっての最後の「君が代」裁判闘争になりました。そこでレイバーネットの佐々木さんが、結審後東京高裁前で、根津さんにインタビューしました。それがYouTubeにアップされています。
  https://youtu.be/tRua6x6zR20
8分10秒という短いものですが、彼女の14年間にわたる裁判闘争にかけた思いと、
最近の八王子における「天皇奉迎」反対の闘いについても、簡潔に述べられていますので、ぜひご覧ください。

2019年12月21日土曜日

12/20都庁に呼ばれた報告

12月20日に都庁に呼ばれた。 田中聡史さんからの報告です。

12月20日、事情聴取のために都庁に呼ばれ、午後3時に校長と第一庁舎へ出向きました。
今年の3月に最高裁決定で私に対する減給処分が2件取り消されましたが、その根拠となっていた2013年の不起立の状況に関する事情聴取とのことでした。
あらかじめ、弁護士の立会いを希望する旨を、 校長を通じて先方に伝えてありました。
管理指導主事に案内されて25階に行きましたが、弁護士の立会いは認めない、と言われたので、部屋の前の廊下で「弁護士立会いを認めない法的根拠を説明してから事情聴取始めてほしい。」と要望しました。 被処分者の会事務局の方も支援に駆けつけてくださいました。
向こうの回答に時間がかかったり、膠着状態になったり、事情聴取の日時を向こうが一方的に決めた理由を私が質したりしたため、私の終業時間の5時を超え、私は就労時間外の事情聴取には応じないことを伝え、帰途につきました。
いずれにせよ、今後、再処分に向けて事務手続きが進むことが予想されます。
是非とも、再処分をするな、との声を都教委に届けてください。
また、以下の日時に「再処分をするな!都教委要請行動」が行われますので、是非ご参加ください。

12月26日(木)10時15分・都庁第1庁舎1Fロビー集合、10時30分・都庁第1庁舎25F116会議室。主催:被処分者の会
田中聡史

2019年12月20日金曜日

<緊急>12/26都教委への要請行動 再処分をするな!

◆信じられますか?~最高裁で敗訴した都教委が謝罪せずに再処分を画策
近藤徹さんのアピールです。

●田中聡史志さんへ戒告処分を出しなおすためか? 田中さんを事情聴取
以前既報の通り、東京「君が代」裁判四次訴訟は、東京都は減給処分(1名・2件)取消の高裁判決を不服として最高裁に上告受理申立し、一審原告らは憲法判断での前進、戒告処分取消、損害賠償を求め最高裁に上告、上告受理申立をしていたところ、最高裁(第1小法廷)は2019年3月28日、一審原告らの上告を棄却し、上告受理申立を不受理とする一方、東京都の上告受理申立を不受理とし、上告人TSさんの2件の減給処分取消が確定しました。
すなわち、一審原告田中さんの減給処分が「裁量嫌悪逸脱・濫用にあたり違法」とする高裁判決が確定し、都教委の主張が退けられ、敗訴したのです。

ところが最高裁決定から9ヶ月近く経った12月19日、都教委は突如として再処分に向けてTSさんを「事情聴取」に呼び出したのです。「減給処分がダメなら戒告処分を出し直そう」というのです。

これに対して被処分者の会の仲間も駆けつけ、TSさんとともに「最高裁まで争って違法とされた処分をしたことを先ず謝罪すべきだ」「『事情聴取』の法的根拠を示せ」と対応した教育庁人事部職員課管理主事に問いただしました。
ところが管理主事は、突っ立ったままで「(事情聴取は)都教委の裁量で実施しています」と繰り返すだけで、学校で授業することをやめさせられて、子どもたちから引き剥がされたTSさんの質問に答えないまま、2時間経ち教職員の勤務時間が過ぎて、事情聴取せずに終了しました。

生徒の教育を受ける権利を守り、生徒・教職員の人権を尊重すべき都教委が、誠意がないどころか全くそれに反することをしていることを信じられますか?

◆1月9日(木)に予定されている東京都教育委員会での再処分を許さないため、緊急に都教委要請を行ないます。下記の都教委要請行動に多数の参加・支援をお願いします

★再処分をするな!都教委要請行動
 日時・場所 12月26日(木)10時15分・都庁第1庁舎1Fロビー集合
                10時30分・都庁第1庁舎25F116会議室


 主催:「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会 
    東京「君が代」裁判原告団  事務局長 近藤 徹

2019年12月19日木曜日

2020年夏のオリンピック観戦 八王子の場合

2020年夏のオリンピック観戦について、辞退が広がっています。
八王子市立小学校の「観戦に係る最終意向調査票」を情報公開で根津さんが入手しましたので、その概要を紹介します。

〇八王子市の場合
それを見ると、
「1観戦を希望する学年 107校すべてが「1 全学年」と記入」しており、「5 その他(自由記述)欄に記入した学校は43校。64校は無記入」です。
 つまり、すべての学校が「観戦を希望」、しかも「全学年」となっていますが、(自由記述)欄への記述を読むと、いかに現場が困惑しているかがわかります。

ここではその中から7つほど紹介します。
第四小
最近の地球温暖化で熱中症が心配である。子供たちの安全を第1に考えたい。熱中症、昼食時の食中毒等の事故も想定される。
また、八王子は有明までの距離も長く、安全に引率できるか不安も大きい。一人でも事故等に巻き込まれたらオリンピック観戦どころではない。
第七小:
基本的に人数が多く、F地区がぎりぎりと考えている。D地区になった場合は辞退する。移動距離が長く、室内観戦以外は、熱中症の危険を考えるとふさわしくないと考える。
宇津木台小:
本校からどの最寄り駅に行くにも時間が掛かり、また公共の交通機関を利用しなければならず、多くの子どもを少ない教員(子ども20名に対し、引率教員1名)で引率するのは安全上無理である。また、夏の暑い炎天下で観戦することについても熱中症の危険が大きいと考える。
弐分方小:
本校は市街地から離れた位置する。路線バスで最寄り駅までの引率も本数が少ない為、他の利用客の支障を招いてしまう。鉄道駅までの引率方法については大きな検討課題である。より多くの職員(観戦チケット配券対象外も含む)を配置するため、夏季休業中に引率する体制を整えることで懸念される課題が少しでもクリアできると考えている。
また、本校では貸切バス以外での校外学習の経験はなく、有明などの臨海地域は乗換が5回前後、2時間以上を要するため、往復の時間と観戦を考えると児童の負担が大きい。
川口小
およそ300名の児童を引率する場合、バスの終点である「京王八王子」から京王線を利用することが便利と考える。なおFゾーン以外の遠距離の場合、児童の健康管理や安全性から参観は難しいことと判断する。
松木小:
オリンピック・パラリンピック期間中に大変な混雑が予想される中、公共交通機関での150名以上の児童のスムーズな乗換が可能かどうか、一般の乗客への影響など、移動について心配しております。
また、暑さが盛りの時期であることを考えると、熱中症等の疾病への対応や食事(弁当)などの点についても、課題だと考えています。
川口中:
本校が学区が広く、通学用スクールバスを市が借り上げているだけでなく、路線バスを利用して生徒が登下校しております。学校最寄り駅までも時間がかかる上、駅解散を想定した際の各家庭最寄り駅もJR中央線高尾駅や青梅線武蔵五日市駅となっており、そこから1時間に1~2本の路線バスを利用して帰宅することとなります。校外学習はこれまで必ず借り上げバスを利用しており、校外学習で公共交通機関を利用して往復したことはこれまでないため、安全管理面、所要時間の面を含め、Fゾーンでの観戦を希望します。

▼コメント
まさに、オリ・パラ教育の「集大成」の観戦は、真夏のさ中子どもたちに「死の行軍」とでも言えるものを強制しているようなものです。真夏の学校単位のオリ・パラ観戦は即刻やめるべきです。

12/10 朝日新聞(夕刊)記事 小学校の五輪観戦

オリンピック・パラリンピックの小学生の観戦についての朝日新聞の記事です。





2019年12月18日水曜日

「オリンピック教育」批判ビラまきの報告 第19弾

 「オリンピック教育」批判ビラまきの報告 第19弾
下にビラを貼り付けてあります。

■<農芸高校>7:30~8:30
 「戦争をさせない杉並1000人委員会」の方と二人でやりました。
 ビラをまき始めてしばらくすると校長が出てきて、正門前の「歩道は通りが激しいから気を付けてください」といってビラを受け取り中に入っていきました。
 しばらくして今度は副校長が出勤してきたので、「先ほど校長が出てきましたよ」と言ってビラを渡すと、受け取って中に入っていきました。
 しかし、この学校は生徒の受け取りはあまりよくありません。それでもいつも自転車で駆け込みながらビラを受け取る生徒は今回もビラを受け取って中に入っていきました。
 まけたビラは27枚(前回9月24日は29枚)でした。

■<福生高校>7:30~8:50
 若い男性教員が多くなった感じで生徒との区別が一目では付きにくい感じ。こちらが歳をとったと言うことか。ぽつりぽつり来る生徒と教員、概ね受け取りはよい。
 教頭が 少し後に校長が来るがありきたりの注意と雑談。
 登校する生徒が多くなってくると受け取りは悪くなる。以前は100枚を記録したこともあったが苦戦。それでも76枚なんとか配布できました。
 
■<豊多摩高校>7:20~8:30
 ここは進学校で、ビラの受け取りはあまりよくありません。ただ、いつも早朝に散歩をしている老夫婦が今回も「ご苦労様です」と言ってビラを2枚受け取って行きました。
 校長と副校長はかつてはビラまきについて警察を呼んだり口うるさく言ってきたのですが、最近はようやくビラまきは主権者の権利だということがわかってきたらしく、何も言わずに、出勤時ビラを受け取って中に入っていくようになりました。
 生徒のビラの受け取りはよくないのですが、前回、ビラを受け取り私のそばで読んでいた女生徒は、今回もビラを受け取り、しばらく私のそばで読んでいて、友人がきたところで一緒に中に入っていきました。まけたビラは30枚でした。


■<八王子桑志高校>7:20~8:45
 ここも以前は受け取りはいい学校でしたがだんだんと悪くなってきています。
 教頭と覚しき人が極めて控えめに注意をしていきました。ズボンの女子生徒がかなりいる。57枚。











2019年12月14日土曜日

2020年2/9都教委包囲総決起集会のお知らせ

都教委包囲ネットは今日の厳しい情勢の中で闘い続けています。
都教委の2003年10.23通達以降、卒業式・入学式の「君が代」強制・処分と闘う教職員ともに、2月に「総決起集会」を開いています。今年で16回目になります。
みなさんご参集ください。







2019年12月13日金曜日

12/4 八王子市議会で天皇奉迎問題で質問

12月4日 八王子市議会一般質問で前田議員が「天皇奉迎」問題で質問

12月3日の天皇夫妻に対する「奉迎」反対の闘いのあった翌日、八王子市議会一般質問(10時半頃から)で、「4月23日に『天皇奉迎』に子どもたちを動員した件を前田議員がが取り上げました。その傍聴記です。            根津公子

12月4日(水)「天皇奉迎」に子どもたちを動員したことについて 市議会一般質問傍聴報告

●登壇した前田議員が「道徳」の教科書に掲載されている「ただしいあいさつ」通りの挨拶をして、「軍隊みたいな」と一言批判を加えたところ(道徳については後半で質問にあげていた)、「軍隊をばかにするな!」などとか5~6人からヤジが飛んだ。終始ヤジを飛ばしていたのは、鈴木レオ議員(自民)。ヤジの中での質問はきついだろうに、議長は全く注意しなかった。議長はヤジを擁護したということだ。

●標題の件に関して前田さんは、大日本帝国憲法下の天皇と日本国憲法下の天皇の違い、戦前と戦後の教育の違いについて、八王子の子どもたちが使用している教育出版社中学校歴史教科書から抜粋して紹介し、現憲法は天皇の退位即位を国事行為とは定めていないと発言。
また、4月23日の「天皇奉迎」について萩生田衆議院議員のブログ(4月26日づけ)を読み上げた。
「天皇皇后両陛下は、昭和天皇への退位のご報告の為、八王子の武蔵陵を訪問されました。警備の関係もあり、いつもはギリギリまで日程が公表されないのですが、今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、「両陛下をお迎えする会」を組織し準備をしました。八王子インターから浅川大橋、追分から御陵まで、沿道にはかつてないほどの市民が出迎え、両陛下は長い道のりを窓を開け、手を振り続けてくださいました。日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」と。
このブログは萩生田議員自身が書いたのだから、「呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をし」たのは、萩生田氏ということだろう。ほかの人や団体が呼びかけ準備をしたというのであれば、主語が入るはず。

●そのうえで質問に入った。
①議員:なぜ天皇に敬意を払うのかを、学校はどう教えているのか。
教委:学習指導要領に「敬意」を教えるよう書いてある。学習指導要領に則った指導をしてい議員:ルールだからというのでは納得できる答えになっていない。生徒から「なぜこれが校則なのか」と訊かれて「ルールだから」と答えるのと同じだ。
②議員;4月9日付け「八王子奉迎会実行委員会結成について」の文書が手元にある。連絡先は町会自治連合会と八王子市都市戦略課となっている。八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体はどこか。
市:八王子奉迎会実行委員会。
議員:八王子奉迎会実行委員会の構成メンバーはどうなっているか。
市:市は把握していない。
議員:市は呼びかけられたと認識していいか。
市:町会自治会連合会から呼びかけられ、同席した。
議員:市からは誰が出席したか。
市:協同推進課部長と都市戦略課部長。
議員:4月9日付け文書は市から発信されたと認識するが。
市:市はむしろ、控えている。
議員:萩生田議員は同席したか。
市:同席したが、市は報告する立場にない。
③議員:14の私立幼稚園・保育園の園児が沿道に立ったというが、市はどういう情報を 出したのか。
市:安全面からの情報提供をした。
議員:人格形成過程にある子どもたちの人格形成に支障があると思うが、いかがか。森友学園の幼稚園が教育勅語を暗唱させたのは驚きだが、私立園・学校にはそこの独自の考えがあってのこと。しかし、公立の小学校が沿道に立たせたのは、私立とは違う。なぜ、情報提供をしたのか。
市:安全管理から。
議員:昨日(3日の即位の報告に関して)は情報提供をしなかったのか。
市:報告の義務はないが、道路交通部からの情報を全小中学校に流した。
議員:市教委が言うには4月23日のときは協働推進課からの情報だった、昨日は道路交通部からの情報だというが、変わったのはなぜか。4月23日については、情報提供のメール文に市教委が〈参加の可否 参加人数 小旗の希望〉を書いたが、小旗はどこから受けたのか。
市:70本あると、協働推進課から聞いた。
議員:協働推進課はどこから受けたのか。
市:奉迎会実行委員会から。配布は町自連。
議員:町自連は問題ではないか。D校(根津:浅川小)は町会から情報を得たということだが、コミュニティ・スクール構想が出された時、このことを懸念した。校長が断れればいいが、それができていないのだから。「思想・信条の自由」の観点からの文書を、市から町自連に出しても良かったのではないか。
市:「思想・信条の自由」を侵すとは考えない。
議員:日本がかつて侵略した国々の外国籍の子ども、日本人の中にも天皇制を肯定しない人もいる。そうした家庭の子どもに対して配慮が必要ではないか。
市:外国籍であっても、日本の教育を受けるのであれば、学習指導要領に沿った教育を受けることになる。
議員:受けた教育によって考え方・感じ方は変わってくる。
   知り合いが韓国籍のお子さんを預かった際に、多摩御陵に連れて行ったら、そのお子さんは激怒したという。受けてきた教育が違うからだ。日本人は学校で学ばないから、知らないのだ。外国籍の人が今後増える。教育長に伺う。天皇について、一つの考えを教えていいものか。
教育長:天皇退位は江戸時代後期の光格天皇以来約200年ぶり、憲政史上初めてのこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で「理解と敬愛の念を深める」と示されている。児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げるいい機会だった。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った公正・中立の指導だ。
市長:奉迎会実行委員会は任意団体。住民が歓迎する。
議員:こうしたことをやった町自連は問題だ。

●質疑応答は、私の聞き間違えもあるだろうけれど、おおよそこんなふう。
辻褄の合わない市・市教委の答弁がいくつかある。一つ嘘をつくとどこかでぼろは出てくるということだ。
ア.「八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体」は「八王子奉迎会実行委員会」だと市は答弁した。しかし4月12日に行う結成会の通知は4月9日に出したのだ。その時点で、八王子奉迎会実行委員会はできていないのだから呼びかけることはできない。連絡先になっている、町会自治連合会か八王子市が呼び掛けたとみるのが順当ではないか。
また、萩生田議員がブログに書いたことと併せて考えると、萩生田議員が市と町自連を動かしたと思える。そう考えるのは、私だけだろうか。
イ.市教委が流した「情報」は安全面を考えてとのこと。ならば、その時間帯は子どもたちを教室にとどめておくのがいいはずだ。しかし、萩生田議員の「呼びかけ」に応えねばならないとの意思が働いたか。4月の「情報」には、「参加の可否や「小旗についての希望まで報告するよう求めている。情報提供と言いながら、参加の可否を書かせた。参加の呼びかけをしてはいけないとの認識が市教委にあったから、あくまでも「情報」提供としたのだと思う。
校長の一人は、「市教委は子どもたちを沿道に立たせろとは言わない。斉藤指導担当部長は、『対処してほしい」と言った。対処とは、忖度しなさいということだ』と言った。
市教委や学校が、天皇敬愛を具体的に教えられるいい機会を、今回は活用しなかったのはなぜか。今回も同じく安全面からの「情報」提供であったのに、「参加の可否」等は書かなかった。市教委は、4月23日に子どもたちを沿道に立たせたことを「まずかった」と答弁しなかったが、実際はそう判断したのではないか。4月の件に自信を持っていたのなら、今回も同じ「情報」を提供しただろうから。
ウ.情報が4月のときは協働推進課から、昨日は道路交通部からに変わったのは、協働推進課が「天皇奉迎」という政治活動に関与するのはまずいと判断したからではないか。そうでなければ、今回の「情報」も協働推進課が出したはずだ。市・協働推進課は町自連に金銭的補助もし、育成担当する部署である。
 また、今回は「情報提供」の必要性もなかったにもかかわらず、それをしたのは、4月のときに3校に情報提供したことを正当化しようとしての辻褄合わせだったのではないか。
 短い時間の中で、聞き出せなかった点はあると思う。でも、今後ますます、天皇敬愛教育が学校教育に入り込んでくる危険がある中、この問題が市議会で取り上げられたこと自体に意味があると思う。

2019年12月11日水曜日

12/3八王子 「天皇奉迎」に子どもたちは動員されなかった!

12月3日の「天皇奉迎」時の八王子の闘いについての根津さんの報告です。

<まずは、今回は子どもたちが動員されなかったことを、喜び合いたいと思います。>

●それまでの闘い
 4月23日に天皇が退位の報告に昭和天皇の墓を訪れた際、二小、横山二小、浅川小の子どもたちが「日の丸」の小旗を振らされ「天皇奉迎」に駆り出された件で、八王子市民有志は「天皇奉迎に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」を結成し、市教委、八王子奉迎会実行委員会(奉迎会実)、町会自治会連合会(町自連)、市協働推進課、3校の校長に問題点の追及並びに12月3日の即位の報告の際に再び子どもたちを動員しないようにと申し入れをしてきた。

●12月3日が近づいてきたので
 3日が近づいた11月末、3校の校長と市教委に問い合わせたところ、校長は市教委から情報を「受けていない。立たせるつもりはない。」と、市教委は「情報を提供していない」とのことだった。2校の校長は接客中とのことで、夕刻再び電話を入れようとしていた矢先、両校長が私に電話をくれたのだった。お二人とも非常に明るい声だった。
 市教委には毎日問い合わせた。2日19時の返事は、「市道路交通部長名で、『3日の9時から12時は安全に気を付けるように』とのメールが市教委に届いたので、それをそのまま全小中学校に転送した。」というもの。
「4月のときは、斉藤指導担当部長名で〈参加の有無、参加人数、小旗についての希望〉を市教委に報告するよう書いたが、今回はどうしたのか」と訊いたところ、「今回は書いていない。そのまま転送した」。3日の朝、「学校から質問や報告は上がったか」と訊いたところ、「何も来ていない」とのことだった。

●12月3日当日






















今回は子どもたちを動員することはないとは踏んだが、沿道の観察もしておくのもいいかと思い、3校前に数人ずつで監視に立った。
二小北側の20号バイパス近くには「八幡囃子連」「千人町」「小宮」などと書かれた5台もの山車がお囃子を繰り出した。山車の関係者は張り切って見えたが、小旗を手にした地域の一般の人はそれほど多くはない。黒ずくめの公安のほうが多かったのではないか。
9時半頃、私がカレンダーの裏に「天皇奉迎しない!」と書いた紙(37㎝×50㎝)を掲げたところ、まずは「警視庁」の者2人が「ここにいる者は反対派か。危ないから中に入って」と私の前に立ちはだかり、私は倒された。歩道にいるのに、だ。
しばらくすると公安2人がやってきて、私の腕をつかみ宙づり状態にして歩道から5~6メートル中に置き、私の体を自分の体で押し続けて私を歩道に近づかせなかった。90㎏ほどありそうな筋肉質の屈強な体躯だ。天皇夫妻の車が通り過ぎた9時45分頃まで押さえつけられて、私の右腕から肩にかけて痛みが出た。帰宅し、フライパンを持とうとしたら、痛みが走った。私に対して公安が行った暴力行為は、同行した仲間が映像を記録してくれたので公開したい。https://youtu.be/E_vz5VBr3G4

●天皇車列が通り過ぎて
 天皇の車が通りすぎると、沿道に来た近所の人たちは、互いに感想を出し合うのでもなく、そそくさと帰って行った。こんなものなのか、と思った。私とAさんはその後、浅川小に向かったのだが、60代と思しき女性が電話する声が聞こえた。「(天皇夫妻の車が通る際に)お巡りさんが『手を振ってください』って言っていたよ。」と。
二小から西八王子駅までの1㎞弱の甲州街道沿いの商店街で、「日の丸」の小旗を掲げていたのは、わずか1軒。4月のときは見ていないから比較はできないけれど、今回は萩生田議員や町自連からの働きかけがなかったか少なかったのではないかと思った。

●浅川小に行く
 さて、私とAさんに対し、公安4人が尾行し電車に乗り込んだ。駅で上り電車に乗ったBさんにも2人の尾行がついたという。10時半、浅川小前で私たちは6人になる。公安は最終的には34人に。住民は沿道に来ていない。市道路交通部の情報によれば、天皇夫妻は12時には八王子市から姿を消す、ということ。なので、私たちは11時45分まで浅川小、4月に天皇が立ち寄ったみころも霊堂前にも行って待ち構えたが、天皇夫妻の車は通らなかった。

●横山二小では
 横山二小に行った人の報告でも、子どもたちは動員されなかった。甲州街道側の門の前に行ったCさんの話では、校長と副校長が門の前に来たとのことだった。Dさんからの報告は次のよう。
「9時18分頃横山二小着。Cさんたちとは別に甲州街道の反対側にいました。
21分頃、「警視庁」の腕章を着けた私服がいろいろと聞いてくる。双眼鏡でシジュウカラがいるのを見ていたのを、マンションをのぞいていたのでは、ということでの職務質問。「原発廃炉」のマークをつけているのは左翼だ と決めつけ(左翼という語をはっきりと出しました)、だから怪しむのは当然 との論理立てのようです。氏名 住所 何処に行く ポケットの中を見せろ などなど 「いろいろお訊きしたいので交番のほうへ」などなど。「令状があるなら行きます」「令状があれば見せます」
10時ごろ天皇の車列が通り過ぎる(どれに天皇が乗っているのが分からなかった)。
分かっただけで8名の私服警官にかこまれていたのだが、それが解かれて西側(陵のある方角)に行こうとすると2名が前をふさぐ。逆側に歩きヤオコー(スーパーマーケット)の西側から川側に行くと人通りもないが、明らかに2名はつけてきている。木の観察で止まると6名くらいに取り囲まれ、亦いろいろと聞いてくる。
身の危険を感じヤオコーの正面に向かう。ほんとにやくざまがいの言葉遣いの警察官がいるのには参りました。
所属と氏名を聞こうとしたが言わない。知り合いの弁護士事務所にその法的な事柄を訊こうとしたが弁護士は不在でした。家まで警官を引き連れて行くのもいやなので、そこに12時過ぎ、天皇が帰るまでいました。
私服警察は3名くらいずつ、メンバーは替わる。12時過ぎに「協力ありがとうございました」みたいなことを言っていなくなったので私も家に帰ったのだが。付いてきてはいないと思うのですが…さて…。

●浅川小から帰るとき
 浅川小に行った私たちの多くは電車に乗り八王子駅で下車。何人もの公安がついてきた。私には3人が。そのまま分かれた人も皆、尾行されたという。
 二小付近にいた公安だけでも100名はいたと思う。天皇車両が通過する随所に張り付いたのだから、千単位の公安、そして警察が配置されたと思う。

●これが天皇制弾圧
私たちに対する今日の警察権力の対応からわかることは、天皇制に反対する者は「非国民」、少数であっても徹底してその扱いをするということだ。天皇制反対のデモ参加者に対しては、警察による暴行や不当でっち上げ逮捕、極右の暴力容認が頻繁に起きているから、このことはわかってはいたけれど、まさか、10数人の行動にこれほどの労力を費やすとは思いもしなかった。
 「天皇は平和主義者」と言う「文化人」が多くなったが、この現実を知らないとでもいうのだろうか。

●補足 Bさんへの尾行の報告
八王子2小から西八王子の駅までは、隊列をなしてついてきた。Bは根津さんと分かれて東京行きの電車に乗る。駅で、Bが公安刑事に対して「尾行をするな」と抗議すると、「きちがいと思われるぞ」などとと言う。
お茶の水駅でBが降りるとついてきた。途中で、大学校内に入るとついてきて中に入った。用事をして、三省堂に入ると入ってきたが、三省堂で本を探したりしていて1時間もいたらいなくなった。

2019年12月5日木曜日

11/28 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

 11月28日 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

教育への金を削るべきではない
校長の任命、校長等任用審査についての議案はいずれも個人情報に当たるとして非公開議題。公開議題は次の2報告のみ

1.SNSを活用した教育相談(上半期)の実施状況について
 昨年度8月25日から9月7日まで、都立高校生を対象に試験的に実施したこと(プラス評価)を踏まえ、今年度は対象を都内国公私立学校の中学生・高校生に、相談期間を毎日(4月1日~5月31日、8月20日~9月15日、1月4日~1月18日は、回線数を増強)に拡大した。その結果、上半期の相談件数は2120件(1日平均11.6件)、中学生が52%、平均相談時間は41分、一人当たりの相談回数は1回が70%・4回以上が8%、相談内容のトップは友人関係(いじめを除く)で533件だったとのこと。

★この報告に、「1回限りということは、相談しても意味がないと思ったのか。とすれば、事業そのものを見直さないといけない。あるいは、軽い感じのチャット(雑談程度)が多いのか。」(北村教育委員)との発言があった。全くそう思う。

★悩みを相談する際に、自分のことを知らない人に相談するだろうか。自分のことをよく知り、かつ自身が信頼する人に相談するのではないか。中学生も高校生も、担任や信頼を寄せる教員に相談したいはず。そうした指摘がこれまで一度も教育委員からも出てこないのが不思議だ。

★SNSによる教育相談を止めろとまでは言わないが、大した意味はない。「やりました!」と形ばかりの施策でしかない。都教委が本気で教育相談体制をつくるのであれば、子どもたちの悩みやつぶやきを聞き受け止めてあげられるよう、教員の大幅定員増をすることだ。都教委にも教育委員にもそれはわかっているだろう!教育に金を削るな、と言いたい。

2.今年度上半期に寄せられた都民の声(教育・文化)
 寄せられた件数は2459件。うち、「苦情」が76%。分野別では、生徒指導に関するものが41%、教職員に関するものが21%。

★「苦情」の事例がいくつか示された。
一つ上げよう。「都立高校生が登校時に広がって歩くので、迷惑。倫理観が欠如している。指導を。」との「苦情」。これに対して、
学校側は「ご指摘を受け、登校時のマナーについて注意喚起する印刷物を作成し、教室に掲示するとともに、副校長から指導を行いました。あわせて、教員による生徒の登校時の見守りを校門前だけではなく、範囲を広げるなど、より指導を徹底していくことにしました。」と対応したとのこと。
 こうした「苦情」について、一人の教育委員から「思いやりや想像力が欠如しているのではないか」と感想が述べられた。同感だ。上記した「苦情」に対しても、その方が高校生にその場で注意したらいいだろうに、と思う。告げ口やお上に解決してもらう的発想には息苦しさを覚える。都教委はこうした「苦情」にはすぐに対応する。しかし、次に示す請願・陳情には全く対応しない。「都教委の方針」に反するからだ。

★請願は、
ア.「日の丸・君が代」の強制と教員処分を撤回すること 
イ.小山台高校定時制・立川高校定時制の廃校方針を見直し、存続させること
ウ.学校現場の意見を十分に尊重して、また、公開の場で議論を行って教科書採択をすること について。

★陳情は、
登下校の際に使う医療的ケア児専用車両に看護婦配置を求める要望や都立学校生の頭髪の黒染め指導を行わないように通達を出してほしいとの要望。

★公益通報制度(教育庁等窓口、弁護士窓口)の弁護士窓口を利用したのは13件。いじめ、セクハラ、会計処理、個人情報に関するものとのこと。
それだけの報告だったのではっきりとはわからないが、この制度の性格から見て、いじめとは教職員間のいじめということだろう。兵庫の件が騒がれたが、子どものいじめと同じく、いじめは日本社会に蔓延している。子どものいじめ防止を本気で考えるならば、都教委がまずすべきは、子どもたちと触れ合う教員たちが、ゆとりを持って働くことのできる労働環境をつくることだ。ここでも、教育への金を削るべきではない。

11/14都教委定例会 Hさんの傍聴記

●Hさんの都教委傍聴記(2019年11月14日) 

※根津さんが傍聴できなかった理由

〇都庁は数年前から来庁に際し、受け付け票に氏名・住所・電話番号等を書いて提出させている。質問してもその必要性について説明をしてくれない。個人情報の提供を強要するならば、強要する側がその必要性を説明すべきと思う。必要性があれば私(根津)も受け入れるが、都民を上から目線で扱い、しかも、税金の無駄遣いでしかない。
〇今日は私の名前をフルネームで書き、あと4人は苗字まで書いて出したところ、「名前を書いてください」と警備保障会社の人。それで、都の総務部の責任者を呼んでもらった。総務部職員に必要性の説明を求めたが、職員はそれには答えず、いや答えられないのだろう。「名前を書けば入れる」の一点張り。職員は1時間が過ぎたところで、「引き上げる」と宣言して離れていった。というわけで、私たち5人は傍聴ができなかった。
〇そこで、Hさんに傍聴記をお願いした。Hさん、ありがとうございます。

◆Hさんの傍聴記
本日の傍聴者は、たったの4人。毎回余りに無内容な会議ばかり続くので、みんな傍聴する意欲も失せたのかと思ったら、別の事情があったようだ。今日も公開の議題は2つだけ。しかも薄い内容だった。ただし突っ込み処は色々あった。

①議案:「管理運営規則の一部改正」等の件
②報告事項:来年度の「教育庁所管予算」見積の件


①の規則改正の中味は、都立学校の栄養教諭に上級職を導入することである。
 栄養教諭に、新たに上級職として「主任」(給料表3級)「主幹」(同4級)を設置する。改正理由に、「東京都全域における食育推進体制を充実していく上で極めて重要な職務」「人材育成の強化及び食育推進体制の更なる充実を図る」等の文言が並ぶ。
あれ? 都立高校に給食ってあったっけ?て思ったら、一人の委員が質問してくれた。

〇人事部の答は、
 全都で63人、都立は2人ということだ。この規則は「都立」の規則、つまり対象者は63人しかいないのに「上級職」を作って職階を3段階にするということらしい。人事部は、都が規則改正すれば、執行予定の来年4月1日までに区教委も揃って規則改正してくれるはず、みたいなことを言っていた。確かにそうなれば対象者はもっと増えるだろう。でも、それじゃまるで区教委は都教委の下部組織だ。教育行政の地方分権の原則なんかお構いなしということか。

 そこまでして、栄養教諭に職階制を持ち込みたいか。これは子どものためなのか?お役人が何か仕事をやったふりをするためなのか?パワハラはタテ社会で起きるというが、こんなところまでヨコ社会を壊してタテ社会を導入してどうする。高校生の「食育」を言うなら、都立高校定時制の給食を次々民間委託にして、子どもたちから温かい給食を奪い、栄養教諭を首切りしてきたのはどこの誰か、と聞きたい。

 質問!!栄養豊かな食事を用意する「食育」と、職に上級下級を付けることと、どのような関係があるのか、説明してもらいたい。どこに金使ってるんだ。違うだろ!

②「令和2年度教育庁所管予算見積について」という表は、多分HPで公開されるはず。
 12頁にわたる表を、総務部の担当者が20分くらいダラダラと説明していたが、この表と説明を聞いただけで教育庁が何をやりたいか、財政の意図をつかめるものはいないだろう。案の定というか、教育委員達からもそのような趣旨の質問が相次いだ。
 「どこに注力しようとしているのか、分かるような示し方は出来ないのか」「横並びの項目の羅列では、コア・コンピタンスが分からない」
 しかし財務担当者が説明したいことと教育委員が知りたいことの溝は最後まで埋まらないままだった。
 具体的には、こんなやりとりがあった。
「8.教員の育成(1)②」に次のような記述がある。
  “将来の東京の教育を担う人材の育成に向けて、東京学芸大学との連携により、都
 立高校において、大学教員による教職の魅力を伝えるセミナーや教職大学院生によ
 る専門教科・科目のワークショップ、地元の小中学校での教育実習体験などの取り
 組みを実施。【新規】”

ここで一人の委員が「東京にはたくさんの大学があるのだから、『東京学芸大学』の後に『等』を入れて、連携の幅を広げてはどうか」と質問したのに対し、総務部の答は、「既に執行予定で先方と打ち合わせているので、今年は『等』は入れられない」というものだった。
学芸大と言えば近年、近藤精一・金子一彦・伊東哲ら歴代の指導部長が相次いで天下っていることはよく知られている。どこまで癒着しているのか。
 さらに「大学の先生が高校の教室で『教職の魅力』を伝えるのですか」の問いに、「その通り」との答え。
 それには他の教育委員から、「目の前に本物の高校の先生がいるのに、わざわざ大学の先生を呼んできて『教職の魅力』を語ってもらうんですか。教職を目指してもらいたいなら、目の前の高校の先生に直接お手本になってもらった方がよっぽど『教職の魅力』が伝わるのではありませんか」との意見が出て、他の教育委員も次々同調した。
 真っ当な意見だ。おそらく都教委は、今の都立高には『教職の魅力』を語らせる実態がないことを知っていて、外部の人間に「空虚な理想論」を語らせようとしているのだろう。現場ではとても思いつきようがない珍奇な案を上から有無を言わせず押しつけるのが、今の都教委だ。

◆Hさんのコメント
金の使い途について、感想を2~3書いておきたい。
「生徒」に関わることでは、今や“学力!学力!学力!”のオンパレード。「全人教育」という言葉は、都立高ではとっくに「死語」になってしまったらしい。
英語教育には「話す力」を中心に、58億9600万円予算を付けて多彩な事業を展開している。しかし、大学入試の英語民間試験導入が延期されたので、目論見が狂ったのではないか?
「教員の働き方改革」には、213億8600万円を注ぎ込む。しかしその中に、「正規教員の定数増」のような直接業務軽減につながる策は1つもない。自助努力が足りないと言わんばかりの項目が並ぶ。これでブラックが解消に向かうとは、現場は誰も思わないだろう。現場の声、組合の声を聞いて吸い上げたとは到底思えない。
今日前半の「栄養教諭の規則改正」の時に「組合との交渉で合意を得ています」と都合の良い時だけ組合の名前を使っている。ところが肝心の労使交渉の最重要課題である労働条件問題では組合の意見を全く聞かずに、一方的に上からお仕着せの「改革」を押しつけるとはどういう了見か。だから見当違いの項目ばかり並ぶ。このようなタテ社会組織の中で、ますますパワハラが生まれていく、というかパワハラで押しつけるしか実行不可能な無意味な政策しか生まれない。東京の教育界は隅々までタテ社会に作り変えられてしまった。学校から「民主主義」は消えようとしている。
最後に、教育委員諸氏も指摘していたように、予算の示し方が不親切で分かりにくいことについて一言。ささやかな提案!!
 教育へのお金の使い方が都民にもパッと見て分かるように、各項目が全体の中でどれだけの配分になっているかパーセントの数字を付けるなり、グラフで示すとか、また各項目毎に昨年との増減を数字で示して、今年は何に力を入れてその分どこを削ったのかすぐ分かるように親切に示して欲しい。それくらいの工夫ができないほど、総務部は無能ではないだろう。
 今日も、これでは東京都の教育はますますダメになって行ってしまう、という情けない話題ばかりだった。

●根津さんのコメント
 教職希望を増やすために都教委が考え出した策は、悪い冗談のよう。
教員採用試験の倍率が極端に低いのは、教職に魅力がないのは、都教委の教員管理・支配と弾圧が招いたこと。それが失策であったことを都教委はまず自覚すべき。