お知らせ

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2019年12月28日土曜日

12/26都教委への要請行動に25名参加

●被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団は12月26日、「再処分をするな!都教委要請行動」を実施し25名が参加しました。ご協力に感謝します。
近藤徹さんからの報告です。

都教委側は、教育庁総務部教育情報課長、同課長代理が対応しました。
要請では、被処分者の会、同弁護団に加えて、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会、練馬教育問題交流会も要請書を提出しました。
なお、都教委が私たちの要請を無視して、早ければ1月9日の教育委員会定例会で処分を決定することを懸念しています。

◆被処分者の会が出した要請書
要 請 書      2019年12月26日
           「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
            東京「君が代」裁判原告団 事務局長 近藤 徹
東京都教育委員会教育長 藤田 裕司 殿
<要請の趣旨>
1.本年3月28日、最高裁(第一小法廷)は、東京「君が代」裁判四次訴訟(一審原告14名。上告人13名)において、一審原告らの上告を棄却し、戒告処分取消・損害賠償を求める上告受理申立を不受理とする一方、減給処分取消を認めた東京高裁判決を不服とした都教委の上告受理申立についても不受理とする決定をした。
これにより、1名・2件(特別支援学校教員)の卒入学式での4回目・5回目の不起立に対する減給処分(減給10分の1・1月)が取り消され、都教委の敗訴が確定した。
これは、従来の最高裁判決(2012年1月16日及び2013年9月6日)に沿って、不起立の回数を理由により重い処分を科す都教委の累積加重処分に歯止めをかけたものである。

2.当会・当原告団はこの判決を受け4月15日、司法により「違法」とされた処分を行ったことを「反省・謝罪」し「再発防止策を講じること」「問題の解決のために都教育庁関係部署との話し合いの場を早期に設定すること」「本請願書を教育委員会で配付」し「判決について慎重に検討し、議論し、回答すること」等を求める請願書を提出した。

3.しかるに貴委員会は12月19日、司法により「違法」とされた減給処分を行い、教育行政として重大な責任が問われる事案であるにも拘わらず、原告らに謝罪し、名誉回復・権利回復の措置を講ぜず、再発防止策をも講じることなく、突如として当該特別支援学校教員を「事情聴取」と称して都庁に呼び出した。
これは減給処分を取り消された現職の都立高校教員に新たに戒告処分を発令(以下再処分という)した事例(2013年12月・7名、2015年3月・1名、2015年4月・8名、2018年2月・2名)に鑑みると、今回も減給処分が取り消された特別支援学校教員に対し「再処分」を科すための準備であることは明白である。およそ7年前の事案での再処分など到底認められない。

4.しかも、上記事情聴取については、当該教員の授業・学級運営上の都合等に一切配慮せず、前日に校長を通じて命令で都庁に呼びつけ、しかも対応した都教委職員は本人からの希望・要請に誠意をもって答えようとせず、いたずらに時間を浪費し、理不尽な対応に終始した。学校現場の実情を無視し、また事情聴取の対象とされた教員の人権を軽視し侵害するこのような行為は決して許されるものではない。
そこで以下、緊急に要請するとともに、期限までに誠意ある回答を強く求めます。

<要請事項>
1.処分取消が確定した一審原告らに直ちに謝罪し、二度と「違法な」処分をすることがないように再発防止策を明らかにすること。

2.減給処分を取り消された特別支援学校教員の再処分を行わないこと。

3.都教委は、性急にも前日に「事情聴取」を行なうこと当該教員に伝えたが、「生徒が早めに下校する月・水・金曜に、または終業式や長期休業日などの生徒に影響が出ない日に変更してほしい」との当該教員の要望を聞き入れなかった。教育現場の実態を十分に配慮すべき都教委による現場実態を無視した対応及び生徒に影響が少ない日程に変更できない理由を明らかにすること。

4.当日、当該教員は事情聴取にあたって弁護士の同席を要求したが、対応した都教委職員は「弁護士の同席は、都教委の裁量で認めていない」を繰り返しのみで「その法的根拠を示してほしい」との質問には誠意ある回答がなく、勤務時間が終了し事情聴取がなされなかった。弁護士の同席を認めない法的根拠を明らかにすること。

5.当日主として対応した3名の担当職員の職・氏名を明らかにすること

6.処分を取り消された原告らの名誉回復・権利回復のために、都教委ホームページ等での懲戒処分の公表と同じ方法で処分が取り消された事実を公表すること。
この件につき「公表しない理由・根拠を明らかにされたい」との当会からの再質問に対して「都教育委員会は、他の機関が行った決定や発表等について公表していません。本件請願に関わる裁判所の決定等についても、公表する考えはありません」(2019年8月15日付 所管:人事部職員課)と回答しているが、その「理由・根拠」を明らかにしていない。改めて、質問に正対し回答することを要求する。

7.問題解決のための話し合いを拒否し、教育委員会への要請であるのに「教育委員会への報告及び教育委員会での審議は行いません」というこれまでの態度を改め、都教育庁の責任ある職員と被処分者の会・同弁護団との話し合いの場を早期に設定すること。また、本要請書を教育委員会で配付し、慎重に検討、議論し、回答すること。

<回答期限> 2020年1月8日(水)(1月9日・教育委員会定例会前日)。上記近藤まで文書及びFAXで回答すること。

2019年12月24日火曜日

12/18河原井さん・根津さんの停職処分控訴審結審

12月18日(水)、「君が代」不起立で6か月の停職処分になった河原井さん・根津さんの09年事件の控訴審が結審しました。


この裁判は河原井・根津さんにとっての最後の「君が代」裁判闘争になりました。そこでレイバーネットの佐々木さんが、結審後東京高裁前で、根津さんにインタビューしました。それがYouTubeにアップされています。
  https://youtu.be/tRua6x6zR20
8分10秒という短いものですが、彼女の14年間にわたる裁判闘争にかけた思いと、
最近の八王子における「天皇奉迎」反対の闘いについても、簡潔に述べられていますので、ぜひご覧ください。

2019年12月21日土曜日

12/20都庁に呼ばれた報告

12月20日に都庁に呼ばれた。 田中聡史さんからの報告です。

12月20日、事情聴取のために都庁に呼ばれ、午後3時に校長と第一庁舎へ出向きました。
今年の3月に最高裁決定で私に対する減給処分が2件取り消されましたが、その根拠となっていた2013年の不起立の状況に関する事情聴取とのことでした。
あらかじめ、弁護士の立会いを希望する旨を、 校長を通じて先方に伝えてありました。
管理指導主事に案内されて25階に行きましたが、弁護士の立会いは認めない、と言われたので、部屋の前の廊下で「弁護士立会いを認めない法的根拠を説明してから事情聴取始めてほしい。」と要望しました。 被処分者の会事務局の方も支援に駆けつけてくださいました。
向こうの回答に時間がかかったり、膠着状態になったり、事情聴取の日時を向こうが一方的に決めた理由を私が質したりしたため、私の終業時間の5時を超え、私は就労時間外の事情聴取には応じないことを伝え、帰途につきました。
いずれにせよ、今後、再処分に向けて事務手続きが進むことが予想されます。
是非とも、再処分をするな、との声を都教委に届けてください。
また、以下の日時に「再処分をするな!都教委要請行動」が行われますので、是非ご参加ください。

12月26日(木)10時15分・都庁第1庁舎1Fロビー集合、10時30分・都庁第1庁舎25F116会議室。主催:被処分者の会
田中聡史

2019年12月20日金曜日

<緊急>12/26都教委への要請行動 再処分をするな!

◆信じられますか?~最高裁で敗訴した都教委が謝罪せずに再処分を画策
近藤徹さんのアピールです。

●田中聡史志さんへ戒告処分を出しなおすためか? 田中さんを事情聴取
以前既報の通り、東京「君が代」裁判四次訴訟は、東京都は減給処分(1名・2件)取消の高裁判決を不服として最高裁に上告受理申立し、一審原告らは憲法判断での前進、戒告処分取消、損害賠償を求め最高裁に上告、上告受理申立をしていたところ、最高裁(第1小法廷)は2019年3月28日、一審原告らの上告を棄却し、上告受理申立を不受理とする一方、東京都の上告受理申立を不受理とし、上告人TSさんの2件の減給処分取消が確定しました。
すなわち、一審原告田中さんの減給処分が「裁量嫌悪逸脱・濫用にあたり違法」とする高裁判決が確定し、都教委の主張が退けられ、敗訴したのです。

ところが最高裁決定から9ヶ月近く経った12月19日、都教委は突如として再処分に向けてTSさんを「事情聴取」に呼び出したのです。「減給処分がダメなら戒告処分を出し直そう」というのです。

これに対して被処分者の会の仲間も駆けつけ、TSさんとともに「最高裁まで争って違法とされた処分をしたことを先ず謝罪すべきだ」「『事情聴取』の法的根拠を示せ」と対応した教育庁人事部職員課管理主事に問いただしました。
ところが管理主事は、突っ立ったままで「(事情聴取は)都教委の裁量で実施しています」と繰り返すだけで、学校で授業することをやめさせられて、子どもたちから引き剥がされたTSさんの質問に答えないまま、2時間経ち教職員の勤務時間が過ぎて、事情聴取せずに終了しました。

生徒の教育を受ける権利を守り、生徒・教職員の人権を尊重すべき都教委が、誠意がないどころか全くそれに反することをしていることを信じられますか?

◆1月9日(木)に予定されている東京都教育委員会での再処分を許さないため、緊急に都教委要請を行ないます。下記の都教委要請行動に多数の参加・支援をお願いします

★再処分をするな!都教委要請行動
 日時・場所 12月26日(木)10時15分・都庁第1庁舎1Fロビー集合
                10時30分・都庁第1庁舎25F116会議室


 主催:「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会 
    東京「君が代」裁判原告団  事務局長 近藤 徹

2019年12月19日木曜日

2020年夏のオリンピック観戦 八王子の場合

2020年夏のオリンピック観戦について、辞退が広がっています。
八王子市立小学校の「観戦に係る最終意向調査票」を情報公開で根津さんが入手しましたので、その概要を紹介します。

〇八王子市の場合
それを見ると、
「1観戦を希望する学年 107校すべてが「1 全学年」と記入」しており、「5 その他(自由記述)欄に記入した学校は43校。64校は無記入」です。
 つまり、すべての学校が「観戦を希望」、しかも「全学年」となっていますが、(自由記述)欄への記述を読むと、いかに現場が困惑しているかがわかります。

ここではその中から7つほど紹介します。
第四小
最近の地球温暖化で熱中症が心配である。子供たちの安全を第1に考えたい。熱中症、昼食時の食中毒等の事故も想定される。
また、八王子は有明までの距離も長く、安全に引率できるか不安も大きい。一人でも事故等に巻き込まれたらオリンピック観戦どころではない。
第七小:
基本的に人数が多く、F地区がぎりぎりと考えている。D地区になった場合は辞退する。移動距離が長く、室内観戦以外は、熱中症の危険を考えるとふさわしくないと考える。
宇津木台小:
本校からどの最寄り駅に行くにも時間が掛かり、また公共の交通機関を利用しなければならず、多くの子どもを少ない教員(子ども20名に対し、引率教員1名)で引率するのは安全上無理である。また、夏の暑い炎天下で観戦することについても熱中症の危険が大きいと考える。
弐分方小:
本校は市街地から離れた位置する。路線バスで最寄り駅までの引率も本数が少ない為、他の利用客の支障を招いてしまう。鉄道駅までの引率方法については大きな検討課題である。より多くの職員(観戦チケット配券対象外も含む)を配置するため、夏季休業中に引率する体制を整えることで懸念される課題が少しでもクリアできると考えている。
また、本校では貸切バス以外での校外学習の経験はなく、有明などの臨海地域は乗換が5回前後、2時間以上を要するため、往復の時間と観戦を考えると児童の負担が大きい。
川口小
およそ300名の児童を引率する場合、バスの終点である「京王八王子」から京王線を利用することが便利と考える。なおFゾーン以外の遠距離の場合、児童の健康管理や安全性から参観は難しいことと判断する。
松木小:
オリンピック・パラリンピック期間中に大変な混雑が予想される中、公共交通機関での150名以上の児童のスムーズな乗換が可能かどうか、一般の乗客への影響など、移動について心配しております。
また、暑さが盛りの時期であることを考えると、熱中症等の疾病への対応や食事(弁当)などの点についても、課題だと考えています。
川口中:
本校が学区が広く、通学用スクールバスを市が借り上げているだけでなく、路線バスを利用して生徒が登下校しております。学校最寄り駅までも時間がかかる上、駅解散を想定した際の各家庭最寄り駅もJR中央線高尾駅や青梅線武蔵五日市駅となっており、そこから1時間に1~2本の路線バスを利用して帰宅することとなります。校外学習はこれまで必ず借り上げバスを利用しており、校外学習で公共交通機関を利用して往復したことはこれまでないため、安全管理面、所要時間の面を含め、Fゾーンでの観戦を希望します。

▼コメント
まさに、オリ・パラ教育の「集大成」の観戦は、真夏のさ中子どもたちに「死の行軍」とでも言えるものを強制しているようなものです。真夏の学校単位のオリ・パラ観戦は即刻やめるべきです。

12/10 朝日新聞(夕刊)記事 小学校の五輪観戦

オリンピック・パラリンピックの小学生の観戦についての朝日新聞の記事です。





2019年12月18日水曜日

「オリンピック教育」批判ビラまきの報告 第19弾

 「オリンピック教育」批判ビラまきの報告 第19弾
下にビラを貼り付けてあります。

■<農芸高校>7:30~8:30
 「戦争をさせない杉並1000人委員会」の方と二人でやりました。
 ビラをまき始めてしばらくすると校長が出てきて、正門前の「歩道は通りが激しいから気を付けてください」といってビラを受け取り中に入っていきました。
 しばらくして今度は副校長が出勤してきたので、「先ほど校長が出てきましたよ」と言ってビラを渡すと、受け取って中に入っていきました。
 しかし、この学校は生徒の受け取りはあまりよくありません。それでもいつも自転車で駆け込みながらビラを受け取る生徒は今回もビラを受け取って中に入っていきました。
 まけたビラは27枚(前回9月24日は29枚)でした。

■<福生高校>7:30~8:50
 若い男性教員が多くなった感じで生徒との区別が一目では付きにくい感じ。こちらが歳をとったと言うことか。ぽつりぽつり来る生徒と教員、概ね受け取りはよい。
 教頭が 少し後に校長が来るがありきたりの注意と雑談。
 登校する生徒が多くなってくると受け取りは悪くなる。以前は100枚を記録したこともあったが苦戦。それでも76枚なんとか配布できました。
 
■<豊多摩高校>7:20~8:30
 ここは進学校で、ビラの受け取りはあまりよくありません。ただ、いつも早朝に散歩をしている老夫婦が今回も「ご苦労様です」と言ってビラを2枚受け取って行きました。
 校長と副校長はかつてはビラまきについて警察を呼んだり口うるさく言ってきたのですが、最近はようやくビラまきは主権者の権利だということがわかってきたらしく、何も言わずに、出勤時ビラを受け取って中に入っていくようになりました。
 生徒のビラの受け取りはよくないのですが、前回、ビラを受け取り私のそばで読んでいた女生徒は、今回もビラを受け取り、しばらく私のそばで読んでいて、友人がきたところで一緒に中に入っていきました。まけたビラは30枚でした。


■<八王子桑志高校>7:20~8:45
 ここも以前は受け取りはいい学校でしたがだんだんと悪くなってきています。
 教頭と覚しき人が極めて控えめに注意をしていきました。ズボンの女子生徒がかなりいる。57枚。











2019年12月14日土曜日

2020年2/9都教委包囲総決起集会のお知らせ

都教委包囲ネットは今日の厳しい情勢の中で闘い続けています。
都教委の2003年10.23通達以降、卒業式・入学式の「君が代」強制・処分と闘う教職員ともに、2月に「総決起集会」を開いています。今年で16回目になります。
みなさんご参集ください。







2019年12月13日金曜日

12/4 八王子市議会で天皇奉迎問題で質問

12月4日 八王子市議会一般質問で前田議員が「天皇奉迎」問題で質問

12月3日の天皇夫妻に対する「奉迎」反対の闘いのあった翌日、八王子市議会一般質問(10時半頃から)で、「4月23日に『天皇奉迎』に子どもたちを動員した件を前田議員がが取り上げました。その傍聴記です。            根津公子

12月4日(水)「天皇奉迎」に子どもたちを動員したことについて 市議会一般質問傍聴報告

●登壇した前田議員が「道徳」の教科書に掲載されている「ただしいあいさつ」通りの挨拶をして、「軍隊みたいな」と一言批判を加えたところ(道徳については後半で質問にあげていた)、「軍隊をばかにするな!」などとか5~6人からヤジが飛んだ。終始ヤジを飛ばしていたのは、鈴木レオ議員(自民)。ヤジの中での質問はきついだろうに、議長は全く注意しなかった。議長はヤジを擁護したということだ。

●標題の件に関して前田さんは、大日本帝国憲法下の天皇と日本国憲法下の天皇の違い、戦前と戦後の教育の違いについて、八王子の子どもたちが使用している教育出版社中学校歴史教科書から抜粋して紹介し、現憲法は天皇の退位即位を国事行為とは定めていないと発言。
また、4月23日の「天皇奉迎」について萩生田衆議院議員のブログ(4月26日づけ)を読み上げた。
「天皇皇后両陛下は、昭和天皇への退位のご報告の為、八王子の武蔵陵を訪問されました。警備の関係もあり、いつもはギリギリまで日程が公表されないのですが、今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、「両陛下をお迎えする会」を組織し準備をしました。八王子インターから浅川大橋、追分から御陵まで、沿道にはかつてないほどの市民が出迎え、両陛下は長い道のりを窓を開け、手を振り続けてくださいました。日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」と。
このブログは萩生田議員自身が書いたのだから、「呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をし」たのは、萩生田氏ということだろう。ほかの人や団体が呼びかけ準備をしたというのであれば、主語が入るはず。

●そのうえで質問に入った。
①議員:なぜ天皇に敬意を払うのかを、学校はどう教えているのか。
教委:学習指導要領に「敬意」を教えるよう書いてある。学習指導要領に則った指導をしてい議員:ルールだからというのでは納得できる答えになっていない。生徒から「なぜこれが校則なのか」と訊かれて「ルールだから」と答えるのと同じだ。
②議員;4月9日付け「八王子奉迎会実行委員会結成について」の文書が手元にある。連絡先は町会自治連合会と八王子市都市戦略課となっている。八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体はどこか。
市:八王子奉迎会実行委員会。
議員:八王子奉迎会実行委員会の構成メンバーはどうなっているか。
市:市は把握していない。
議員:市は呼びかけられたと認識していいか。
市:町会自治会連合会から呼びかけられ、同席した。
議員:市からは誰が出席したか。
市:協同推進課部長と都市戦略課部長。
議員:4月9日付け文書は市から発信されたと認識するが。
市:市はむしろ、控えている。
議員:萩生田議員は同席したか。
市:同席したが、市は報告する立場にない。
③議員:14の私立幼稚園・保育園の園児が沿道に立ったというが、市はどういう情報を 出したのか。
市:安全面からの情報提供をした。
議員:人格形成過程にある子どもたちの人格形成に支障があると思うが、いかがか。森友学園の幼稚園が教育勅語を暗唱させたのは驚きだが、私立園・学校にはそこの独自の考えがあってのこと。しかし、公立の小学校が沿道に立たせたのは、私立とは違う。なぜ、情報提供をしたのか。
市:安全管理から。
議員:昨日(3日の即位の報告に関して)は情報提供をしなかったのか。
市:報告の義務はないが、道路交通部からの情報を全小中学校に流した。
議員:市教委が言うには4月23日のときは協働推進課からの情報だった、昨日は道路交通部からの情報だというが、変わったのはなぜか。4月23日については、情報提供のメール文に市教委が〈参加の可否 参加人数 小旗の希望〉を書いたが、小旗はどこから受けたのか。
市:70本あると、協働推進課から聞いた。
議員:協働推進課はどこから受けたのか。
市:奉迎会実行委員会から。配布は町自連。
議員:町自連は問題ではないか。D校(根津:浅川小)は町会から情報を得たということだが、コミュニティ・スクール構想が出された時、このことを懸念した。校長が断れればいいが、それができていないのだから。「思想・信条の自由」の観点からの文書を、市から町自連に出しても良かったのではないか。
市:「思想・信条の自由」を侵すとは考えない。
議員:日本がかつて侵略した国々の外国籍の子ども、日本人の中にも天皇制を肯定しない人もいる。そうした家庭の子どもに対して配慮が必要ではないか。
市:外国籍であっても、日本の教育を受けるのであれば、学習指導要領に沿った教育を受けることになる。
議員:受けた教育によって考え方・感じ方は変わってくる。
   知り合いが韓国籍のお子さんを預かった際に、多摩御陵に連れて行ったら、そのお子さんは激怒したという。受けてきた教育が違うからだ。日本人は学校で学ばないから、知らないのだ。外国籍の人が今後増える。教育長に伺う。天皇について、一つの考えを教えていいものか。
教育長:天皇退位は江戸時代後期の光格天皇以来約200年ぶり、憲政史上初めてのこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で「理解と敬愛の念を深める」と示されている。児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げるいい機会だった。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った公正・中立の指導だ。
市長:奉迎会実行委員会は任意団体。住民が歓迎する。
議員:こうしたことをやった町自連は問題だ。

●質疑応答は、私の聞き間違えもあるだろうけれど、おおよそこんなふう。
辻褄の合わない市・市教委の答弁がいくつかある。一つ嘘をつくとどこかでぼろは出てくるということだ。
ア.「八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体」は「八王子奉迎会実行委員会」だと市は答弁した。しかし4月12日に行う結成会の通知は4月9日に出したのだ。その時点で、八王子奉迎会実行委員会はできていないのだから呼びかけることはできない。連絡先になっている、町会自治連合会か八王子市が呼び掛けたとみるのが順当ではないか。
また、萩生田議員がブログに書いたことと併せて考えると、萩生田議員が市と町自連を動かしたと思える。そう考えるのは、私だけだろうか。
イ.市教委が流した「情報」は安全面を考えてとのこと。ならば、その時間帯は子どもたちを教室にとどめておくのがいいはずだ。しかし、萩生田議員の「呼びかけ」に応えねばならないとの意思が働いたか。4月の「情報」には、「参加の可否や「小旗についての希望まで報告するよう求めている。情報提供と言いながら、参加の可否を書かせた。参加の呼びかけをしてはいけないとの認識が市教委にあったから、あくまでも「情報」提供としたのだと思う。
校長の一人は、「市教委は子どもたちを沿道に立たせろとは言わない。斉藤指導担当部長は、『対処してほしい」と言った。対処とは、忖度しなさいということだ』と言った。
市教委や学校が、天皇敬愛を具体的に教えられるいい機会を、今回は活用しなかったのはなぜか。今回も同じく安全面からの「情報」提供であったのに、「参加の可否」等は書かなかった。市教委は、4月23日に子どもたちを沿道に立たせたことを「まずかった」と答弁しなかったが、実際はそう判断したのではないか。4月の件に自信を持っていたのなら、今回も同じ「情報」を提供しただろうから。
ウ.情報が4月のときは協働推進課から、昨日は道路交通部からに変わったのは、協働推進課が「天皇奉迎」という政治活動に関与するのはまずいと判断したからではないか。そうでなければ、今回の「情報」も協働推進課が出したはずだ。市・協働推進課は町自連に金銭的補助もし、育成担当する部署である。
 また、今回は「情報提供」の必要性もなかったにもかかわらず、それをしたのは、4月のときに3校に情報提供したことを正当化しようとしての辻褄合わせだったのではないか。
 短い時間の中で、聞き出せなかった点はあると思う。でも、今後ますます、天皇敬愛教育が学校教育に入り込んでくる危険がある中、この問題が市議会で取り上げられたこと自体に意味があると思う。

2019年12月11日水曜日

12/3八王子 「天皇奉迎」に子どもたちは動員されなかった!

12月3日の「天皇奉迎」時の八王子の闘いについての根津さんの報告です。

<まずは、今回は子どもたちが動員されなかったことを、喜び合いたいと思います。>

●それまでの闘い
 4月23日に天皇が退位の報告に昭和天皇の墓を訪れた際、二小、横山二小、浅川小の子どもたちが「日の丸」の小旗を振らされ「天皇奉迎」に駆り出された件で、八王子市民有志は「天皇奉迎に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」を結成し、市教委、八王子奉迎会実行委員会(奉迎会実)、町会自治会連合会(町自連)、市協働推進課、3校の校長に問題点の追及並びに12月3日の即位の報告の際に再び子どもたちを動員しないようにと申し入れをしてきた。

●12月3日が近づいてきたので
 3日が近づいた11月末、3校の校長と市教委に問い合わせたところ、校長は市教委から情報を「受けていない。立たせるつもりはない。」と、市教委は「情報を提供していない」とのことだった。2校の校長は接客中とのことで、夕刻再び電話を入れようとしていた矢先、両校長が私に電話をくれたのだった。お二人とも非常に明るい声だった。
 市教委には毎日問い合わせた。2日19時の返事は、「市道路交通部長名で、『3日の9時から12時は安全に気を付けるように』とのメールが市教委に届いたので、それをそのまま全小中学校に転送した。」というもの。
「4月のときは、斉藤指導担当部長名で〈参加の有無、参加人数、小旗についての希望〉を市教委に報告するよう書いたが、今回はどうしたのか」と訊いたところ、「今回は書いていない。そのまま転送した」。3日の朝、「学校から質問や報告は上がったか」と訊いたところ、「何も来ていない」とのことだった。

●12月3日当日






















今回は子どもたちを動員することはないとは踏んだが、沿道の観察もしておくのもいいかと思い、3校前に数人ずつで監視に立った。
二小北側の20号バイパス近くには「八幡囃子連」「千人町」「小宮」などと書かれた5台もの山車がお囃子を繰り出した。山車の関係者は張り切って見えたが、小旗を手にした地域の一般の人はそれほど多くはない。黒ずくめの公安のほうが多かったのではないか。
9時半頃、私がカレンダーの裏に「天皇奉迎しない!」と書いた紙(37㎝×50㎝)を掲げたところ、まずは「警視庁」の者2人が「ここにいる者は反対派か。危ないから中に入って」と私の前に立ちはだかり、私は倒された。歩道にいるのに、だ。
しばらくすると公安2人がやってきて、私の腕をつかみ宙づり状態にして歩道から5~6メートル中に置き、私の体を自分の体で押し続けて私を歩道に近づかせなかった。90㎏ほどありそうな筋肉質の屈強な体躯だ。天皇夫妻の車が通り過ぎた9時45分頃まで押さえつけられて、私の右腕から肩にかけて痛みが出た。帰宅し、フライパンを持とうとしたら、痛みが走った。私に対して公安が行った暴力行為は、同行した仲間が映像を記録してくれたので公開したい。https://youtu.be/E_vz5VBr3G4

●天皇車列が通り過ぎて
 天皇の車が通りすぎると、沿道に来た近所の人たちは、互いに感想を出し合うのでもなく、そそくさと帰って行った。こんなものなのか、と思った。私とAさんはその後、浅川小に向かったのだが、60代と思しき女性が電話する声が聞こえた。「(天皇夫妻の車が通る際に)お巡りさんが『手を振ってください』って言っていたよ。」と。
二小から西八王子駅までの1㎞弱の甲州街道沿いの商店街で、「日の丸」の小旗を掲げていたのは、わずか1軒。4月のときは見ていないから比較はできないけれど、今回は萩生田議員や町自連からの働きかけがなかったか少なかったのではないかと思った。

●浅川小に行く
 さて、私とAさんに対し、公安4人が尾行し電車に乗り込んだ。駅で上り電車に乗ったBさんにも2人の尾行がついたという。10時半、浅川小前で私たちは6人になる。公安は最終的には34人に。住民は沿道に来ていない。市道路交通部の情報によれば、天皇夫妻は12時には八王子市から姿を消す、ということ。なので、私たちは11時45分まで浅川小、4月に天皇が立ち寄ったみころも霊堂前にも行って待ち構えたが、天皇夫妻の車は通らなかった。

●横山二小では
 横山二小に行った人の報告でも、子どもたちは動員されなかった。甲州街道側の門の前に行ったCさんの話では、校長と副校長が門の前に来たとのことだった。Dさんからの報告は次のよう。
「9時18分頃横山二小着。Cさんたちとは別に甲州街道の反対側にいました。
21分頃、「警視庁」の腕章を着けた私服がいろいろと聞いてくる。双眼鏡でシジュウカラがいるのを見ていたのを、マンションをのぞいていたのでは、ということでの職務質問。「原発廃炉」のマークをつけているのは左翼だ と決めつけ(左翼という語をはっきりと出しました)、だから怪しむのは当然 との論理立てのようです。氏名 住所 何処に行く ポケットの中を見せろ などなど 「いろいろお訊きしたいので交番のほうへ」などなど。「令状があるなら行きます」「令状があれば見せます」
10時ごろ天皇の車列が通り過ぎる(どれに天皇が乗っているのが分からなかった)。
分かっただけで8名の私服警官にかこまれていたのだが、それが解かれて西側(陵のある方角)に行こうとすると2名が前をふさぐ。逆側に歩きヤオコー(スーパーマーケット)の西側から川側に行くと人通りもないが、明らかに2名はつけてきている。木の観察で止まると6名くらいに取り囲まれ、亦いろいろと聞いてくる。
身の危険を感じヤオコーの正面に向かう。ほんとにやくざまがいの言葉遣いの警察官がいるのには参りました。
所属と氏名を聞こうとしたが言わない。知り合いの弁護士事務所にその法的な事柄を訊こうとしたが弁護士は不在でした。家まで警官を引き連れて行くのもいやなので、そこに12時過ぎ、天皇が帰るまでいました。
私服警察は3名くらいずつ、メンバーは替わる。12時過ぎに「協力ありがとうございました」みたいなことを言っていなくなったので私も家に帰ったのだが。付いてきてはいないと思うのですが…さて…。

●浅川小から帰るとき
 浅川小に行った私たちの多くは電車に乗り八王子駅で下車。何人もの公安がついてきた。私には3人が。そのまま分かれた人も皆、尾行されたという。
 二小付近にいた公安だけでも100名はいたと思う。天皇車両が通過する随所に張り付いたのだから、千単位の公安、そして警察が配置されたと思う。

●これが天皇制弾圧
私たちに対する今日の警察権力の対応からわかることは、天皇制に反対する者は「非国民」、少数であっても徹底してその扱いをするということだ。天皇制反対のデモ参加者に対しては、警察による暴行や不当でっち上げ逮捕、極右の暴力容認が頻繁に起きているから、このことはわかってはいたけれど、まさか、10数人の行動にこれほどの労力を費やすとは思いもしなかった。
 「天皇は平和主義者」と言う「文化人」が多くなったが、この現実を知らないとでもいうのだろうか。

●補足 Bさんへの尾行の報告
八王子2小から西八王子の駅までは、隊列をなしてついてきた。Bは根津さんと分かれて東京行きの電車に乗る。駅で、Bが公安刑事に対して「尾行をするな」と抗議すると、「きちがいと思われるぞ」などとと言う。
お茶の水駅でBが降りるとついてきた。途中で、大学校内に入るとついてきて中に入った。用事をして、三省堂に入ると入ってきたが、三省堂で本を探したりしていて1時間もいたらいなくなった。

2019年12月5日木曜日

11/28 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

 11月28日 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

教育への金を削るべきではない
校長の任命、校長等任用審査についての議案はいずれも個人情報に当たるとして非公開議題。公開議題は次の2報告のみ

1.SNSを活用した教育相談(上半期)の実施状況について
 昨年度8月25日から9月7日まで、都立高校生を対象に試験的に実施したこと(プラス評価)を踏まえ、今年度は対象を都内国公私立学校の中学生・高校生に、相談期間を毎日(4月1日~5月31日、8月20日~9月15日、1月4日~1月18日は、回線数を増強)に拡大した。その結果、上半期の相談件数は2120件(1日平均11.6件)、中学生が52%、平均相談時間は41分、一人当たりの相談回数は1回が70%・4回以上が8%、相談内容のトップは友人関係(いじめを除く)で533件だったとのこと。

★この報告に、「1回限りということは、相談しても意味がないと思ったのか。とすれば、事業そのものを見直さないといけない。あるいは、軽い感じのチャット(雑談程度)が多いのか。」(北村教育委員)との発言があった。全くそう思う。

★悩みを相談する際に、自分のことを知らない人に相談するだろうか。自分のことをよく知り、かつ自身が信頼する人に相談するのではないか。中学生も高校生も、担任や信頼を寄せる教員に相談したいはず。そうした指摘がこれまで一度も教育委員からも出てこないのが不思議だ。

★SNSによる教育相談を止めろとまでは言わないが、大した意味はない。「やりました!」と形ばかりの施策でしかない。都教委が本気で教育相談体制をつくるのであれば、子どもたちの悩みやつぶやきを聞き受け止めてあげられるよう、教員の大幅定員増をすることだ。都教委にも教育委員にもそれはわかっているだろう!教育に金を削るな、と言いたい。

2.今年度上半期に寄せられた都民の声(教育・文化)
 寄せられた件数は2459件。うち、「苦情」が76%。分野別では、生徒指導に関するものが41%、教職員に関するものが21%。

★「苦情」の事例がいくつか示された。
一つ上げよう。「都立高校生が登校時に広がって歩くので、迷惑。倫理観が欠如している。指導を。」との「苦情」。これに対して、
学校側は「ご指摘を受け、登校時のマナーについて注意喚起する印刷物を作成し、教室に掲示するとともに、副校長から指導を行いました。あわせて、教員による生徒の登校時の見守りを校門前だけではなく、範囲を広げるなど、より指導を徹底していくことにしました。」と対応したとのこと。
 こうした「苦情」について、一人の教育委員から「思いやりや想像力が欠如しているのではないか」と感想が述べられた。同感だ。上記した「苦情」に対しても、その方が高校生にその場で注意したらいいだろうに、と思う。告げ口やお上に解決してもらう的発想には息苦しさを覚える。都教委はこうした「苦情」にはすぐに対応する。しかし、次に示す請願・陳情には全く対応しない。「都教委の方針」に反するからだ。

★請願は、
ア.「日の丸・君が代」の強制と教員処分を撤回すること 
イ.小山台高校定時制・立川高校定時制の廃校方針を見直し、存続させること
ウ.学校現場の意見を十分に尊重して、また、公開の場で議論を行って教科書採択をすること について。

★陳情は、
登下校の際に使う医療的ケア児専用車両に看護婦配置を求める要望や都立学校生の頭髪の黒染め指導を行わないように通達を出してほしいとの要望。

★公益通報制度(教育庁等窓口、弁護士窓口)の弁護士窓口を利用したのは13件。いじめ、セクハラ、会計処理、個人情報に関するものとのこと。
それだけの報告だったのではっきりとはわからないが、この制度の性格から見て、いじめとは教職員間のいじめということだろう。兵庫の件が騒がれたが、子どものいじめと同じく、いじめは日本社会に蔓延している。子どものいじめ防止を本気で考えるならば、都教委がまずすべきは、子どもたちと触れ合う教員たちが、ゆとりを持って働くことのできる労働環境をつくることだ。ここでも、教育への金を削るべきではない。

11/14都教委定例会 Hさんの傍聴記

●Hさんの都教委傍聴記(2019年11月14日) 

※根津さんが傍聴できなかった理由

〇都庁は数年前から来庁に際し、受け付け票に氏名・住所・電話番号等を書いて提出させている。質問してもその必要性について説明をしてくれない。個人情報の提供を強要するならば、強要する側がその必要性を説明すべきと思う。必要性があれば私(根津)も受け入れるが、都民を上から目線で扱い、しかも、税金の無駄遣いでしかない。
〇今日は私の名前をフルネームで書き、あと4人は苗字まで書いて出したところ、「名前を書いてください」と警備保障会社の人。それで、都の総務部の責任者を呼んでもらった。総務部職員に必要性の説明を求めたが、職員はそれには答えず、いや答えられないのだろう。「名前を書けば入れる」の一点張り。職員は1時間が過ぎたところで、「引き上げる」と宣言して離れていった。というわけで、私たち5人は傍聴ができなかった。
〇そこで、Hさんに傍聴記をお願いした。Hさん、ありがとうございます。

◆Hさんの傍聴記
本日の傍聴者は、たったの4人。毎回余りに無内容な会議ばかり続くので、みんな傍聴する意欲も失せたのかと思ったら、別の事情があったようだ。今日も公開の議題は2つだけ。しかも薄い内容だった。ただし突っ込み処は色々あった。

①議案:「管理運営規則の一部改正」等の件
②報告事項:来年度の「教育庁所管予算」見積の件


①の規則改正の中味は、都立学校の栄養教諭に上級職を導入することである。
 栄養教諭に、新たに上級職として「主任」(給料表3級)「主幹」(同4級)を設置する。改正理由に、「東京都全域における食育推進体制を充実していく上で極めて重要な職務」「人材育成の強化及び食育推進体制の更なる充実を図る」等の文言が並ぶ。
あれ? 都立高校に給食ってあったっけ?て思ったら、一人の委員が質問してくれた。

〇人事部の答は、
 全都で63人、都立は2人ということだ。この規則は「都立」の規則、つまり対象者は63人しかいないのに「上級職」を作って職階を3段階にするということらしい。人事部は、都が規則改正すれば、執行予定の来年4月1日までに区教委も揃って規則改正してくれるはず、みたいなことを言っていた。確かにそうなれば対象者はもっと増えるだろう。でも、それじゃまるで区教委は都教委の下部組織だ。教育行政の地方分権の原則なんかお構いなしということか。

 そこまでして、栄養教諭に職階制を持ち込みたいか。これは子どものためなのか?お役人が何か仕事をやったふりをするためなのか?パワハラはタテ社会で起きるというが、こんなところまでヨコ社会を壊してタテ社会を導入してどうする。高校生の「食育」を言うなら、都立高校定時制の給食を次々民間委託にして、子どもたちから温かい給食を奪い、栄養教諭を首切りしてきたのはどこの誰か、と聞きたい。

 質問!!栄養豊かな食事を用意する「食育」と、職に上級下級を付けることと、どのような関係があるのか、説明してもらいたい。どこに金使ってるんだ。違うだろ!

②「令和2年度教育庁所管予算見積について」という表は、多分HPで公開されるはず。
 12頁にわたる表を、総務部の担当者が20分くらいダラダラと説明していたが、この表と説明を聞いただけで教育庁が何をやりたいか、財政の意図をつかめるものはいないだろう。案の定というか、教育委員達からもそのような趣旨の質問が相次いだ。
 「どこに注力しようとしているのか、分かるような示し方は出来ないのか」「横並びの項目の羅列では、コア・コンピタンスが分からない」
 しかし財務担当者が説明したいことと教育委員が知りたいことの溝は最後まで埋まらないままだった。
 具体的には、こんなやりとりがあった。
「8.教員の育成(1)②」に次のような記述がある。
  “将来の東京の教育を担う人材の育成に向けて、東京学芸大学との連携により、都
 立高校において、大学教員による教職の魅力を伝えるセミナーや教職大学院生によ
 る専門教科・科目のワークショップ、地元の小中学校での教育実習体験などの取り
 組みを実施。【新規】”

ここで一人の委員が「東京にはたくさんの大学があるのだから、『東京学芸大学』の後に『等』を入れて、連携の幅を広げてはどうか」と質問したのに対し、総務部の答は、「既に執行予定で先方と打ち合わせているので、今年は『等』は入れられない」というものだった。
学芸大と言えば近年、近藤精一・金子一彦・伊東哲ら歴代の指導部長が相次いで天下っていることはよく知られている。どこまで癒着しているのか。
 さらに「大学の先生が高校の教室で『教職の魅力』を伝えるのですか」の問いに、「その通り」との答え。
 それには他の教育委員から、「目の前に本物の高校の先生がいるのに、わざわざ大学の先生を呼んできて『教職の魅力』を語ってもらうんですか。教職を目指してもらいたいなら、目の前の高校の先生に直接お手本になってもらった方がよっぽど『教職の魅力』が伝わるのではありませんか」との意見が出て、他の教育委員も次々同調した。
 真っ当な意見だ。おそらく都教委は、今の都立高には『教職の魅力』を語らせる実態がないことを知っていて、外部の人間に「空虚な理想論」を語らせようとしているのだろう。現場ではとても思いつきようがない珍奇な案を上から有無を言わせず押しつけるのが、今の都教委だ。

◆Hさんのコメント
金の使い途について、感想を2~3書いておきたい。
「生徒」に関わることでは、今や“学力!学力!学力!”のオンパレード。「全人教育」という言葉は、都立高ではとっくに「死語」になってしまったらしい。
英語教育には「話す力」を中心に、58億9600万円予算を付けて多彩な事業を展開している。しかし、大学入試の英語民間試験導入が延期されたので、目論見が狂ったのではないか?
「教員の働き方改革」には、213億8600万円を注ぎ込む。しかしその中に、「正規教員の定数増」のような直接業務軽減につながる策は1つもない。自助努力が足りないと言わんばかりの項目が並ぶ。これでブラックが解消に向かうとは、現場は誰も思わないだろう。現場の声、組合の声を聞いて吸い上げたとは到底思えない。
今日前半の「栄養教諭の規則改正」の時に「組合との交渉で合意を得ています」と都合の良い時だけ組合の名前を使っている。ところが肝心の労使交渉の最重要課題である労働条件問題では組合の意見を全く聞かずに、一方的に上からお仕着せの「改革」を押しつけるとはどういう了見か。だから見当違いの項目ばかり並ぶ。このようなタテ社会組織の中で、ますますパワハラが生まれていく、というかパワハラで押しつけるしか実行不可能な無意味な政策しか生まれない。東京の教育界は隅々までタテ社会に作り変えられてしまった。学校から「民主主義」は消えようとしている。
最後に、教育委員諸氏も指摘していたように、予算の示し方が不親切で分かりにくいことについて一言。ささやかな提案!!
 教育へのお金の使い方が都民にもパッと見て分かるように、各項目が全体の中でどれだけの配分になっているかパーセントの数字を付けるなり、グラフで示すとか、また各項目毎に昨年との増減を数字で示して、今年は何に力を入れてその分どこを削ったのかすぐ分かるように親切に示して欲しい。それくらいの工夫ができないほど、総務部は無能ではないだろう。
 今日も、これでは東京都の教育はますますダメになって行ってしまう、という情けない話題ばかりだった。

●根津さんのコメント
 教職希望を増やすために都教委が考え出した策は、悪い冗談のよう。
教員採用試験の倍率が極端に低いのは、教職に魅力がないのは、都教委の教員管理・支配と弾圧が招いたこと。それが失策であったことを都教委はまず自覚すべき。

2019年11月10日日曜日

11.4集会 「天皇奉迎」で旗振り 八王子市市民の会の報告

11・4集会 八王子市民の会の報告 
4・23に八王子二小などの児童は沿道で日の丸の小旗を振った


「天皇奉迎」 に子どもを動員することに反対する行動の報告        
         「天皇奉迎」に子どもを動員することに反対する八王子市民の会

1.5月末から萩生田文科大臣就任時までの経過
 子どもを動員したことを知ったのは5月末。根津がまずは5月29日に八王子市教委に電話を入れ、3回のやり取りの後、二小、横山二小、浅川小の各校長に質問と抗議の電話を入れた。各学校の職員にチラシまきをした。

①7月までの市教委の回答
・八王子奉迎会実行委員会から23日の何時頃どこを通るという内容の文書が4月15日に届いたので、4月23日に甲州街道沿道の学校(二小、横山二小、陵南中)に、教育指導課指導主事がメールで天皇が来るという情報提供をした。沿道に立つようには市教委は言っていない、あくまでも情報提供。
 メール文
    「天皇皇后両陛下 武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」
上記の件について情報提供させていただいたところですが、4月23日(火)の行幸に関する八王子奉迎実行委員会からの資料を入手しましたので、添付にてお送りします。
 学校用の小旗が70本事前に準備されているとのことです。当日についてもある程度の小旗が用意されているとのことですが、必ず全員に配布されるとは限りません。
 また、参加の場合、どこでお迎えをするとのことですが、沿道に出ると警察等の方から指示があるとのことですので、そちらに従ってくださいますようお願いします。
 なお、子どもは優先して前列にしてくださるようです。小旗の対応について検討しますので、お手数ですが、4月18日(木)までに以下の内容についてお知らせ願います。
 1.参加の可否
 2.参加の場合の人数
 3.小旗についての希望(複数校が希望される場合は70本をお渡しできない場合があります)

・陵南中は出迎えなかった。沿道ではない浅川小には市教委からは情報提供をしていない。浅川小は自治連合会からの連絡か要請を受けて子どもたちを沿道に並ばせたということだ。
・各学校の判断で沿道に並ぶ、との報告は事前に市教委に上がっている。この、学校の判断が不適切な判断とは思わない。
・即位は200年ぶりのこと、大事なこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で「理解と敬愛の念を深める」と示されている。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った指導だ。
・(退位・即位に関する文科省通知文にあるように、出迎えるという行為は「国民こぞって祝意を表する」ことを子どもたちに求めたということで、思想の強制に当たる。子どもたちの思想・良心の自由及び思想・良心の自由の形成過程のか。と根津が訊くと)「私(指導主事)の立場ではお答えできない。


② 二小校長の発言
「23日にメールが来る前に斉藤指導担当部長から『ぜひ学校で対応してもらえないか』と言われた。(「学校の判断で決めた、市教委はあくまでも情報提供をしただけ」と市教委は言ったが、と訊いたら)『対応』ということばを使い、『しなさい』とは言わない。忖度しなさいということだ。

③ 浅川小の校長の発言
「自治連合会から話はあったが、要請を受けた、話があったからやったのではない。校長である私が決めたのだ。最終決定は学校=校長にある。自治連合会が教えてくれたから、(『御見送りと御出迎え』が)できた。自治連合会は子どもたちに旗も準備してくれた。」
  (「『御見送りと御出迎え』をさせることは、敬意の意思表示ですから、思想の強制になるとは考えなかったのですか。」と訊くと)「自治連合会から話があって、あえてそれをやらないのは、反対の意思表明になる。敬意を持つのは、日本の国のルールであり、文化だ。根津さんのように反対する人がいるのは承知だが、多くの国民が天皇に敬意を持っている。共産党も赤旗で代替わりに賛意を表明している。」

2.「天皇奉迎」に子どもを動員することに反対する八王子市民の会の結成と行動
 10月2~4日に市教委(こちらの参加者17名)、二小(9名)、浅川小(16名)、町会自治連合会(八王子奉迎会実行委員会)(16名)に申し入れをした。二小、浅川小は、学校運営協議会のメンバーも同席させた。
 横山二小の校長は電話に出ることさえ拒否した。アポを取らせないので、直接行くことに。
                 
■10月4日は、町会自治連合会、八王子奉迎会実行委員会へ
 町会自治連合会は会長と副会長4人、そして常駐の事務局員。会長は奉迎会実行委員の代表と同一氏名。会長と代表は氏名が同じなので同一人物かを確認すると、「そうです。」「(奉迎会実行委員会には)誰かから集まれと言われた。口頭か電話かで。手帳に書いてあるので行った。ちょうどこの人数(20人ほど)が集まったかな。そこで、誰かが私を推薦して、分からないままに奉迎会実行委員会の代表になった。その後集まりは持っていない。」という。「ならば、4月15日発出の「天皇皇后両陛下 武蔵陵昭和天皇陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎対応について」」という文書(=市教委が得たという「情報」)は誰が作成した」のかを質したところ、「わからない。私はワープロが打てないから、私が打ったものではない。事前に見せられてはいる。」と。「それをお聞きして、そうでしたか、とは素直には言えないですね。」とこちらが言うと、「そうだと思います。」
 私たちの申し入れに対し会長は、「町自連としては市教委に要望や要請、強制は一切していない。それはしてはならないことだ(と認識している)。」という。市教委は「『何時にどこを通る』という情報を4月15日に奉迎会実行委員会からもらった。」「小旗は町自連が用意してくれた。」と、また、浅川小の校長は「町自連から情報を得て、小旗も用意してもらった。」と発言したことをこちらが伝えると、再度否定した。
会長は、「4月の小旗は、町自連で購入したのではない。どこからか届いたので、町会長に配った。」「町自連の仕事は、得た情報を町自連の集まりでお知らせすること」という。事務局員は「小旗は、どこかの財団、公益(財団)から届いたのかな。町会に配布した旗を町会長によっては、学校に渡したということがあるかもしれないが、こちらではそこまではわからない。町自連として市教委に渡したり必要数を聞いたりしてはいない。」と補足した。

■市教委の回答は町会自治連合会に合わせた回答に変更となる
 10月17日、同28日、以下のように回答が変更された。10月2日までの回答であった「奉迎会実行委員会→市教委」を取り消し、「町会自治連合会→協働推進課→市教委」という迂回ルートからの「情報」提供だとして、奉迎会実行委員会・町会自治連合会とも教育への介入はしていないと。
 4月12日に協働推進課から斉藤指導担当部長に電話があった。協働推進課からの電話は、「当日交通整理がなされる(必要との意)。沿道の学校は制限を受けるので、学校教育部に伝えねばと考えて」のことだったという。それを受けて、斉藤指導担当部長は学校に電話を入れた(二小校長:「ぜひ学校で対応してもらえないか」と言われた)。15日には協働推進課課長から斉藤指導担当部長に八王子奉迎会実行委員会が出した4月15日付け文書が手渡された。市教委はこの文書に「参加の有無」等の3質問をつけて二小、横山二小、陵南中の校長にメール送信した。この判断は、斉藤指導担当部長による。 16日に二小、横山二小から「参加」の回答が届いた。17日に開かれた副校長会において、指導主事が70本の「日の丸」の小旗を両校の副校長に渡した。小旗は、協同推進課から市教委に渡された。
                 

   天皇奉迎」に子どもたちを動員しないことを
   求める申し入れ書を提出
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                                                                              2019年10月2日
八王子市教育委員会 教育長 安間英潮様
天皇皇后両陛下八王子奉迎会実行委員会 代表 秋間利久様
町会自治連合会 会長 秋間利久様
八王子第二小学校 校長 土屋栄二様
横山第二小学校  校長 鈴木裕子様
浅川小学校    校長 清水弘美様

         「天皇奉迎」に子どもを動員することに反対する八王子市民の会
        
  「天皇奉迎」に子どもたちを動員しないことを求める申し入れ書

 4月23日、天皇夫妻(当時)が昭和天皇の墓に「退位」の報告に来た際に、八王子市教委及び奉迎実行委員会、町会自治連合会は子どもたちを沿道に立たせるよう校長に直接的・間接的に要請し、また、上記した3小学校長はそれに呼応して子どもたちを沿道に立たせ、「日の丸」の小旗を振らせました。沿道に立たせ、「日の丸」の小旗を振らせることは、天皇を敬愛し尊敬の念を抱くよう、子どもたちに教え込むことにほかなりません。
 日本国憲法第1条の天皇条項は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と明記しますが、国民・市民に「敬愛」や「尊敬」を要求しません。天皇(制)については、肯定する考えも否定する考えもあります。そうした中、「敬愛」や「尊敬」を求めること
は、憲法19条「思想及び良心の自由」を侵害することになるからです。
 宛先である各位が「天皇奉迎」に子どもたちを動員することを決めた際に、閣議決定や文科省通知が背を押したことは想像に難くありません。
 文科省発出の4月2日付「御即位当日における祝意奉表について(通知)」は、「祝意奉表」のために「日の丸」旗の掲揚を求めました。さらに4月22日付「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導について(通知)」は、「各学校においては、・・・国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当」だとして「配慮」を求めました。子どもたちに「祝意奉表」を理解させるということは、天皇(制)に対する批判的視点には目を向けさせず、最上位の敬称に示される天皇観・国家の価値観の刷り込みを、学校教育を通して強制したということです。また、それは、憲法を遵守すべき政府が、憲法が保障する「思想・良心の自由を子どもたちから奪ったということです。
安倍政権は、集団的自衛権行使を容認する安保関連法を強行成立させるなどの憲法違反を重ねてきました。安保関連法審議の国会で自民党が推薦した長谷部恭男早大教授までもが「安保関連法は憲法違反」だと言い切った(2015年6月4日)ことは、記憶に新しいところです。ですから、閣議決定したからといって自動的に合憲とはなりません。「祝意奉表」は極めて政治的であり、憲法19条に違反する行為の強制です。
 各位は学校教育を通して子どもたちに「祝意奉表」をさせてはなりません。「思想・良心
の形成過程にある子どもたちに国家の価値観を押し付けることはやめてください。
 10月22日の「即位正殿の儀」や11月23日の「大嘗祭」に際しても、天皇夫妻や天皇家族が八王子を訪れることが予想されます。また、4月22日発出の文科省通知は、10月22日のことにも及びます。そこで、以下のことを厳に申し入れます。
                                          記
      1. 子どもたちを沿道に並ばせないこと

      2. 各学校は、子どもたちに「祝意奉表」を求める旨の講話をしないこと。市教委は  
  その講話を各学校に指示しないこと。
      3. 天皇(制)をめぐっては、制度自体や昭和天皇の戦争責任回避等について、人々の間
  に対立した考えがあり、小中学校には、日本の侵略や植民地支配によって肉親が
  被害を受けた外国籍の家庭の子どもも在籍する。そうした中、各学校は、憲法1条につ
  いての解説とともに、憲法及び子どもの権利条約が保障する「思想及び良心の自由」
  が子どもたちにあることを教えてほしい。   以上

■秋間氏回答の嘘が露見される
奉迎会実行委員会が申請して小旗を調達した。
証拠は日本文化興隆財団のHPに「国旗小旗頒布事業 平成30年度上半期助成団体一覧(平成30年7月~令和頑年6月)に「66 天皇皇后両陛下八王子奉迎会 昭和天皇山稜親謁の儀 奉迎」 2500(申請本数) 2500(頒布本数)」とある。

・萩生田の見聞録の4月26日の欄には、
「天皇皇后両陛下は、昭和天皇への退位のご報告の為、八王子の武蔵陵を訪問されました。警備の関係もあり、いつもはギリギリまで日程が公表されないのですが、今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をしました。八王子インターから浅川大橋、追分から御陵まで、沿道にはかつてないほどの市民が出迎え、両陛下は長い道のりを窓を開け、手を振り続けてくださいました。日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」とある。

「呼びかけ、組織し準備をした」のは、この文章中ここだけが主語がないが、自身が書いているのだから明らかに主語は「私、萩生田」。萩生田が組織して町自連が動き、奉迎会実行委員会ができたということに違いない。
 秋間氏の、「(奉迎会実行委員会には)誰かから集まれと言われた。口頭か電話かで。手帳に書いてあるので行った。」云々の嘘は、萩生田からの呼びかけによるものだったからだ。
  4月12日の欄には、
「4月23日11:00頃八王子インター着で両陛下の『今上天皇としては最後の武蔵陵参拝』が決まりました。浅川大橋を渡り、バイパスで追分→武蔵陵の予定です。片道だけですが、いちょう並木を通って平成最後の来王となります。いつもは直前まで日程を公表しないのですが、今度ばかりは最後という事で、宮内庁も早めに連絡をくれました。」
  「4月23日、「両陛下 武蔵陵行幸啓」は、今上天皇として最後となりますので、各町会を通じて通行予定をお知らせする事となりました。是非沿道へお出かけいただき、お迎えいただければと思います。」とある。
  萩生田が宮内庁に早めの連絡を要請したのか。
 
■再び始まった皇民化教育をやめさせるために、当会は継続して行動を続けます。

2019年11月9日土曜日

11・4集会 大阪の伊賀正浩さんの報告

11・4集会 大阪の伊賀正浩さんの報告


■もはや公立版「森友小学校」
-憲法違反の大阪市立泉尾北小での「天皇即位」児童朝礼
            伊賀正浩(子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会)

1.「天皇即位」児童朝礼(5月8日)
(1)小田村直昌校長が新天皇を「126 代目」、「元号も日本古来から続いている」。
(2)「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)がゲストとして登場(約 30 分間)  明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」などを歌った 教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に登場する「民のかまど」の話 「今年で皇紀 2679 年」
 オリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌った。
「行くぞ!日の丸!」 うつむいた日は過ぎた/時が来た まっしぐら/行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ! /ああ勇ましく 日の丸が行くぞ
 *山口あやき 「教育勅語」の現代語訳を歌詞にした曲を作り、森友学園が運営して
 いた塚本幼稚園で披露 「愛国行進曲」「月月火水木金金」「広瀬中佐」等の軍歌や
 自衛隊賛美曲を次々にカバー 日本会議の「ありがとう自衛隊」キャンペーンに協力

2.小田島直昌校長
(1)大阪市の民間人校長として 5 年目(泉尾北小では 2 年目)。意図的に再任。
(2)小田村四郎(日本会議副会長、日本教育再生機構顧問、日本戦略研究フォーラム評議 員、「日 本の建国を祝う会」会長などを歴任)の次男。
(3)太い日本会議人脈。 右派団体「学ぼう会北摂」で講演、龍馬プロジェクト(国会議員 参与:杉田水脈)会長の 神谷宗幣のインターネット番組に登場

3.大阪市教委は、「児童朝礼」を「不適切ではない」と容認
(1)小田村校長が新天皇を「第 126 代」と子どもたちに説明したことについて、市教委は、 「宮内庁 が公表している天皇系図に記されている。」「小田村校長はこれを参考にした ものと考えている」
(2)泉尾北小HPに小田村校長と山口が「皇紀 2679」と記した色紙を持った記念写真が掲 載され ているが、市教委は、HP上では「皇紀 2679」の文字が見えない(画像の問題でぼやけている) ので「見解はない」と容認。
(3)山口が戦前の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌い、教育勅語児童読本「民のかまど」 の話をしたことについて、市教委は、「文科省通知(4 月 22 日)や学習指導要領を逸脱するものではない」「小田村校長からは(山口氏は)断定的に話したのではない、と聞 いている」。
(4)山口が「行くぞ!日の丸」を歌ったことに対して、市教委は「文科省通知、学習指導要 領に逸脱するものではない」
(5)大阪市教委は、天皇「敬愛」教育の推進者として任命
 小田村校長が泉尾北小に赴任して推進したこと
 毎日子どもたちに「日の丸」の掲揚・後納をさせる、
 運動会で「君が代」を歌い、「日の丸」を子どもたちに掲揚させる、
  4 ~ 6 月の間に、各クラスで「君が代」を授業で歌わせる、
 創立記念日、終業式で「君が代」を歌わせる、
 「伊勢神宮をのぞいては日本の歴史や文化、伝統を語れない」として修学旅行を伊勢神 

 宮に、

■大阪市立泉尾北小HPに載った「児童朝礼」の記事と写真
 

■「寺子屋だより NO78」(2019年7月)
 民間人から見た教育現場⑥ ----教育の現状を見つめて(4)
 ※5月8日の朝礼のことを書いている。

2019年11月8日金曜日

11/4 都教委包囲ネットの意義ある集会開く

11月4日午後、日比谷図書文化館で討論集会を開催しました






















主催者の予想を超える58名が参加しました。
■見城さん:主催者からの「問題提起」
〇現下の情勢の特徴の一つは、露骨な国益の衝突であるとして、そこから生まれるナナ リズムや排外主義、右翼の台頭、民主主義の危機、天皇制の復活・再生など。
〇教育に関する状況の認識の共有を図りたいとして、1980年代以降の教育をめぐる動き と教職員組合の弱体化など。について述べ、
〇今後どうあるべきか?何をすべきか?について考えていきたい、と述べました。







■伊賀さん:「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」
 <もはや公立版「森友小学校」-憲法違反尾の大阪市立泉尾北小での「天皇即位」児童朝礼>について報告しました。そこでは、
①朝礼の実態
 (例えば「愛国の歌姫」と呼ばれる山口あやきは、
 オリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」なども歌った。
 彼女は「教育勅語」現代語訳を歌詞にした曲を作り塚本幼稚園で披露したり、日本会議   の「ありがとう自衛隊」キャンペーンに協力している。)
②小田村校長
 (父親は日本会議の副会長をなどをやった人物。
 橋下や松井の「維新の会」が制度化した「民間人校長」に選考された。
 「日本会議」と太い人脈をもつ。修学旅行を「伊勢神宮」に変えている。)
③大阪市教委は「児童朝礼」を「不適切ではない」と容認
(・新天皇を「第126代」と子どもたちに説明
 ・小学校のHPに小田村校長と山口が「皇紀2679」と記した色紙を持つ写真が掲載された
 ・山口が戦前の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」の歌を歌った教育勅語児童読本「民のか      まど」の話をした
 ・「行くぞ!日の丸」を歌ったことなどに対して、市教委は「文科省通知、学習指要       領に逸脱するものではない」と述べている。(11月18日に再交渉予定)。
  そして伊賀さんは、反対運動をやると、小田村校長は校長会でも孤立気味で、
  「即位の礼」でもおとなしかったようだ。「おかしい」と声を上げ続けることで変 ると述べました。
  
Mさん:「「天皇奉迎」に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」
  この間の八王子市民の会の動きを報告してくれました。

 詳細はこの間根津さんが報告してくれていますので略しますが、その中で、この問題 が現場から上がらなかったことの背景にはやはり組合活動が弱体化していることがあると指摘されました。
 そうした中で、「八王子市民の会」が結成され、この間、<市教委><二小><浅川小><横山二小><町会自治連合会(八王子奉迎会実行委員会):会長が同一人物>に申 し入れをしてきたことが報告されました。
 そうした中で、<奉迎実行委員会>が申請して小旗を調達したことが明らかになりました。証拠は「日本文化興隆財団」HPの中に、「天皇皇后両陛下八王子奉迎会 昭和天 皇山稜親謁の儀 奉迎」とあってその中に「2500(申請本数)2500(頒布本数)」とあったことです。
 また、八王子は萩生田文科相の地元ですが、彼のブログ「永田町見聞録」(4月26日) の欄には、「今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつ りやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備 をしました。
 日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たち は手作りの小旗で集まってくれました。」とあることがわかりました。
 まさに、小学校、幼稚園、保育園の疑問を持たない子どもたちへの洗脳です。
「 八王子市民の会」は「皇民化教育」をやめさせるために、継続して行動を続けるとい うことです。

■①小学校の現場からは、
・教育が「スタンダード」という名のマニュアル化によって、誰がやっても同じ画一化されたものになってきている
・教育現場に〇〇教育などと言って企業が入り込んできている
・オリパラ教育と「観戦チケット」が強制されていることが報告。

②東京教組の役員(非専従)からは、
 この間の教員対策や「道徳の公開授業」の強化、学校運営協議会の設置、免許更新制などによって、教員への締め付けが格段に強化され、特に若い教員への締め付けが強ま っていることが報告。

③高校の教員からは、
 職場では「天皇の問題は触れずにおこう」という意識が多く、組合だけにたよっていて はだめだということ、などが述べられました。

■北村小夜さん(1925年生まれ)


 彼女は、「とうとうここまで来たかという感じだ。自分の祖父と祖母は明治以前に生ま れ、天皇とは関係なかった。(近代)天皇制は最近はじまったばかりだ。それなのに< 教育勅語>体制はそのままで、おさらばしていない。」と述べられ、「教育勅語の跋扈 (ばっこ)」という題での多数の(資料)をもとに、戦前に行われていた様々なことを 説明してくれました。
 その中には例えば、
 1926(昭和元)年に発行された「大阪朝日新聞号外」の「改元の詔書発布 『昭和』と 決定さる」というのがあり、そこには「世界平和と君民一致を現はす」などという見出 しが出ていました。今回、新天皇・徳仁が述べたたことと同じではありませんか。
 また「主唱・大日本国旗協会関西支部 後援・大日本神祇会京都支部」発行の<回覧> 「大東亜戦争必勝祈願」なるものがありましたが、
 そこには、
 国旗尊重 日の丸精神昂揚
 一、国旗掲揚は午前七時家族揃って揚げませう
 一、午後五時には隣組一斉に納め、忘れぬやうにいたしませう(冬期時間)
 一、皆さんの家にある国旗を隣組で纏(まと)め、氏神神社で修祓(しゅうばつ:清めの儀式)をして頂き之(これ)を一層尊重しませう
 一、隣組常会には神社に修祓された国旗がありますから、氏神神社で頒布をして頂き、之を奉掲して日の丸精神で常会を開きましょう。
  (この国旗を順番に常会当番の家に掲げる喜びを当番の家の誇りにしませう)
 国旗掲揚心得(略)などが書かれていました。
 北村さんは、「そのうちこのような回覧板が回ってくるようになり、日の丸を掲げていない家は<非国民>と言われるようになる」と言っていました。

-----休憩------

■「おわてんネット」から
先日(10月22日)の銀座デモ(550人参加)での3人の不当逮捕と釈放の報告・カンパ要請がありました。
その後、質疑・討論をやりましたが割愛します。
■代わりに、千葉の近さんからのメールを二つ紹介します。
数日前、缶コーヒーを買おうとコンビニに入店すると、雑誌売り場で「日の丸」が売られていました。小型の「日の丸」(竿・金の玉つき)が880円でした。産経新聞がキャンペーンした「今年だけの祝日、即位礼に日の丸を掲げましょう」で売れ残った「日の丸」を「日の丸屋」さんがコンビニで処分しようというのでしょうか?一度だけのために「日の丸」を購入するもの好きがどれほどいるかと思うのですが、大嘗祭、新年、天皇誕生日、オリンピックと事あるごとに「日の丸」キャンペーンが行われるのでしょうか。学校でも、「善意の教員」が「日の丸屋」の下請け販売をするなんてこともあるかもです。昔は、よく学校でいろいろなもの(鉛筆とか肝油とか…)を売ってましたね。妄想です。
 
昨日の討論集会、ボクはチョッと飲んでいる抗アレルギー薬と抗生物質のせいでお腹が チクチクするのと、強烈な睡魔に襲われるのとで、15時ごろに早退しました。
 北村さんのお話が聞けずに残念でした。
 大坂、八王子などの小学校からの報告、思っている以上にこの国が、不気味なレベルに達していることを改めて、実感しています。
 9月に台風15号についてのレポートを地理教育研究会に頼まれて、地教研会報11月号 に書いたのですが、台風被害を個々の被害として切り出すのではなく、被害を生み出している“バックグラウンド”を理解することが大切だと書いたつもりです。「台風被害」のバックグラウンドは「気候変動」です。では、「天皇制」を支えるバックグラウンドとは何でしょう。
 一つは、明治維新で新たに創造された(でっちあげられた)天皇を犠牲にし利用する「天皇制」が敗戦後にも反省されず、日本国憲法の下で実質的に強化されてきたことでしょう。
 もう一つは「平成流」などと言って、「ソフト天皇制」を歓迎したり、国民が「天皇は平和主義者」「天皇は護憲派」と妄想したりすることもその一つだと思います。
 現代は、多くの国民、自らが「臣民」であることを「欲している」時代のようにも見えます。しかし、これを世界の中でみてみると、この国が陳腐化していることが際立ちま 日本は内向きのDV国家になり、国民と天皇(+権力)との共依存関係が強まり、抜け 出せなくなっています。

■主催者総括
  学習討論集会「天皇代替わりと替わりと学校教育」の総括
 ・参加者:58名、予想を大きく上回った。天皇制強化に対する危機感の表れであろう。
 ・報告の内容(特に大阪、八王子、北村さん)はそれぞれ充実したもので、
 情勢認識の共有が進んだと考えられる。
 戦前と同様の天皇制の復活、組合の弱体化と学校現場の教員の孤立化などについてその深刻さが共有された。
 ・ただ、今後の具体的な取り組みについてはあまり深まらなかった。
 ・それでも、この集会を開いたことにより、今後の闘いの一つの土台ができた。

 
来年2月の「総決起集会」は
  <日時・場所>2020年2月9日(日)午後、しごとセンター・講堂、に決定。





 

2019年10月28日月曜日

10/26都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

●根津公子の都教委傍聴記(2019年10月24日)
学力テスト実施に何の意味がある? 弊害は?

公開議題は、
今年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」及び今年度「全国学力・テスト学習状況調査」の結果についての報告1件のみ。
前者は都学力テスト(小5、中2が対象 7月実施)、後者は全国学力テスト(小6、中3が対象 4月実施)。このほかに、区市町村教委が独自に行うテストもかなりの数にのぼる。

都学力テストの報告では、
各教科の平均点、教科書例題レベル問題の平均正答率、学力の定着が図られている問題例等を示したうえで、授業内容の理解度年次推移、自尊感情に関する質問の調査結果と平均正答率の関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い)、家の人との会話に関する質問の調査結果と平均正答率との関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い。肯定的な回答をした児童・生徒が減少している。)を数値で示した。
この結果から、取り組みの方向性だとして、「授業改善のさらなる充実」「主体的に学習に取り組む態度の育成」「保護者向け『リーフレット』による情報発信」をあげた。全国学力テストについては、全国平均点との比較、正答数分布割合を示した。

根津コメント

 報告に対して教育委員からは、「平均点を見ても意味がない。データをどう見るか、違う分析が必要なのでは」「家庭にどう指導していくか」などの発言はあったが、学力テスト自体を否定する、見直そうという発言はなかった。
学力テストには不正がつきものだ。1950年代終わりから始まった全国学力テストは、学校や地域間での競争が激化し、それに伴い不正も生じた。そうしたことから教職員組合による反対闘争も起きて学力テストは廃止となった。


再び始まった学力テストでは2006年、足立区立小学校が区独自の学力テストで、採点から障がいのある児童3人を外す、机間巡視の中で教員が机をノックして誤答を教えるなどの不正や事前に過去問をやらせるなど点数アップを図っての工作がなされた。こうしたことが1校で起きたのではなく、かなりの数の小学校で起きたのだった。教員たちにとっては担任するクラス、教科の得点が気になる。それが自身の業績評価にも影響するだろう。となれば、子どもたちの興味関心よりも、点数アップのための授業に傾かざるを得ない。この弊害について発言する教育委員はいなかった。


 授業は教科書だけでなく他の教材・教具・題材を使って行っていいのだが、教員管理・弾圧が激しさを増したこの10年、大半の教員は無難に教科書通りの授業をするようになってしまった。学力テストは、それに拍車をかけているのではないか。したがって、子どもたちの知る喜び・発見する喜びが圧し折られているのではないかと思う。学力テストは教員管理の手段でもある

10/10 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

●根津公子の都教委傍聴記(2019年10月10日)
夜間定時制高校切り捨てに教育委員の心は痛まないのか!

 今日の議題は公開議案が
①「来年度都立高校の生徒募集人員について」
②「特別支援学校高等部等の募集人員について」、報告が
③「請願について」。
  非公開議題には、
議案として「校長の任命」案件1件、「教員の懲戒処分」案件(停職以上の案件)が5件、
報告として「平成30年度における児童・生徒の問題行動等の実態について」「『いじめ止推進対策推進法』30条1項に基づく報告について」「教員の懲戒処分」(減給以下)。
  問題行動及びいじめに関しては長いこと社会問題になっているのだから、公開の場で論議してほしいものだ。停職以上の処分案件が5件あることにも驚く。

 ①「来年度都立高校の生徒募集人員について」及び③「請願について」
 資料が配られて最初に見たのは、来年度夜間定時制高校の募集人員。「小山台30人 立川60人」とある。来年度は両校とも存続する。
前回の定例会で立川高校の閉課程(廃校)とセットで都教委が考えているチャレンジ高校の開校が2年遅れの2025年度となる旨の報告がなされたことから、それまでは立川高校の閉課程はできないとは思っていたけれど、都教委の方針が変わったのではない。都教委の方針は閉課程なのだ。
 その2校存続についての請願が出されていた。小山台高校定時制については、「小山台高校定時制の廃校に反対する会」から、立川高校定時制については、「立川高校定時制芙蓉会(同窓会)」「立川高校定時制の廃校に反対する会」から。

 存続を求める切実な気持が伝わってくる請願理由なので、ここに記します。
 小山台高校:
 「平成28年2月12日の東京都教育委員会において、多くの存続を求める校が上がるなか、小山台高校など4校の夜間定時制の廃校(閉課程)が決定された。(略)
 小山台高校定時制は歴史も古く、長年地域の中で親しまれ、全日制に通学できなかった人たちの大切な学舎となってきた。今も、昼間働いている生徒や夜間中学卒業生、全日制中退生徒、若いときに学ぶ機会を逸した社会人など多様な生徒が通学している。特に、小山台高校定時制は、近年、人権尊重推進校として外国籍生徒や帰国生徒など外国につながる生徒たちを積極的に受け入れ、多文化共生の教育を積み重ねてきた。その手厚い教育体制は東京都のモデルにもなっている。このような特色ある学校を一方的に廃止することは納得できない。
  小山台高校定時制の生徒募集を継続し、存続させることを求める。」


立川高校:
 「(前略)都内の夜間定時制の普通科で最も多い生徒数となっている。同窓会をはじめ生徒、卒業生、保護者、地域住民などから、「立定(たちてい)」の存続を求める声はいっそう広がっている。  今年の2月、今後の都立高校の基本政策である「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」が策定されたが、その中で立川高校定時制の閉課程予定年度は「未定」となっている。
  立川高校定時制は多摩地域の中心にあり、交通の便も良く、現在300人近い生徒が在籍している。昼間働いている生徒や夜間中学の卒業生、若い時に学ぶ機会を逸した年配の社会人、外国につながる生徒など、いろんな生徒が学んでいる。全日制とともに「多摩に立高あり」といわれ、今年で創立82年を迎え6000名を超える卒業生を輩出してきた。…存続させることを求める。」

 都教委が4校を廃校と決めた時点から存続を求める請願は繰り返し行われてきた。しかし、4校のうちの2校を都教委はすでに廃校にした。「チャレンジスクールを新設する」「他の夜間定時制を受験すればよい」との、代替案とは言えない「代替案」を出して。

 今回の請願に対する都教委の「回答」はこれまでと同じに、応募者が少ないことを理由(※)に、上記した代替案を挙げる。
  ※夜間定時制課程はセーフティネットの機能を果たしているが、在籍生徒は年々減少している。
  ※夜間定時制課程には、昼間に学校に通うことのできない勤労青少年の学びの場として、昭和40年には夜間定時制課程に進学した生徒のうち勤労青少年は88.3%だったが、平成13年度のそれは7.0%、平成30年度は3.9%にまで低下している。
  ※小山台高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は26人、平成28年度は23人、平成29年度は22人、平成30年度は11人、平成31年度は13人など減少傾向にある。
  ※立川高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は90人、平成28年度は71人、平成29年度は91人、平成30年度は57人、平成31年度は51人など減少傾向にある。

 この「回答」を是認したうえで、教育委員は次のように発言(趣旨)。
 「本当は夜間定時制課程をこのまま続けて、チャレンジスクールも作るのがいいのだが、財政的に困難。この請願を認めれば、他も請願することになる。小山台高校で行われているいい教育を続けてほしい。でも、これらを実現するいいアイデアをなかなか思いつかない。」(北村教育委員)
 「学びたいという子の意思をどう保証するか、知恵を絞っていきたい。」(宮崎教育委員)
 「勤労青少年の比率が3.9%にまで低下している。請願に対する誠実なこたえは、生徒たちのニーズをどう実現するか。それが課題」(遠藤教育委員)

根津コメント
 教育委員に、本当に定時制課程に進学する子どもたちを支えようとする意思があるならば、請願に賛成するはずだ。採決・採択権限が教育委員にだけあることを自覚しているとは思えない言動だ。都教委事務方の提案に対して、批判検討したうえで採決するのが教育委員の任務であるのに、都教委の代理人のような動きに終始する。「学びたいという子の意思」保証は、夜間定時制課程を存続すること。明白ではないか。
 北村委員の、「この請願を認めれば、他も請願することになる。」とは何事か!請願用紙は受理するが、都教委方針に反対する請願には賛成しない、採択しないというもの。都民にとって、請願権は形ばかりのものと言っていると同じだ。その認識がこの人にはあるのだろうか!?
 「財政的に困難」というけれど、「次世代リーダー育成」を目的に2014年度から都教委が始めた都立高校生の留学支援は、年間200人を1年間留学させ、総費用300万円のうち240万円は都が負担する(このことは2014年2月13日開催の都教委定例会で報告された)。
 240万円×200(人)=4億8000万円。この金額は教員60~70人を雇える金額だ。すでに廃校にした2校を含め、4校存続は可能な額だ。オリンピック・パラリンピック教育にも巨額の予算が組まれている。都教委は、社会的弱者を切り捨てて、その金をエリート育成に回すこと、また、「愛国心」の刷り込みにつかうことしか考えていない。
       ***** ***** *****
 議事が終了したところで宮崎教育委員が兵庫県の須磨小学校で起きた教員のいじめ問題に関連して、「東京ではこうしたいじめはないと確認しているか」と訊いた。
人事部長は、「確認している。業績評価の取り組みの中でも取り組んできた。」と言った。傍聴していた元教員たちは、一斉に怒りたぎる表情に変わった。業績評価で教員同士を競わせ統制することがいじめの元凶であることははっきりしているからだ。孤立せず・させずに、協同で仕事に当たっていた20年前にはこのようないじめはなかった。
 自衛隊員間のいじめも問題となっているが、これも競わされ統制されることへのはけ口としての行為だ。子どものいじめも、大人のいじめを真似てのこと。都教委の役職ある人たちにその認識を持たせることは絶望的だ。
 定例会が終了し会場を出たところでSさん、Wさんは、「業績評価がいじめを生むのだ!」と教育委員に聞こえるように声を上げた(会場内で声を上げると排除されるが、会場を一歩出れば排除措置はとられない)。その声に、請願関係者の一人が近寄ってこられて、「まったくそう、業績評価こそがいじめを生みますよね。」と気持ちを重ねられた。

2019年10月18日金曜日

緊急のお知らせ 11月4日に集会を行います

10月12日に予定していた都教委包囲・首都圏ネットの集会は台風に直撃されて中止しました。再度計画を練り直し、以下の通り集会を開きます。ご参集ください。

<天皇代替わりと学校教育>

日時:2019年11月4日(月・振替休日)、
    13:00開場 13:30開会 ~ 16:30閉会


場所 日比谷図書文化館(日比谷野外音楽堂の隣です)
      スタジオプラス(小ホール)


内容・ ・大阪から皇国史観教育反対の取り組み報告
    ・東京八王子の天皇奉迎反対の取り組みの報告
    ・教育現場から(小学校・高校)
    ・北村小夜さんの話
    ・討論
    ・まとめ

2019年10月10日木曜日

緊急のお知らせ 10/12集会は中止します。

緊急のお知らせ 10/12集会は中止します。

10月12日(土)文京区民センターで開催を予定していた集会
「天皇代替わりと学校教育」は、大型台風が来るようなので、中止します。よろしくお願いいたします。
集会は、大嘗祭の前にやろうということで、計画を練り直しています。決まりましたら、お知らせしますので、よろしくお願いいたします。

2019年9月6日金曜日

10/12 天皇制代替わりと学校教育

10月12日(土)に都教委包囲ネットは集会を開きます。
天皇代替わりの「儀式」に伴って、学校教育の現場に天皇制の押しつけが目立ちます。
それで、教育現場での具体的現実を出して、この問題を考え、かつ闘う方向を共有していきたい思いますので、ご参集ください。








2019年9月4日水曜日

8/22都教委定例会 根津公子さんの傍聴記 

8月22日(木)都教委定例会及び総合教育会議  根津公子さんの報告です。

どんどん進むデジタルテクノロジー活用教育

 定例会の公開議題は高校の来年度使用の教科書採択の1件。
都教委にとっては、実教出版の日本史問題が「解決」した(「日の丸・君が代」に関し、「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」について、都教委は「都教委の考え方と異なる」と各学校に通知し、学校が選定することを事実上禁止してきたが、16,17年度版からは実教出版が記述を変えた)ので、 各学校が選定した出版社版が採択されたとのこと。
ちなみに、「高校日本史A」を選定した学校が10校、「高校日本史B」を選定した学校が5校だった。開始時刻が前回の定例会終了時に告げられた時刻から変更されていて、私は傍聴できず、Hさんから聞いたのだった。

「Society5.0時代の学校教育」
 その後、総合教育会議。こちらは傍聴した。
議題は「Society5.0時代の学校教育」と題し、まず、教育長が「タブレットPCを使っている学校の児童・生徒は、『授業が分かりやすい』と回答し、正答率も高い」「OEOECD諸国に比べて日本のICT活用は低い」と報告。Society1.0は狩猟社会、Society2.0は農耕社会、Society3.0は工業社会、Society4.0は情報社会で、Society5.0は日本政府が推し進める新しい社会だという。

 次に千代田区立九段小、町田市立堺中、三鷹中等教育学校(後期課程)の校長が自校での活用について報告。授業での活用のほかに、保護者会のお知らせやアンケート、学校だより等の家庭との連絡や、出席簿などの校務支援にも活用し、「働き方改革」にもつながると報告された。ICTを使いこなせる教員は少ないのが現状なのだから、「働き方改革」どころか、かえって忙しさを倍加させられているのではないかと思ったところ、「働き方改革」を言ったその口で、「ICT能力の差がかなりあるのが問題」と、相反する発言をした校長もいた。

 三鷹中等教育学校は16年度から「ICTパイロット校」(全都で2校)に指定され、全生徒に1台ずつのPCを提供し、日常的に授業や諸活動で使っているのだという。ほかにも、都は15年度から「ICT活用推進校」12校を、16年度から情報モラル推進校20校を指定しており、九段小はICT活用推進校。

 都教委HPには、各推進校を「支援」している企業名が書かれている(「支援」という言葉を使っている)。そこでは膨大なお金が動く。今日の傍聴者の中にはICT機器関係の社員と思われる方が数人いたことからも、都教委・学校と企業との癒着・もたれ合いが生じる心配をしてしまう。公教育が教育産業に丸投げとなる。今後、教材も企業が作り販売することになり、教員はその教材を映し出すだけ、目の前の子どもたちと人格的接触をしなく、できなくなってしまうのではないか、今以上に子どもたちは人と人とのかかわりの中で人格形成をすることができなくなってしまうのではないかと考えると恐ろしい。
デジタルテクノロジーを活用した教育は国策

 最後は、「Society5.0時代の学校教育~EdTechがもたらす教育改革~」と題して、佐藤昌宏・デジタルハリウッド大学大学院教授の話。氏は、内閣官房・教育再生実行会議の技術革新ワーキング委員や経産省・未来の教室とEdTech研究会座長代行等々、いくつもの政府の役職にあるそうだ。

 EdTechとは、デジタルテクノロジーを活用した教育(学び)のイノベーションで、それは「国策」だという。EdTechが進むと、学習者一人ひとりにとって最適な学習機会が得られる。知的好奇心さえあれば、よい学びができる。デジタルテクノロジーは、単なるツールではなく、「教育のインフラ」。教育を科学する。人間の価値を再確認する。EdTechイノベーションの目指すところは、デジタルテクノロジーを活用し、「質の担保された教育」をどう作るかにある。それには、教育についての既成概念を取り除くことが必要。受験はなくなるかもしれない。などと、聞き耳を立てないと聞き取れないほどの早口での話だった。こう言い切ることの根拠はあるのか、と疑念を持たざるを得なかったが、それについての話は一切なかった。
 話を受けて教育委員の二人から、「(ICTに)今投資することが大事」との発言があったが、行け行けどんどんはやめてもらいたい。 デジタルテクノロジーを活用した教育を、文科省を超えて総務省が打ち出す中、子どもも教員も長期にわたって、いや生涯にわたって個人データが国に管理されるという怖さも感じる。 

2019年8月2日金曜日

<教育の国家支配はゴメンダ!>のつづき

<教育の国家支配はゴメンダ!(2)で、「スマートスクール推進校」になっている
         都立高校の教員(女性)からの報告


東京都の教育現場からの報告で、都立高校教員のKさんは<都立高校の現状>とKさんに対して3年後には再任用しないの事前通告攻撃がなされていることを報告しました。
現在どこまで教育現場がひどい状態になっているか、また「君が代」不起立者に対する処分がいかに苛酷なものになっているか、がよくわかると思います。
これが安倍政権下での「悪夢」でなくて何でしょうか。
是非読んで頂きたいと思います。また、転送・転載も歓迎です。
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都立高校の教員のKです。
私は2004年と2013年、2016年に処分されました。予防訴訟、君が代裁判2次訴訟の原告でした。それから君が代裁判4次訴訟の原告でした。それからもう一つ君が代裁判5次訴訟の原告になります。

「10・23通達」が発せられてから16年目の都立高校はどのようになってきたのかを簡単にお話し、そして今年の卒業式の状況として、私に起こったことをお話ししたいと思います。
先ほど世取山先生のお話を聞いて、私が日頃思っていることがいろいろあって、すごく胸に突き刺さりました。

私の学校は「スマートスクール推進校」になっておりまして、まさにスマホを指ではじくようなことをやる授業が推進されているんです。私には言いませんけけども、他の教員にはIC器具を使った授業、スマートフォンを使った授業をするようにと校長が言っているそうです。
その「スマートスクール推進校」に関しては、教員はみな反対していました。全員が反対していましたけれど、校長が勝手に決めて導入しました。導入された今でもみんなこんなことは意味がないと思っています。ですけれども、リクルートのサプリをいろんなところで利用して、たとえば夏休みの宿題とか朝学習に使ったりとか授業のときにスマートフォンを使って、ゲームのような形で、生徒に学習させるとかをさせています。
私はそういうのをみるにつけ、ほんとにこんなことでいいんだろうか、まさに教育の〇〇化、これからの教育が本当に心配だなーと常に思っています。こういうことも「10・23通達」以降、校長が思うままのことができるようになったからだと思います。

新学期の終業式がおとといありましたけれども、その日に文化祭実行委員の生徒と話していたら「先生たちも長時間労働が大変らしいじゃん」と言ってきました。それで私が「よく知っているね。ニュースとかにも出されているからね」と言ったら、「いやそうじゃなくて、今日プリントで配らたから」と生徒が言うんですね。「学校閉庁日」、今年度から本格的に導入されたんですけれども、その説明が全部に配られたらしいです。
長時間労働を解消するための方策として、鳴り物入りで導入されたものなんですけれども、
学校の「閉庁日」なんて、都立高校の教員にとってはなんの意味もないと思います。
夏休みとか冬休みに何日か休暇をとる自由はまだあります。いつ休めなんて、そんなこと強制されたくないと思います。教員の長時間労働解消とか働き方改革などと盛んに言われていますけれども、業務を縮小するための方策はなにも示されていません。
6月末から夏休みまでの時期は成績処理とか、私は文化祭の準備などで息つく暇もない忙しさでした。最近、体力の衰えを感じていますけれども、私だけでじゃなく、私の職場でも、職員室で咳込んでいる教員がすごくたくさんいます。

ただでさえ忙しいのに、6月末頃から「ストレスチェック」とか、「日常業務の自己点検表」とか、「スマホやITを使った授業をしているかどうかのアンケート」とか、「退屈防止チェックとシート」とか、「個人情報取り扱い自己点検票」などというようなアンケート類が学校にいくと毎日のように机の上に置いてあるんです。
私の周りで、副校長が「ナニナニ先生ストレスチェックまだですよ」とか声をかけているんです。教員は「そういうふうに副校長にせかされるのがストレスなんですよ」と言って、副校長も「私も先生たちにせかすのがストレスなんですよ」とか言っているんですけれど、実際副校長も私たちも大変です。
体罰防止に至っては校長室に全員呼び出されて、「体罰してませんね」とか確認されていますが全く意味がないです。「体罰してます」なんて言うわけがない。「見た」なんて言うわけはない。

それに加えて、6月26日の職員会議では、「7月5日までにイーランニングをやってください」というお達しがありました。「イーランニング」と言うのはタイムスで行う研修で、
5年くらい前から始まったんですけれども、最初は量も少なかったんですが、だんだん多くなってきて、今年は決まっている回答をみながらやったとしても1時間以上かかるというようなものすごい量になっています。記述まであって、なんでこんな忙しい時期に
こんなことをやらせるのかって、みんなすごく怒ってました。
私は自力で毎年やっているんですけれども、自力で取り組んでいる教員は多分とても少ないと思います。でも自力で回答を見ながらやっても1時間以上かかる。こんな無駄なことをやらせるということにホントに頭に来ます。
都高教もこれはまずいと思って要請をし、校長会も動いて、8月9日まで期間が延長されたんですけれども、その通知が来たのは当初の期限である7月5日なんですね。ほとんどの人が副校長にせかされてやり終えていましたので、まったく意味がありませんでした。

また、成績会議の日には体罰防止とかいろんなことに対する校内研修が長時間行われたため、会議は5時までに終わりませんでした。ホントに無意味な雑用が多すぎるんです。
先日は若い教員が「週案」とか、「学力スタンダード」とか、「自己申告書」とか、無意味な雑用が多すぎるとぼやいていましたけれども、ホントにこういう無意味なことばかりをやらされ続けると、教員の心の中のとっても大切な何かを傷つけていくんじゃないかと私は心配してます。

再任用の件
私は今年から再任用で働いています。いろんな問題があって、都立高校が大好きで、定年後5年間は再任用として働き続けたいと思っていました。
1月24日に再任用が決まったということを校長から25日の朝、言われたんですけれどもその日の午後、朝とは打って変わった暗い表情をした校長が私のところにやってきて、「大事な話があるので校長室に来てほしい」と言ったんです。校長室に行くと校長が「事前通告」を見せました。
「事前通告」を読むと、前日の夜の10時に人事部から送られてきたメールは、文書を該当者に渡してはいけない。校長の言葉で伝えるように。という指示があったそうです。
校長はあまりにもひどいと思って、「こんなこと自分の言葉で伝えることはできない、この文書をこのまま読み上げていいか」という確認を都教委にとったそうです。それで校長はこの文書をゆっくりと読み上げて私に書き写させてくれました。


この「事前通告」の内容を簡単に言うと、年金支給開始年齢に達するまでは都労連との合意があるために採用するけれども、そのあとは平成28年3月に処分されているから任期を更新しないし、非常勤教員にも採用しないというものです。
耳を疑いました。あまりの衝撃で呆然としました。2016年3月の卒業式で、国歌斉唱に起立しなかったために3回目の処分を受けて、十分不利益を受けているのに、定年後の職まで奪われてしまうのか、それはあまりにもひどいと思いました。何よりも大好きないまの学校にあと3年しかいられないと思うと悲しくてたまりませんでした。仕事が無くなったらどうやって生活していけばいいんだろうっていうことも考えました。1年更新再任用・非常勤教員の採用についても3年後は採用しない、ということを事前に通告するという点でも極めて不当だと思います。

校長も「ひどいよ。怒っていいよ」と言っていました。職場会でもみんなにこのことを話しました。「あまりにもショックで言葉が出なかった」「心が凍り付くようだった」「ひどすぎる。私にできることがあれば力になる」といろんな人が声をかけてくれました。
そして「これはKさんだけの問題じゃないから」と職場決議もあげてくれました。
組合にも要請したり、弁護士たちにも相談したりしていますけれども、まだいい解決策は見つかっていません。


でも私は、まだまだ生徒に伝えたいことがいっぱいありますし、授業でいろいろなとを生徒たちに伝え、いろいろのことを考えさせる、そういうことを、生徒と一緒にやっていきたいと思いますので、これから5年間は教員でいたいなーと思いますので、みなさんにも力を貸してほしいなーと思います。

今年の卒業式、初めて卒業式での不起立者がいませんでした。ですけれども、「10・23通達」の問題が終わったわけではありません。
いま都立高校で一番問題だなーと思うのは、生徒に対する強制が進んでいることですです。
2008年から多くの学校で、卒入学式の進行表に、不起立の生徒がいたら近寄って起立を促す、という文言が入れられるようになって、1昨年度からは卒入学式の進行表の中に生徒の不起立にたいする対応が書かれていないと司会は起立してない生徒がいた場合、「ご起立ください」という文言を入れるように都教委から強い指導を受けるようになって、
この文言がないと受理してもらえないとなりました。これは生徒に対する明らかな強制だと思います。


私たちが闘っていかないとどんどんどんどん強まっていきます。これからも生徒のための卒業式をとりもどすため、自由な学校をとりもどすために、闘いを続けていきたいと思います。皆さんもともに一緒に闘いましょう。

2019年8月1日木曜日

第9回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会 つづき

『第9回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会』
    ~教育の国家支配はゴメンダ!~

の続報です。

講演の後、
 ①<報告(Ⅰ)東京の闘い>(4人)
 (昼休み:ジョニーHさんのミニライブ)
 ②<特別報告 広島の闘い>(2人)

③<報告(Ⅱ)大阪の闘い>(8人)



④<報告(Ⅲ)全国から>(4人+メッセージなど2)
⑤<報告(Ⅳ)市民・諸団体から>(9人)
というように多彩な発言が相次ぎました。
いずれも現在の「日の丸・君が代」強制とそれを取り巻く
様々な問題(いずれも大変厳しい)の報告でした。
凡て紹介したいのですが、それはとても無理なので、以下に幾つか或いその項目を紹介します。
①では「東京の学校現場」として、 「スマートスクール推進校」になっている都立高校の教員からの報告がありました。ICTを使っての授業が、全員反対したにも関わらず、校長がトップダウンで導入しておきながら、「ストレスチェック」などのアンケートをやらせていることなど、バカバカしいことが次々に要求され、職場では不満が渦巻いているということでした。(これは後ほど、テープを起こし報告したいと思います)

②では、かつて「平和教育」が盛んだった広島では文部省による「是正指導」で「平和教育」が弾圧され、「日の丸・君が代」が強制されるようになりました。そして、教組も十分闘えなくなったが、最近有志7名の呼びかけで、「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」というものを出したところ、それだけの数の教職員が賛同したこと、「君が代」不起立者に対する差別的な人事や仕事の振り分け(卒業式ではいつも駐車場係り)が起きていること、などが報告されました。


















③では、大阪から以下の報告がありました。




































 ・2019年大阪での卒・入学式等の現状
 ・戒告処分取消し訴訟 原告7名による行動提訴について
 ・2017年大阪府の再任用拒否 国賠訴訟報告
 ・信教の自由と合理的配慮(被処分者から)
 ・戒告処分取消請求・人事委員会闘争 今秋裁決
  「天皇退位を祝う」児童朝礼の校長に面談を要請
 ・校長への郵便物受け取り拒否行為について
 ・「君が代」不起立を唯一の理由としての
  再任用合格取り消し許さない裁判、上告棄却を許さない
 ・自由にものを言えない空気が充満している学校

④では神奈川から、
 「日の丸・君が代」強制、「元号強制」、
 「生徒の個人情報の取り扱い問題」、
 「文科省:の新時代の学びを支える先端技術活用推進方策
 (最終まとめ 2019・06・25)」
 「神奈川における生徒の個人情報取り扱いに関する交渉」についての報告がありました。
 福岡からは、
 情勢と諸闘争についての報告があり、「学校現場での闘い」のところでは、<校務支援システム>で児童生徒の情報がすべて教育委員会のサーバーに集約されていること、<土曜日授業、夏休み短縮、小学校の午前中5時間授業>などに対し、<我々と共に闘う議員の獲得>や<学習会の街頭宣伝行動>、などが報告されました。

⑤では、以下に紹介するような報告がありました。
 ・自衛隊・大東大学学園祭問題(板橋区議・五十嵐やす子さん)
 ・天皇代替わり(靖国・天皇制問題情報センター・中川信明さん)
 ・地方議会で起きていること(あきるの市議・辻よし子さん)
   ここでは「君が代」不起立の市議に対する
   さまざまな圧力と、それに抗する闘いが述べられました。
 ・道徳教科化をどう受け止めるか(多摩教組委員長・宮沢弘道さん)
 ・朝鮮学校無償化排除問題(同連絡会共同代表・長谷川和男さん)
 ・五輪副読本裁判(原告の方)
 ・生徒による自治委員会運動(日本自治委員会・平松けんじさん)
   平松さんは「The Interschool Journal」を出しています。検索すれば出てきます。
 ・「ひのきみ」全国ネットワークからのアピール(小野さん)

ご覧のように、集会ではきわめて多彩な報告が行われ、「改元・代替わり」で天皇制が強化されようとする困難な情勢下、全国各地で「闘いの火を消すな」と、それぞれの持ち場で闘いを堅持している方々、また新たな闘いを作り出している方々、がいる事がわかりました。

集会では最後に、
・「特別決議 憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での
  『新天皇即位記念児童朝礼』に抗議する!
  小田村直昌校長は、子どもたちと保護者に謝罪を行え!」

・「『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会決議」を採択し、
銀座・数寄屋橋デモ(90名参加)を行いました。



















全国のみなさん!
世の中が暗くなればなるほど、「闘いの火」の光は遠くまで届くことになります。「明けない夜はない」のです。ともに連帯して、闘いを発展させましょう!!