お知らせ

拡大表示の方法: キーボードの「Ctrl」キーを押しながら「+」キーを押します。
縮小表示の方法: キーボードの「Ctrl」キーを押しながら「-」キーを押します。

2019年6月30日日曜日

4月23日(火) 天皇夫妻の「昭和天皇陵」への車列に児童を動員 (その一)

4月23日(火) 天皇夫妻の「昭和天皇陵」への車列に児童を動員 (その一)

八王子市教育委員会は「昭和天皇陵で譲位を告げる儀式に際し、天皇夫妻の車列が甲州街道を通った際に、八王子の2校(第二小学校、横山第二小学校)の児童を沿道で迎えさせました。
このことを後日知り、「根津さんと河原井さんを「君が代」解雇させない会」は八王子市教委、第二小校長、横山小校長への事実確認等を行いました。
根津さんからの報告です。

月23日の昭和天皇陵で譲位を告げる儀式に際し、天皇夫妻の車が甲州街道を通った際に八王子の2校(第二小学校、横山第二小学校)の児童が沿道で迎えさせられた件について
     
この件を知り、根津はまずは5月29日に八王子市教委に電話を入れ、3回のやり取りの後、2校の校長に電話を入れ、再度市教委に確認の電話を入れた(6月13日)。その回答結果を報告します。

<八王子市教委と校長とのやり取り>
1 市教委(対応したのは専任指導主事)の回答
〇4月22日に都教委から通知が来たので、4月23日に甲州街道沿道の学校(二小、横山二小、陵南中)に、教育指導課指導主事がメールで天皇が来るという情報提供をした。沿道に立つようには市教委は言っていない、あくまでも情報提供。
→6月13日に確認したところ、佐生専任指導主事は「混乱していた。22日に都教委から通知が来たのは、文科省が出した通知のことで、この件では八王子奉迎会実行委員会から23日の何時頃どこを通るという内容の文書が4月15日に届いた。」と訂正した。

市教委が3校に送信したメール文とその作成者を教えてほしいと要求しているが、6月23日現在、回答はない。

〇陵南中は出迎えなかった。
〇浅川小(沿道ではない)には市教委からは情報提供をしていない。浅川小は自治連合会からの連絡か要請を受けて子どもたちを沿道に並ばせたということだ。
各学校の判断で沿道に並ぶ、との報告は事前に市教委に上がっている。この、学校の判断が不適切な判断とは思わない。
即位は200年ぶりのこと、大事なこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で「理解と敬愛の念を深める」と示されている。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った指導だ。
佐生専任指導主事は横山二小の現場に行った。危険はないかの確認を含めて、様子を知っておくために。6年生だけでなく、たぶん全校児童が参加していたと思う。
(退位・即位に関する文科省通知文にあるように、出迎えるという行為は「国民こぞって祝意を表する」ことを子どもたちに求めたということで、思想の強制に当たる。子どもたちの思想・良心の自由及び思想・良心の自由の形成過程のか。と私が訊くと)私の立場ではお答えできない。

2 2校の校長には
.なぜ出迎え・沿道に立たせたのか
.対象児童は何年生か 
ウ.職員から反対はなかったか 
エ.児童保護者への説明はどのようにしたか。「苦情」はなかったのか 
出迎えは敬意の意思表示、「国民こぞって祝意を表する」ことを子どもたちに求めたということで、思想の強制に当たる。子どもたちの思想・良心の自由及び思想・良心の自由の形成過程にある子どもたちのその自由を侵害するとは考えなかったのか。 について質問した。

二小校長の回答
ア. 23日にメールが来る前に斉藤指導担当部長から「ぜひ学校で対応してもらえないか」と言われた(電話でのようだったが、不明)。(「学校の判断で決めた、市教委はあくまでも情報提供をしただけ」と市教委は言ったが、と訊いたら)「対応」ということばを使い、「しなさい」とは言わない。忖度しなさいということだ。
イ.6年生。
ウ.特になかった。
エ.児童には担任から元号が変わること、陵のことを話してもらった。裁量の時間を使った。保護者にはメールで説明した。「意見があれば、連絡をください」と書いた。苦情はなかった。
オ.(この質問をしたら)来客もあるので、電話を切らせてもらいます。(「私はこの件について問題があると思ったから質問をしたのです。市民である私の考えを聞いてください」と言うと)では、2分認めます。(私が問題点を指摘したところで)2分を過ぎたので切らせていただきます。
 
この校長はオの質問を受けた時点ではじめて学校批判の電話であることに気づいた様子。初めは「忖度しなさいということ」に示されるように、全く警戒することなく本音をことばにしていたのだ。

横山二小校長の回答
.多摩御陵は横山二小に近い。地域を愛する子どもたちを育てたいから。また、本校はオリンピック・パラリンピック教育の指定校なので、沿道に立たせることで日本人の自覚と誇りを育むことも考えた。
以降の質問をしたところエまでについて校長は、「答えません」の一言で、根津がオの質問をしている最中に電話を切った。


市教委が言う、八王子奉迎実行委員会が市教委に届けた文書を以下に転載します。

 なんと、問い合わせ先は市教委の教育センター内事務所となっています。町会自治会連合会は市の市民活動推進部協働推進課の管轄になっているようなので、教育センターは今回だけの問い合わせ先なのでしょうか。

                                        
平成314月15日
 各位
 天皇皇后両陛下八王子奉迎実行委員会 代表 秋間利久

 天王皇后両陛下 武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う
八王子奉迎(沿道お迎え)対応について

 春暖の候 皆様方にはご清祥のこととお慶び申しあげます。
  さて、宮内庁情報によりますと、来る423日(火)に天皇皇后両陛下は、御退位に伴
 う「昭和天皇山陵に親謁の儀」に際しまして、皇居御発された後、中央道八王子イ ン  ターチェンジから市内をご通過され、武蔵陵墓地へ向かわれます。
今生天皇として、最後の御参拝となることからも、多摩御陵の地元として、市民の皆様と
歓迎の意を表したく、下記のとおり沿道でのお迎えを実施することといたします。
つきましては、ご多用中、また期日が迫っている中、誠に恐縮でございますが、天皇皇后
両陛下奉迎について、より多くの市民の皆様が沿道でお迎えいただけますよう、周知をお願いするとともに、ご理解とご協力を賜わりますよう宜しくお願い申しあげます。

 1.日時   平成31423日(火)
       八王子インター11:00頃 ⇒ 武蔵陵 11:25頃
       (時間については、前後することがあります。)
 2.場所   別紙「路面図」参照願います。
       八王子インター ⇒ 左入交差点 ⇒ 道の駅八王子滝山 ⇒ 
       ひよどり山トンネル ⇒ 浅川大橋南交差点 ⇒ 20号バイパス
       ⇒ 大横丁交差点 ⇒ 追分交差点 ⇒国道20
       ⇒ 多摩御陵入口交差点 ⇒ 武蔵陵
 3.その他  ・国旗小旗は、当日沿道にて、町会自治会連合会の方から配布します。
      ・沿道では、子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮方お願いします。

               問い合わせ先
八王子市町会自治会連合会事務局
               八王子市散田町2-37-1
                教育センター内事務所 TELfax 042-673-4680



2019年6月29日土曜日

6/27 都教委定例会の傍聴報告

●6/27(水)都教委定例会についての根津公子の傍聴記 

こんな「資料」で教科書採択されてはたまらない!

第2週・第4週の木曜日に開催されることになっている都教委定例会がこのところ何度も週が変えられ、今月は、第2週は開催されず第3週である先週の開催だった。議題がないからと中止になることもあるので、今月も1回かと踏んでいたところ、先週の「定例会」で今回の第4週開催を告げられた。理由も告げずに定例会を変更するのは、傍聴者を軽く見ていることにほかならない。


 この日の公開議題は、議案「都立学校設置条例の一部を改正する条例の立案依頼 ほか1件」(=特別支援学校新設に伴い)と報告「教科用図書選定審議会(第2回)の答申について~教科書調査研究資料について~」のみ。非公開議案には3件の教員の懲戒処分案件(停職から免職)が上がっていた。2週続けて定例会を開催しなければならなかった案件はこのうちのどれなのか、と思ってしまう。

報告「教科用図書選定審議会(第2回)の答申について~教科書調査研究資料について~」――こんな「資料」を参考にして採択されてはたまらない!
 今年は小学校の教科書採択の年。採択にあたって都道府県教委は「教科書調査研究資料」を作成することになっている(教科用図書無償措置法)。そこで都教委は審議会に諮問し、答申を受けて、以下に示す「教科書調査研究資料」を作成した。
 都教委は、この「教科書調査研究資料」を都立義務教育諸学校の教科書採択の参考資料にするとともに、都内の区市町村教委、国立及び私立の義務教育諸学校の校長に配布し、教科書採択に関する指導、助言または援助をすることになっている。
 
調査内容は――。教育基本法、学習指導要領、都教委の方針等を踏まえて調査研究したという。
さらには、a.「我が国の位置と領土の扱い」、b.「国旗・国歌の扱い」、c.「神話伝承を知り、日本の文化や伝統に関心を持たせる資料」、d.「北朝鮮による拉致問題の扱い」、e.「防災や自然災害の扱い」、f.「一次エネルギーや再生エネルギーの扱い」、g.「持続可能な社会づくりについての扱い」、h.「性差と家族についての扱い」、i.「オリンピック・パラリンピックの扱い」に関しても調査研究をしたとのこと。a~iは都教委が力点を置くところだから、という。

 国語では4つの発行者(出版社)すべてについて、「調査の結果、dについては記載のないことを確認した」と記す。開いた口が塞がらない。

 6年生社会では、3つの発行者別に「国家・社会の発展に大きな働きをした先人名」「国宝・文化遺産名」を古代から現代までに分けて列挙したり、「国際社会において我が国が果たしている役割を取り上げているページの扱い」を「政府・省庁・自衛隊」「ODA(JICA・青年海外協力隊等」「非政府組織(NGO)・その他」に分けて掲載ページや教科書「本文」を紹介したりする。
 また、上記aからiのすべての項目について、「本文」を使って詳細に掲載する。ここに力点を置いていることは一目瞭然だ。

 一方で、6年生で学ぶべき日清戦争以降の日本の政治についての調査研究は皆無である。上記した「先人名」で十分ということか。社会科を学ぶ意味をはき違えている。
教育委員には、採択にあたり、このような毒にしかならない「調査研究資料」に振り回されないでほしい。

 そもそも、文科省は、2014年に社会科教科書検定基準に「政府見解」や「確定した判決」があればそれを書くことを追加した。それによって、社会科教科書は「政府見解」を書かなければ教科書検定を通らなくなっている。したがって、どの社も「領土」を大きく取り上げる。その記述は安倍内閣の「見解」だから、嘘ばかり。安倍内閣の宣伝冊子のようだ。今後は原発に関する最高裁判決も書かれていくだろうが、忖度判決が記載される心配がある。
 国定教科書になっている現実を直視したい。

2019年6月25日火曜日

オリンピック教育批判ビラ 第17弾

オリンピック教育批判ビラ 第17弾をアップします。

撒きたい人はご連絡ください。送ります。



2019年6月23日日曜日

オリンピック教育批判ビラ 第16弾のビラまき報告

「オリンピック教育」批判第16弾 ビラまき報告

■<井草高校> 5月20日(月)
ここも最近受け取りが悪くなっていました。それでもいつも受け取ってくれる教職員の方は、今回も「ご苦労様」と言って受け取ってくれました。生徒の受け取りは相変らずで、
生徒たちの多くは他人事のように通り過ぎますが、それでもわざわざ自転車を止め受け取って行く生徒もいました。今回は29枚まけました。

■<杉並工業高校> 5月22日(水)
杉並1000人委員会の方と二人でやりました。ここは比較的ビラの受け取りは良かったのです。今回は比較的受け取りが良く、80枚でした。
いつも「ご苦労様」と言って受け取ってくれる教職員の方は、今回もそう言って受け取ってくれました。生徒では、新入生らしき生徒たちが比較的よく受け取ってくれたように思います。

■<武蔵丘高校> 5月24日(金)
すでに多くの生徒たちが体育着で登校していた。聞くと「朝練」だと言う。それにしても数が多い。又聞くと体育祭のための「朝練」だという。ということで、7:30頃には半数位の生徒は登校していたようだ。そこであとはちょぼちょぼとやってくる生徒と教職員へのビラまきとなる。それでもビラの受け取りはまあまあ。
ある教員は「この季節に珍しい」と言ってビラを受け取ってくれた。また、別の顔見知りの教員が「ご苦労様」と言ってビラを受け取ってくれた。
校門前にはいつものように副校長がずーっと立っていたが、それでも受け取る生徒は受け取って行く。結局38枚だった。

■<中野工業高校> 5月27日(月)
ここは比較的ビラの受け取りが良く、12月10日は65枚、2月8日は50枚だった。
それで、今回100枚を持って行った。すると、早い時間に登校する生徒からビラの受け取りが良い。教職員もまあまあ。
1年生とわかる生徒たちもビラを受け取って行く。中には「ありがとうございます」という生徒もいる。
8時10分頃になると10人ほどの教員が校門前で登校指導を始めた。「毎日ですか?」と聞くと「そうです」と言う。「勤務時間前ではないですか?」と聞くと「はい」と答える。
「働き方改革ですよ。無理しなくてもいいのでは」と言うと、笑っているだけ。そして、生徒に、制服、ネクタイ、ピアスのことなど「指導?」している。10人もいると生徒も反抗できないのだろう。言う事を聞いている。
それでもビラは受け取って行く。8:20分頃には、まだ登校してくる生徒もいたが、100枚持って行ったビラは全部はけてしまった。

■<戸山高校> 5月28日(火)
 校門前に着くと、予備校の女性宣伝スタッフが二人来ていました。聞くと大学生とのこと。そこで、「君が代の意味って知っている?」と聞いてみました。すると二人とも「知らない」と言うのです。そこで、「この中に書いてあるから読んでみて」とビラを渡しました。
この学校は有数の進学校で、参考書などを読みながら登校する生徒が多いのが特徴です。この日も、中間テストなのか、テスト勉強をしながら登校してくる生徒が多かったです。
都教委包囲ネットのFさんと二人でまきましたが、彼が通りすがりの中学生にビラを渡そうとしたところ、「先生からビラを受け取るなと言われている」と言って受け取らなかったそうです。これでは、若者が社会的無知状態にされるのも無理はないですね。
教科書は政府の「広報誌」のようなものに成り下がり、「道徳」が特別の教科として持ち上げられている現在、まさに新たな「少国民」が作り出されつつあるという事でしょう。
教職員のビラの受け取りも良くありません(「国定教師化」?)。
それでも、ビラは42枚まけました。

■<新宿高校> 5月30日(木)
ここは最近とみに進学実績に力を入れてきている学校です。参考書を読みながら登校してくる生徒たちも多いです。そしてビラの受け取りは良くない所です。今回も良くなく、24枚どまりでした。
それでも教職員の中には「ご苦労様」と言って受け取ってくれる方がいます。
おそらく「予備校化」しつつある職場の中で、民主教育を守るために奮闘しているのではないかと思います。ならば、なおビラを届けなければとも思います

2019年6月22日土曜日

大阪でとんでもないことが起こっている 抗議の賛同を

天皇代替わり 「新天皇即位」に関係して、大阪市立泉尾北小学校で許されざる事態が起こっています。
「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」の呼びかけに賛同をお願いします。

抗議文への団体・個人賛同をお願いします!■
  憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での
  『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文


 5月8日(水)、大阪市立泉尾北小学校において全校の子どもたちが参加する『「天
皇陛下ご即位記念」児童朝礼』(以下、「児童朝礼」)が行われました。「児童朝
礼」では、まず小田村直昌校長が代替わりと新元号の説明をしました。なんと新天皇
を「126代目」とまで紹介しています。
 その後、「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)氏(「教育勅語」を歌
にし、塚本幼稚園でも歌ったことがある)がゲストとして登場しました。そこでは、
明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌いました。どちらも神話上の天皇を賛
美し、「万世一系」を印象づける国民主権に反する歌です。さらに「仁徳天皇」を歌
う前には、教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に登場する「民のかまど」の話
をしました。
 さらには、自身のオリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌いました。
「行くぞ!日の丸!」は、「日の丸」を先頭にしてアジア諸国に侵略した戦前の日本
軍の姿を彷彿とさせます。外国籍の子どもたち、中でもかって日本が侵略・植民地支
配した国々にルーツを持つ子どもたちは、この歌によって深く傷つくのではないかと
私たちは憂慮します。
 小田村校長は動向のHPで山口氏の歌や話を「とてもいいお話」「とても素晴らし
いゲストでした」と絶賛しました。このような「児童朝礼」は、戦前の教育勅語教育
を小学校に露骨に持ち込もうとした森友学園の「瑞穂の國小學院」に通じるものがあ
り、明らかに憲法違反です。公立学校でこのような集会が行われていること自体、全
国的に例を見ません。
 私たちは、憲法に反する内容を子どもたちに押しつけた「児童朝礼」を行った小田
村校長と、同校長を任命した大阪市教育委員会に対して厳しく抗議したいと思ってい
ます。そして同校の保護者・子どもに対してはもちろんのこと、大阪市民に対する説
明と謝罪を求めたいと思います。
大阪市教委に対して抗議の申し入れを行いたいと思っています。
それまでに出来るだけ多くの団体・個人賛同を集めたいと思っています。
ぜひ、ご協力をお願いします。

■下記の要望書への団体・個人賛同を呼びかけます。
◇団体賛同の場合
  団体名をお知らせください。
◇個人賛同の場合
  お名前
  お立場(教職員、保護者、生徒、学生、研究者、弁護士、市民など)
   できればで結構です。
  お名前の公表(インターネットを含む)の有無
◇締め切りは7月7日(日)
◇送り先
    メール iga@mue.biglobe.ne.jp
◇PC・スマホ用署名ページ
http://form01.star7.jp/new_form/?prm=6a6b423%2F2--21-0583fb

*********************************

大阪市立泉尾北小学校小田村直昌校長大阪市教委に抗議する
■憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下御即位記念」児童朝礼』に対する抗議文の内容

〇5月8日(水)、大阪市立泉尾北小学校において全校の子どもたちが参加する「天皇
陛下ご即位記念」児童朝礼(以下、「児童朝礼」)が行われました。
「児童朝礼」では、小田村直昌校長が「天皇陛下がお代りになった話と126代目であること、元号も日本古来から続いているお話」(泉尾北小HP)をしています。新天皇を「126代」とすることは、神話上の神武天皇なども含む数え方をしており、歴史的事実に反し皇室が「万世一系」であるかのように教えることに他なりません。

〇その後、「児童朝礼」では「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)氏
(「教育勅語」を歌にし、塚本幼稚園でも歌ったことがある)がゲストとして登場し
ました。そこで山口氏は、明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌いました。
どちらも神話上の天皇を賛美し、「万世一系」を印象づける国民主権に反する歌で
す。さらに「仁徳天皇」を歌う前には、教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に
登場する「民のかまど」の話をしました。
これは、戦前の皇国臣民化教育の定番教材
で、子どもたちを「臣民」に仕立て上げていったものです。
2015年2月、愛知県一宮市教育委員会は、「建国記念の日」を前にした全校朝会で「民のかまど」の話をした市立中学校校長を注意をしたこともありました。
 しかし、大阪市立泉尾北小学校のHPには、この「児童朝礼」の様子が紹介されて
おり、小田村校長は山口氏の歌・話を「とてもいいお話」「とても素晴らしいゲスト
でした」と絶賛しました。
HP記事の最後には、小田村校長が山口氏の書いた色紙を
もった写真も掲載されています。その色紙には、「皇紀2679」と書かれています。
「皇紀」は神話上の天皇である神武天皇に由来するもので、戦後は公教育でも行政文
書でも一切使用されていません。「皇紀」を使った色紙の画像を公立小学校のHPに
載せることは不適切です。

山口氏は、自身のオリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌いました。
「行くぞ!日の丸!」は、「日の丸」を先頭にしてアジア諸国に侵略した戦前の日本
軍の姿を彷彿とさせます。外国籍の子どもたち、中でもかって日本が侵略・植民地支
配した国々にルーツを持つ子どもたちは、この歌によって深く傷つくのではないかと
私たちは憂慮します。大阪市がめざす「多文化・多民族共生教育」に反するものです
(資料)。
 公立学校の児童朝会での山口氏の歌や話は、戦前の教育勅語教育を小学校に露骨に
持ち込もうとした森友学園の「瑞穂の國小學院」に通じるものがあり、明らかに憲法
違反です。公立学校でこのような集会が行われていること自体、全国的に例を見ませ
ん。


泉尾北小に山口氏を呼び、「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼を行ったのは小田村校
長です。小田村校長は大阪市の民間人校長として5年目(泉尾北小では2年目)で、任
命したのは市長と教育委員会です。小田村校長は、大阪市立小学校校長になってか
ら、右派団体である「学ぼう会北摂」で講演をしたり、龍馬プロジェクト会長の神谷
宗幣氏のインターネット番組に登場し、大阪市の人権教育や歴史教育を「偏向教育」
と批判している人物です。今回の「児童朝礼」は、小田村校長が意図的に実施したこ
とは明らかです。


〇私たちは、憲法に反する内容を子どもたちに押しつけた「児童朝礼」を行った小田
村校長に対して抗議します。小田村校長を任命し、「児童朝礼」を実施させた大阪市
教委の責任を追及します。
小田村校長と大阪市教委は、同校の保護者・子どもに対し
てはもちろんのこと、大阪市民に対する説明と謝罪を行ってください。

■山口采希氏が歌った曲
□「行くぞ!日の丸!」
喜びと悲しみに
情熱が肩を組む
うつむいた日は過ぎた
時が来た まっしぐら
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ
ひたぶるに駆け抜けた
根こそぎのなにくそで
どん底も手を伸ばし
風一つ 掴んだる!
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
揺るがぬ魂 日の丸が行くぞ
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
白地に赤く 日の丸が行くぞ
□「令和の御代」
春の訪れ 風も和やかに
薫り高く 梅の花のように
うるわしき日々を 
ありのままに
咲き誇る
令和の御代に
和らぎの日々を
それぞれの心
満ち足りて
咲き誇る
令和の御代に
心寄せ合う
令和の御代に

□「仁徳天皇(唱歌)」
玉の宮居は名のみにて
あれにぞあれし 大殿に
三歳の月日 凌ぎつつ
民のかまどを にぎはし給ふ
その大御めぐみ
雨ふりしきる あしたにも
風ふきすさぶ 夕にも
大御身の上は 忘られて
民のうえのみ 思ほし給ふ
その大御心

■呼びかけ団体 
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会


■資料
◇山口あやきブログより
《今日は大阪市立泉尾北小学校の全校集会「新天皇ご即位記念集会」で歌わせて頂き
ました(*^^*)》
https://ameblo.jp/ayaki0416/entry-12459876448.html
◇神谷宗幣氏の番組での小田村直昌校長のインタビュー動画
ぜひ、みてください。あまりにもひどいです。
https://www.youtube.com/watch?v=fIAFEDXE1ns