お知らせ

拡大表示の方法: キーボードの「Ctrl」キーを押しながら「+」キーを押します。
縮小表示の方法: キーボードの「Ctrl」キーを押しながら「-」キーを押します。

2020年12月15日火曜日

お知らせ 2021年2/7に総決起集会を開催します。

2021年2/7(日) 午後、都教委包囲ネットは総決起集会を開催します。
みなさんご参集ください。

























































2020年12月13日日曜日

11/26 都教委定例会 渡部のコメント

■11月26日の都教委定例会についての、渡部さんのコメントを紹介します。

11月26日の東京都教育委員会で、「オリパラ教育」や「五輪観戦」、「ボランティア」は既定方針通り進めることが確認された。

それを受けて11月30日に都教委は、『令和3年度オリンピック・パラリンピック教育の実施について』という通知を現場に出した。

そこには、次のようなことが述べてある。

 東京2020大会の開催年である令和3年は、本教育の集大成の一年となります。 これまでに各学校が実践してきた本教育を総括し、大会終了後はレガシーとして各学校の教育活動に引き継がれるよう、本事業の趣旨を御理解の上、ご協力をよろしくお願いします。

そして、

1、対象校 都内全公立学校

2、事業内容 (これまで出されているものなので略するが、「ボランティアマイ ンド」が第一になっている)

3、事業期間 令和3年4月1日から令和4年3月31日まで

4、予算規模 令和3年1月下旬に通知予定

5、事業の進め方

  (1)年間指導計画等を作成し、年間35時間程度を目安として、組織的・計画的に実践する。

  (2)(3)略

6、・・子供の競技観戦(学校連携観戦)について

(1)事前・事後学習の充実

(2)教育課程上の位置付け

(ア)学校連携観戦は、原則、特別活動の学校行事(3)健康安全。体育的行事に 位置付けて実施する。

(イ)教育課程届の年間行事計画に「学校連携観戦」と記載する。

(3)・・引率教職員の服務の取扱い(基本的には「出張」で、休日の場合は代休日を指定)

7、・・・Q&A

  (あくまでも五輪実施を前提に「67項目」に渡って述べてある。

 「13」のところには、

 Q:新型コロナ感染症の収束が見通せないが、学校連携観戦はどうなるのか。

 A:・・現在、大会組織委員会では、大会全体の「安全・安心」「簡素化」等を運営方針とし、大会開催に向けた準備や検討を進めるとしている。学校連携観戦についても、大会組織委員会等と実施に向けて検討しており、引き続き関係機関と検討していく。と述べてある。)

〇現在、日本でも世界でもコロナ感染は拡大の一途をたどっている。なのに、都教委はあくまでも五輪実施を前提に、来年は「オリパラ教育」の集大成の年と位置付けている。

これでは、「三密を避ける」とか「五つの小」どころではない。子どもたちをコロナの禍中に投げ込むようなものである。まさに、「インパール作戦」の現代版に他ならない。 

12/10 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

12月10日(木)都教委定例会の根津公子さんの傍聴報告です。

●都教委報告

■服務事故防止は都教委の教員・学校支配の見直しから

 今日の議題一欄を見て目を引いたのは、非公開議題の「懲戒処分者数等の推移及び服務事故防止に向けた主な取組について」。月2回の定例会で懲戒処分案件(議案とされるのは停職~懲戒免職、報告とされるのは戒告~減給)が議題にのぼらなかったのは、私の記憶では9年以上傍聴してきて1度もない。「君が代」処分は、今年度はゼロなので、体罰やわいせつ、金銭の不正受領、飲酒運転等の非違行為による処分ばかり。

 都教委の方針・指示に従って、教員は自己申告書を提出し、研修を積み技量を蓄えているはずなのに、こうした非違行為が減らない(どころか、増えているのではないかと私は思う)のはなぜか。主任、主幹、副校長と昇進していく者の非違行為が少なくないのはなぜか。これらの考察を経たうえで「防止に向けた取組」が報告され論議されたのだろうか。きっと、否。考察抜きの取組は、何度行っても無駄というものだ。子どもも大人も、居場所があり活動が充足されれば、問題行動に走ることはほぼないはず。とすれば、教員の働かせ方を見直すとなるはず。懲戒処分が減らないのは、都教委の教員・学校支配にあるのは間違いない。

 そもそもこの議題が公開されて支障を来たすことはないはずで、公開してもらいたい内容だ。都教委HPの「服務事故」欄に被処分者の学校名が記載されるのは、「君が代」処分のみ。わいせつや金銭の不正受領で懲戒免職にされた者についてさえ、個人名はおろか、学校名も明らかにされないのだから、公開議題にしていいはずだ。

 さて、今日の議題は、議案が「立川国際中等教育学校附属小学校設置(2022年度)に伴い設置条例の一部を改正する条例等の立案等について」(新たな内容はないので略)。報告「都立校入学者選抜等における新型コロナウイルス感染症対策(追加)について」と「今年度都教育委員会職員表彰について」。

①「都立校入学者選抜等における新型コロナウイルス感染症対策(追加)について」

 すでに都教委HPに掲載済みなので詳細はそちらを。

  登校時に受検者の体温をサーモグラフィーにより計測し、発熱がみられる場合は別室等で検温。37度以上37.5未満の高校受検者には追検査の受検を促すが、当日の受検を希望する場合は別室受検とする。37.5度以上の場合は受検を認めず、追検査の受検を促す。中等学校及び中学校受検者は別室受検とする。37.5度以上の場合は受検を認めない。高校受検は追々検査まで定める、等々。

 報告を受けて「受検校の教員が感染していたら、どうするのか」との質問に、事務方の回答は「教員には日々、健康管理をさせている」のみ。PCR検査をして万全の態勢をとってもよさそうなのに、そうは言わなかった。

②「今年度都教育委員会職員表彰について」

 「都の教育の発展、学術、文化の振興に貢献し、その功績が顕著で、かつ勤務成績の優秀な職員及び優れた教育実践活動・研究活動を行っている学校・グループの功労をたたえ、表彰する」ことを目的に、毎年この時期に表彰。今年度は100名10団体。特別支援教育、ICT教育等、都の方針に沿っての表彰が多い。

 教育委員の一人は、「今年はコロナ禍で学校は全員ががんばった。ねぎらいの言葉を都教委から出しほめてあげたい」と。事務方も「検討する」と応答した。表彰をありがたがる、誇りに思う教員がかなりの数存在するのだろうけれど、表彰で釣るのも釣られるのもさもしいとしか私には思えない。教育委員のこの発言・発想もしかり。


●次に総合教育会議の傍聴報告

■子ども・教員の現実を観ていない机上の空論

 総合教育会議は知事と教育委員が教育政策について協議・調整する会議であり、召集は知事が行う。首長が教育に介入できるよう、文科省が2014年に教育委員会制度を改編し、総合教育会議を開催するに至ったのだ。今年度3回目の総合教育会議だった。

 今日の議題は、「次期『東京都教育施策大綱』骨子案について」。                  

骨子案の柱は、「誰一人取り残さず、すべての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育を目指して」。

子どもたちが担うことになる「未来の東京」の姿はア)多文化共生社会の進展とイ)先端技術の社会実装の進行。それに加え、コロナからの復興でサステナブル・リカバリー(持続可能な回復)の視点が重要といい、「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」「Society5.0時代の人材育成プロジェクト」「GLOBAL Studentプロジェクト」を進める。その実現のため、「東京型教育モデル」で実践する特に重要な事項は次の6点だという。1)一人ひとりの個性や能力に合った最適な学の実現 2)Society5.0時代を切り拓くイノベーション人材の育成 3)世界に羽ばたくグローバル人材の育成 4)教育のインクルージョンの推進 5)子供たちの心身の健やかな成長に向けたきめ細かいサポートの充実 6)子供たちの学びを支える教師力・学校力の強化骨子案に対して各教育委員が自身の見解を述べた。

「『都教育施策大綱』骨子案」も教育委員の発言も多くは、子どもや教員の現実を観ていない机上の空論で、とにもかくにもICT教育・ICT活用の早期実現を目指しているということのよう。ICTにかけるお金は教員の大幅定員増に回し、子どもたちが教員に話を聞いてもらえる時間を生み出すことこそ、必要と思う。

 今回初めて大事な発言をした教育委員がいた。4)教育のインクルージョンの推進についての発言だった。この教育委員は特別支援教育の充実についてこれまで度々発言してきたが、インクルージョンの視点からの発言は今回が初めてだった。氏は、「特別支援教育は充実してきたが、一方で、地域から社会参画から外される危険をはらむ。誰一人残さず社会参画できるように、特別支援学校に入学した後、地域の一般の学校へ転入学できるようにすべき」(要旨)と。氏は、国際的認識の上に立ったインクルーシブ教育の考えを持っていたのだった。

 ならば、特別支援学校の増設、すなわち、手のかかる子ども、学習に遅れの出る子どもを特別支援学校に送る分離教育が特別支援教育の充実と誤認識する都教委に対して発言し、教育委員の間で論議を起こし深めてほしい。それこそが、有識者である教育委員のあるべき働き方と思う。長いこと、定例会や総合教育会議を傍聴してきて、初めて貴重な発言に接することができた。

11/26 都教委定例会 根津公子の都教委傍聴記

11月26日に行われた都教委定例会を傍聴した根津さんの報告です。

■オリ・パラ教育、観戦とボランティアへの動員に反対の声を

公開議題は、議案が「『東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質の向上に関する指標』の改訂について」、報告が「都民の声(教育・文化)について 今年度上半期」、「来年度教育庁所管事業予算見積について」。

後述するが、都教委はオリンピック観戦もボランティア体験も子どもたちにさせる、と張り切る。非公開議題・報告にはいつもながら、教員の懲戒処分案件があった。

■「『東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質の向上に関する指標』の改訂について」

 「教員の体系的かつ継続的な研修を充実させていくための環境整備が急務」だとして、2016年に文科省が教育公務員特例法に「資質の向上に関する指標の策定」を加えた。それを受けて、都教委は17年に策定。今回の改定は、これまで「教諭」とひと繰りにしてきた職種から、養護教諭版、栄養教諭版を分離独立させ、また、栄養教諭にも校長登用の道を拓いたこと。

 「指標」は養護教諭(採用1~3年)で言えば、「学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童・生徒理解に基づき、学級担任と連携し、養護教諭の専門性を生かした保健教育ができる。」「学校保健計画の策定など、組織の一員として校務に積極的に参画できる」など10前後の指標をあげる。

 自己申告・面接の際にはこの指標に沿って教員は自己申告をし(年度初めには目標・抱負を、中間、年度末には自己評価を)、校長は助言・評価をするということのよう。

 こんなことを学校側に課して、学校が子どもたちにとって安心して学び生活できる場になったか。その考察なくして改訂版を出しても、教員管理を強めるだけ。管理を強めれば教員はさらに疲弊し、それが子どもたちに影響する。いじめや不登校の要因は社会や家庭にもあるだろうが、学校の管理体制・それによる、教員の子どもとの人格的接触の減少に主因があるのははっきりしている。

■「都民の声‘(教育・文化)について 今年度上半期」

 今年上半期の声は例年の2倍以上の8800余件。新型コロナウイルス感染防止に関するものが最多。請願は14件。うち、教科書採択(育鵬社の歴史・公民、自由社の公民、日本教科書の道徳教科書は採択しないで等)が4件、都立高校定時制課程の存続が1件

 陳情では「特別支援学校の医療的ケア児専用車両について、希望するすべての生徒が利用できるようになるまでは、タクシー・介護タクシーを就学奨励費の対象として利用できるように」等、障がい者教育の充実に関してが最多。他に、オンライン教育の早期推進、教科書採択について(請願と同趣旨)、「日の丸・君が代」の強制と教員処分の撤回を求めたもの。

 例えば、「都立高校生が駅構内の飲食店に複数で来店して、マスクをせずに大声で話したり、通路を塞いだり…店員が注意しても改善されなかった」という苦情に対しては「当該校では、直ちに今回のご指摘の内容を校内放送で伝え、改めて…注意喚起を行うとともに、…当該生徒に対し…個別指導を行った」と報告する。しかし、都教委の方針に反する、教科書採択や都立高校定時制課程の存続についての「請願者への通知」は、新たに検討したとはおよそ思えない文面だ。形だけの、ガス抜き装置の「都民の声」でしかない。

■「来年度教育庁所管事業予算見積について」

 新規事業として、ICTを活用した教育の推進に155億、小学校教科担任制の推進(推進校において実施)に7200万、理数教育の充実(理数教育の重点校の指定)に1600万円ほか。文科省方針に沿ったものばかり。

 他に、オリンピック・パラリンピック教育の推進に53億。コロナ感染が収まる見通しのない中、オリンピックは開催できない・すべきではないと多くの人が思っている。なのに、都教委は年35時間のオリ・パラ教育を続けるだけでなく、「オリンピック・パラリンピック教育の集大成として、子供たちが東京2020大会で競技を直接観戦し、その感動を掛け替えのないレガシーとして築いていくため、公立学校の子供たちの大会観戦チケットを確保する…」「都内公立中高生のボランティア意識を高め、ボランティア文化の定着・裾野拡大を図るため、東京2020大会における中高生のボランティア体験の機会を確保」と平然と謳う。どういう神経か! 感染の危険と隣り合わせの中、観戦もボランティアも子どもたちにさせるというのだ。命よりもオリンピックの成功が都教委(都)には大事ということだ。

 この方針に対し、教育委員の誰一人からも感染を心配する発言はなかった。感染の心配なし、と思ってはいないだろうに、発言しない。そのことも恐ろしい。かん口令が敷かれている? 戦時下のようだ。私はそう思う一方で、私の理解が間違っているのかと不安に駆られ、何度も資料を読み返した。私自身が戦時下に置かれたような錯覚をした。

 コロナ禍の中の今年の卒業式は、呼名もお祝いの言葉も省略し大幅に時間を短縮した。しかし、都教委は「君が代」起立斉唱については実施を指示し、結果、全都立校がそれに応じた。命よりも「君が代」=国家優先の卒業式を行ったのだ。アベの一斉休校下であり、感染を心配した人は多かっただろうに。「君が代」、オリンピックは都教委の方針。その方針達成のためには、命は軽視するということだ。

 オリ・パラ教育、観戦とボランティアへの動員に反対の声をあげていかねば。