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2013年8月31日土曜日

■8/29 最高裁判決期日を目前にして、署名提出と最高裁要請行動

■判決期日を目前にして、8月29日(木)午後、東京「君が代」裁判第2次訴訟の原告団が、最後の最高裁要請を行った。
 これに先立ち、8月26日(月)には、「『日の丸・君が代』問題等全国学習交流集会」の一環として、4つの「君が代」関連裁判の最高裁要請が行われており、これで9月5日~10日に期日指定された5つの裁判すべての要請が行われたことになる。
1、都障労組(3人人)の『公正な審理と判決を求める要請書』
  (1人は減給処分の河原井純子さん)
2、東京小中(10人)の『大法廷にて公正な審理と判断を求める要請書』
3、累積加重処分取り消し(近藤順一さん)の『最高裁に公正な判決を求める要請』
4、米山良江さんの『判決を前に改めて訴えます』
 Rさんから要請行動の報告がありました。アップします。

◆最高裁要請行動
★「東京『君が代』2次訴訟」は、原告数62人と一番多く、最高裁要請も6月以来3回目になる。
 公正な判決を求める「署名」にも取り組んでおり、この日の第3次提出で、個人署名の累計が1万筆を超えて10,030筆、団体署名も196筆に達した。これらは原告団と被処分者の会が手弁当で集めた署名である。
 この日の要請は、冒頭でこの署名の提出があり、要請の趣旨説明を近藤事務局長が行った後、要請文4通(1通は代読)が朗読、提出された。

○近藤事務局長:署名に託された国民の声に耳を傾けず、判決期日が指定されたことは残念。1・16最高裁判決の不十分さが、都教委につけ込まれて、その後も累積加重処分が出され、教科書採択妨害の口実にまで使われている。今度こそ、あいまいさを残さない明解な判決を望む。
○Yさんの要請文:裁判官は判決文を読み上げて、肩の荷を降ろしたつもりになってもらっては困る。なぜ不起立者が後を絶たないのか、このような教員が学校から居なくなった時何が始まるのか、見守りながら、ずっと私たちのことを考え続けてほしい。まだ決着はついていない。
○Mさんの要請文:自分が子どもの頃は「平和教育」を受けた記憶はないが、教員になって「教え子を戦場に送るな」の気持ちでやってきた。今、教科書採択への介入や「はだしのゲン」の閲覧制限など、権力による"焚書"が行われて、「平和教育」が出来ない危機的状況になってきた。
○Fさんの要請文:「再発防止研修」は、都教委の見解のみが正しいとの前提で、同意しない場合には反省が出来ていないと累積加重処分の理由としてきた。1・16判決以降、研修時間も長くなり、直接に内心に踏み込む内容になった。これは、減給処分以上に重い刑罰である。
○Iさんの要請文(代読):人事権(処分権)を持っている地教委の教育支配は、文科省のそれよりもっと直接的で危険。東京でも大阪でも「何でもあり」の政治支配が進行している。9月6日の判決が東京都の教育行政を是正する大きな強い舵の役割を確実に果たすものであってほしい。

★続いて、参加者からいくつか意見が出され、最後に岩木共同代表がまとめた。

○Wさん:最判補足意見の中で「すべての関係者が話し合え」と言われたにも関わらず、都教委が話し合いに応じないのは許せない。
○Hさん:教育に関する国際条約の中にある「尊敬(respect)」の対象は、「人権や基本的自由」であって、「国旗国歌」ではないことを、文科省も認めた。教育者の責務は、国際基準では「人権や自由」の尊重を育成することであり、「起立斉唱」の指導ではないことを最高裁も認識した上で判決を書くべきだ。
○Yさん:「署名」には、私の所属するキリスト教会をはじめ、宗派を超えて多数の協力が得られた。
○Kさん:最近の最高裁は人権問題での判断の誤りが目に付く。非嫡出子の問題、一票の格差問題、、、国際評価に耐える人権判断を出して欲しい。
○岩木共同代表:1・16最高裁判決の矛盾が、2年も経たずに明らかになってきている。累積加重処分は裁量権逸脱と判示したにも関わらず、その後2度減給処分が発令された。都教委により判決が蔑ろにされているのを放置しておいて良いのか。累積加重処分を違法としたら、逆に再発防止研修が強化されて、不起立者の思想・良心への侵害がひどくなっている。最高裁判決を口実として、教科書の内容への都教委による介入が行われ始めた。憲法の番人、人権の砦、として、その名にふさわしい公正で明解な判決を期待する。
 所定の30分を、20分近くも超えて、最後の思いの丈を伝える要請となった。
★最高裁判決の日程
 9月5日(木)<第一小法廷2件>
  東京小中「君が代」裁判 14:00 第1小法廷
  累積加重処分取消裁判(近藤順一) 15:30 第1小法廷
 9月6日(金)<第2小法廷2件>
  東京「君が代」裁判二次訴訟 14:00 第2小法廷
  08年処分取消請求・非常勤教員合格取消撤回訴訟(米山良江) 15:30 第  2小法廷
 9月10日(火)<第3小法廷1件> 
  都障労組04年処分取消請求訴訟 14:00 第3小法廷

2013年8月30日金曜日

8/26 文科省交渉の冒頭で、大阪より、文部科学省官僚・黒沼さんのツイッター(2012年8月)についての抗議なされる

■<文科省交渉>に関して、大阪のTさんから以下のような抗議の発言がなされました。
(メールでも紹介されました)文科省の体質がここにもよく表れています。ここに出てくるのは黒沼一郎という文部官僚です。復興庁といい文科省といい、政府の役人がいかに傲慢で腐りきっているかということがわかります。

◆文科省にもいた“水野靖久復興庁参事官”  T
★「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会の文科省交渉に参加して3年目になる。
いわゆるキャリア組と呼ばれる若い官僚たちと現場で直接生徒とかかわっている私たちの「交渉」はなかなかかみ合わない。しかし、中央教育行政にかかわる彼らに少しでもわかってほしいと、これまでも問題提起をして来たつもりだ。

★ところが、2012年の交渉を終えた翌日、信じられないようなことが起こった。
私は「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪全国集会実行委員会公式ツイッター
を担当している一人である。
前日の交渉について、誰か発信していないか検索したところ、驚くべきツイートを発見した。
 ツイッターと言うのは、140文字以内の「ツイート」と称される短文を投稿できる情報サービスで、いわゆるソーシャル・ネットワーキング・サービスと呼ばれるものの一つだ。不特定多数の人に発信できるという点では社会運動には有効なツールだ。しかし、140字と極めて短い発信になるため、ややもすると感情的になりがちな面は否めない。

★2カ月ほど前、水野靖久復興庁参事官(当時)が、ツイッターで「左翼のクソども」などと市民団体への中傷を行なっていた事件が報道され全国的に批判の対象となった。
根本匠復興相はすぐさま6月21日記者会見を開き、国家公務員法に基づき水野氏を停職30日の懲戒処分にすると発表した。根本復興相自身も1カ月の大臣給与の自主返納を表明した。
この報道に接して思い出した。

★昨年の屈辱的な文科省の若い官僚のツイートのことがありありとよみがえってきた。
そのツイートは、今でも、だれでも閲覧できる状態として黒沼一郎氏のツイッターにある。
 当時、こちらのツイッターに「リツイート」(引用)したので、まず、それを見てもらおう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   

2012年08月11日(土) Ichiro Kuronuma@kouro16

↓ 昨年は私も出席したが、今年は部下に行ってもらった。どうやら、他の課も同じ判断をしたようだな。
……大体、こっちの説明を聞く気もなく、何を説明しても自分の意見で怒鳴るだけの人達には、誰が応対しても(応対しなくても)一緒なんだが。まぁ、部下には悪いことをした。

Ichiro Kuronuma@kouro16

↓ 「日の丸・君が代」裁判全国学習・交流集会とかいう集団のようだが、文科省に来て、どこどこの自治体がやっているこれこれは、どういうことなんだ、的な話をしにくるのは、来る場所を間違えている。
その自治体に聞いてくれ。……まぁ、紹介する議員の問題でもあるが。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★黒沼一郎氏はフェイスブックやっている。ツイッターも実名で、しかも文科省の役人であることを明らかにしている。その上でこのツイートである。
文部官僚にとって、交渉は言う前でもなく公務である。
ところが、交渉に来た私たちを見下すばかりではなく、紹介議員まで愚弄している。
他のツイートも見たが、どうやら彼は公務の愚痴をかなり、この私的なツイッターでつぶやいているようだ。

そのとき、久しぶりにあった教え子にこの一件を伝えると、「国家公務員法に抵触するおそれがありますね」と、やはり信じられない顔つきであった。

★2013年8月26日の文科省交渉の時、本来なら謝罪を求めてしかるべきところであるが、全国からの交渉参加者にとっては、時間はいくらあっても足りない状況であり交渉時間を削るわけにはいかず、冒頭、若い官僚たちに注意喚起をするに留めた。

ところが、である。応答した若い文科省役人は「私は、フェイスブックもツイッターもしないので…」を何度も繰り返すありさまだ。

またしても、あなた方は公僕なのですよと諭したくなった。本年の、いや本年も、極めて貴重な文科省交渉が、すれ違いの徒労に終わったことは言うまでもない。

どうすれば、若くて「優秀な」彼らに、いま、現実に起こっている教育ファシズムとも言える状況を伝えることができるのだろうか。

8/26  文部科学省交渉 小官僚の答弁研修の場か?

■8月26日(月)午前中、「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会は文科省交渉を、衆議院第二議員会館の会議室で行いました。その報告を根津さんが寄せてくれましたのでアップします。

◆文科省交渉の内容

★文科省側は8名、一人を除いては20代だろう、若い職員ばかり。官僚としての研修なのかと思ってしまう。こちらの参加者は42名。

1)「日の丸・君が代」 2)国際人権 3)大阪府・市条例及び教育施策 4)教科書採択 に関して予め質問書を提出し、それに対する回答を受けてやりとりをした。
(⇒の回答・発言は文科省)

1)「日の丸・君が代」について。
  ①学習指導要領は国旗国歌法制定のはるか以前から「日の丸」を「国旗」、「君が代」を「国歌」と表記してきたことは、国会の立法権の侵害ではないか。
何を根拠に「国旗」「国歌」としたのか
 ⇒長年の慣習による。立法権の侵害ではない。

 ②国旗国歌の「適正な取り扱い」とはどのような取り扱いを指すか。
 ⇒校長の判断によること。

 ③日本のように「卒業式・入学式での国旗掲揚・国歌斉唱の義務付け」をしている国が世界中にどれだけあると文科省は把握しているか
  ⇒韓国、中国は国旗法で義務づけている。アメリカは卒業式で義務づけている。独・仏・英では卒業式がない。

 ④「日の丸・君が代」についての文科省の教育委員会への指導・助言・援助について
  ⇒地方教育行政法48条1項に基づき、行なう。
   適切に行われるよう、文科省は通知をしている。
   通知・指導に強制力はない。学習指導要領に基づき適切に教育委員会がやっている。

★中身のない回答に対し、参加者から再質問や意見、そして間違いの指摘が続いた。
 ・「日の丸・君が代」は東京では慣習ではない。
 ・韓国では、国歌とは言わない。愛国歌というのだ。⇒改めて確認する。
 ・アメリカのバーネット判決を知っているか→知らない。
 ・中国では義務づけていない。学校の判断で行っているのだ。⇒知らなかった。 
 ・日本のように処分している国が他にあるか ⇒知らない。

2)国際人権について
  ①朝鮮学校の無償化からの排除は無差別・平等原則を掲げた規定や「無償教育の漸進的導入」が「すべての者に対して機会を与えられるものとすること」の規定(社会権規約13条2b)に違反しないか。
   ⇒排除は人種による差別ではない。

 ②従軍慰安婦問題について「公衆を教育する」「あらゆる歴史教科書にこれらの事件を含めること」と、日本政府に示された勧告に対し、どう対応していくか。
 ⇒教科書への記述については、発行者、執筆者の判断。解説で、
  アジアの人への加害を書いている(から事足りるという意か?)

 ★参加者から、「国際規約では、敬意を強制して自由を侵害してはいけない、と書いているが、知っているか。」と聞かれ、文科省側は、「知らない。確認する」。

 3)大阪府・市条例及び教育施策
 ①大阪府・市職員基本条例の免職規定、累積加重処分規定は、2012年1・16最高裁判決に反するか否か、文科省の見解を明らかにされたい。
 ⇒直接コメントする立場にない。司法の判断だ。
 ②中原教育長は9月までに、「起立と斉唱を確認する客観基準」を作成すると発表している。このような強制について文科省の見解を明らかにされたい。
  ⇒任命権者の責任と権限としてすべき。教員は職務命令に基づき、起立斉唱する責を負う。

 ③大阪市教委は、全国学力テストの学校別結果の報告を各学校に義務付け、校長が学校協議会の意見を聞いて公表・非公表を決め、各校のHP等で公表するよう指示した。
これに対する文科省の見解を明らかにされたい。
 ⇒過度な競争にならぬよう注意すべきだが、説明責任を果たすために、市教委は指示して問題ない。公表は各学校の判断によるべき。

 ★さらに参加者からの質問と発言。
 ・2条例は憲法19条違反、さらに98条に抵触すると思うがどうか。
  ⇒コメントする立場にない。
 ・ 1・16最高裁判決の、「不起立前後の態度等」を使い、3回で免職。これを適正と考えるか

 ⇒司法の判断を尊重する。文科省は判断する立場にない。ただし、処分が不適切ならば、文科省は検討する。

 ・ 1・16最高裁判決に基づき、府教委を指導してほしい。これは要望です。

4)教科書採択について
 ①教科書の選定に当たっては、調査・選定の委員会が地教委や学校に置かれているが、
  それらの調査・選定の作業をどこまで把握しているか。
  ⇒教育委員会の権限がある。適切に作業がされている。
   採択権限は、地方教育行政法23条(=教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。…6 教科書その他の教材の取扱に関すること)により、教育委員会にある。

 ②都教委の教科書採択介入に関して。
  実教出版社教科書の「一部の自治体で公務員への強制がある」という記述は事実か、事実に反しているか。
  ⇒検定では、事実として許容された。

 ③「見解」に反するという理由で採択を禁止することは許されるのか。また、それは「検閲」に当たるのではないか。
  ⇒検定を否定したとは考えない。「検閲」に当たらない。

 ★参加者からの質問が続いた。
 ・神奈川県教委は「採択した学校には街宣車が来る」と脅した。知っているか。
  ⇒学校を脅したことは知っている。住民が質せばいい。自治事務の問題。住民と県との間の問題だ。
 ・「生徒の実態に即し」た採択と言えるか
  ⇒専門的な教員の判断と教育委員会の権限の問題だ。文科省が言うべきことではない。
 ・大阪府教委は「一面的」な教科書を事実上採用すべきでないとして、教育委員会にかけることなく、「専決事項」と言った。それが許されるのか。
  ⇒自治事務だ。

★ざっと追うと、このようなものだった。地方教育行政法を盾に、コメントする立場にない」を繰り返す。
そもそも、「日の丸・君が代」の強制徹底は文部省による通知と悉皆調査によって始めたことなのに、そんなことはどこ吹く風。
 東京、大阪、神奈川の実教出版社「高校日本史A」「高校日本史B」不採択は、文科省にとっては、検定制度を否定され、侮辱されたこと。
ここでこそ、教育委員会を指導すべきなのに、「教育委員会の権限」と言う。
 事実を示す教科書を子どもたちに使わせたくないのは文科省も一緒、3教委にやってもらおうじゃないかという文科省の本音が見え隠れする。
「来年からの文科省交渉は、偏った法令の読み方を教えられた若い官僚たちに、私たちがレクチャーする機会としたらいいのではないか」という声が、2日間の最後のまとめの集会で参加者から上がった。

2013年8月27日火曜日

8/25 2013年「8・25全国学習交流会」(於:東京)開催の報告

■8月25日(日)東京で「8・25全国学習交流会」が開催されました。全国から112名が参加しました。渡部さんの報告です。

◆集会について
この会は、単に「日の丸・君が代」強制反対の全国学習交流会というだけではなく、安倍政権による「教育再生」と「改憲」に反対するための「全国ネットワーク」作りの第一歩という性格がありました。
▼集会の概要は以下のようなものでした。
(午前中)
<首都圏からの報告>
(1)最高裁判決後の都教委による新たな攻撃の段階
  教職員から児童・生徒を対象にした教育内容の管理・統制攻撃の具体例が、
  ・「学力スタンダード」、・「生活指導統一基準(ゼロトレランス)」、
  ・「田無工業高校の自衛隊での宿泊防災訓練(参加生徒33人)」
   (わずか33人に学校から校長他数名、都教委からも6名が参加。
    宿舎には自衛隊員も宿泊。全都のモデルに?)
  などが報告されました。
(2)東京の「君が代」不起立処分反対闘争の報告
   1.田中聡史さんの闘い 2.「君が代」2次訴訟 3.3次訴訟
   4.再雇用拒否撤回2次訴訟 5.河原井さん・根津さん停職取り消し裁判
   ある報告者は、「若い教職員たちは厳しい状況に置かれている。私たちは現場の    灯火にならなければならない」と述べました。
(3)神奈川 個人情報保護裁判とその後の動き(教科書採択)
   報告者は、「裁判所自体『日・君』強制の応援団になっている」と述べました。

(4)千葉 森田県政「道徳教育」強制について

<全国からの報告ー第一部> 大阪
 ここでは、7人の方が報告しました。
 その中で、大阪では闘っている様々な人々が結集して8月21日に「大阪ネットワーク」が結成されたことが報告されました。
 また、東京の田中さんと同じ(減給2回目)ような状況に置かれ、ているOさんの報告がありました。
<質疑>では、報告に対するものが主でした。

(午後)
<全国からの報告ー第二部> 北から南から
 1.「日の丸・君が代」自主教研14年の歩み(北村小夜さん)
   1970年~1990年の福岡伝習館闘争支援の
   「自主教研」が前身としてあり、
   1999年の「日・君」法制化とピアノ処分による危機感の中
   2000年1月に再生、日教組全国教研開催地で毎年取り組まれ、
   全国の闘う仲間を結びつけてきました。
 2.新潟 「闘いは組合依存ではダメ」と強調されました。
 3.愛知 川村たかし名古屋市長と藤岡信勝の結びつきなどについて
 4.兵庫 尼崎市の「日・君」条例制定と職場での闘い
 5.福岡 現場で見られる教育介入、職場統制は「日・君」強制という形で始まった。     放送室から降りて不起立した。
 その他、以下の文書報告がありました。
 ・宮城:誇り高く生きることをあきらめません
 ・静岡:わたしたちは君が代を歌いません 斉唱中はすわります
 ・香川県:不起立闘争や教育をめぐる現状と課題 
 ・北九州:「日の丸・君が代」強制反対の状況

<全国ネットワークの提起>(愛知・小野さん)
 5つの柱として
 1.「日の丸・君が代」強制に対する闘い
 2.改憲と連動した「教育再生」=第二の教育基本法改悪に対する闘い
 3.安倍政権の改憲・集団的自衛権行使などとの闘いと市民運動との連携
 4.原発再稼働・原発輸出などの運動との連携
 5.子どもの人権侵害、様々な人権侵害との闘い
さらに、
 ・新しいメーリングリスト、・ワーキンググループプロジェクトチーム、
 ・全国合宿、・「確認事項」など、が「たたき台」として提案されました。

<質疑>では、多くの意見が出されました。その中では次のようなものもありました。
 「参議院選挙で吉良さん、山本さんが当選した。若い人たちが動いた。特徴は『明るい』、『軽い』ということだ。若い人たちは失うものは何もない。60代くらいの人々はセクト主義が強い。自己変革を!」        

<討議のまとめと今後の課題>(東京の青木さん)
 10年前、東京で「10・23通達」が出され、政治権力の教育内容への介入だった。 今、闘いの現場は東京から、大阪、神奈川へと広がった。安倍は戦後民主教育を壊し、教育でのファシズム体制づくりを進めている。こうした状況と本日の討議を踏まえ、
1.全国各地での「日・君」裁判情報を交換し、勝利へ!
2.懲戒処分・分限免職を跳ね除ける闘いを!
3.安倍「教育再生」「改憲」に対抗する新しい「全国ネットワーク」に結集を!
4.来年も交流集会を!大阪での全国集会(来年2月11日)にも結集を!

以上の内容を見ていただけばわかるように、今回、現在「日・君」強制反対闘争に取り組んでいる全国の仲間たちのかなり多くの部分が結集しました。
そして、現情勢下での「日・君」強制反対闘争の意義(改憲反対闘争の重要な一翼)をも深めることができたと思います。

困難な中ではありますが、「全国ネットワーク」結成への第一歩を確かに踏み出した2013年『8・25全国学習交流会』だったと思います。

2013年8月25日日曜日

『はだしのゲン』問題 高嶋伸欣さんからのメールです。

◆全国の教職員の皆さま     髙嶋伸欣です
 明日(8/26・月曜日)に出勤されたら、教育委員会から「はだしのゲン」が学校図
書館にあるかどうか、あるとしたら閲覧状況はどのようになっているかなどの調査が入っていないか、校長や図書室の担当者に確認してみて下さい。もし調査が入っていれば、次のような意味で、要警戒です。
 順に説明をします。

1.数日前、東京23区のある区(以下、A区)の公立中学校に教育委員会から、上記の調査の電話が入ったとの情報がありました。

2.目下のところでは、これがA区の教委独自のものか、都教委による全都規模のものかは不明です。

3.また、これは行政官庁として議会質問に備えた単純な情報収集にすぎないのかも、しれません。
4、しかし一方で、東京や神奈川の教委は情報収集や情報提供という名目で教科書採択に圧力をかけて一定の「成果」を挙げたばかりです。
 現場の校長たちがそれだけ教委に対して主体性を喪失している状況は深刻化しています。そのことを見越して、安倍政権の歴史歪曲政策に迎合気味の教委が、揺さぶりを掛けてきた可能性があります。

5.何しろ、下村博文・文部科学大臣が、松江市教育長による「はだしのゲン」の閲覧制限の考えは妥当だと公言して、広く報道されているのですから。
ちなみに、下村氏の選挙区は東京11区(板橋区)です(上記のA区ではないようです)。

6.また、安倍氏に継ぐ次の世代の教科書議連の主導権を目指して「手柄」争いをしている萩生田光一氏(党の教育再生実行本部・教科書検定在り方特別部会長=教科書法の制定を提言)は東京24区(八王子市)、彼のライバル義家弘介・文部科学政務官は神奈川16区(県央=相模原、厚木、伊勢原など)です。
 彼らと関係が深い都・県議や市・区議などが、議会でどのような質問をするか、あるいは水面下で教委にどのような働きかけをしているか、要チェックです。

7.単なる実態調査に見せかけたものが、悪用された前例があります。それは、文部省によるものです。「日の丸・君が代」の式典での実施状況把握でというものでした。
 調査結果によって、実施率0%の自治体が多数であると判明したとたんに、文部省が事実上の強制方針に転換したのです。1985年のことです。

8.これは、1985年2月に自民党本部が全国の自民党県連に対して、地元の教委に「日の丸・君が代」の式典での完全実施を求めるようにとの指示を出したのに合わせ、文部省が同年3月に実施状況の調査を全国に対して実施したものです。

9.その集計結果が、同年8月28日付の高石邦夫・初等中等教育局長名の通知(文初第162号)で全国に流されましたが、そこでは沖縄県や京都府など0%の自治体が多数あることが判明していました。

10.そして、同通知は調査結果の報告のはずであるのにそこには「入学式や卒業式において、国旗の掲揚や国歌の斉唱を行わない学校があるので、その適切な取り扱いについて徹底させること」という指示が巧妙に盛り込まれてました。強制に自信がなかった文部省が、結果報告を装いながら、自民党政権向けには、実施を指示していますという言い訳の文言を潜り込ませていたのだと、思います。

11.この通知以後、各地で「日の丸・君が代」の強制が強まり、実施率を高めることが教委や文部省の官僚の業績評価の一つともされていきます。

12.学習指導要領の表現も「斉唱させることが望ましい」から「斉唱するよう指導するものとする」(「指導しなければならない」という厳格な表現にしなかったのは、私立
 学校の自主性を尊重したため=西岡文部大臣)と変えられ、さらに実施率が高められていきました。

13.そのようにして上昇した実施率をさらに100%にするためのダメ押しとなったのが1999年の「国旗・国歌法」です。

14.今回の「はだしのゲン」についての調査も、上記の政治情勢下でどのように悪用されるか、分かりません。学校現場では、調査の有無やその意図などの把握だけでなく、同書を改めて読み合い、不当な干渉には迅速に対応できるように、話しあいや情報の共有化を進めていただければと思います。

15.  このような悪用化を食い止めるには、下村発言が不当で的はずれであることを明らかにするのが効果的と思われます。そのためにも、下村氏が支持した松江市の前教育長による指示・要請を同市の教育委員会が26日の会議で、明確に取り消し・撤回をするように求めましょう。

  以上、情報の紹介と髙嶋の私見です。転送・拡散は自由です。

2013年8月24日土曜日

8/22 東京都教育委員会定例会の傍聴報告

■8月22日(木)の都教育委員会の傍聴報告が根津さんからも寄せられましたのでアップします。

◆教育委員会の「会議」の様子 意見表明をしない教育委員たち
★高校教科書採択が議題にあがっていたからであろう、傍聴希望者は定員の20人を上回る25人。「場所はあるのだから、全員傍聴させてほしい」と何人もが要求したが、都教委の担当者はそれを無視し、25枚の番号カードから20枚を選んで張り出し、そこから外れた5人には資料を渡さず、必然的に傍聴から外した。

★定例会の冒頭、木村教育委員長は、「前回、前々回、議事を妨害する行為が行われ、私から退場を命じた。今日もそういうことがあったら、退場を命じ、法的措置をとります」と言った。

▼題の①は、
「都立小中高一貫教育校基本構造検討委員会まとめについて」の中間報告。「理数を中心に、世界に伍して活躍できる人間を育成するため」に、6・3・3制ではなく4・4・4制の都立小中校一貫校を2017年に1校作る。入学と進学の際には選抜を実施し、進学の際には、他校からの募集もするのだという。
 エリートをつくるために、激しい競争に勝ち残る子どもと落伍する子どもを作り続ける学校。考えただけでも背筋が寒くなる。東京新聞によると、これも、猪瀬都知事の提唱とのこと。

★この報告については、各教育委員から疑問が多数出された。「理数の授業時間を多くするために、どこを削るのか」(内館教育委員)、「法令との関係で難しいのでは」(竹花教育委員)、「小学生の段階で理数系を選んでも、進路変更が出る可能性がある。そういう子どもへの配慮はあるのか」(山口教育委員)、「教員免許の問題は大丈夫なのか」(乙武教育委員)、「義務教育9年との関係は説明が必要だろう」(木村教育委員長)。

★こうした疑問には頷けたが、竹花委員の次のメリット発言には、唖然とした。
「現状では小中学校は区市町村教委があるので都教委が直接手を出すことはできなかったが、都立小中高一貫校ならば、それができる」(趣旨)。
 以前の定例会で2回ほど、例えば、都教委主催の会議への出席状況が悪い、都教委の思うように動かない区市町村教委がある、という発言を竹花教育委員がしたのを私は思い出していた。私たちから見れば、都教委の言いなりの区市町村教委なのに、竹花委員から見れば、都教委への忠誠度が足りないということか。どこまで求めても、気が済まないのだろうか。

▼議題の②は、高校教科書採択について
実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」の、国旗国歌に関する記述は、「都教委の方針と異なるものであり、都立高校で使用する教科書としては適切ではない」と都教委「見解」を出したことで、各学校が「選定」した日本史に、実教出版のそれはゼロ。これを採択するという。

★この議題の中で、「見解」の撤回と謝罪を求める請願が、前回の定例会以降、101
件も出されたことが報告された。全国から出されている。そして、その請願に対し、前回と同じように、撤回も謝罪もせずに、「都教委の考え方と異なるものであり、…教科書としては適切ではない」。だから、「『見解』を議決した」のだと居直るだけの回答をすると木村委員長。
 それに対し竹花委員、「この通り出してもらって結構」と言った。その言葉を受けて木村委員長、「ではいいですね」で議事終了とするつもりのようだった。

★冗談じゃない! 私は、「委員の皆さん、意見を表明すべきでしょう。それが教育委員の仕事でしょう。意見を聞かせてください」「竹花委員は結構と発言したけれど、理由の説明がまだです」と叫んだ。しかし、一人として発言はしない。木村委員長は、「退場」「法的措置」を繰り返す。挙句、傍聴者の監視役の総務部職員によって私は退場させられた。

★私は教育委員の人たちに、「見解」に反対しろと言っているのではない。教育委員は定例会で論議し、議決することを職務とするのであるから、その任を果たせと言っているのだ。黙っていては、任が果たせないと言っているのだ。司会進行役を兼ねる木村委員長の議事運営が間違っていると言っているのだ。

★6月7日付「週刊金曜日」(946号)の、「抵抗人名録」は山口香さんを取り上げている。そこに、「週刊金曜日」2008年8月1日号に掲載されたという、山口さんの次のことばがあり、目を奪われた。
「発言しちゃいけないのかなと思っている方はたくさんいると思います。モノを言わない流れが、そのことが戦争になってしまったり、独裁者をつくったりします。そう考えると、発言しないことは罪なんです。」と。まったく、その通りだ。

 ならば、山口委員、教育委員会定例会では、どうしてモノを言わないのですか。それは罪ではないのですか。答えてほしい。この件で、山口さんにメールを出そう。4月に出した時のように、返事はなくても。

都教委及び教育委員たちの暴走を監視し、暴いていく必要性を、毎回の傍聴で痛感す
る。

★退場させられて廊下にいると、会場から「こんな教育委員会はいらないよ」など、何人かの大きな声が聞こえてきた。

◆教科書採択についての渡部さんの補足
<(教科書採択の)議題の中で、「見解」の撤回と謝罪を求める請願が、前回の定例会以降、101件も出されたことが報告された。全国から出されている。>の個所

★これについて今回の定例会には、101件の<請願者住所>、<請願者氏名>、<収受(日)>、<請願書(数)>、の一覧表と、その中から、
  〇中野の教育を考える草の根の会
 〇都立高校のいまを考える全都連絡会
 〇静岡県高等学校障害児学校教職員組合
 〇岐阜県教職員組合
 〇南河内地区教職員組合
の五つの請願が全文紹介されていました。

また、表紙に使われた『請願の要旨』には次のようにまとめてありました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1 請願の趣旨
 (1)東京都教育委員会(以下「都教委」)は、2013年6月27日に議決した「平成26年度使用都立高校用教科書についての見解」(以下「見解」)を撤回すること。

 (2)都教委ならびに教育委員各位は、当該議決の誤りを認め、都民ならびに関係者に謝罪し、同様の誤りを二度と繰り返さない意思を表明すること。

2 請願の理由
 (1)教育委員会という教育行政機関が自らの考え方と異なるからとして特定教科書を排除することは、検定制度の趣旨に反する。また、行政機関の考え方と異なる考え方を子供に触れさせないようにすることは、学習権の侵害である。

 (2)扶桑社等の教科書採択の際に、都教委はこれまで検定に合格した教科書はすべて採択の対象だとしてきた。「見解」は従来の都教委の言明に反する。

 (3)当該教科書は、現行法制のもとで検定に合格し合法的に教科書として出版し使用することが認められたものである。一地方教育委員会が自らの考え方と異なるからとして、その採択を排除する法的根拠は存在しない。行政による思想統制、言論出版の自由の侵害であり、明白な憲法19条、21条違反である。

 (4)都教委のこのような行為は、教科書法制定など政府がすすめようとしている教科書への全面的な統制強化の先取りではないか。全国各地で各種の教科書に対し同様のことが起こりかねない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  
★請願を紹介するこは前回から行われるようになってきたものです。私たちが、10年間も繰り返し繰り返し教育情報課に、「私たちの声が教育委員に届いていないではないか!」と叫び続けてきた成果でしょうか? それとも教育情報課が一応届けているという姿勢を示すためでしょうか?
いずれにせよ、どんどん声を上げて行きましょう。

包囲ネットでは秋に都教委に対し要請行動を予定しています。  

明日から『8・25全国学習交流会』が開かれます。多くの方々の参加を期待しています。

2013年8月23日金曜日

8/22 都庁前チラシ撒き 解雇させない会

■8月22日、<河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会>は早朝都庁前チラシ撒きをしました。12人参加、約450枚。

◆チラシの内容は
 ・「この国はどこに行こうとしているのか」
 ・「都教委は東京の子どもたちをどこに連れて行くのか」
 ・「教育委員会定例会を傍聴して」

◆都教委定例会傍聴
 チラシ撒き後に5人傍聴しました。20人の傍聴席に25人が集まり抽選となりました。★定例会では最初に「都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会中間まとめ」が報告されました。
それは、「自民党教育再生実行本部」第2次提言案の中の「5歳から義務教育(5・4・4制)大学入試到達度テスト新設」の先取り具体化とも言えるものでした。
 簡単に概要を紹介します。
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<基本的な考え方>
 理数を中心に、世界に伍して活躍できる人間を育成するため、児童・生徒一人一人の潜在能力を最大限引き出す新たな教育モデルを構築する。

<教育理念>
 理数を中心に、一人一人の資質や能力を発見し伸長させ、世界に伍して活躍し貢献できる人間を育成する。(以下略)

<教育課程>
 児童・生徒の発達段階を踏まえた系統的・継続的な教育課程を、4年ごとのまとまりで編成する。
 [基礎期(小1~小4)]・[拡充期(小5~中2)]・[発展期(中3~高3]
 〇編成の基本的な考え方
  ・理数系教科等を重視する
  ・自ら考え、判断し、表現する活動を十分に取り入れる
  ・発達段階や学習状況に応じた学習方法や体験活動を取り入れる
  ・伝統・文化に触れたり、地域に関わったりする活動を取り入れる
 〇大学等の教育資源を活用した、連続性のある連携

<基本的な枠組み>
 〇設置形態 都立小学校を新設、既存の都立中高一貫教育校を改編
 〇設置規模 小学校:都内小学校の平均学級数(約14)や標準学級数(12~18)  を考慮し、学級数を決定 中・高校:中高一貫教育校の学級数(24)を基本
 〇入学・進学  ・適性検査等による選抜を実施/ ・進学の際に選抜を実施
 〇他校からの募集 理数に興味関心の強い児童・生徒に入学の機会を与えため、他の  学校からの入学者を募集
 〇実施時期 進学の際の選抜・他校からの募集は、全ての区切り(4⇒4⇒4)で実  施するかは検討
<設置場所候補及び開講目標年度>
 〇設置場所候補 ・旧都立芸術高等学校跡(駒場)小学校1~4年
         ・都立武蔵高等学校・同校附属中学校(武蔵境)小学校5~6年、          中学校・高校
 〇開校目標 2017年度
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★この学校は、「児童・生徒一人一人の潜在能力を最大限引き出す」などと述べていますが、決して全都の生徒一人一人を対象にしたわけではありません。この学校は全都でたった一校なのです。

★また、「理数系」に優れた子どもたちを選抜して(しかも場合によっては4年ごとに)競い合わせ、あくまでも「技術エリート」を養成するための学校です。しかも社会的視野の狭い、権力者にいいように使われる「技術エリート」です。
戦前・戦中で言えば、零戦や戦艦大和を作り、731部隊で働いた「技術エリート」たちのようなものです。

★そのことは、「世界に伍して活躍できる人間」と言いながら、<教育課程>の「〇編成の基本的な考え方」を見ればよくわかります。そこには、「世界的な視野」などはありません。その代わり、「・伝統・文化に触れたり、地域に関わったりする活動を取り入れる」としか述べてありません。視野の狭さがわかろうというものです。
 また、そこには「・自ら考え、判断し、表現する活動を十分に取り入れる」などと述べてありますが、これは「悪い冗談」です。
都教委はこれと正反対のことばかりやっているのですから。
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▼この日の定例会の議題には、「来年度都立高校用教科書採択」がありました。
事務局から、「実教出版日本史を選択した学校はゼロです」という提案なされ、傍聴席から不満の声があげられましたが、何の論議もないまま可決されようとしました。

★その時、傍聴席から「委員たちは意見を言いなさいよ」と、強く、何度も抗議がありました。それに対し、議長の木村教育委員長は、「退場を命じる。さもなければ法的措置をとる」と述べました。

都教委の職員と警備員たちが入ってきてNさんを部屋から追い出そうとしました。
しかし、N根津さんはあくまでも「委員たちは意見を言いなさいよ」と抗議し座り込み、
しばらく騒然としました。結局は職員と警備の人たちに退場させられました。

★教科書採択の後、最後に竹花委員が「最近、教育委員会のあり方が問題にされており、
教育委員会は決定機関ではなく、教育長の監視機関のようなものになろうとしている。
しかし、教育委員は専門的知識もあり、中立の立場で仕事をやっているから、
そうならないように中教審の方によく言ってもらいたい」というようなことを述べ、定例会は終了しました。

★そこでWさんが大声で次のように抗議しました。
「竹花さん、何が中立ですか。あなたたちのやっていることは全く中立ではない。自分たちに都合の悪いことは排除する。これでどこが中立なのだ。どこが公正なのだ。(全柔連の新監事・山口香氏も都教育委員として会議に参加していましたので)教育委員会の体質は全柔連と同じだ。いくら批判されても改善しようとしない。」
 他の傍聴者たちも様々に野次りました。

★すると、竹花委員は、「名前を言え」と言ってきました。が、傍聴者たちは再度強く、
「都教委は中立でも何でもない。あなたたちは恥知らずだ」と言って退場しました。

8/22  東京新聞報道 『はだしのゲン』 文科相閲覧制限を容認

■下村博文文科大臣は『はだしのゲン』の閲覧制限は違法ではないなどと言って制限を容認しています。それは『はだしのゲン』が、いま問題になっている「日本軍軍隊慰安婦」を批判しているからであり、「日の丸・君が代」を批判しているからであり、日本の侵略戦争と原爆を批判しているからです。安倍首相、下村文科大臣の考えと違うからです。自民党改憲案と大きくちがうからです。

Image3東京

2013年8月22日木曜日

8/21 山陰中央新報記事 『はだしのゲン』

■松江市教委は、昨年10月に「はだしのゲン」の所蔵などについて校長にアンケートを行ったそうです。それについての記事です。

 Image2校長

8/20 山陰中央新報記事 『はだしのゲン』

■『はだしのゲン』問題が大きくなって、松江市教委は8月19日に松江市の善小中校長に「閉架措置」に着いてのアンケートを出したという記事です。

Imageゲン

2013年8月21日水曜日

8/20  朝日新聞社説、 8/21  朝日新聞記事  はだしのゲン

■『はだしのゲン』問題です。コメントは必要ないでしょう。情報では、高知の図書館も「狙われている」とのことです。島根県内、鳥取県内の他の図書館はどうなのか。あるいは他の都道府県の図書館ではどうなのか。闘っていかないとダメですね。

◆朝日新聞 8/20

Image2朝日新聞

◆朝日新聞 8/21

Image2はだし

2013年8月20日火曜日

8/19 河原井・根津不起立処分取消裁判

8月19日、東京地裁で、河原井・根津不起立処分取消訴訟の口頭弁論がありました。
06年の河原井さん<停職3ヶ月>、根津さん<停職6っヶ月>の処分です。42ある傍聴席はほぼ満席でした。

◆裁判について
 本日は(1)準備書面(17)(18)などの提出の確認、(2)次回以降の予定の確認、が主で、口頭弁論はありませんでした。

★終了後の弁護士さんの話
 準備書面(17)では、根津さんは停職6ヶ月になっただけではなく、本人の希望がないのにT中学校からM養護学校への異校種間移動が行われた(二重処分)ことを問題にしている、ということでした。

 準備書面(18)では、処分権の濫用(累積加重処分の違法性)を問題にしている、ということでした。
 このことに関して、東京高裁は昨年11月、河原井さんの1ヶ月停職処分を取り消し、精神的苦痛に対し30万円の慰謝料を認めました。都教委は上告しましたが今年7月に却下され、高裁判決が確定しました。
 この確定判決も使って、「教育の自由」の観点から処分検討が十分になされていないことを明らかにした、ということでした。
 要するに「転向しない限りはどこまでも教員たちを追い詰める都教委の不当性を追及していく」ということでした。

 ★今後は、「学者意見書」を10月末まで、「最終準備書面」を11月末まで出してもらい、12月16日に最終弁論をやり、年度内に判決だそうです。

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■実教出版教科書問題と「はだしのゲン」問題について
(1)実教出版教科書排除の動き(東京、大阪、神奈川)
(2)「はだしのゲン」の貸出禁止要請(松江市教委)→図書館事務室へ別置き(鳥取市立中央図書館)
など、これまでは考えられなかったような動きが、急速に進行しています。

★こうした動きは、卒業式チラシ撒きの際、(都教委から言われた)管理職たちがしつこく、「生徒に渡さないでください。生徒に渡さないでください」と言って来ることと共通しています。
また、卒業式の際、「不起立」が生徒たちに見られるのを教委や管理職が恐れていることと共通しています。

★要するに、
「子ども・生徒たちに本当のことを知られては困る(恐ろしい!)」のです。知られては困る、知られては恐ろしい、ことを彼らはやっているのです。
 子どもたちに目隠しをして、子どもたちを自分たちの都合のよい人間に育て上げようとしていることが見え見えです。

★日本は今、とんでもない世の中になりつつあります。犠牲になるのは多くの子ども若者たちです。子どもたちに「知らせる」方法を編み出しましょう。
 皆さん!全国各地でいろいろなやり方で宣伝活動をやりましょう! 子たち若者たちに本当のことを知らせましょう! そしてその実践を全体のものにして行きましょう。

2013年8月18日日曜日

8/16 今年の入学式での処分 再発防止研修

■8月16日(金)午前中、都教職員研修センターで、入学式「君が代」不起立で二回目の処分をされた都立O高校・Kさんの「再発防止研修」がありました。

①シュプレヒコール

◆研修への抗議と該当者の支援
★朝9時からの研修抗議・該当者支援行動には、連日の暑さにもかかわらず約50名が結集しました。
 研修前の集会でも、被処分者の会の代表の星野さん、事務局長の近藤徹さんから、8月15日の安倍首相の式辞の危険性など、日本社会が急速に戦前のような社会、戦争に向かう社会に進みつつあることが述べられました。

★研修後、Kさんは支援者たちに次のように述べました。
「心細かったが、みなさんのおかげで励まされた。かつて言論の圧迫から戦争になった。現在向かっているのはそれだ。しかし、今回自分は信念を貫けた。本当に良かった。

 研修では何度も『説得』され悩んだ。闘いを続けるのは辛い。しかし、諦めず粘り強くやらなければならない。
『思想変更をせまられ苦痛を感じている』と書いたら、『そんなことはしない』と言う。チェック項目を繰り返しチェックされ、それでもこちらが折れないと、都教委の役人は、『プリントは目で理解したと思っている』などと言った。滑稽だと思った。」

★また、研修の「先生」は次のようなことも言っていたそうです。
「精神的苦痛を感じるということは、あなたの考えを変えてもらわなければならない。」

 DSCF6086

一方で「そんなことはしない」と言いながら、他方で「考え方を変えてもらわなければならない」と言う。つまり、研修は他でもなく思想転向を迫っているということです。
今回、そのことを都教委の役人は漏らしたのです。憲法違反以外の何物でもありません。

2013年8月16日金曜日

お知らせ  8/25~8/26 全国学習交流集会へご参加を

■プリントにある要領で「第4回『日の丸・君が代』問題等 全国学習・交流集会」を開きます。みなさんご参加下さい。

全国Image2

Image2全国裏

2013年8月13日火曜日

お知らせ 8/16 再発防止研修抗議行動 /8/29東京「君が代」裁判二次訴訟 第3回最高裁要請行動(第3回最高裁要請署名提出行動)

■被処分者の会・事務局長の近藤徹さんからのお知らせです。
◆再発防止研修への抗議行動
★憲法改悪の危機の中、68回目の敗戦の日を「子どもたちを再び戦場に送らない」決意を新たする日にしたいと思います。「教室から戦争が始まる」との言葉を地でいくのが東京都教委です。これを象徴するのが処分を振りかざしての「日の丸・君が代」強制であり、実教出版の日本史教科書採択の妨害、自衛隊朝霞駐屯地での都立田無工業高校の防災宿泊訓練などです。特に、卒・入学式などでの「日の丸・君が代」強制では、学習指導要領をたてに職務命令で教員を従わせて、率先垂範、「起立・斉唱」させるーこれは戦前の教育の再現です。

★この間、都教委は、卒業式・入学式で処分された教職員を個別に教職員研修センターに呼び出し、2回目の再発防止研修を強行しています。その内容は、1人の教員を4人で取り囲み、執拗に「職務命令に従え」と繰り返し、「受講報告書」に記述せようとするもので、長時間にわたる精神的拷問で「思想改造」を迫るものです。これはまさにイジメにほかなりません。

★6月、7月の3人の卒業式被処分者対象の研修抗議行動には、毎回30~40名を超える多くの結集ありがとうございました。該当者からは「皆さんに励まされた」との言葉が寄せられています。

さて、3名の入学式被処分者対象の同研修が下記の日程で行われます。該当者を孤立させず、思いを共有し、支援する行動にお集まりください。
特に、8月16日のKWの再発防止研修が目前に迫っています。よろしくお願いします。

<再発防止研修(2回目)抗議行動と当日の時程>
8月16日(金)KWさん(都立O高校)
9月10日(火)YMさん(都立O高校)
9月17日(火)TN史さん(都立I特別支援学校)

場所:都教職員研修センター前
   (JR水道橋東口・都営地下鉄水道橋、都立工芸高校隣)
時間:9時集合・行動開始→この時間にお集まり下さい。
   9時20分該当者(受講者)入場、激励行動
   11時30分頃(予定)研修終了後、該当者激励行動
<いずれの日も同じ場所・時間です。> *呼びかけ:被処分者の会

◆東京「君が代」裁判二次訴訟 最高裁判決(9月6日)に向けて最後の要請行動

既報の通り、最高裁第2小法廷は、東京「君が代」裁判二次訴訟(上告人62名)の判決言い渡し期日を 9月6日(金)14時 に指定しました。

最高裁判決に向けて、最後の最高裁要請を行います。第3回最高裁要請署名提出行動を兼ねています(提出済みの最高裁要請署名 個人署名7,529筆、団体署名159筆)。集めた署名は至急、被処分者の会事務所(下記参照)まで届けてください。9月6日の判決日まで残された時間は僅かです。皆さん要請行動にお集まり下さい。

★東京「君が代」裁判二次訴訟 第3回最高裁要請行動★
(第3回最高裁要請署名提出行動)
 8月29日(木)
  13時45分 最高裁東門集合
  14時~14時30分 要請(代表団17名)
 *最高裁東門への行き方 地下鉄永田町4番出口徒歩7分。青山通りの坂を下り信
号前左が最高裁南門。最高裁のフェンス沿いに右へ行くと東門あり。

★☆東京「君が代」裁判二次訴訟・最高裁判決☆★
 9月6日(金)
  12時45分原告・最高裁南門集合(行進あり)
  13時最高裁南門集合・傍聴整理券交付開始 
  13時20分傍聴整理券交付〆切 
  14時判決(第2小法廷)                        
  *旗出しあり・抽選に外れた人も最高裁前で待つ。
  報告集会:ハロー貸し会議室永田町(平河町KDビル3階)案内あり。

2013年8月11日日曜日

8/6 大阪・高槻市の被処分者の山田さんの人事委員会口頭審理

■高槻市の教員で「君が代」不起立処分受けた山田肇さんの人事委員会の口頭審理の内容と、渡部さんのコメントを紹介します。

◆前提
 自民党の改憲草案第1条では、「天皇は日本国の元首であり…」として、第3条では、
「1、国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。
 2、日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。」と述べてあります。

▼8月6日、2011年3月「君が代」不起立で戒告処分を受け、決まっていた再任用も取り消された大阪府高槻市立小学校の元教員・山田肇さんの人事委員会第一回口頭審理がありました。

 山田さんは冒頭陳述の前半部分で、「日の丸・君が代」に関し、以下のように述べました。(少し長くなりますが紹介します)

▼山田さんの証言
★私は、1975年4月に大阪府・高槻市の小学校教員として採用され、芥川小学校に始まり南平台小学校まで、合計37年間、教師として子どもたちの教育に携わってきました。
 私は、教師として、教育の根本は、仏教で言う『諸悪莫作(しょあくまくさ)、衆(しゅ)善(ぜん)奉行(ぶぎょう)』だと考えてきました。

 つまり、「悪いことはするな。いいことをしなさい」ということです。また、「悪いことは改める」ということです。それが、子どもたちに言ってきたことであり、また、自分の人間としての生き方にしようと考えてきました。
 また、国のあり方についても、「いいことを行い、悪いことは改めて進む」のが正しいと考えてきました。

★担任をした時は、子どもたちの作文や私の考えを載せた『学級通信』を出してきましたが、6年生の『学級通信』の最後には、子どもたちの1年間のがんばりを誉めたあと、私が子どもたちに“望むこと”として、
「一つ一つのことをしっかり自分の頭で考え判断しながら、確かな自分をつくっていってほしい。」と、いつも、書いてきました。私自身も、一つ一つ「自分の頭で考え判断」して生きていきたいと、考えていたからです。

★そのように考えてきた私にとって、卒業式や入学式に『日の丸』『君が代』が強制的に持ちこまれることは、正しいことなのかどうなのか?
「しっかり自分の頭で考え判断」して、絶対に納得のいくものではありませんでした。 なぜなら、『日の丸』はつねに日本の侵略戦争とともにひるがえり、また、『君が代』は教育勅語、御真影=天皇の写真とともに、天皇制国家をたたえる儀式であった四大節で子どもたちに歌わせ、子どもたちを天皇の『忠良なる臣民』にしたてる歌でした。これが歴史の真実です。
 「歴史の真実」に反すること、教育基本法が言う「真理と正義」の立場に反することは、 人間として、子どもたちの前に立つ教師として、絶対にできません。

★教育委員会と校長は、「法律に従うのが教育公務員だ。」と言います。
しかし、日本が朝鮮・中国・アジアに侵略戦争をしたこと、それを進めた天皇制国家、また、戦前・戦争中の教師が、天皇制教育の下、子どもたちを「天皇の忠良なる臣民」にしたてる教育を行い、教え子を侵略戦争の戦場に送ったこと、そして、その教育の大きな道具としてあった『日の丸』『君が代』について、また、それが今なおあり、学校に強制的に持ちこまれていること、いや、先頭になって持ちこんでいることを、
校長と教育委員会は、如何に考えるのでしょうか?

★私は、処分者である大阪府教育委員会に、上の歴史の真実をいかに考えるのか、4点にわたって釈明を求めました。だが、府教委は、歴史認識、歴史観等について、黙して語りません。それらの「歴史認識、歴史観等について釈明する必要性は認められない。」
そして、「国旗及び国歌」は「学習指導要領に規定されている」。「国旗及び国歌に関する法律」で定めている。「大阪府国旗・国歌起立斉唱条例」がある。
「以上のことから、『日の丸』『君が代』を卒業式に持ち込むことは間違っているとの申立人の主張は失当である。」と書きます。
 私は、いずれが「失当」か?「真理と正義」の立場に立つのは、いずれか?と問いたいと考えます。

★かつて、西ドイツの大統領ヴァイツゼッカーは、「過去に目を閉ざす者は現在に盲目となる。」と演説しました。過去の歴史から学ばないと、未来はありません。
また、ルイ・アラゴンは、「教えるとは、希望を語ること。学ぶとは、誠実を胸にきざむこと」と詩に書きました。
 教師が歴史の真実を「誠実に胸にきざ」まないと、子どもたちに「希望を語ること」はできません。

★侵略と戦争の旗『日の丸』を仰ぎ、天皇をたたえる歌『君が代』を立って歌うことは、
「誠実に」「歴史の真実」に立って子どもたちの教育を行おうと考える私や日本の教師にとっては、絶対にできないこと、譲れない一線であります。
 そして、私は、日々、子どもたちに「いい、悪いをしっかり自分で考えて発言したり行動したりするように。」と言ってきました。そう言ってきた私が、『日の丸』『君が代』とは何なのか?を考えず、職務命令だからといって、ユダヤ人虐殺の責任者=ナチス・ドイツのアイヒマンのように「私は命令に従っただけだ。」と言うことは、人間として、教師として絶対できません。
 『日の丸』『君が代』が「真理と正義」に立ったものかどうかを考えて行動するのは、 教師としての『良心の自由』であり、『義務』でもあると考えます。

★また、子どもたちを人間としての成長に導くべきはずの教師が、戦前・戦争中は、「人の子の師の名において」教え子を侵略戦争の戦場に送りだし、数多の子どもたちを殺してしまいました。
 私は、それをくり返してはいけない、『教え子を戦場に送らない』という決意で、『日の丸』と『君が代』が卒業式に強制的にもちこまれることに反対を表明し、『君が代』と同時に、毎年、ささやかに静かに座ってきました。
『教え子を戦場に送らない』という決意で、『君が代』で着席することは、教師としての『良心の自由』であり、『良心の義務』にもとづくものであります。この『良心の自由』を憲法第19条は保障しています。
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◆渡部さんのコメント 戸坂潤の紹介
★ここには、『教え子を再び戦場に送るな!』の考えの下、戦後一貫して教育の反動化・軍国主義化に抗し闘ってきた教員たちの考えが簡潔に表現されていると思います。
 それが今、自民党などは憲法改悪とも結びつけ、そうした教員たちを現場から徹底的に排除しようとしているのです。

★ところで、戦前の哲学者・戸坂潤は、1935年に『日本イデオロギー論』という本を出しました。(岩波文庫にあります)
しかし、彼は1938年11月29日に逮捕され、1945年8月9日に酷暑の長野刑務所の独房で栄養失調のため獄死しました。
 彼は『日本イデオロギー論』の中で、「ファシズム」と「天皇制」に関して、次のようなことを述べています。

「独占資本主義が帝国主義化した場合、この帝国主義の矛盾を対内的には強権によって蔽い、かつ対外的には強力的に解決出来るように見せかけるために、小市民層に該当する広範な中間層が或る国内並びに国際的な政治事情によって社会意識の動揺を受けたのを利用する政治機構が、取りも直さずファシズムであって、無産者の独裁に対してもブルジョアジーの露骨な支配に対しても情緒的に信念を失った中間層が情緒的に自分自身
成功しそうに見える比較的有利な手段が之なのである。」

「精神主義はそこではもはや単なる任意の精神主義ではあり得なくなって(・・)正に復古主義とならねばならぬ。併しこのことは又、復古主義がこの普遍的で世界的な一規範である市民意識としての精神主義を通過することによって、之まで述べた漠然たる復古主義であることを已めて、ハッキリと限定された精神主義・日本精神主義・として、一つの政治観念にまで市民的常識への発展を遂げる、ということを意味する。皇道精神がこれなのだ。
 ……皇道主義こそだから、日本主義の窮極の帰一点であり、結着点なのである。之は、私が今まで分析しながら触れて来た一切の規定を、最後に統一総合した総結論なのである。」

近藤順一さんの「ニュース(第167号)」です。

■「日の丸・君が代」累積加重処分取消裁判の原告近藤順一さんの主張を紹介します。

◆第三波最高裁判決(2013/9)にあたって
 それでも「敬意表明の行為」は間接的制約で合憲ですか!?

▼教員に課せられる職務専念義務と職務命令
★最高裁は第一波判決(2011)・第二波判決(2012)において、一律起立・斉唱は「敬意の表明の要素を含む行為」でありそれを拒否する者にとっては「思想良心の自由に対する間接的制約」となるが、儀式の秩序維持等からみて合憲である、とした。どのような事態なのかもう一度明らかにする。

★教育課程の儀式では教員に2重の縛りがある。まず、地方公務員法第30・35条に規定されている職務専念義務である。これは教科指導(いわゆる授業)でも生活指導でも同様である。その本質は「児童生徒との直接の人格的接触を通して」(旭川学テ判決)個性の伸長を期すというものである。卒業式等儀式における指導が一般に全体指導であるからといって教育の本質に何ら変わりはないし、教員の義務にも変わりはない。

★もう一つの縛りが、一律起立・斉唱の職務命令である。これもまた地公法第32条の「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」というもの。

★私は、職務専念義務を履行し卒業式が滞りなく進行し当初の目的を達することに全力を尽くした。その意味では卒業式を混乱させる等の作為は毛頭ない。しかし、一方的な行政の介入を中継する職務命令を拒否した。事前の職員会議で「式次第から国歌斉唱を削除する」ことを一貫して提案してきた。そして、当日は不起立・不斉唱をはっきりと生徒に示してきた。その意味では、当然のことながら教育的作為・教育的効果を考えた。

▼行政の介入を制限し、学校・教職員の自主性を尊重すべき
★最高裁は、「公正な判断力・批判力」という教育の意義には思考が及ばず、ひたすら一律起立・斉唱という秩序を求める。教員への強制ばかりでなく、そもそも、夜間中学には多くの外国籍生徒が学んでいる。その生徒にも「君が代」斉唱を要求するのが「学習指導」「秩序維持」なのか。
 9月の判決では、教育の自由を保持する判決を望む。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最高裁判決 9月5日(木) 
  近藤順一 07~10年処分取消訴訟・最高裁判決
   14:30 傍聴整理券交付開始(最高裁南門)
   14:50 整理券交付〆切(その後、抽選)
         15時30分判決(第1小法廷)
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◆今後の予定 報道
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論8/19(月)13:30第527号
*「授業してたのに処分」事件地裁弁論9/5(木)10:30 第530号
*東京小中「君が代」裁判 最高裁判決9/5(木)14:00 第1小法廷
*累積加重処分取消裁判 最高裁判決 9/5(木)15:30 第1小法廷
*東京「君が代」裁判二次訴訟・最高裁判決9/6(金)14:00第2小法廷
*08年処分取消請求・非常勤教員合格取消撤回訴訟・最高裁判決
9/6(金)15:30 第2小法廷
*都障労組04年処分取消請求訴訟・最高裁判決
9/10(火)14:00 第3小法廷
*東京「君が代」3次訴訟地裁口頭弁論10/11(金)15:00第527号

2013年8月8日木曜日

8/7 毎日新聞報道「教科書 教委が最終採択」

◆高校の教科書採択についての毎日新聞報道です。各紙に掲載され、NHKでも報道されました。

毎日新聞Image2

8/6 大阪市教委での教科書採択をめぐる会議と学校採択を破壊する付帯決議

■8月6日、大阪市教育委員会の会議について、大阪の伊賀さんより報告が寄せられました。

◆8/6、大阪市立高校の教科書採択を決める教育委員会議
★前回2名の教育委員が欠席し、そのもとでは決められないとなりましたが、今回も西村和雄委員は欠席で、5名の教育委員による審議となりました。
 結論から言えば、各学校からの答申通り採択が行われましたが、それと引き替えにするかのように高校教科書採択制度の根幹をつぶしてしまう「附帯決議」が全員一致で可決されてしまいました。
 「付帯決議」には「教育委員会による適正な採択のための審議の一層の充実を図るた
め」として、各学校に「選定候補として2つ以上の教科用図書を答申書に記載し、それぞれの長所と短所を列記することとし、推薦順位や優劣は示さないものとする」とし、教育委員会に高校採択でも「お好み採択」の権限を事実上与えることになってしまいます。これでは、戦後長い間維持されていた高校での学校採択が壊されてしまうことを意味します。きわめて重大な、制度改悪になります。

★今日の教育委員会議の中では、暗に実教出版を批判する意見がありましたが、議論の中心は、「答申書の選定理由が明確ではない」「その学校の選定理由が妥当性があるのか、教育委員会として調査研究しているのか」「本当に学校内部で自由闊達な議論が行われたのか?選定の過程がわからない。議事録が各学校で作成されているのか?」「教員が学校の実情を反映して選んでいることを前提であがってきていると思うが、そこがはっきりしないところもある。」等、各学校での選定過程への疑問が3名(大森、高尾、林)の委員から出されました。端々に選定に関わる教員への不信がにじみ出ていました。

★そして、大森委員が突然、欠席の西村委員のメールとして「教育委員会の採択の権限をさらに強めるために、今後は各学校からの答申には、各教科書の優劣をつけずにあげてほしい。」とあったことを紹介し、「付帯決議」の動議を提案しました。
 このような前代未聞の制度改悪の付帯決議に対しても、各教育委員からは強い異論は出されず、すんなりと全会一致で採択されました。その後、各学校の採択も答申通りで採択されました。これは明らかに、今年は答申通り採択する代わりに、来年度の採択からは教育委員会の「お好み採択」を実施する制度を担保するという、事前の合意があったとしか思えません。

★今回の高校教科書採択制度の変更を求める付帯決議は、これまで守られてきた戦後の教育条理にもとずく学校採択を破壊するものです。全国的にも例がない、前代未聞の事態です。これは、来年度からの小中学校での採択制度にもきわめて大きな影響を与えることは間違いありません。

是非とも、全国から大阪市教委に「付帯決議」に抗議し、撤回するように声を届けてください。

◆抗議先 大阪市教育委員会 指導部高等学校教育担当
        tel 06-6208-9189  FAX 06-6202-7055

◆附帯決議

 大阪市立の高等学校において使用する教科用図書に関し、平成27年度使用教科用図書の採択については、教育委員会による適正な採択のための審議の一層の充実を図るため、以下の諸点を含む改革を行うこととし、そのために必要な採択の方式の決定及び教科用図書選定調査会要綱の改正等の所要の措置をしかるべき時期までに講じるものとすること。

1.各学校に置く教科用図書選定調査会は、選定候補として2つ以上の教科用図書を答申書に記載し、それぞれの長所と短所を列記することとし、推薦順位や優劣は示さないものとする。

2.教育委員会は、答申書を参考にしつつ、自ら調査研究を行い、教科用図書を採択するものとする。

3.各学校に置く教科用図書選定調査会による答申と教育委員会による採択の間に、これまで以上に十分な調査研究及び審議の時間を確保するものとする。

8/5 田中聡史さんに対する学校での再発防止研修の抗議行動

■8月5日(月)、田中さん(板橋特別支援学校教員)への再発防止研修が、勤務校で行われました。これに対し、都教委に抗議と田中さん支援のために、早朝チラシ撒きを学校前で行いました。

◆チラシについて
 チラシは<河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会>が、都教委と学校長に宛てて送った「田中聡史教諭に対する再発防止研修をただちに中止せよ」の紹介。

★「田中さんの件です」と声をかけチラシを出すと、職員のチラシの受け取りはかなり良く、田中さんの問題が職場全体の問題になっていることがわかりました。
 また、本日プール指導があり、保護者の方も見えましたが、保護者の方の多くも田中さんのことを知っており、受け取りを拒否するような保護者はほとんどおりませんでした。

★チラシ撒き終了(8時30分頃)後、3人で校長に面会に行きました。
 すると、主幹が「アポを取っていないのなら校舎に入らないで下さい」と言ってきました。しかし、そんなことを言われる筋合いはないので、3人は受付に行きました。
そして受付と話している間、副校長が私たちに対して、「警察を呼びます」と言って、警察に電話をし始めました(8時45分頃)。
 「再発防止研修に反対するためチラシを撒き、アポを取っていないのに不法侵入してきている者たちがいますので、すぐ来てください。正門のところで待っています」と。
 そして、副校長は警察を迎えに(?)、正門に向かいました。

★私たちは構わず受付で校長への取次ぎを依頼、返事が来るまで待っていました。やがて、「校長は会えないと言っています」という返事だったので、チラシを届けてもらうようお願いし正門の方へ向い、そこにいた副校長に「警察はまだ来ないんですね」と言いました。
 私たちはしばらく正門のところにいて、再発防止研修講師の都教委が来るのを待っていました。また、警察も来るのだろうと思っていました。しかし、警察はついに来ませんでした。

★やがて9時30分頃、都教委の2人(男性)がやってきたので、私たちが、「いじめの再発防止研修はやめろ」「再発防止研修は憲法違反だ」と正門のところから抗議すると
彼らは無言で玄関に入って行きました。
 そこで、研修が行われる予定の校長室(正門に近い)に向かって私たちは同じような抗議の声を上げました。
 まもなく3人目の都教委(女性)も入り、10時から再発防止研修が始まりました。

★その時間に合わせて、そこにいた私たち(4人+1人)は、「再発防止研修はやめろ!」「日の丸・君が代の強制はやめろ!」と大声で、校舎に向かってシュプレヒコールを始めました。
 すると、玄関の2階にある職員室のカーテンが少し開けられ私たちの様子を見ているようでした。携帯で写真を撮っているようにも見えました。
 私たちの声は田中さんにしっかり聞こえたそうです。
 研修は1時間だったのですが、私たちは約10~15分ごとに同じようなシュプレヒコールを数回繰り返しました。その度に職員室のカーテンが少し開けられました。

★研修終了(11時)後、私たちは都教委の3人が出てくるのを待ちました。やがて出てきたので、私たちは彼らに近づいていき、「いじめ研修はやめろ」「本人は憲法に基づいて職務を行っていると言っている。あなたたちのやっていることは思想転向を迫るものだ。」「あなたたちのやっているっことは憲法違反だ」「あなたたちは戦前と同じようなことをやっている」などなどと、追及しました。
 彼らは無言で逃げるように駅に向かいましたが、私たちは彼らについていき駅まで何度何度も話しかけました。しかし彼らは何も答えず、逃げるように改札口に入って行きました。

★田中さんの話では、研修の内容は昨年と同じようなものだったということです。
 次回(8月30日)の学校での研修の際には、もっと多くの参加者で抗議、支援行動を行いましょう。また、副校長が出てきたら、警察への対応を糾しましょう。

2013年8月4日日曜日

8/3 神奈川・横浜で教科書問題で緊急集会

■8月3日 【子どもたちにふさわしい教科書を! 公正な採択を求める県民集会】が開かれました。

◆【子どもたちにふさわしい教科書を! 公正な採択を求める県民集会】
  <主催>・公正な教科書を求める県民の会/ ・「日の丸・君が代」強制に反対し、
       学校に「思想・良心の自由」を実現する会が緊急に持たれた。

★7月30日に決まった緊急集会ではあったが、80数名の参加者で会場は超満員となった。集会で報告されたこの間の経過と今後の動きは以下の通りである。

▼この間の動き
★神奈川県では7月10日までが高校の「学校希望教科書」の提出期限であった。ところが、7月16日、「教育を良くする神奈川県民の会・A氏」から実教出版教科書採択を「慎重に」という<請願>が出された。

★それを受けて神奈川県教委は、7月23日、臨時教育委員会を開催し、そこでA氏が意見陳述した。
 <請願>は継続審議になったが、その後に開かれた「教育委員協議会」(非公式の学習会)で、藤井教育長らは、学校が希望しても不採択になる可能性が高いと判断し、学校側に使用希望教科書の見直しを求めることを決定、6委員全員が了解した。
(要するに非公式の場の決定である。)

★そして翌24日に開かれた「県立学校・学校経営研究協議会」終了後、該当28校の校長を残させ、「公開の教育委員会で不採択になる可能性もあり、学校名が公になって混乱を招く」として、右翼による街宣活動の可能性も説明しながら、「再考」を強要することになった。(再提出期限は7月31日)まさに麻生副総理ではないが、騒がれる前に権力的に決着をつけようとしたのである。

★(ちなみに、教科書検定見直しを検討している自民党の部会は、5月28日には、「東京書籍」・「実教出版」・「教育出版」の社長や編集責任者らを呼び、圧力をかけており、
 6月25日には、教科書の記述や検定制度の在り方を包括的に示す『教科書法』(仮)の制定を盛り込んだ「中間まとめ」を提言している。)

★それを受け、翌25日、各校で校長が、社会科教員に「お願い」をはじめ、受け入れないと、一方的に書き換えをはじめた。
それに対し、26日以降、多くのところから抗議の声が上げられ、これまで<請願(4件)>も上げられている。

▼今後、
★・8月6日に開かれる県教委定例会で、それらの<請願(4件)>の陳述、
 ・8月20日の臨時教育委員会で教科書採択、の予定である。
したがって、8月6日に開かれる県教委定例会が重要になってきている。
 しかし、その時点ではすでに「再提出」は終わっており、東京都の例を見ても、彼らは権力を背景に押し切る可能性が高い
 東京都の例 <都の「見解」に、反対する陳情(73件)、反対する意見(70件)
  賛成する意見(3件)にもかかわらず、都教委は定例会で議論もなく押し切った>

それでも、このような姑息な事までして、子どもたちを危険な方向に導こうとしている県教委に対し強い反対の意思表示をすることが重要である。

★集会では、「県教委による各学校への介入とその情況について」という資料が配布され、現場からの報告が多く出された。それによると、多くの高校で職員から反対の声が上がった。

▼たとえばある高校では次のようだったようである。
  校長より、実教出版の日本史の教科書を変更せよと県教委から 言われたとのこと。 職員会議で、社会科の教師を含めた多くの教師から、「変更することは納得できない。 実教出版はうちの生徒に相応しい内容で分かりやすい良い教科書である。変える必要 はない。」との声が出された。
  しかし、校長は、「よくあるが、周りから変えなかったとき、保護者からもあるか もしれない。学校が難しい立場になり、外圧を避けたい。何故、うちの学校だけか、 と言われる。最後に、管理職で考える。2番手の教科書を挙げて考える。」との発言が あり、県教委の言うとおりにしなければならないと言っている。
 社会科からは、反対であるとの意思表示が出された。

▼別の高校では次のようだった。
  社会科は反対し、7月26日から毎日、議論してきた。教科書調査委員会でどうなるのかわからないのに、校長は、「7月31日までに変更しろ」と言っていた。
 多くの反対があるにもかかわらず、校長は、7月31日の職員会議で、最終的に変更することを宣言した。校長同士が相互に連絡し合っている。

★ところで、今回の実教出版教科書排除について、都教委はその「見解」の中で、最高裁判決(2012年1月16日)の彼らに都合のいい部分(職務命令は合憲)という部分を持ち出しているが、神奈川県教委も同じようなことを言っている。
 それは7月30日、「実現する会」+自由法曹団で県教委高校教育指導課に抗議・要請に行った時のことである。
 K副課長は次のように述べている。
  春に(個人情報保護の氏名収集裁判の)最高裁の判決が出て最終的に私どもの姿勢 が認められたものと考えております。
 そうした中で、私ども従来から言っているのは国旗掲揚・国歌斉唱に際して起立する ことというのは、当然それを子供たちに指導する教員にとって責務である、といった ところで、(実教出版の)ああいう「強制」という表現を使われるのは、私どもの考 えと合わない、ということです。
  どこの、とは確かに書かれていないが、少なくとも神奈川では、神奈川でやってい ることを「強制」と書かれるのは相容れないと、(実教出版は神奈川県のことをかい ているんだと、)そう取る人がいるんじゃないかと。神奈川県のことを書いていると は断定しておりません。
  神奈川県の方針とは相容れない。最高裁の方でいうと、不起立の問題、氏名収集の 問題、いろいろありましたけれでも、基本的にはこちらの主張が認められたのかなと。

★ここに来て最高裁が「日の丸・君が代」強制による処分や氏名収集を合憲としたことの重大さが、明らかになってきたと言える。
 たとえ最高裁が「減給」以上は違法とし、「一部自治体の強制」を批判したとしても、権力者たちはそんなことにはお構いなくどんどん強制を強め、今回の実教出版教科書排除に到っている。

★要するに子どもたちから、政府や権力がやることに対する反対意見を覆い隠し、戦前同様、子どもたちを「愛国心」あふれる人間に洗脳しようとしているのである。だから彼らは、子どもたちに本当の事を知られるのが一番怖いのである。
 これに反撃するには、人々の中(とくに若者たち)に、現在起きていることの問題点を広く宣伝し、その危険性を訴える、全国的な大衆運動を作り上げていくことであろう。
また、第三次教科書裁判が起きれば良いとも思う。

2013年8月3日土曜日

8/2 東京「君が代」裁判・三次訴訟>の第13回口頭弁論

■8月2日(金)午前中、東京地裁で、<東京「君が代」裁判・三次訴訟>の第13回口頭弁論がありました。この日は学者の意見書提出の確認と今後の日程調整が主でした。渡部報告です。

◆巻美矢紀・千葉大学教授(憲法学)の意見書としては、『国歌起立斉唱訴訟における問題の本質~公教育における公権力の内在的限界~』というものが提出されました。

▼巻教授はその中で、「職務命令」によって<炙り出された真の目的>として、次のように述べています。
 「……起立斉唱を式次第に組み入れることは、生徒との関係では強制ではないとして も、生徒に同調圧力を生じさせる。さらに学校生活における「指導」者である教師が 一律に起立斉唱することは、同調圧力を高める。
 それは「指導」ではなく、生徒の判断を介在させない「刷り込み」である。
・・・・
 「……この真の目的から、それに付随する目的も炙り出される。それは刷り込み式愛 国心教育を阻害する教員を炙り出す「踏み絵」であり、定期的に行われる入学式によ り処分の累積が予測されることから、最終的には阻害教員の排除をも狙うシステムで あり、裏を返せば、教師に教育行政の単なる手足として盲目的服従を迫り、公権力の 内在的限界の逸脱に対する歯止めを掘り下げるシステムとして、まさに合理的なので ある。

▼そして、<「教育者としての思想・良心」の本質>として次のように述べています。 「刷り込み式愛国心教育は、公教育における公権力の内在的限界を超えるものと解さ れることから、教師は、公権力の媒介となることを不作為により拒否し、内在的限界を超える公権力の行使に歯止めをかけようとしたものである。

○この意見書は、最高裁判決(職務命令は間接的制約はあるが合法)を批判し、明確に「日の丸・君が代」強制の真の目的とそれに抵抗する教師たちの闘いを明らかにしたものとして画期的なものと言えるでしょう。

報告会では、原告をはじめ参加者からも、この間の「実教社版日本史教科書排除」、「麻生副総理のナチス発言」、「憲法改悪での「日・君」尊重義務」、などが語られ、「日の丸・君が代」強制がいまや日本社会全体の問題になりつつあることが明らかになったと思います。
 次回は10月11日(金)15:00~ 527号

■8/2午後、衆議院第二議員会館にて、『緊急院内集会、安倍内閣の改憲暴走を許さない!』(主催:2013年5・3憲法集会実行委員会)が開かれました。

★会場は70名くらいの部屋でしたが、国会議員12人(共産、社民)、参加者150人で
超満員となりました。(入れない人もいました)

国会議員では、参議院選挙で当選した若い辰巳浩太郎議員(共産、大阪選挙区)、吉良佳子議員(共産、東京選挙区)も参加しました。なかなか新鮮でした。

★集会では、改憲の動きと結びついて起きている諸問題、つまり、
 ・麻生副首相ナチス発言、
 ・内閣法制局長官に集団的自衛権容認派(小松一郎駐仏大使)の起用、
 ・「秘密保全法案」、
 ・「国家安全保障基本法案」、などなど
の危険性が議員や参加者から指摘され、参院選後、安倍政権が暴走を始めていることが確認されました。

★一方、「選挙でねじれ解消」などと言われているが、この間の世論調査などでは、憲法改悪に反対の声が過半数を超えており、むしろ「国会と国民の世論のねじれ」が
はっきりしてきていることも確認されました。
 また、本屋での憲法関係本の売れ行き増、ネットでの若い人の憲法論議の高まりなど、
人々は「改憲」について意識を高めている状況も出されました。

★そこから、現在重要なことは、「いかに多くの人々に改憲の中身を訴えて行くか」、
であることが共有されたと思います。
 すでに、駅頭などでの宣伝、パンフ・リーフ作成配布、新聞意見広告等に取り組んでいる市民団体、宗教団体からの活動報告もありました。

2013年8月2日金曜日

7/26  神奈川新聞・社説「歴史の隠蔽は許されぬ」

■横浜市教委は横浜市立中学社会科副読本「わかるヨコハマ」の改定と旧版回収をした。新聞を寄せられた高嶋道さんのコメントです。
 「横浜市が市立の中学校に、すでに昨年配していた社会科副読本の旧版を回収し、今回改定したものを配布した。
 もっとも大きな改定部分は、関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する項目です。この部分の改定は、保守系の市議の主張をそのまま反映する内容になっている
① 旧版:軍や警察といった官憲側が朝鮮人虐殺の主体となっていたことを記していましたが、新版:自警団の一部 とのみ記述、 
②また、旧版:虐殺 →新版:殺害 に変更 

 市教委は「心身の発展段階に応じた表現にした」と説明

◆神奈川新聞・社説 7月26日 

I神奈川新聞