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2014年2月25日火曜日

2・21都人事委員会審理の報告 請求人が意見陳述

■2月21日(金)、2010~12年に10・23通達に基づく校長の職務命令に従わず処分された事案について、東京都人事委員会公開口頭審理が開催されることになりました。その報告が近藤徹さんから寄せられましたのでアップします。

◆卒業式直前の都人事委員会公開口頭審理

地方公務員の処分の取り消し請求は、いきなり裁判所に提訴できず、先ず各自治体の人事委員会に審査請求をしなければなりません。                                               都立学校の「君が代」不当処分撤回の闘いは、2004年3月の卒業式での大量処分に反撃する都人事委員会への不服審査請求(2004年4月)に始まり、同年4月17日に被処分者の会が結成されたのでした。

それから10年、東京「君が代」裁判一次訴訟の最高裁判決(2012年1月16日)、同二次訴訟の最高裁判決(2013年9月6日)を経て、東京地裁には東京「君が代」裁判三次訴訟(2007年~09年処分取消請求)、再雇用拒否撤回二次訴訟(07~09年再雇用拒否国賠請求)・三次訴訟(11年再雇用拒否国賠請求)が係属して、後続訴訟が粘り強く闘われています。

そしてこの度ようやく、2010~12年に10・23通達に基づく校長の職務命令に従わず処分された事案について東京都人事委員会公開口頭審理が開催されることになりました。合計14件・12名(2010年4件、11年7件、12年3件 人数の重複あり)が今回の公開口頭審理の対象です。

◆都教委は「ブラック官庁」 都人事委員会公開口頭審理で都教委を告発

 安部政権のもと、教育の全面的改編の突破口として教育委員会制度の改悪への動きが新聞などで報じられる中、昨日2月21日、「君が代」処分取消を求める東京都人事委員会公開口頭審理が都庁人事委員会審理室で行われました。

「日の丸・君が代」を強制する10・23通達から11回目の卒業式を目前にした人事委審理は、傍聴席(40席)が満席となり、緊張と熱気が漂う中、8人の請求人が意見陳述を行いました。以下、請求人の意見陳述のほんのさわりだけ紹介します。

◎クリスチャンとして「日の丸・君が代」の強制には従えない。理不尽な命令は教職員をロボットにし、生徒たちの個性・人権を奪う奪う。
◎最高裁で減給処分を取り消された教員に再処分するなど前代未聞の暴挙を行う都教委は「ブラック企業」と化している。10・23通達以降、生徒のことは二の次、三の次となっている。
◎10・23通達で学校運営が大きく変化した。個々の生徒の状況に目を向けず上意下達の学校運営が弊害をもたらしている。
◎「最後の授業」としての卒業式が変質した。特別支援学校の対面方式の生徒を中心にした卒業式がなくなった。
◎多様な意見が尊重されるべき学校で、教員が自由に議論できなくなり、少数意見が排除されており、生徒の自由な思考を育てられなくなっている。
◎10・23通達から10年以上経ったが、都教委は頑なに話し合いを拒否している。これは教育からもっともかけ離れた態度だ。10・23通達に始まる一連の東京の教育行政は、「不当な支配」に該当する。
◎退職時には再雇用を拒否され、働く場を奪われた。都教委の制裁はアナクロニズム、戦前の「非国民」排斥だ。
◎最高裁で減給処分は裁量権逸脱、違法とされたにもかかわらず2013年卒・入学式で減給処分を出したのは違法だ。再発防止研修は精神的靴を強いるものだ。

各意見陳述で、10・23通達とそれに基づく処分が、1.思想・良心の自由に対する侵害、2.教育行政の教育への不当な介入、であることが改めて明らかにされました。
また、10・23通達が教育の荒廃をもたらしたことが具体的に指摘されました。

2/17 都教委による再処分取り消し 不服審査請求の記者会見

■都教委による再処分に対して、2月13日(月)、東京都人事委員会にへ不服審査請求を行い、2月17日記者会見をしました。その報告が近藤徹さんから寄せられてましたので、遅くなりましたがアップします。

◆都教委の横暴には怒りを通り越してあきれてものが言えない!

 2月17日(月)、被処分者の会・同弁護団は、再処分の取り消しを求めて都人事委員会に不服審査請求を行い、都庁記者クラブで記者会見をしました。記者会見には、都庁記者クラブ加盟社を始め12社が参加し、ました。請求人側からは、当事者4名、弁護団、被処分者の会事務局が会見に臨みました。  会見では、当事者、弁護士などからの発言(一部は下記参照)を受けて、各社の記者からも活発な質問がありました。

○最高裁で減給処分が取り消され敗訴したら、謝罪するどころか7、8年前の事案で戒告処分を出し直す、という都教委の横暴には怒りを通り越してあきれてものが言えない。

○戒告処分の経済的不利益は当時よりずっと重くなっている。これはイジメだ。

○学校現場の状況の悪化は目を覆うばかりだ。職員会議などで自由闊達な意見も言えない状況。校長が全て決めるので発言しても無駄だと発言する人もいなくなっている。

○行政に大甘の裁判所も都教委は「やり過ぎだ」と減給処分を取り消した。都教委の力で押さえつけるやりかたが断罪されたのだ。常識では考えられない都教委の対応だ。最終的な勝利を確信している。

◆早速、NHK首都圏ニュースが報道
   ↓
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140213/k10015227451000.html

国歌斉唱で再処分 取り消し求め請求
2月13日 21時16分

都立高校で行われた入学式や卒業式の国歌斉唱の際に起立しなかったとして、東京都教育委員会から戒告の処分を受けた教職員7人が「裁判の判決が確定し、いったん処分が取り消されたにもかかわらず、再び処分されたのは不当だ」として、13日、都の人事委員会に処分の取り消しを求める審査を請求しました。

請求を行ったのは、都立高校の教職員7人です。
7人は平成17年から翌年にかけて都立高校で行われた入学式や卒業式の国歌斉唱の際、起立しなかったとして、東京都教育委員会から減給10分の1、1か月の処分を受け、処分を不服として裁判で争っていました。そして、去年9月、「減給処分は重すぎる」とした判決が最高裁判所で確定したため、処分はいったん取り消されましたが、都教育委員会は「学校の規律や秩序を保つためには処分が必要だ」として、去年12月、7人に減給よりも軽い戒告の処分を改めて行いました。これに対して、7人は「再び処分を行ったのは不当だ」として、13日、都の人事委員会に処分の取り消しを求める審査を請求しました。
教職員らは記者会見で「8年から9年も前のことで改めて処分を出すことに怒りを感じる。そもそも思想、良心の問題を強制するのはおかしいので、これからも撤回を求めていきたい」と話し、今後、裁判で争うことも視野に入れているということです。

2/11 「教育の国家支配に反対する2・11大阪集会」は、約500名の参加で成功。

■2月11日に「教育の国家支配に反対する2・11大阪集会」が500名の参加で成功しました。大阪の山田さんの報告です。

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◆集会・デモ
集会と難波までのデモも含めて、「日の丸・君が代」強制と教職員処分に対決する意志を市民のみなさんとともに確認し、闘いの展望を切り開くものとなりました。
 また東京や全国のなかまのみなさんと今後のより強い連帯から全国ネット結成への具体的な行動の一歩ともなりました。
 三宅晶子さんの力のこもった講演や大阪の橋下・維新や安倍政権の「戦争する国」とそのための教育の国家統制の動きと闘う市民・団体の発言にも大きく力づけられました。 ご参加・ご協力頂いた全ての皆様に敬意と感謝の気持ちをお伝え致します。これからも2月末からの高校や小中学校での卒業式や被処分者の人事委員会・裁判闘争など、多くの取り組みにもご参加・ご協力をお願い致します。

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◆三宅晶子さんの講演を聞いて
★メインの三宅晶子さんの講演は、素晴らしいお話でした。
 古本屋で見つけた『前夜』10号の季刊誌に掲載された三宅晶子さんの「市民的不服従と抵抗の思想」の文に感銘を受け、反論書や陳述書に無断引用させて頂いていましたが、2月11日の講演は、「想起の文化」ということで、ドイツと日本を比較する年表をもとに、戦後日本の問題点を照らし出すものでした。

★「想起」とは、「過去のことをおもいおこすこと」です。「過去」とは何でしょう?
ドイツでは、「ナチの暴虐が引き起こした被害」であり、それに加担したドイツ人の「加害」のことです。日本では、「天皇制国家と天皇の軍隊の暴虐が引き起こした被害」であり、それに加担した日本人の「加害」のことです。

★ドイツでは、そのナチスの「世界史に残る戦争犯罪の加害」を記録し、絶えず「想起」し、自国で戦犯を裁きつづけてきました。日本ではどうでしょう?
日本人自身の手で戦犯天皇を裁いていないし、天皇ヒロヒトと天皇制の「戦争犯罪の加害」を記録し、「想起」もしていない。反対に、この「戦争犯罪の加害」がなかったという連中の跋扈を許している。

★ドイツでは、「国民としての共同想起」が、ドイツの国として、ドイツ民族として、ドイツ人一人一人として政治・教育・文化すべての領域で行われてきたのです。街角の標識や記念碑にいたるまで。日本となんという違い!
これは、日本人として、恥ずかしいことであり、「想起の文化」をつくりえずに、 68年間も、人間としての「恥辱」をさらして来ていると思いました。

★ここからの転換、それは、今の安倍・橋下の戦争への動き、『日の丸』『君が代』の強制に「抵抗することに確信」を持つことで切り開けると三宅晶子さんの話を聞いて考えました。

★その時に、配られた資料の中に黒田伊彦代表の基調報告の文があります。
「愛国心教育」とは、「神武建国神話で培おうとする」「皇国史観」が本質だと書かれています。また、入れ墨調査拒否で処分された大阪市交通局のYさんは、「君が代」不起立は「教育そのものだ」とメッセージに書かれています。熱い連帯のことばです。
ZAZAメンバーの野村さんは、「今回の『意向確認』」は「思想調査の強要」であり、これは人生で2回目。1回目の「38年前の心の負債を返す絶好のチャンス」「絶対に負けられない闘い」と書いています。
 また、「大阪ネットワークニュース第4号」の「口元チェック」通知を撤回せよの文
や、菅さん、梅原さんの文もなかなか光っています。編集長の意気込みが伝わってくるニュースです。
これら、資料が、ビラや書類の山に埋まらず、きちんと読まれて、保存ファイルに収
納されることを祈っています。

2014年2月12日水曜日

2014年2月8日土曜日

2/2 都教委包囲・首都圏ネットの2.2総決起集会 つづき

田無工業高校の自衛隊駐屯地宿泊防災訓練問題  練馬平和委員会・坂本さん
★田無工業高校(下の写真)の自衛隊駐屯地宿泊防災訓練について、「防災訓練」と称して「自衛隊体験入営」させたbことについての詳細な報告が、坂本さん(練馬区平和委員会・ウオッチする市民の会)からなされました。坂本さんたちは練馬区民として自衛隊をウオッチして30年になるそうです。坂本さんは防衛省・自衛隊もブラック企業だと言われました。

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★田無工高の生徒34名に対して教員6名、教育庁6名、自衛員24名で行ったところはどんなところか。
 自衛隊朝霞駐屯地(写真)は、北朝鮮のロケット発射というと、真っ先にパック3を入間基地とかいろいろの基地から朝霞駐屯谷集合させるところです。そこでは1日1万発の実弾を撃ったりしています。敵が攻めてきたら人を殺す訓練をするところです。確かに3.11とか鳥インフルエンザとかで活躍していますが、そういうこともやっているが防災が主ではない。「自衛隊の施設でしつけとか防災訓練とかやるのはおかしい。駐屯地の自衛官はだれもそう防災訓練やしつけをやるなんて思っていない。自衛隊はそういう組織ではない。消防がやればいい。」

★宿泊施設にはイラク派遣の時、自衛隊員が旭川とか全国から朝霞にきて泊まり、最後の訓練をしていました。プレハブの建物をつくり、ドアを蹴破って突っ込んでいく訓練を学校(朝霞高校、新座総合高校)の目の前でやっていました。そこからイラクに発っていったのです。家族は生徒たちが泊まった外来宿舎に泊まりました。

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★当日、私は朝早く起きて自衛隊のフェンスのところで写真を撮り続けていました。都立高校の高校生がそんなことをやるのは前代未聞のことだからです。どんなとをやったのか。やったことはひとつなのに、都教委の出した「服務命令書」と防衛省の文書とでは大きな違いがあります。(資料参照)
 例えば、高校側の「復命書」で「部屋の使い方などの説明」とあるところは、自衛隊文書では「基本教練教育予行(停止間、行進間の動作)」となっています。また、「基本的な生活、グループ学習」とあるところは、自衛隊文書では「基礎教練(停止間、行進間の動作)」です。この基礎教練とは何かというと「行軍(行進訓練)」です。A地点からB地点に移動するだけです。自衛隊用語では「行軍」です。高校生がやったことは行軍。しかし、復命書ではそんなこと書いてありません。行軍は防災訓練ではない。また、都教委「復命書」で「課外学習(部屋の使用方法等)」とあるのは、自衛隊文書では「着隊指導(ベッドメイク、点呼の要領等教育)となっています。ベッドメイクというのは自衛隊では重要な軍事訓練です。ホテルなどのベットメイクではない。行軍とベッドメイクは入隊訓練、自衛官になるための予備訓練です。防災訓練ではありません。最後の日に何をやっていたか。子どもたちは隊員と一緒に走っている。「全体とまれ」とか。
 都教委は「しつけ」なんて言ってるけれど、そういう訓練がしつけか。自衛隊はいじめ、パワハラ、セクハラ当たり前。事故があつたら命令がなければ動かない。そういう組織なんです。
 僕が写真を撮っていたんですがヤメロとは言わない(言えない)。
そして、明日2/3から3日間江東区の運動施設で自衛隊が参加した防災訓練がある。女性も20名参加して、今度は2年生全部がやる。
 私は見学を要請しましたが、やっと3日目の午後だけ許された。いろいろ制約事項が書いてあった。おかしい。でも、前とちがうかなど取材・見学に行く。

★自衛隊員は国防軍に悩んでいます。国防軍にはいるとは思わずに自衛隊に入ったわけです。私たちはビラを撒いていますが、上官からはアカのビラなどとっちゃいけないよと言われているけどビラを結構とります。
 こういう私たちの不断の努力が必要だと思います。運動をしていくことです。

●「秘密保護法も共謀罪も盗聴法もいらない」 破防法・組対法に反対する共同行動の安藤さん。
 2005年~2006年頃、包囲ネットが国会前で教育基本法を改悪反対の闘いをし、共同行動が共謀罪新設反対の闘いをしていていた。その時の縁で、「日の丸・君が代」の強制も共謀罪も憲法違反で、戦争への道、民衆の管理強化の道だ、個々の課題を越えて共闘していきたいと連帯の決意が述べられました。
 安藤さんは昨年12月に秘密保護法が制定された以降、治安立法の制定・強化、共謀罪新設、盗聴法の拡大が準備され、国会上程がもくろまれていることに警鐘を鳴らし、これに共同して反撃していこうと発言されました。

●その後、会場から、宮城県の小学校教員の土屋さんの、軽妙で、楽しい、それでいてすごい闘いについての発言がありました。。
小野さん(愛知県の元教員)から、集会の総括的発言と、4月に全国ネットの集会を開催する提起がなされました。

<集会名> 「許すな!『日の丸・君が代』強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 4・2全国集会」
<日 時> 2014年4月20日(日) 13:00~17:00
<場 所> 東京・日比谷図書館文化館(日比谷野音隣りの日比谷図書館・地下)
<講 演> 高橋哲哉さん(東大教授)
<内 容>(予定)・高橋哲哉さんの講演/ ・全国からの報告/ ・闘いの提起/ ・全国ネットについて/ ・そ       の他
   *翌4月21日(月):午前…文科省要請、午後…都教委要請
<主催> ・「4・20集会」実行委員会
     ・許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク(準備   会・仮称)

●このほか、包囲ネット事務局から、卒業式のチラシ撒きの行動呼びかけ、集会決議、集会の閉会挨拶を行って、集会を終わりました。

⑮青木
 参加者も多く、内容も充実し、東京のみならず大阪、全国、さらには市民運動とも連帯し、ともに闘う決意を固め合う「総決起集会」になりました。頑張りましょう。

2014年2月6日木曜日

2/2 都教委包囲ネット「2・2総決起集会」の報告の続き

⑤シツキ 

写真:高橋さんの講演についての質疑

■「現場からの報告」
●「『君が代』不起立と闘うということ」 板橋支援学校の田中聡史さん
 田中さんの報告についてはこれまでも紹介していますので割愛しますが、都教委や校長はこの集会でみんなに知らされるのを恐れたのか、田中さんに対して1月31日(金)に「2月3日(月)朝校長室に来るように」と言ってきました。

 2/3に田中さんが行ってみると、副校長立会いのもとで、「職務命令に従って職務を遂行するように」「卒業式では「国歌」斉唱時に、どうするつもりか」「2012年の最高裁判決で職務命令が合憲だとされたことは理解しているか」「公務員としての立場をわきまえて行動するように」などのことを言ってきたようです。
 それに対し田中さんは、「卒業式でどのようにするかは今のところ決めかねているので何ともいえない」「起立斉唱の職務命令は思想および良心の自由の制約となるので、
  文書による命令は出さないでほしいと願っている。」と返答したということです。

田中さんへの不当・執拗な攻撃が始まりました。
田中さんを支援するために、田中さん(美術の教員)の彫刻作品の「絵はがき」(2枚、300円)が完成しました。改めて協力依頼をしたいと思います。

●「職場はいまどうなっているか」 業績評価裁判で勝利した世田谷の大嶽昇一さん
 昨年9月から現場の管理職や教員たちに話を聞いてまとめた『今、学校現場は 現職の先生たちの生の声です』という詳しい資料を出され、話されました。
 この資料には、<管理職><現職教員><若い教員>それぞれの声が載せられています。
★ある副校長は次のようなことを述べています。
「勤務時間が毎日12時間以上である」「体調が悪くても、通院する時間がなく、日々薬等を処方して、仕事を続けている」「副校長から『教諭』へと自ら降格人事を希望する人が多い」「相談する人が回りにいない。いつも、一人で悩むことが多い」などなど。

★若い教員は次のようなことを述べています。
「<数値目標>いつも言われます。『学級通信を何枚出したか』、『給食の完食率100%か』、『図書の本を学期1人が10冊以上借りている』、『おはようのあいさつが、クラス全員の子が大きな声で言える』など。実際にどの先生も数値目標達成しているのかなあといつも疑問に感じています。」「子どものためにと思って学校の先生になったのですが、現実は違いました。時を考えて教員を止めます。自分が駄目になってしまいます。」などなど。
★また、大嶽さんは、この1月香川県で、藤田英晃先生が「勤務評定裁判」で勝利したことを報告しました。 

●「『君が代』不起立減給処分取り消しでも再処分(戒告)」 Fさん(割愛します)
⑨福嶋

●「授業していたのに処分」裁判で勝利確定 福嶋常光さん(割愛します)  写真

●大阪から「橋下大阪市政・松井大阪府政・維新の会との闘い」について
 「『君が代』強制反対・大阪ネット」の被処分者ら4人の教職員から
山田肇さんは攻撃の概略と闘いについてはなされました。
「2011年に橋下の「君が代」条例が出されて、それから2013年3月までに職務命令に違反したとして約50名が処分されている。3回違反したらクビとなっている。再任用の拒否とも闘っている。今年から「口もとチェック」として歌っているかどうかを調べることもやろうとしている。
 大阪では、最高裁の判決以前に大阪高裁の確定判決=「歌うことの強制は内心の自由を侵す可能性が高い。従って歌わない自由も尊重されなければならない」があるので、処分撤回署名を出してたたかっている。」と。

大阪 

辻谷博子さん(元高校教員)の発言。
 橋下の府条例に対してある政治学者は「大阪は新自由主義の実験場にされようとしてる」と言いましたが、本当にそうなった。安倍教育改革の先兵として橋下の行為があった。2011君が代強制条例、2012職員基本条例(処分条例、府立学校条例、教育基本行政条例、教育基本整備条例、が出された。教育公務員の管理支配と公教育のコストダウンをはかるものだった。
 私は2012年、「君が代」起立斉唱に反対、条例は許せないと思って座った。処分取り消しだけでなく条例が憲法違反であることともたたっていく。運動が大事だ。

佐藤訓子さん(元小学校教員)
 「東京で田中聡史さんは戦い続けている。大阪でも闘っている。きちんと口元にチャックをして堂々と座り続けるしかないと思っている。すでに子どもたちは立たされ、歌わされもいる。私たちは天皇の臣民にも赤子にもならない。子どもたちを天皇に命を捧げる者にしてはならないと思っている。」

吉田正弘さん(府立高校教員) 
 「去年20年ぶりの卒業式の担任だつた。今年は外回りにされた。大阪では弁護団が気合いが入っていて、2回処分を受けたら、差し止め訴訟をすると言ってくれていて、誰が処分を受けてもすぐ訴状を提出する体制が出来ている。この木曜日、職員会議で校長に対して「教員ひとりひとりの前に来て口元をチェックするのか」と聞いた。校長は「致しません」言った。管理職は「維新の凋落があり、風向きは変わっている」と言っている。闘いに寄って「風向き」を変えていこう。」

続く。

2014年2月5日水曜日

2/2 『日の丸・君が代」強制反対!教育の国家支配と闘おう!2・2総決起集会』開催

■2月2日(日)午後、都教委包囲・首都圏ネットワーク主催で、卒業式を前にした恒例の「総決起集会」を開きました。主催者の「予想を超える130名}が参加しました。
主催者仲間と「これは情勢に対する人々の危機感の反映ではないか」と話し合いました。

全体

◆集会の内容

午後1時開催の集会では、まず<基調報告>として包囲ネットの永井栄俊さんから「都教委『改革』における新たな段階(教育改革の流れと問題点)」が報告されました。
この中で、都立高校の教育が、現在いかに民主教育と程遠いものになっているかを「宿泊防災訓練と自衛隊の連携問題」「生徒指導統一基準(規律規範・道徳の徹底→生徒処分の厳罰主義)、「学力スタンダードの導入」、「教科書の統制」「学習指導要領の改定」等を示して明らかにしました。また、それを貫徹するために、都教委は教職員の管理支配を強化し、超過勤務、働く権利のはく奪等々を行っているも指摘しました。
つまり、教職員から生徒まで、教育内容を含めすべてがんじがらめに統制され、まさに「ブラック企業化する教育現場」になっているのです。

③

■ついで、埼玉大学准教授の高橋哲(さとし)さんによる講演が行われました。
タイトルは「憲法『改正』と安倍政権の教育政策の流れ」でした。
この講演は、大変わかりやすく、かつ全面的で、内容豊かなものでした。
とてもここでは紹介しきれませんが、概要のみ以下に紹介します。

★まず、「はじめに―安倍政権のめざす教育改革とは―」として、その主軸は「新自由主義」にあると述べられ、それはこれまでの「生きる力」から「行き抜く力」という言葉にも表れていると述べられました。そうして、「改革」の狙いとして、
 ①エリートの早期選別・教育財政の重点投資 
 ②新自由主義教育改革を実行するための支配体制作り
 ③新自由主義に伴う社会病理への治安対策としての保守主義・復古主義教育が挙げら  れると述べられました。

★次に、「Ⅰ憲法改正の狙い―復古主義と支配体制の強化―」として、参加者全員に配布された自民党の「日本国憲法改正草案」の条文に沿いながら、具体的に説明されました。
ここはこの講演の圧巻でしたが、次のような柱建てで説明されました。
(1)復古的・保守的国家への回帰
   ここでは、「天皇」「国旗国歌」「国防軍」「靖国国家神道」「家族」「外国人参政権」  などの扱いについて、具体的にどうなっているかが説明されました。

 (2)国民支配の国家体制づくり ー統治機構(ガバナンス)の改革ー
    ここでは、「立憲主義の形骸化」(改正手続、国民の憲法尊重義務)「人権制約   の強化」(「公共の福祉」から「公益、公の秩序」へ)、「統治機構の改革」(内閣   総理大臣の権限強化、緊急事態宣言、道州制)などが説明されました。
 (3)国民の支配体制としての教育―憲法26条新3項の意味―
    ここでは、3項に「国は、教育が国の未来を切り拓く上で欠くことのできない   ものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない」という文言が   付け加えられ、「国民の権利としての教育」から「国家の道具としての教育」へ、
   したがって「条件整備」ではなく、自由主義教育改革を遂行するための「環境整   備」となっている、ことなどが説明されました。

★次に、「Ⅱ安倍政権の教育改革」として、次のような柱建てで説明されました。
 0、安倍政権の教育改革案の策定主体 ここでは、実質的には、自民党の「教育再生  実行本部」が担い、そこが打ち出したものが具体化されていると説明されました。 1、新自由主義教育改革の展開―エリートの早期選抜と重点投資―
   ここでは、「6・3・3・4制」の見直し、大学改革が説明されました。
 2、新自由主義教育改革を推進する支配体制の形成
   ここでは、<教育委員会の諮問機関化と首長による教育長任命><教員統制の強  化>、<教科書検定・採択制度の改定>などが説明されました。
 3、治安対策としての国家主義・復古主義―道徳教育の強化―
   ここでは、<道徳の教科化と教科全体の道徳化>、<治安対策としての「いじめ  対策」>が説明されましたが、「いじめ」は新自由主義的教育改革による病理であ  り、それはこどもたちの「社会的反乱」のようなもので、これに対する治安維持と  しての「いじめ防止対策」であると指摘されました。
★おわりにー安倍政権の何が問題かー
  ここでは、<「イデオロギー」の問題ではなく、「教育の支配」の問題><教育を  まもる親・市民とのつながりの重要性><「ハードルの低い」政治課題での共闘を  >ということが強調されました。

高橋哲さんの話はかなり頭を整理させるものでした。つづく。

2/11 大阪集会に集まってください。

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2/1~2/2 「日の丸・君が代」問題等全国ネットの形成に向けた第二回目の準備会開かれる

■2月1日午後~2日午前、東京しごとセンター(飯田橋)で、「全国ネットの形成」に向けた話し合いが行われました。渡部さんの報告です。

◆各地からの報告
 会議では各地の情勢が語られましたが、この間の安倍政権の暴走に対し、人々が危機感を抱き声を上げつつあることがわかりました。
●大阪でも、「橋下市長の求心力が落ちてきており、中原教育長も『口元チェック』に逃げ腰になっている。校長たちも彼らについっていったらとんでもないことになると思い始めた」ということです。

●基調提案の論議では、「ネットワーク」の性格などについて、
活発な意見交換がなされました。
★その中で、
 ・教育現場の人々の要求を吸い上げていくことが大事。
 ・若者たちが置かれている労働現場がどういう状況になっているかを知らなければな  らない。
 ・教員だけ、わかるものだけの運動になってはいけない。
 ・戦争できる国への突破口が「日の丸・君が代」だ。
 ・その強制は、教員を介して生徒・保護者に移りつつある。
 ・ゆるやかな形のネットワークがいいのでは。などの意見が出されました。

★「運動の柱」(経過について)などについても意見が交換されました。
 この全国ネットは、昨年2月大阪で行われた『「日の丸・君が代」強制えんかい!「競 争」「強制」の教育でええんかい!私たちは黙らない!2・11全国集会』で呼びか けられました。
★それを受けて、昨年8月東京で行われた『第四回「日の丸・君が代」問題等2013年全国学習交流会』で、具体的な動きを開始する提案が行われました。
★それを受けて、昨年11月大阪で、第一回『「日の丸・君が代」強制。処分を許さず、 安倍政権の改憲・教育破壊に反対する全国ネットワーク(準備会・仮称)をめざす全 国会議』が開かれました。
★今回の会議は第二回目の準備会会議となりました。

★今後の具体的な取り組みとして、以下の集会を持つことが決定されました。
<集会名> 「許すな!『日の丸・君が代』強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 4・2全国集会」
<日 時> 2014年4月20日(日) 13:00~17:00
<場 所> 東京・日比谷図書館文化館(日比谷野音隣りの日比谷図書館・地下)
<講 演> 高橋哲哉さん(東大教授)
<内 容>(予定)・高橋哲哉さんの講演/ ・全国からの報告/ ・闘いの提起/ ・全国ネットについて/ ・そ       の他
   *翌4月21日(月):午前…文科省要請、午後…都教委要請
<主催> ・「4・20集会」実行委員会
     ・許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク(準備   会・仮称)