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2022年5月31日火曜日

紹介  書評や演劇評 包囲ネット・事務局の渡部さんから

 紹介  書評や演劇評 包囲ネット・事務局の渡部さんから

■書評『ルポ 大阪の教育改革とは何だったのか』(永尾俊彦)=岩波ブックレット580円

この本は、大阪での橋下維新によるこれまでの新自由主義的「教育改革」に対し、ついに現場の校長の異議申し立て(久保敬校長の「提言」)が始まったことを紹介し、これまで進められてきた新自由主義的「教育改革」がいかに教育の名に値しないものであるかを、

簡潔にまとめられたものとして、大変意義のある本である。


久保校長は「提言」で、「学校は、グローバル経済を支える人材という『商品』を作り出す工場と化している」と述べている

また、大阪の元府立高校教員の井前弘幸さんは、今後さらに「GIGAスクール」構想が進めば、教育は「結局、個人の一生を政官財で管理する『人材カタログ』作り」というものになってしまうであろうと述べている。

この本では、アメリカでの新自由主義的「教育改革」とそれへの反対運動を取り上げた

『崩壊するアメリカの公教育——日本への警告』(岩波書店、2016年)も紹介されている。そして、著者・鈴木大裕さんは、久保校長の「提言」を読んだとき、「『いよいよ日本でも狼煙(のろし)があがったか』と思ったそうだ。」と述べている。

日本における新自由主義的「教育改革」の先頭を走る大阪から、それに反対する「狼煙(のろし)」があげられたことは確かだろう。

その久保元校長が、5月18日に「レイバーネットTV」に出演する。

 ●レイバーネットTV・第169号放送

<特集 : 維新の「競争教育」はアカン!大阪からのレポート>

・放送日 2022年5月18日(水)19.30一20.50(80分)

 YouTube配信サイト アーカイブ https://youtu.be/OawOYUg9ocQ 27分過ぎから教育についてが開始


■映画『教育と愛国』を観た

これは、2006年の教育基本法改悪以来、「民主主義教育」が愛国心を盛られた「国家主義教育」に改悪され、それ以来教育の国家統制がいかに強化されてきたかを告発し、日本の教育が現在どういう状況下に置かれているかを浮き彫りにするものであった。

 映画館(UPRINK吉祥寺)の小劇場はほぼ満員だった。

たしかに、現状を打破するのは困難である。しかし、この現状に心を痛め、何とか打開しようと、現在多くの人々が闘い、狼煙(のろし)をあげていることも確かである。

■演劇評 青年劇場の『真理の勇気~戸坂潤と唯物論研究会』

青年劇場の演劇を観た。その<ごあいさつ>の中には次のようなことが述べてあった。

★ロシアがそうであるように侵略戦争に歩み出した国は、内政で翼賛体制を強め、報道管制を敷き、反対勢力への弾圧を行います。1930年代の日本はまさにその状況の中にありました。

唯物論研究会が、岡邦雄、三枝博人、戸坂潤を中心に結成されたのは、満州事変の直後、1932年10月23日のこと。小林多喜二が築地署で殺されたのが翌年2月。そこから唯研が解散する1938年までの間に、中国での戦線を拡大しながら、近衛内閣の発足等で翼賛体制と強めていき、1940年の政党解散、大政翼賛会の組織に至ります。

 私たちがこの時代から学ぶべきことはまだまだ汲みつくせないのではないでしょうか。そんな思いをのせての公演です。

会場には満員ではなかったが、多くの観客が集まり終演後の拍手もしばらく止まなかった。

★この劇は、岩倉博氏が書かれた『ある戦時下の抵抗』(2015年、花伝社)をもとに作られている。そして主人公は哲学者・戸坂潤(1900~1945)である。

劇の中で、戸坂は繰り返し「科学的精神」、「唯物論」の重要性を述べる。彼は、『日本イデオロギー論』(1935年)(岩波文庫にある)の中で、当時の「日本主義」を批判し、次のようなことを述べている。

……「日本主義的イデオロギー程、範疇論的に云って薄弱な観念体系はない…薄弱な点の第一は、日本主義が好んで用いる諸範疇(日本・国民・民族精神・農業・<神ながら>の道・<神>・<天皇>・その他都合のよい一切のものの雑然)が、一見日本大衆の日常生活に直接結び付いているように見えて、実は何等日常の実際生活と親和・類縁関係がない、ということだ。…

――日本の国粋主義イデオロギーの範疇使用法における弱点は、寧(むし)ろその古代主義(Archaismus)とでも云うべきものの内に横たわる。国粋的な体系を建設するためには、現代の国際的な(普通外来欧米思想と呼ばれる)範疇では都合が悪いのでわざわざ古代的範疇が持ち出される。国学的範疇や<絶対主義>的範疇が之(これ)である。

処(ところ)がこの古代主義は往々脱線して凡(およ)そ国粋とは関係のない遠い云わば国粋的外来思想への復帰をさえ結果する。漢学的、シナ仏教的、原始仏教ーーバラモン的、

範疇をさえかつぎ出そうとするのである。

……それは如何にももっともらしく意味ありそうなポーズを示す、ところが実はその内容に這(はい)入って見るとほとんど全くのガラクタで充ちているのである。

これらの指摘は、最近の「愛国心」や「日本人」強調の動きにも当てはまるであろう。そこには「科学的精神」は見られないのである。

★岩倉氏の本の中には、当時『日本唯物論史』(1936年)を書いた永田広志(1904~1947)の名も出てくる。彼はその書で、江戸時代以降、昭和初期までの唯物論の導入・変遷をまとめている。

江戸時代については次のような記述がある。

戦国時代以来の西洋医学の移入、次に洋学の禁止、更に徳川中期における西洋自然科学の研究の解禁、西洋医学や天文学の活発な移入、進歩は、それぞれ各時代の歴史的条件、社会的必要によって制約されたものであって、徳川時代の後期における洋学の著しい進歩の原因を、単にそれに先行せる儒学に帰すのはもちろん誤謬である。

儒教の陰陽五行説の如き自然哲学は洋学の移入の妨害物でさえあった。

だがそれにも拘わらず、儒合的理主義が、その仏教的神話に対する批判の精神が、西洋自然科学の受容を容易にした一つの条件であることは疑われない。

そして徳川時代の後半に、ヨーロッパの自然科学、なかんずく天文学がかなり深く知られてくると共に、山片蟠桃(ばんとう)の如き思想家は、地動説に基づいた自然科学的宇宙論の立場から東洋古来の神話的自然観の迷妄を暴露した。

同時に彼はその自然科学的世界観に依拠して、従来の儒者による仏教的神話観念に対する批判を無神論にまで徹底させた。

★明治以降、唯物論的思想が重要な潮流になるが、そこでは福沢諭吉、加藤弘之、中江兆民、堺利彦、幸徳秋水、山川均、三木清、河上肇らが検討され、次のように述べられている。

「現在では日本の唯物論哲学者は、デボーリ派および機械論者に対するソヴェート哲学者の論争の意義を認め、デボーリ主義的および機械論的誤謬を克服しようと努力しているとはいえ(・・・)、総じて唯物論哲学はマルクス主義的な経済的、歴史的研究から立ち遅れているのみでなく、福本イズムの流行時代と異なって著しくアカデミックとなり、又は自由主義的論壇に寄生し、「哲学者」は労働者の生活と運動から遊離している。」

そうした中で、唯物論研究会も弾圧され、解散を余儀なくされ(1938年)、科学的精神は忘れられ、日本はその後日中戦争(1937年)、太平洋戦争(1941年)へと突き進み、戦争の惨禍を起こす結果になった。

戸坂潤は、1940年に起訴され、1944年には大審院で懲役3年が確定し、終戦直前の1945年8月9日長野刑務所で獄死した。しかし彼は1942年にはすでに、「日本を敗戦の憂き目から救うためには、人民政府を即刻樹立して、今の戦争挑発者どもを強制的に職場に徴用しなければならない。そのためにも戦犯者どものリストを詳細に作っておくべきだ」と述べていた。

★ところで、唯物論研究会を立ち上げる時に三枝博音氏も大きな役割を果たした。彼は当時、江戸時代の唯物論者であった三浦梅園を研究、『三浦梅園の哲学』(1941年3月15日初版)を執筆中だった。彼は戦後も活躍し、『日本の唯物論者』(1956年)も書いている。


ところで、私ごとで恐縮であるが、私は彼らの唯物論的業績に学び、三浦梅園に関して、『敢語と梅園哲学の評価』(2014年)と『玄語』の拙い現代語訳(2021年)を出した。

「戸田玄」は私の筆名である。

現在、日本科学者会議の会員任命拒否に見られるように、日本社会は再び、政府の政策に異を唱えるような科学は排除・弾圧の対象になってきた。

しかし「科学的精神」は、人間の歴史において地下水のように尽きることなく流れており、

それをなくすことは誰にもできないのである。

2022年5月27日金曜日

お知らせ 6/12 ドキュメンタリー映画上映会

 お知らせ 6/12 ドキュメンタリー映画上映会


『“私”を生きる』(土井敏邦監督)上映会と

映画『教育と愛国』上映と斉加尚代監督トーク

―「教育の統制」「教育現場の右傾化」に教師はどう抗ったのか―

2022年6月12日(日)

13時30分~16時40分

日比谷図書館/コンベンションホール


新型コロナ感染拡大防止のため予約制となっています

会場からの要請により、感染者が出た場合に後日連絡できるよう、参加を希望される方は必ず連絡先(氏名・メールアドレス・電話番号)をご記入ください。

予約先

doitoshikuni@mail.goo.ne.jp

(定員200名に達した時点で締め切らせていただきます)

2022年5月24日火曜日

5/23、東京五輪公式記録映画の試写会への抗議行動の報告

5/23東京五輪公式記録映画の試写会への抗議行動の報告

5/23に東京五輪公式記録映画の試写会が六本木ヒルズにある「TOHOシネマズ六本木」で行われました。吉田さんの報告です。

















NHKの番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、この映画作りが、「ドキュメント映画」ではなく東京五輪礼賛映画であることがわかりました。

五輪に反対する人たちにきちんとした取材もせずに、「金をもらって反対していた人たち」などとウソとごまかしで誹謗した立場から作成されていることが分かりました。










都教委包囲ネットは千駄ヶ谷のJOCへの抗議行動を無断で撮影され、「金をもらって反対していた人たち」のように描かれたので、NHKや河瀬直美監督に質問と面会を求めても逃げ回るだけで、NHKに出向いて抗議しました。しかし、真摯な対応が全くありません。

そんな状況でつくられた「公式記録映画」を認めることは出来ません。

ということで、反五輪の会、おことわりんく、都教委包囲首都圏ネットワークが呼びかけた抗議行動が行われました。



14時、都庁前での抗議行動

16時、TOHOシネマズ六本木での抗議行動でした。(約20名参加)

2022年5月22日日曜日

6/2(木) 衆議院憲法審査会への抗議行動

 6/2(木) 衆議院憲法審査会への抗議行動

憲法改悪反対! 国会前の闘いに立ち上がろう!

日時:6月2日(木)午前10時〜12時くらいまで

場所:衆議院 第2議員会館前歩道

主催:都教委包囲首都圏ネット(090-541-59194)

衆議院では改憲派が3分の2を超え、憲法審査会が毎週開かれています。自公のみならず、維新・国民民主も積極的に審議に協力しています。しかし、憲法審査会の審議は名ばかりで、改憲に向けた既成事実のために開かれているのです。夏の参議院選挙後は、一気に改憲情勢が進むことは間違いありません。

国会周辺での、抗議の声をあげるデモも少なく、私たち都教委包囲首都圏ネットは、大きな抗議の声もなく、改憲情勢が進んで行くことに、大きな危機感を感じています。

なんとしても、憲法改悪の流れを阻止しなければなりません。仲間の皆さんに国会周辺での抗議行動を提案します。今こそ目に見える闘いが必要です。国会周辺で憲法改悪反対の声をあげましょう。

<スローガン>

憲法改悪反対!

憲法審査会を開くな!

戦争を改憲に利用するな!

自衛隊の憲法明記反対!

コロナを改憲に利用するな!

緊急事態条項新設反対!

戦争する国にさせないぞ!

誰も戦場には送らないぞ!

憲法審査会は衆議院は毎週木曜日10時~12時が定例開催です。

参議院は水曜日13時~15時が定例会です。この間は隔週開催です。

「戦争・治安・改憲」NO!総行動  主催の国会行動もあります。

5月25日(水)参議院 / 6月8日(水)参議院の予定 こちらにもご参加お願いします

抗議行動の時間は10時~12時です。間違えないように!

2022年5月21日土曜日

緊急のお知らせ 5/23のオリンピック映画試写会への抗議のスタンディングを

 緊急のお知らせ

5/23のオリンピック映画試写会への抗議のスタンディングを

いつまで続く!?オリンピック災害

嘘と捏造の公式記録映画やめろ!

5.23抗議スタンディング


5月23日、東京五輪公式記録映画の試写会が行われます。

公式記録映画に関しては、昨年末、監督である河瀨直美とそのスタッフによる制作風景を追ったNHK番組「河瀨直美が見つめた東京五輪」で 「反対デモに金で動員」 という捏造が行われました。

しかし私たちは、そもそも公式記録映画自体が、多くの破壊と犠牲の上に強行された東京五輪を美化し、歴史と記憶を捏造するためのものだと考えています。

この映画の公開に抗議するため、組織委員会のある東京都庁前と、試写会会場前でスタンディングを行います!

試写会はTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催される。

多くの皆さまの結集を!

5月23日(月)

16:00~ 

  都庁第一本庁舎前(都庁通り)集合→スタンディング・都庁23階にオリンピック組織委員会が入居しています。

18:00~ 

  東京五輪公式記録映画試写会会場前スタンディング、TOHOシネマズ六本木ヒルズ前にて!

呼びかけ:反五輪の会、おことわりんく、都教委包囲首都圏ネットワーク

※最新情報は反五輪の会Twitterで更新します!行動参加予定の方は随時チェックをお願いします。

※ナショナリズムを象徴するもの、国旗の持ち込み、ヘイトスピーチはおことわりします。

2022年5月13日金曜日

八王子市の給食献立に「軍隊カレー」が出る。(その三)

 八王子市の給食献立に「軍隊カレー」が出る。(その三)

根津公子が出していた「質問・要請」書に5月9日、市教委から回答が届きました。「『海軍カレー』は料理名・商品名であり、それ以上でもそれ以下でもない」に固執した「回答」です。

 この言い方は、朝鮮を植民地にした日本政府が、植民地・併合そのものを問わずに、「朝鮮に鉄道を敷設したなど、いいことをたくさんしてきた」と言ってきたことと同じ思考だと私は思います。「海軍」を問わずに「郷土」や「文化」を隠れ蓑にするのですから。


■八王子・市教委からの回答                    市教委の「回答」は【回答】で示します。

2022年4月11日

八王子市教育委員会御中

                   根津公子(住所・連絡先を記す)


    「海軍カレー」を給食の献立にしたことについて

 まずは質問です。 

1.「海軍」とは「大日本帝国海軍」(旧日本海軍)、「海上自衛隊」のいずれを、あるいは両方を指すのか。

【回答1】「海軍カレー」は料理名です。

2.大日本帝国海軍が日本のアジア侵略の旗印であることは国際社会の認識であり、また、自衛隊については存在自体が憲法違反、あるいは自衛隊を派兵したことが憲法違反とする見解がある中、献立名を「海軍カレー」にしたのはなぜか。

【回答2】神奈川県の郷土料理として横須賀市の「海軍カレー」を紹介したものです。

3.自衛隊については憲法との絡みで容認できないとする見解があることを、市教委は認識しているか。

【回答31】市立小・中学校及び義務教育学校の全ての教職員は、任用時に「日本国憲法を尊重し、かつ、擁護することを固く誓う」旨を含む服務の宣誓をしており当該宣誓の履行に努めています。

4.日本の侵略戦争を反省し、自衛隊を容認しない家庭の子どもたちがこの給食をどのような気持で食べるかについて、検討したか。

【回答4】日本の食文化や郷土食を伝える取組以外のことは想定していません。

5.献立名が公表されてから時間が経ってはいないが、各学校から、教員から、この献立について質問や意見はあったか。

【回答5】学校からの問い合わせは受けていません。

6.八6王子市は食育教育に力を入れているとのことだが、「海軍カレー」についてどのように食育するのか。

回答6】日本の食文化や郷土食を子どもたちに伝える取組として、「和み献立」と称し、47都道府県の郷土食や、名産品を使用した料理を提供し、日本の風土やその土地に伝わる食文化を学ぶ取り組みです。

7.「海軍」を削除して「カレー」とするなど、至急に献立名や献立を再検討する考えはあるか。

【回答7】4月11日にご要望いただいたことを受け、教室で使用するものについては「よこすかの」という標記を加えるよう配慮しました。

8.小学校高学年用「はじめての防衛白書」(防衛庁・自衛隊作成)は子どもたちに手渡したか。あるいは今後手渡す予定はあるか。また、手渡した場合、学校ではどのように使うつもりか。

【回答8】『初めての防衛白書』に関して、国や東京都、本市から市立小・中学校及び義務教育学校に通知等は一切しておりません。

 つぎに要請です。

1.「海軍カレー」の献立について至急に撤回し、その旨を各学校・保護者に通知徹底すること。

【回答1】回答7の配慮を加え取組を終了しました。

2.今後の食育教育で「思想・良心の自由」に抵触することはしないこと。

【回答2】食育基本法に基づいて、子どもたちの健やかな心身の成長を支えられるように推進してまいります。

 今後とも、八王子市の教育活動にご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

以上

八王子市の給食献立に「軍隊カレー」が出た。(その二)

 八王子市の給食献立に「軍隊カレー」が出た。(その二)

根津さんが王子市教委に出した「質問・要請」書は以下の通り。

★★ 2022 年 4 月 11 日

八王子市教育委員会御中

           根津公 子(住所・連絡先を記す)

 「海軍カレー」を給食の献立にしたことについて

前略失礼します。

4 月 15 日の中学校給食献立に「海軍カレー」があり、「一口コメント」には「★和み献立~神奈川県~★横須賀市には、海上自衛隊の基地があり、「海軍カレー」は日本のカレーのルーツだと言われています。海上自衛隊では、毎週金曜日にカレーを食べる習慣があります。」と記します。

私は、「自衛隊」「海軍」を良いものとして子どもたちに意識づけることは価値観の押し付けであり、容認できません。

まずは質問です。

1.「海軍」とは「大日本帝国海軍」(旧日本海軍)、「海上自衛隊」のいずれを、あるいは両方を指すのか。

2.大日本帝国海軍が日本のアジア侵略の旗印であることは国際社会の認識であり、また、自衛隊については存在自体が憲法違反、あるいは自衛隊を派兵したことが憲法違反とする見解がある中、献立名を「海軍カレー」にしたのはなぜか。

3.自衛隊については憲法との絡みで容認できないとする見解があることを、市教委は認識しているか。

4.日本の侵略戦争を反省し、自衛隊を容認しない家庭の子どもたちがこの給食をどのような気持で食べるかについて、検討したか。

5.献立名が公表されてから時間が経ってはいないが、各学校から、教員から、この献立について質問や意見はあったか。

6.八王子市は食育教育に力を入れているとのことだが、「海軍カレー」についてどのように食育するのか。

7.「海軍」を削除して「カレー」とするなど、至急に献立名や献立を再検討する考えはあるか。

8.小学校高学年用「はじめての防衛白書」(防衛庁・自衛隊作成)は子どもたちに手渡したか。あるいは今後手

渡す予定はあるか。また、手渡した場合、学校ではどのように使うつもりか。

つぎに要請です。

1.「海軍カレー」の献立について至急に撤回し、その旨を各学校・保護者に通知徹底すること。

2.今後の食育教育で「思想・良心の自由」に抵触することはしないこと。

以上

八王子市の給食献立に「軍隊カレー」が出た!!   (その一)

 八王子市の給食献立に「軍隊カレー」が出た!!   (その一)

根津さんからの報告です。

私の住む八王子市の学校給食に「海軍カレー」という献立が供されました。

非常に問題と思い、市教委に申し入れをしました。(また、新聞2社には報道をお願いしましたが取り上げられませんでした。)

■「海軍カレー」の献立名に恐怖 ——子どもたちを戦場に駆り出すのか。市教委に行く

★4 月の八王子市立小中学校給食で「海軍カレー」が供されました。献立表を見て問題と感じた教員が退職した先輩教員に伝えたことにより、私も知りました。

Web 上で閲覧すると、献立名に「海軍カレー」とあり、

「一口コメント」には「★和み献立~神奈川県~★横須賀市には、海上自衛隊の基地があり、「海軍カレー」は日本のカレーのルーツだと言われています。海上自衛隊では、毎週金曜日にカレーを食べる習慣があります。」と記します。ぞっとしました。「戦争への道」はここまで進んでしまったかと。至急撤回させねばと思い、4 月 11 日に M さんと市教委に質問と要請に行きました。

★八王子市学校給食課の女性職員 A さんが対応した。

・根津

私たちは、「海軍」の献立名が「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と書いた憲法に違反すること、折しも、ロシア・ウクライナ問題が緊迫しており、また、小学校高学年に向けて「はじめての防衛白書」(防衛庁・自衛隊)が昨夏に出される中、子どもたちを戦場にかりたてようとしての献立名なのかと恐ろしく思って来たのだと言いました。「自衛隊」「海軍」「軍隊」については、国民の間で意見が分かれるなか、それを献立名にすることは一方の価値観を押し付けることであり、公立学校がしてはいけないこと、私企業がこの名称を使うこととは異なることとも言いました。

・A さんは、

「2017 年度から『郷土料理』を毎月一県ずつ紹介してきて、4 月は神奈川県の番だった。神奈川県には有名な郷土料理がなく、調べていく中で三浦市の『海軍カレー』に出会った。三浦市が町おこしとして勧めているとあったので、これに決めた」のだが、「今お聞きしたようなお気持ちを推しはかっていなかった。深掘りしないで決めてしまった。こうした声をお聞きできてよかった」「給食には『食育』が入ってきたので、その担当には指導課も入っていて、『海軍カレー』の献立名についても、指導課に情報提供し合議し決済は通っている」。こうしたやり取りを経たうえで、「指導課と検討してなるべく早くに回答する。根津に電話を入れる」とのことでした。

・A さんから電話が入いりました。( 4時間後)そして、根津とのやり取り

上司と話し合って決めた」と言って、案の定「深掘りしないで決めてしまった」という反省の気持ちはみじんもなくなっていました。「原則、『海軍カレー』でよいがウクライナの現状況があるので『よこすか海軍カレー』とする。『海軍カレー』は横須賀市が街おこしとして行う食文化であり、『海軍カレー』は固有名詞であるから献立名として使って問題ない。『自衛隊』『海軍』を肯定する考えは市教委にはない。全国学校栄養士協議会(=個人参加)も『海軍カレー』を献立にあげている。ネットで検索しただけだが」という。

根津が、献立名に「よこすか」を付け加えたことを子どもたちにどう説明するかを聞いたところ回答がない。しかし、次のようにAさんはつけくわえました。

「『海軍』を入れることに疑問を持つ人もいるようなので横須賀市の町おこし料理であることを明確にするために『よこすか海軍カレー』と献立名を変更しました。『海軍』を称賛するものではありませ。」と。

根津が、「食育」として校長に話してもらうようにしてほしい」と提案したところ、

★Aさんの上司である T 課長に電話を交替。                  課長も同じことしか言わず、しかし「再度検討します」とのことでした。

数分後「検討した結果」として「校長が説明したら、逆に戦争を礼賛してしまう危険があるかもしれない。したがって、校長が説明することはしない。献立名の変更だけを伝える。」との回答。

根津が、「私のように、子どもたちが軍隊に行かされるというような危機感を持つ保護者・市民の声には耳を貸さないのか」と質したが、返事はありませんでした。

根津は、「質問と要請」書を提出していますが、1 か月近くが経とうとしているのに、「回答」がありません。市民をなめ切っている、としか思えません。

私たち二人だけではなく、給食に提供された後ではあるが、市民団体やT 教組も抗議・申し入れを行いました。

2022年5月9日月曜日

●映画紹介「教育と愛国」(斉加尚代監督)

  ●映画紹介「教育と愛国」(斉加尚代監督)

ここまで来た「教育」への政治介入〜5月13日から全国公開

レイバーネットから

http://www.labornetjp.org/news/2022/0425eiga


根津公子(「君が代不起立」教員)の投稿

 「子どもが主体」であるはずの学校教育が、21世紀に入って急速に政治利用のための学校教育になってしまったことを、映画は明確に示している。その象徴的出来事が、育鵬社の中学校歴史教科書の登場だった。同書を執筆した伊藤隆・東大名誉教授は、「ちゃんとした日本人をつくる=左翼ではない」が執筆の目標で、歴史から何を学ぶかの質問については「学ぶ必要はない」という。そして安倍政権を高く評価する伊藤教授は、「最終的には憲法改正」をしてほしかったが、それが「できなかったのは残念」とまで言い切る。このドキュメンタリー映画は、近年の教科書検定をめぐる攻防を追いながら、政権与党による教育の政治介入に強く警鐘を鳴らしている。

 民衆の歴史に視点を当てた「学び舎」の教科書を採択した私立中学校に「反日極左の教科書を即刻中止」との脅迫はがきを送った首長は、「尊敬する人から」声をかけられ「教育再生会議の長として送った」と言うが、「学び舎? 知りません」。森友学園元理事長は、「当時は日本会議の幹部であったから、指示に従った」「(はがきを)執拗に(送った)」と。やはり、教科書は読んではいない。これが、日本会議や自民党政権に与する側のやり方なのだと知った。この映像を記録し世に流すことは、脅迫葉書のように監督の斉加さん自身が、身の危険を覚悟しなければならないことなのだ。

 2014年、文科省は社会科教科書の検定基準に3点を追加した。「ア 特定の事柄を強調し過ぎないこと。イ(略)、ウ 閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解又は最高裁判所の判例が存在する場合には,それらに基づいた記述がされていること」と。すぐさま各社教科書は「日本固有の領土」と書き変えられ、地図帳に国境線が書き加えられ、隣国との話し合いによる解決の道を否定した。昨年は日本維新の会の質問に対する菅首相答弁書を閣議決定し、「従軍慰安婦」「強制連行」の言葉を教科書から消した。学問研究で得た史実ではなく、政府見解を「正解」とした教科書は、もはや国定教科書ということだ。教育への政治介入は学校教育にとどまらず、ジェンダーを研究する大阪大准教授への国会議員のバッシングに向かい、さらには日本学術会議の新会員任命拒否にまで及んだ。

 映画は、大阪・毎日放送ディレクターの斉加さんが2017年に制作した話題作・『映像’17 教育と愛国~教科書で今何が起きているのか~』が基になる。これを映画にしようと声をかけられたが、忙しさから諦めてきた。しかし、日本学術会議の任命拒否の事態に、俄然やらねばと思ったという。任命を拒否された岡田正則教授を訪ね、また、岡田教授の講演も記録する。

 私は2011年に定年退職するまで東京公立学校の教員で、「君が代」起立の職務命令を拒否したとして懲戒処分を受け続けた。それ以前にも「日の丸・君が代」「従軍慰安婦」の授業等で4回の処分を受けた。映画を観ながら、いま私が在職していたら間違いなく免職にされていたと思った。私自身は、処分され、右翼団体からの嫌がらせに遭いながらも、政権に加担せずに必要と考えることはほぼすべて授業等で取り上げることができた。まだ、時代が多少ともよかったからだ。

〔斉加尚代監督/2022年/日本/107分/配給 きろくびと〕映画は、東京では、5月13日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、UPLINK吉祥寺で公開。同日、京都シネマでも公開され、順次全国上映の予定。予告編は https://www.mbs.jp/kyoiku-aikoku/。また斉加さんが緊急出版された『何が記者を殺すのかー大阪発ドキュメンタリーの現場から』(集英社新書)も併せて読んでいただきたい。

お知らせ 『教育と愛国』の上映が13日(金)から始まります。

 お知らせ 『教育と愛国』の上映が13日(金)から始まります。

根津さんからです。

以前ご案内しました映画『教育と愛国』の上映が13日(金)から始まります。

アップリンク吉祥寺は11日までの作品の上映時間が表示されていますから、あと2日経たないと上映時間が表示されないようです。



















さて、それに絡んで下記の企画があります。

『教育と愛国』の監督である斉加さんをお呼びして、映画「“私”を生きる」上映と斉加監督トークが行われます。


「教育と愛国」斉加尚代 監督・トーク

        (聞き手・土井敏邦)

 【日時】612日(日) 午後1時30分~午後440分(休憩あり)

                (開場:午後115分)

 【場所】 東京都・日比谷図書館/コンベンションホール(地下)

 

 【参加費】 1000円 (種々の「配慮割引」もあります。予約時にご相談ください)。

 

【予約申し込み先】 doitoshikuni@mail.goo.ne.jp

(定員200名に達した時点で締め切らせていただきます)

 

(注意) コロナ対策として、参加を希望される方は

必ず連絡先(氏名・メールアドレス・電話番号)をご記入ください。

 

【主催】 土井敏邦 パレスチナ・記録の会

 【問い合わせ先】 doitoshikuni@mail.goo.ne.jp

 【以下にご留意ください】

コロナ感染拡大防止のために、会場では必ずマスクの着用をお願いします。また入口に用意する消毒液で手指の消毒をお願いします。

 

 

 


2022年5月4日水曜日

4/30 討論集会の<宣言>

 4/30  討論集会の<宣言>         

        若者を再び三度戦場に送るな!     

         改憲反対運動へ参加の呼びかけ


  昨年の衆議院選挙において改憲勢力が三分の二を超えました。こうした情勢を受けて岸田政権は明文改憲に向けて暴走しています。

 改憲の中身を論議する憲法審査会を毎週開催し、急ピッチで改憲に向けた手続きを整えようとしています。

 

 一方、実質改憲すなわち実体においての改憲が歴史を画する規模で進行しています。

 ロシアによるウクライナ侵攻と「台湾有事」を根拠に、自民党は防衛費のGDP比2%枠拡大、「敵基地攻撃能力」・「反撃能力」の所有と「指揮統制機能への攻撃」を提唱します。

 もはや「専守防衛」という建前をかなぐり捨てた先制攻撃が公然と主張されるにいたっています。

 

 私たち都教委包囲ネットは明文改憲・実質改憲に反対します。

 私たちは「日の丸・君が代」の強制反対、教育基本法改悪反対、緊急事態宣言反対、そしてオリンピック・パラリンピック教育反対の闘いを行ってきました。

これらすべての闘いは国家による教育支配を許さず、再び三度若者を戦場に送らないための反戦の闘いです。


 故に私たちが改憲反対の闘いに取り組むことは、あまりにも当然であり、むしろ義務だと考えています。同様に、国家による教育支配と闘う人々にとっても、改憲と闘うことは必然だと考えます。


  ロシアによるウクライナ侵攻は新たな戦争の時代への突入を予感させます。であるからこそ、私たちは改憲―戦争に反対する闘いが必要であると考えます。改憲はアジアにおける軍事緊張を高める行為であり、平和と安定をもたらすものではけっしてありません。

 これ以上、若者を戦場に送ってはならない! これ以上、若者の血を戦場に流させてはならない! 


  国家による教育支配と闘う皆さん!包囲ネットとともに改憲反対運動に取り組もうではありませんか! 団結と連帯の力で改憲反対、戦争反対を共に闘おうではありませんか!

          

               2022年4月                                                                           都教委包囲・首都圏ネット

            090-5415-9194

4/30 都教委包囲ネット討論集会の報告

<戦争反対!改憲阻止!4・30集会> 主催:都教委包囲・首都圏ネットワーク)が開かれた。       報告・渡部

主旨は、ウクライナ戦争を口実に軍拡・改憲の動きが強まる一方、反対勢力の足並みが乱れ、このままでは大変なことになる、<討論集会>を開き、いろんな意見を出しあい連帯の輪を広げよう、というものであった。

集会では、まず以下の二つのレポートが報告された。

①「明文改憲のねらいと進む実質改憲」

 (池田五律さん:戦争に協力しない!させない!練馬アクション)

②「憲法審査会、各党の改憲案、動きなど」

 (伏見忠さん:都教委包囲・首都圏ネットワーク)

いずれもこの間の動きを詳細にまとめたもので、ウクライナ戦争を口実に、軍拡・改憲が急速に進行しつつあることが明らかになった。

また、それらに対する反対勢力の動きが後退していることも明らかになった。

その後、討論になり、全員に意見を出してもらった。

その中で多かったのが、

「攻められたらどうすると言われるが、どう答えればよいか」という意見だった。

これに対しては、

〇日本も軍拡をすればアジアの軍事的緊張が高まり、日本は再び侵略国家になる。

〇若者はウックライナで起きている戦争の実態を見て「戦争は嫌だ」という反応が多い。

 かつて「非武装中立」と言っていた。この考えを出していかなければならないのでは。

〇ゼレンスキーは、男はウクライナ外に出さず武器を持たせ、女こどもにも火炎瓶を作らせたりしている。本土防衛のようなものだ。これでは人命を守れない。

〇ちゃんと反論できなければならない。たとえば。「主権侵害される」というが、日米安保は日本の主権を侵害している。しかし多くの人は何とも思わない。日米安保のことを  問題にしなければならない。

〇「攻められたら・・」は乱暴すぎる言い分だ。日本はそうはなっていない。また武器を      取って戦えない人間は多い。「戦って守る」などとは言えない。

〇「攻められる理由があるから攻められる。理由を作らないことが大事だ。しかし日本は責められる理由を沢山作っている。アメリカの言いなりになる状態だ。これをどうやって破るかだ。

〇「どこが攻めるのか。」台湾の人だって攻められると考えている人はそんなにいない。

「非武装中立」ということをもう一度考えてみることだ。

〇アメリカの世界戦略に基づいて戦争が起こされている。アジアでも、クアッドとかオークスとかで準備されている。日本は「攻められる」のではなく、アメリカと一緒になって「攻めようとしている」のだ。そして戦争になれば最前線基地となり多くの犠牲が出るだろう。それを知らせなければならない。

などの意見が出された。結論は出なかったが、これらの意見の中には、今後の参考になるものもあるのではないだろうか。

集会では最後に、「若者を再び三度戦場におくるな!改憲反対運動への参加の呼びかけ」を参加者一同で確認、今後も連帯して討論を重ね、闘って行くことになった。

そのためにも、「攻められたらどうする」を打破しなければならない。またそのためにも、戦争が世界中の人々の生命と生活を脅しつつあることを暴露し、世界中で「戦争反対!」の声を大きくすることが重要であろう。