●被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団は12月26日、「再処分をするな!都教委要請行動」を実施し25名が参加しました。ご協力に感謝します。
近藤徹さんからの報告です。
都教委側は、教育庁総務部教育情報課長、同課長代理が対応しました。
要請では、被処分者の会、同弁護団に加えて、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会、練馬教育問題交流会も要請書を提出しました。
なお、都教委が私たちの要請を無視して、早ければ1月9日の教育委員会定例会で処分を決定することを懸念しています。
◆被処分者の会が出した要請書
要 請 書 2019年12月26日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
東京「君が代」裁判原告団 事務局長 近藤 徹
東京都教育委員会教育長 藤田 裕司 殿
<要請の趣旨>
1.本年3月28日、最高裁(第一小法廷)は、東京「君が代」裁判四次訴訟(一審原告14名。上告人13名)において、一審原告らの上告を棄却し、戒告処分取消・損害賠償を求める上告受理申立を不受理とする一方、減給処分取消を認めた東京高裁判決を不服とした都教委の上告受理申立についても不受理とする決定をした。
これにより、1名・2件(特別支援学校教員)の卒入学式での4回目・5回目の不起立に対する減給処分(減給10分の1・1月)が取り消され、都教委の敗訴が確定した。
これは、従来の最高裁判決(2012年1月16日及び2013年9月6日)に沿って、不起立の回数を理由により重い処分を科す都教委の累積加重処分に歯止めをかけたものである。
2.当会・当原告団はこの判決を受け4月15日、司法により「違法」とされた処分を行ったことを「反省・謝罪」し「再発防止策を講じること」「問題の解決のために都教育庁関係部署との話し合いの場を早期に設定すること」「本請願書を教育委員会で配付」し「判決について慎重に検討し、議論し、回答すること」等を求める請願書を提出した。
3.しかるに貴委員会は12月19日、司法により「違法」とされた減給処分を行い、教育行政として重大な責任が問われる事案であるにも拘わらず、原告らに謝罪し、名誉回復・権利回復の措置を講ぜず、再発防止策をも講じることなく、突如として当該特別支援学校教員を「事情聴取」と称して都庁に呼び出した。
これは減給処分を取り消された現職の都立高校教員に新たに戒告処分を発令(以下再処分という)した事例(2013年12月・7名、2015年3月・1名、2015年4月・8名、2018年2月・2名)に鑑みると、今回も減給処分が取り消された特別支援学校教員に対し「再処分」を科すための準備であることは明白である。およそ7年前の事案での再処分など到底認められない。
4.しかも、上記事情聴取については、当該教員の授業・学級運営上の都合等に一切配慮せず、前日に校長を通じて命令で都庁に呼びつけ、しかも対応した都教委職員は本人からの希望・要請に誠意をもって答えようとせず、いたずらに時間を浪費し、理不尽な対応に終始した。学校現場の実情を無視し、また事情聴取の対象とされた教員の人権を軽視し侵害するこのような行為は決して許されるものではない。
そこで以下、緊急に要請するとともに、期限までに誠意ある回答を強く求めます。
<要請事項>
1.処分取消が確定した一審原告らに直ちに謝罪し、二度と「違法な」処分をすることがないように再発防止策を明らかにすること。
2.減給処分を取り消された特別支援学校教員の再処分を行わないこと。
3.都教委は、性急にも前日に「事情聴取」を行なうこと当該教員に伝えたが、「生徒が早めに下校する月・水・金曜に、または終業式や長期休業日などの生徒に影響が出ない日に変更してほしい」との当該教員の要望を聞き入れなかった。教育現場の実態を十分に配慮すべき都教委による現場実態を無視した対応及び生徒に影響が少ない日程に変更できない理由を明らかにすること。
4.当日、当該教員は事情聴取にあたって弁護士の同席を要求したが、対応した都教委職員は「弁護士の同席は、都教委の裁量で認めていない」を繰り返しのみで「その法的根拠を示してほしい」との質問には誠意ある回答がなく、勤務時間が終了し事情聴取がなされなかった。弁護士の同席を認めない法的根拠を明らかにすること。
5.当日主として対応した3名の担当職員の職・氏名を明らかにすること
6.処分を取り消された原告らの名誉回復・権利回復のために、都教委ホームページ等での懲戒処分の公表と同じ方法で処分が取り消された事実を公表すること。
この件につき「公表しない理由・根拠を明らかにされたい」との当会からの再質問に対して「都教育委員会は、他の機関が行った決定や発表等について公表していません。本件請願に関わる裁判所の決定等についても、公表する考えはありません」(2019年8月15日付 所管:人事部職員課)と回答しているが、その「理由・根拠」を明らかにしていない。改めて、質問に正対し回答することを要求する。
7.問題解決のための話し合いを拒否し、教育委員会への要請であるのに「教育委員会への報告及び教育委員会での審議は行いません」というこれまでの態度を改め、都教育庁の責任ある職員と被処分者の会・同弁護団との話し合いの場を早期に設定すること。また、本要請書を教育委員会で配付し、慎重に検討、議論し、回答すること。
<回答期限> 2020年1月8日(水)(1月9日・教育委員会定例会前日)。上記近藤まで文書及びFAXで回答すること。