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2014年3月22日土曜日

3/19 田中聡史さんの勤務校 卒業式

■田中聡史さんが勤務する板橋特別支援学校の卒業式がありました。

やめて44

7時15分ころから通用門のところで、<解雇させない会>と<包囲ネット>のビラをまき始めました。<解雇させない会>の方たちは、ボードに 「やめて!都教委『君が代』不起立処分~『思想・良心の自由』は侵すことのできない権利です~」
と書いたものを、校門の前に出し、「君が代」の強制は誰にとってもおかしい!と大書横書した3メートル弱のボードを、門近くの道路に設置しました。
また、間もなくやってきたKさんは「「日の丸・君が代」強制(違憲)反対!不当処分反対! 言論・表現の自由を守れ!」と、「日本国憲法第99条(公務員の憲法擁護義務)の条文」を書いたプラカードを設置しました。

ビラまきに集まった仲間は、時間と共に次々に増え、<学校と地域をむすぶ板橋の会>、
<東京医労連精神医学研究所労働組合>、<「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会>などの方々がいました。(計26人)。

おかしす5

その間、見慣れない背広姿の2人がやってきました。「支援センター」からやってきた職員だったようです。「お早うようございます。都教委の方ですか」と問いかけても、
全く何も答えようとしません。
そこで、「石原は『国歌を歌わない』と言っていますよ。『文學界』3月号で。知っていますか。」と聞いても無言です。
「10・23通達を出した時の知事が言っているのですよ。あなたたちは何時までこのようなことをやっているのですか。あなたちは敗戦になっても相変わらず戦わせられているのですよ。もう、こんなことはやめましょう。」と言っても無言です。

ビラ0

そのうち、先日のS副校長がやってきました。しかし、今回は何も言いません。
「支援センター」の人に言ったのと同じことを言いましたが、何も答えず、黙って立っているだけです。しかし、通用門の少し奥の方にカメラを三脚で据え付け、無人カメラでこちらを撮影していました。
生徒たちが登校する時間帯になりました。私たちが生徒にもビラを渡そうとすると、いままで黙っていた副校長が、「生徒には渡さないで下さい」、「生徒には渡さないで下さい」と繰り返します。
それを聞いていた労働組合の方が、「なんでそんなことを言うんだ。受け取る者は受け取る、受け取らない者は受け取らない。何が悪いのか。なぜ、規制するんだ。」と強く怒りました。また、別の方は「なぜですか」と聞き返しました。
しかし、それに対しても、副校長も「支援センター」の職員も、無言で何も答えようとしませんでした。
そのうち、生徒や保護者が次々にやってきました。中には、戸惑う生徒や保護者もいましたが、「ありがとうございます」と言ってビラを受け取る人もいました。ビラまきは賑やかでした。

9:30頃、ビラまき終了。
11:00過ぎ、卒業式が終了した時点で再び学校へ。
昼休みになり、田中聡史さんが出てきました。「不起立で、現認されました」。

2014年3月21日金曜日

都立高校 卒業式チラシ撒きの報告

<S高校>
8時ころから撒き始める。ここも進学校のせいか、ビラの受け取りが悪い。教職員も保護者も余り受け取りがよくない。が、一人の保護者がビラを受け取り、見て、「頑張ってください」と言って中に入って行った。
しばらくして、副校長が出てきて、「校門の端の方でやってくれ」と言う。
しばらくして、一人の職員が出てきた。顔をよく見ると以前(約25年前)C県U高校で一緒に働いていた仲間だった。再会を喜び合う。
聞くとこの学校はかつては自由な学校だったが、今は予備校などとつながって受験勉強オンリーのような学校になってしまったという。
さらにもう一人、元板橋高校教員の藤田勝久さんの友人の教員が加わる。

校舎の中からずーっとこちらを伺っている人物がいたので、「あれは副校長ですか」と聞くと、「知らない人物です。聞いてみましょう」と言う。結果は、「支援センターの人だそうです」と言う。なにしに来ているのか? 職員も知らない形で学校に来るなどというのは許されるのか。

<H高校>
2人でまき始めると、校長が出勤して、型通り、敷地内ではまかないことと言う。
生徒は自転車が多くなかなかはかどらない。保護者の受け取りはよかった。
生活(生徒)指導を名乗る教員が現れる。「俺にも言いたいことがあるけど、校門でビラをまくのはいけない。」と執拗に迫る。
さらに、黒塗りの覆面車が校門の前で止まってから走り去り、浅川の土手で我々の写真を撮っていた者が近づき、「警察の者だ。学校から連絡があった」という。特に強硬には出てこない。

<T高校定時制>
17時から18時。ここは去年に続いて2回目。全員歩きなので生徒数は少ないが効率よく撒ける。受け取りもすこぶる良い。昨日のKS高校もそうだったが子づれの卒業生もいる。また、親が外国人(基地が近いせい?)など生徒はバラエティーに富んでいる。外国人の親はおめでとうございますと言って渡すとハグしそうな勢いの人も居て楽しい。出迎えの先生3人も友好的。生徒との会話もフレドリーで翌日の全日制とは違いを感じる。

<S高校>
午前8時10分~10時まで、3人で2カ所の門でまきました。
生徒たちの対応や様子がとても穏やか。自転車通学の生徒も含めてほとんどの生徒たちが受け取ってくれました。保護者も同様でした。
しばらくしてから、校長と名乗った女性が出てきて「配らないでください」と2度繰り返しましたが、すぐに引っ込んでしまいました。
保護者の中には、「ご苦労様」と声をかけてくれた人もいました。終了時に、近くの職員に「これで帰ります」と声をかけたところ、「ありがとうございました」と返事がありました。
昨年は、校舎入り口に、これ見よがしにゴミ箱を出していたのですが、今年は、そんな嫌らしい対応はありませんでした。
門においてある「卒業証書授与式」の看板のところでは、通りがかった教員を気軽に呼び止めて、生徒たちが記念撮影のシャッター押しを頼んだり、一緒に撮影したりする、フレンドリーな雰囲気の学校でした。
受け取りが良かったので、450枚ほどまけました。

<C高校>
8:20頃校門についてビラ撒きを始めました。昨年とは異なり、生徒の受け取りは比較的よくて、受け取らない生徒の方が少なかったような気がします。保護者の受け取りも良くて、拒否する保護者は少なかったと思います。
だいぶ立ってから、副校長(元勤務校で同僚)がもう一人の教員と出てきて、「ビラをまかないでほしい」と言いました。「話は聞きました」と答えて、ビラ撒きを始めようとすると、同じことをもう一度言いましたので同じように答えて、それで副校長は校舎に戻りました。その副校長は、昨年は「警察を呼ぶ」というようなことを言っていましたが、今年は言いませんでした。
この高校の生徒は制服で卒業式に参加していました。

<A高校>
・時間:8時5分~9時50分頃
・他に配っていた人:学習塾関連が9時過ぎまで5名程度。
1.まき始めて15分くらいで校長が目の前に立ち、 「撒くな。生徒に渡すな」など。
 ⇒「法的根拠はなに?ここは公道だ」と言ったところ、いったん校舎内に戻る。
2.今度は副校長が現れ、「撒くな、生徒に渡すな、良い卒業式にしようとしているから、「政治運動の場にするな、指導要領にある」などと。
  ⇒「押し付けは国旗国歌法をすら逸脱している。公道での表現の自由を規制するな。」
  などと言ったところ、「抗議したからな」と言って帰る。
3.「原宿署の佐藤」を名乗る警察官が「学校に呼ばれた」といって現れる。
 「許可は取っているのか/ 学校が困ると言っている/ 門から離れろ/ 趣旨は /私も 氏名を明かすから氏名を教えろ」
  ⇒上記と同様のやりとり。
4.体育教師風の教員が目の前に立ち、「どういう内容か?」といったのでビラを渡す。
  一度敷地内に戻り、先ほどの警官に渡す。警察官は自転車で戻って行った。
5.ビラを配っている最中に一度だけ、「本校の生徒に配らないで下さい」と副校長も しくは体育教師風の男性が呼びかけ。  
・所感:教員の反応に、K高校と大分差を感じました。都に対するアリバイ作りに必死さを感じました。
<K高校>
 8時前から、晴れ着の卒業生が正門で写真撮影。その後。行列になる。
 宣伝行動開始、間もなく副校長が登場して、「敷地内ではまかない、自転車通学者には危険だからやめてほしい。」と言う。
 正面から中をみると梢の影に赤いものがちらちら。中庭に高々と3つの旗が掲げられているのがはっきり見える。国旗(愛国心)・都旗(郷土愛)・校旗(愛校心)がスクラムを組んではためく。
 ビラの受け取りはかなり良い。保護者も10時前まで続々と来校、他校に比べてかなり多いようだ。
 晴れがましい式に、強制をしのびこませる都教委の“野暮さ加減”は伝わっただろうか。

<HH高校>
 今日のチラシまきは、進学指導重点校であるHH高校。昨年は一人の生徒が3階の教室の窓から私に向かって「非国民」と言い、何人もがそれに同調するということがあった。こうした学校にこそ、チラシ入れをしたいと思い、ここを選んだ。
 7時35分、到着するとすぐに男性がやってきて、「本校副校長です。ここでチラシを撒くのはやめてください。本校の前で生徒にチラシを撒くのはやめてください。お宅の名前を教えてください。私は名乗りました。あなたの名前を教えてください」と言う。
 私は、「一市民です。歩道にいる市民に対し、名乗れとおっしゃいますか。」と言う。
 「はい、学校の前で生徒にチラシを撒くのですから。私は名乗りました。あなたの名前を聞いています」と。
 数十㎝の至近距離、私の目に前で威圧するかのようにこうしたことを繰り返し言い、「私は言いましたので」と、最後のことばを言って、引き揚げた。
 それと同時に、正門を入って2~3mのところに、3人(一時は4人)の教員が一列に並んだ。明らかに監視と威圧のため、と見えた。私たちが引き上げるまでずっと、一列に並んでいた。
 7時40分、Sさんが到着すると、すぐ、また、副校長がやってきて、今度はSさんに私に言ったと同じことを言った。しかし、同じことを繰り返すことはなく、言い方も高圧的ではなかった。Sさんが男だったからだろう。男尊女卑の管理職はまだ、かなりの数いるのだろう。
 また、しばらくして、副校長は正門横の掲揚塔にやってきて、3本の旗を上げ始めた。
最初に都旗を途中まで上げたところで、それを引き下げ、日の丸旗を揚げた。次に都旗、校旗は最後だった。揚げるにも順番があったのだ。これも、校長マニュアルに書かれているのだろうか。
 ここは、教員も生徒も、保護者もチラシの受け取りがよくない。ここでもたった一人ではあったが、「お疲れ様です」とこたえてくれた保護者がいた。

2014年3月18日火曜日

3/14 都教委包囲ネットの文部科学省交渉の報告】

 3月12日、教育委員会制度見直し案について自民・公明が合意した。
政府は、これに基づき「地方教育行政法改正案」を4月上旬に閣議決定、今国会に提出する方針である。

3月14日、文科省は沖縄県・竹富町教に対し、科書の変更を直接要求する是正要求を出した。 竹富町の慶田盛安三教育長は「教育は中立でなければならないのに政治介入だ」と強く反発した。

3月14日、都教委包囲首都圏ネットワークの文科省交渉が参議院議員会館・会議室で行われた。

 

◆文科省交渉

文科省からは、初等中等教育局初等中等教育企画課・林剛史氏、他に教科書課から3人、内閣官房教育再生実行委員会議担当室から1人の、計5人が対応した。(都教委では何ら交渉権限のない情報教育課としか出てこない。いかに都教委が、都民に閉ざされた異常なところかということである)。              こちらの参加者は10人だった。

事前に出しておいた交渉内容は以下の通り
 1.教育委員会制度について/ 2.中央教育行政について/ 3.第7期中央教育審議会について/ 4.教科書検定制度について/ 5.道徳の教科化について

最初にこちらから、「戦前の国家主義教育が悲惨な戦争をもたらした。戦後の「民主教育」が日本社会を発展させた。しかし『戦後レジームからの脱却』を掲げる安倍政権によって、教育は再び国家主義教育になりつつある。危険である。だから交渉にやってきた」と述べ、交渉に入った。

D青木

交渉では最初に主に1.2.3.をやった。
 その中で林氏は、教育委員会制度見直しについて、特に「いじめへの対応」の問題を出し、<責任者は誰か明確ではない><地域住民の意向を反映していない><教委の会議の形骸化><迅速性・機動性に欠ける>などの理由を述べた。結局自民党が言っていることと同じである。
 そうして、「実際にはあまり変わらない」というようなことも述べる。

 これに対して、参加者から現在すすめられつつある「見直し」について、戦後の教育委員会制度の歴史的経過を踏まえ批判が出された。
 例えば「決定権限」についいては、「上の方だけを見ているが、本来は直接責任論であり、教員が直接生徒・保護者に責任を持って教育活動がなされなければならない」、
 また「教育内容」については「根幹は教育行政は教育内容に関与してはならない。しかし内容に直接関与してきている」、「あまり変わらないのだったらなんであえて見直そうとしているのか」などなど。
 そうしたら、林氏はこんなことを言った。
 「この問題で盛り上がっているのは、皆さんと私たちくらいです。パブコメもこれについては637件、秘密保護法では9万480件でした。」

 交渉に参加した北村小夜さんは、「戦後民主教育がずーっと後ずさりしてきた。最近ある小学校の3年生が荒れ始めている。しかし教員間で話題になるのが遅い。校長は『我が校の恥、口にするな』と言ったという。もっと素直に教員が子どもと関われるような体制を作らなければならない。」

 また、安倍首相の私的諮問機関に過ぎない「教育再生実行会議」と「閣議」などで「見直し」が進むことについての批判がなされた。
 そして、自公合意の見直し案について、新たに設けられる常設の「総合教育会議」(首長・教育長・教育委員+有識者:主宰は首長。教育行政の基本方針を定める「大綱」の中身を協議)の問題性について、「これでは教育委員会は単なる下請け機関ではないか。」
「露骨な政治介入ではないか」という声があげられた。
 しかし、これに対しても林氏は「協議機関ですから。執行は教育委員会ですから」と大きな問題ではないと言わんばかりだった。
また、彼は「地方分権」を持ち出したが、こちらは「今までは文科省からの<指導・助言>であったが、見直しでは<是正>が出てきているではないか」と批判した。
 実際、交渉当日、文科省は沖縄・竹富町に<是正>要求を出していた。どこに地方分権があるというのか。あるとすれば「教育条件整備は地方の責任。教育内容は国が決める」ということだろう。

 その後4.5.についてのやり取りが行われた。
 4.(教科書検定)では、とくに「政府見解を書け」、「バランスのとれた記述」について、「まさに国定教科書になりつつある」という意見が参加者から出された。 

 5.(道徳の教科化)では、「文科省が『心のノート』を全面改訂したものを出す、検定教科書ができるまではそれで行く、指導は学級担任。評価は記述式」などのことが係官から述べられた。
 これに対してこちらから、「これまで教科とは科学的な根拠を持ったものだった。しかし道徳科は科学からはずれたものになる」「それは戦前の首位教科『公民科』と同じではないか」などの批判が出された。

ちなみに、交渉の席上、文科省から『今後の道徳教育の改善・充実方策について(報告)【概要】というものが配られた。
 そのなかに教科書の見本として『私たちの道徳』(小学校1・2年、小学校3・4年、小学校5・6年、中学校)の紹介があった。中身はつまらない説教話である。
 例えば、中学校では「人物の生き方を通して、自己の生き方を考えていくことができるように、先人、偉人や著名人のメッセージや格言などを豊富に盛り込んでいます」という具合である。ここには人民大衆の豊かな生活や思想などはみられない。
<現体制に従順ないい子ちゃんを作る>という意図が見え見えである。

以上が文科省報告であるが、こういう交渉、要請は多くの団体がやった方がいい。

◆3/20(木) <「教育国会」抗議、国会前座り込み&リレートーク>
日時:3月20日 114から18時まで
場所:衆議院第二議員会館前 
プラカード、パネル、横断幕、旗、など持ってきてください。

3/14 文科省の沖縄県竹富町に対する「是正指導」を許すな!

■3/16の『東京新聞』の記事をはじめ、3/14、3./5とこの問題について、各新聞は文科省の「是正指導」批判の記事を載せ、社説で反対意見を述べています。

Image沖縄

◆竹丁町教育委員会への「是正要求」に対する抗議・撤回を求める 声明

                                                                                                      2014年3月15日
文部科学大臣
 下 村 博 文 様
                                            子どもと教科書を考える八重山地区住民の会
                                            共同代表 仲山忠亨 村田栄正 内原英忠 波平長吉 江川三津恵
                                                           登野原武 大仲康文 黒島精耕 島袋憲一 慶田城久
                                                                                                                   (公印省略)
                                            竹富町の子どもたちに真理を教える教科書の採択を求める町民の会
                                                                 世話人代表   仲村 貞子     (公印省略)
                                            住民の視点で教科書を選ぶ会
                                                               共同代表   新垣重雄  川上博久 (公印省略)

   竹丁町教育委員会への不当な「是正要求」に抗議し、撤回を求める

 3月14日、文部科学大臣は、25文科初第1375号において 竹富町教育委員会に対し「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の規定に基づく事務の執行について(是正の要求)」を発出した。

 文部科学大臣は、竹富町教育委員会(以下竹富町教委という)に無償措置法の規定に違反しているとして、昨年10月18日に沖縄県教育委員会(以下県教委という)に対し同様の是正要求指示を行ったが、県教委が是正の要求を行わないままに新年度が迫ってきたことから、地方自治法第245条の5第4項の規定に基づき、当該違反を是正するために必要な措置を講ずることを求めている。また、県教委に対しても、同日、今回の是正要求を踏まえ、竹富町教委に対する適切な指導に当たるよう通知した。
 しかし、竹富町の教科書採択は、下記に述べるように竹富町教委に何ら暇庇も法令違反もなく、今回の「是正要求」は、地方教育行政への不当な強権的介入を重ねるものであり、教育の自主性を侵害し、教育の中央集権化を招くものである。よって、今回の是正要求に強く抗議し、直ちに撤回するよう要請する。

                         記

 文科省はこの間、竹富町教委に対し、八重山採択地区協議会(以下協議会という)の「答申と規約に従ってまとめられた協議の結果」に従うよう求めてきたが、この「協議の結果」は、あくまで答申として「育鵬社版」を選定したのであって、竹富町教委はこの答申に拘束されないことは、これまでの文科省見解からも明白である。2011年8月31日、規約に基づき協議会役員会で再協議が行われるが、多数決で竹富町教委に対し、答申通りの採択を要請した。竹富町教委は9月2日、再度「育鵬社版」を不採択とし、協議会に対し再協議を求めた。ところが、協議会会長は8月31日で協議会の業務は終了したと竹富町教委からの要請を拒否したのである。そこで、三市町教育委員長が協議し、文科省、県教委の指導助言のもと、同年9月8日に三市町教育委員会合意のうえで、三市町教育委員全員による協議(以下9.8協議という)が行われ、新たに「東京書籍版」を有効に採択した。この「東京書籍版」採択こそが無償措置法第13条第4項に基づく協議の結果であった。ところが、石垣市、与那国町の両教育委員会教育長の「無効」との通知を受け、中川正春文科相(当時)は「協議は整っていない」(同年9月13日)との判断を示し、その後「石垣市、与那国町は無償給付の対象、竹富町は対象外」(同年10月27日)との見解を示した。このことが、一本化のための協議を拒否する協議会会長(石垣市教育長)や与那国町教育長にお墨付きを与えることとなり、採択地区内一本化の協議を困難にさせ、中断させたのである。その上、自民党政権発足後の2013年3月1日義家弘介文科大臣政務官は、竹富町教委に根拠のない「育鵬社版」の採択を迫り、県教委へも竹富町が「育鵬社版」を採択するよう指導を要請した。さらに、文科大臣は、強権的に同年10月18日、県教委に対し是正要求指示を行った。これらのことが、いっそう三市町教委の新たな協議を阻害し、問題を混乱させている。文科省は、本年1月21日付の県教委からの照会事項への回答で「文科省としても、沖縄県教育委員会の指導の下、三市町の主体的な話し合いによって本件が解決されることを否定するものではないが、……文部科学省として繰り返し指導を行うなどの対応をしてきたにもかかわらず、来年度使用教科書についても、同一の教科書の採択に至らなかったことから今回の是正の要求の指示に至ったものである」と述べている。しかし、文科省が行った指導は、竹富町に対してのみの強権的なものであり、同一になっていない、同一の教科書採択のための協議を拒否する石垣市、与那国町に対しては「同一の教科書の採択を行うよう」な指導は行っていない。このことが三市町教委の主体的な解決を阻害してきた最大の原因となっている。
 また、文科省は、これまで教科書の採択権限は各教育委員会にあるとの立場に立っており、竹富町教委の上記教科書採択についても、「地方公共団体が自ら教科書を購入し、生徒に無償供与することまで法令上禁止されていない」(2011年10月26日、中川正春文科大臣の衆院文部科学委員会での答弁)と表明してきた。文科省自身、竹富町教委の教科書採択行為に違法な点や不適正な点がないことを認めてきたのである。現在、竹富町においては、無償給付の対象外とされたために、住民らの寄付による「東京書籍版」が生徒に無償で配布されており、何ら混乱も不都合も起きていない。かえって、この是正要求そのものが教育現場に混乱を引き起こしている。
 なぜ、三市町教委が異なる採択になったのか。これまで、こんなことは一度もなかった。それは、採択地区協議会会長らが「育鵬社版」選定で恣意的に規約改正や選定の方法を改定してきたことにある。調査員が推薦せず、マイナス評価の多い最低評価の「育鵬社版」が選定答申されたからである。石垣市教委でも意見が分かれ、多数決により「育鵬社版」を採択、竹富町教委では答申を受け入れることはできないと全員で「育鵬社版」を不採択に、調査員の推薦のある「東京書籍版」を採択したのである。協議して同一の教科書を採択することが無償措置法の求めるものであり、協議する際に必要な見地は、何よりも教科書を使う学校現場の意見である。政府も1996年の閣議決定において、「将来は、学校単位の採択の方向を提示」、国際的にはILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」第61条に「教員は、生徒に最も適した教具および方法を判断する資格を特に有しているので、承認された計画の枠内で、かつ、教育当局の援助を受けて、教材の選択および使用、教科書の選択ならびに教育方法の適用にあたって、不可欠の役割を与えられるものとする」と示している。この見地で、三市町教委が改めて協議をし、同一の教科書を採択することが、地教行法、無償措置法2つの法律に合致する解決の道である。

 以上の経過から、竹富町教委には何ら法律違反はなく、文科省の「(三市町教委の)協議は整っていない」としながら「石垣市、与那国町は無償給付の対象、竹富町は対象外」という措置こそ無償措置法に反しており、是正すべきである。共同採択における無償給付の要件は、答申に従うことでないことは、全国の事例からも明らかである。同一であることが要件である。竹富町教委が無償措置法に違反しているというなら、石垣市教委、与那国町教委も違反していることになる。9.8協議が無効というなら、三市町教育委員会が、改めて、同一の教科書を採択するために協議を行うことが法の求める対応である。
 文科大臣の今回の「是正要求」は、これまでの文科省の不条理な措置を顧みず、国が市町村に対し直接「是正要求」を出す最初の事例となった。教育行政において、最も相応しくない強権をもって国が地方教育行政に対する度重なる介入は断じて許されるものではない。強く抗議するとともに、直ちに撤回することを要請する。                                                  以  上

2014年3月16日日曜日

都立高校 卒業式チラシ撒き報告 大泉高校の場合

<大泉高校>のチラシ撒き
8時頃からビラを撒き始める。ここは進学校で卒業生たちは男女とも和装が圧倒的に多く、華やかだ。しかし、ビラの受け取りは悪い。
そうしているうちに、副校長がやってきて、「学習指導要領どおりに卒業式をやっているのでビラを撒かないで欲しい」と言ってきた。
そこで、「石原は国歌を歌わないと言っていますよ。あなたたちはハシゴを外されていますよ」と言うと、「議論はしません。議論はしません」と言って、盛んに校門から少し離れたところで撒くように言ってくる。そうして一人で校門の前に立っていた。その他の警備教員はいない。

しばらくすると、「練馬・教育問題交流会」の人たち(計3人)がやって来て、「日本国憲法は、主権在民です。……わたしたちには、この国から命令されたり強制されたりはしない『自由』がある。……なぜなら、主権者は、わたしたちだからです。」というような文言の入ったビラを、包囲ネットのビラと一緒にして撒き始めた。
保護者も着飾ってくる保護者が多い。ビラの受け取りはあまりよくない。
「練馬・教育問題交流会」の人たちも「ここは受け取りがわるいのよね」と言っていた。

9時過ぎになると、都教委の職員が校門のそばに立つ。9時20分、車から降り立った山口香教育委員を出迎え、副校長と3人で校舎の中へ。

※自民党都議・柴崎幹男議員(大泉高校出身)が卒業式に来ていて、包囲ネットのビラまきにいて、都議会・予算特別委員会で問題にした。

■「都議会・予算特別委員会」での質疑 質問者・柴崎幹男さん(自民党)        都議会ホームページより

「(包囲ネットのビラをかざしながら)午前中、母校の卒業式に行ってきました。そうしたら、校門の前でこんな紙を配っていた方々がいて、今だにいる。
(チラシを読み上げる)「卒業生、在校生、教職員、保護者の皆さん 誰にも立たない、歌わない自由があります。」
 こんな紙を今だに高校の卒業式の正門の前で配っている。私の母校ですよ、今日行ったのは。こんなことが行われているなんていうのは驚きました。以前はかなり近くの高校でもやっていたこんな風景を見たわけでありますが、まさかこんなことが行われるなんていうのは、夢にも思いませんでした。

やはり是非、公立学校、都立学校、私の母校であります大泉高校ですが、やはり是非ともこうした点、こういったものを配布しないような、そういうことをですね、なかなか難しい部分があるのかもしれません。しかしながら、こんなことが正門で配られることは、是非とも今後やめていただきたい。そんな思いでいっぱいでございます。もしこうしたことにつきまして、ご答弁を頂けるのであれば、お願いしたいと思います。」

<比留間英人教育長>答弁(出てきて、柴崎議員から包囲ネットのビラを受け取り)

「今お話のございました卒業式におけるこうした行為につきまして、東京都教育委員会としては、この間、入学式、卒業式、周年行事、こうした儀式的な行事においては、きちんと、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するように全力を上げて取り組んでまいりました。
この点につきましては、この間の長い取り組みによりまして、一定の成果がでてきているというふうに感じておりますが、ただいま委員からご指摘ございましたように、校門の外で配っているというようなお話しもございまして、私どもとしては、引き続き努力をしてまいりたいという風に考えております。」

<コメント>

柴崎議員は私たちのビラを読み上げました。
 「卒業生、在校生、教職員、保護者の皆さん 誰にも立たない、歌わない自由があります。」と。      このどこが問題なのでしょうか。
彼は次のようなことも言っています。
 「以前はかなり近くの高校でもやっていたこんな風景を見たわけでありますが、まさかこんなことが行われるなんていうのは、夢にも思いませんでした。」
 彼にとっては、「悪夢」だったのでしょう。もはや誰も反対する者などいないと思っていのかもしれません。しかし、人民大衆はいつまでも黙ってはいないのです。
比留間教育長は、「一定の成果がでてきている」、「引き続き努力をしてまいりたい」 などと言っていますが、ここに来て彼のボスだった石原慎太郎が、「僕は国歌を歌わない」と言ってしまったのです。
 これによって「一定の成果」も水泡に帰してしまったのです。「引き続き努力」と言っても、『覆水盆に返らず』ではないでしょうか。

都立高校 卒業式チラシ撒きの報告

<O高校>
8時~10時まで。2名で配布。他にも大田・市民の会も弁護士同伴で3名で配布行動。
生徒の受け取りはきわめて良い。保護者も良好。このようだとビラ配布も楽しい。
副校長が「敷地にはいらないように」とだけ言ってそれきり。
全体で300枚以上撒く。この高校は数年前と雰囲気が変わってきている。

<U高校>
8時45分に到着。大田・市民の会がすでに2名で配布を行っていた。生徒の受け取り状況きわめて悪い。副校長が出できて「敷地に入らないように」とだけ一言。
保護者の受けとりはまあまあ。しかし、保護者と思われる中年の男が来て、「どうしてこんなものまいているのか。許可をとっているのか」と血相を変えて抗議してきた。弁護士が「公道でのビラ配布は違法ではない」と説明しても聞き入れず。今度はわれわれの顔写真をとろうとする。強く抗議しやめさせた。

<K高校>
7時50分頃から2人でまき始める。
校門のところのポール3本に、副校長らしき人が「日の丸」・「都旗」・「校旗」を上げ始めた。こちらに対して、「昨年も会いましたね」などと話かけてきた。
そこで、「石原は国歌は歌わないと言っていますよ。インターネットで検索すればすぐ出てきますよ。」と言うと、「そうですか。今日は卒業式ですからよろしくお願いします」という反応。
生徒のビラの受け取りはあまり良くなかったが、「おはようございます。卒業おめでとうございます」と言うと、「おはようございます。ありがとうございます」などと笑顔で返事をしてくれる生徒は結構いた。保護者の方は受け取りが良かった。
しばらくすると女性が来て、「生徒にまかないでください」と言ってきた。「どうしてですか?」と聞くと、少し困ったような様子で、「受け取らない生徒にはまかないでください」と言って中に入って行った。
9時40分頃、黒いワンボックスカーで乙武教育委員がきた。祝辞を言いに来たのか。 
一緒に撒いた人は「教育の状況が危機的で、このままではいけないと思いビラまきに参加した。思ったより受け取ってくれた。みんなも危機感を抱きつつあるのかな。」と言っていた。

<H高校>
校門前でチラシをまき始めると、すぐに副校長が、「生徒にはまかないでください。」「校地内には入らないでください。」 とおだやかに言ってきました。「はい、道路で撒いてますよ。」「でも、思想信条の自由、チラシを受け取り読む権利は生徒たちにもありますよ。」(要旨)と、こちらも穏やかに言い返してまき続けましたが、それ以上は何も言われませんでした。
 「おはようございます。」「おめでとうございます。」といいながら渡すと、生徒の中には「私は、卒業生ではありません。」といって受け取らないので、その時には「在校生の皆さんにも読んでもらいたいチラシです。」と付け加えて渡しました。おとなしいタイプの生徒が多い学校でした。
公安刑事のような人は、見かけませんでした。

<A高校>
2人で撒く。保護者は割と受けとりはよいが、生徒は悪い。
副校長「交通の邪魔になるので、生徒、保護者には配らないでくれ」「警察に知らせます」
こちら「どうぞ。しかし問題になりますよ」。警察は来なかった。巡回もなかった。
副校長に「都教委のやり方はおかしくないか」と聞くと副校長は「個人的な理念については言わない」と。

若い職員がチラシを受け取ったが、すぐに地面に叩きつけた。
門扉の横にゴミ箱が2個あったが、ほとんど捨ててなかったようだ。                        外国人講師に「We are ageinst Kimidayo,the national anthem」というと納得して受け取った。

<K高校>
8時過ぎに着く。すでに「地域と学校を結ぶ板橋の会」の人2人が撒いていた。副校長が型通りの注意をしてくる。
生徒たちは着飾ってくる。男子もスーツが多い。
「卒業証書授与式」の看板の前で、友だち同士とか保護者とで写真をとるのに行列になる。
晴れ着姿のせいか、自転車で来るものはほとんどゼロ。

ほとんどの先生はチラシを受け取った。生徒の受けとりは以前より良くない。保護者はまあまあ。
ここには、その他、予備校のカタログ配りと「卒業生の皆様へ 浴衣1000円券(浴衣・帯セット)をプレゼント引換券」のティッシュ配りもあった。

次のようなことがおこった。
卒業生の男子が「こんな内容のチラシは良くない。撒くな。だいたい道路で撒くのは法律違反だ。
警察を呼ぶぞ」と言ってケイタイで警察に電話をする。生徒は長々とチラシ撒きの状況を説明していた。
私たちは対応せず。警備の教員が生徒の行為に気づいてたしなめたが聞き入れず。

かなりの時間がたって、私服の警察が来た。「警察ですか」といういうと「そうだ」と答える。しかし、警察はなにが起こっているのか状況がつかめず、晴れ着姿の卒業生の中をあちこち行ったり来たりした。生徒はやっと警察とドッキング。なにやらいろいろ話していた。                                 その後、警察は私たちに警察手帳をみせた。私たちは「チラシ撒きは別に違反ではないですよ」というと、「ええ」という。「でもお名前を」と言ってきたので、「どうして名前を言わなければならないんですか」というと、
それ以上言わず。帰った。
生徒は教員に促されて校舎に入っていった。こういう生徒ははじめてだった。

2014年3月13日木曜日

3/6  杉浦さん 再任用更新拒否訴訟で全面勝利の地裁判決

■3月6日(木)杉浦さんの裁判の判決がありました。全面勝訴です。近藤徹さんの報告をアップします。

◆杉浦さん再任用更新拒否訴訟・地裁判決 全面勝訴!
―都側の不合格理由を全て斥け、都教委を断罪!

●合計70万円の損害賠償を命じる

昨日3月6日、杉浦孝雄さん(元都立杉並工業高校)の再任用更新拒否訴訟で東京地
裁(民事19部 古久保正人裁判長)は、「裁量権の逸脱・濫用」を認定して、本人
が希望した再任用を不合格として、非常勤教員を合格としたことの「逸失利益」50
万円及び精神的苦痛に対する慰謝料20万円、計70万円の損害賠償を被告東京都に
命じました。

●都側の不合格理由を全て斥け、都教委を断罪!

判決は、争点「本件再任用不合格に国賠法上の違法性があるか」について事実をきめ
細かく認定して、都側の不合格理由が細川校長(当時)の判断に依拠したものであ
り、細川校長が「現任校に配置できない」とした理由①~⑥を検討した上で、都側/
細川校長の不合格理由を全て斥け、「著しく合理性、社会的相当性を欠く理由による
場合には、これに基づく不合格の判断は、裁量権の逸脱、濫用があったと言うべきで
ある」として、(1)逸失利益50万円、(2)慰謝料20万円の支払いを命じたの
です。特に精神的苦痛に対する慰謝料を認めることは滅多になく「快挙」です。

判決文での不合格理由の検討では、都側が不合格理由とした、杉浦さんの教育活動、
職員会議での発言、分会役員としての校長交渉での事実、などを全て検討し、「校長
の学校運営を阻害したとは言えない」「職務に意欲を持って取り組み、意欲的に生徒
を指導している」としました。

職員会議での挙手裁決を禁止する都教委の「学校運営適正化通知」(2006年4月
13日)により職員会議が上意下達の機関と化する中で、杉浦さんの職員会議発言、
校長交渉での発言を「学校運営を阻害したとは言えない」とした点は大きな意義があ
り、教職員を励ますものです。

東京地裁古久保裁判長は、東京地裁民事19部裁判長就任直後(青野裁判長の後任)
の土肥元校長の非常勤教員採用拒否訴訟では、請求を棄却しましたが、2013年1
2月19日の「授業してたのに処分」事件では原告福嶋常光さんの訴えを全面的に認
め完全勝訴しています。

杉浦

2014年3月12日水曜日

都教委包囲首都圏ネットからの行動提起 3/14,3/20

■すでにお知らせしましたが、都教委包囲ネットは、安倍政権が<教育国会>などと言って、教育委員会制度を変え、教育行政の改案に踏みこもうとしていることに反対して、文部科学省との交渉を行います。そして、国会前で抗議の座り込み・リレートークを行います。みなさん、参加してください。

◆教育の国家支配反対!  教育委員会制度の解体を許すな!!
文科省交渉と国会前行動への参加の呼びかけ

<文科省交渉>

日時: 3月14日(金)13:00~14:00 ~17:00
場所: 参議院議員会館102会議室
  12:30頃から 参議院議員会館玄関で通行証(カード)配布。
      13:00 交渉開始、終了後院内集会
内容 :  教育委員会制度・中央教育行政・中教審・教科書検定等々
  ※それぞれの団体・個人の要請書・申入れ文書等持ち込み大歓迎

<国会前行動>

日時: 3月20日(木)14:00~18:00
場所:   衆議院第2議員会館前歩道
       14時から断続的にリレートーク等を行います。
※この時期には地教行法改悪案の国会提出が予想されます。
  ゼッケン・パネル・横断幕・旗・鳴り物等持参大歓迎

主催 都教委包囲首都圏ネットワーク (090-5415-9194 )

都立高校 卒業式チラシ撒きの報告

<T高校>
T高校はかなりひどい弾圧で有名だったのですが、校長が変わったそうで、今日は常識的な対応でした。副校長が1回言いに来ただけ、型通りしゃべって終わりでした。
 門の警備には組合の先生がついていてその2人は友好的でした。少し話しました。
先生たちは「学校内ではこういう話をすることができない。組合も壊滅的だし、あきらめていたが、あなたたちが来て撒いているのをみて勇気づけられた」「授業はまだ自由にやれるが、もうすぐ教室の中でも制約されていくだろう」と言っていた。

 <H高校>
到着したら、すでに、練馬・教育問題交流会の2人が黄色のビラを撒いていました。副校長が「保護者はよいが、生徒には配布しないでください」と言ってきたそうです。こちらは「いえ、生徒にも配ります」と「宣言」して配布しました。
 生徒の受け取りは悪かったです。なかには受け取ってから友人に「あっ、受け取っちゃいけなかったんだっけ」という女子もいました。ただこれは卒業式のビラを指すわけではなく、一般的に町で配っているビラをもらわないよう言われているという意味のようでした。奇抜なスタイルの生徒はおらず、ほぼ全員制服でした。保護者の受け取りは例年どおりよかったです。

<AK高校>
  午前8時から10時までビラまき行動を取り組みました。ビラまき行動には東京・S労働組合が5人で取り組みました。
卒業生の大半、また教職員・保護者もだいたいビラを受け取り、よく読んでいました。校長がビラまきを始めるとすぐにやってきていつもの「注意」をしていきました。
私服の警察官1人も様子見にやってきました。

<HT高校>
まず、正門で教職員に配布、8時過ぎに北門で生徒に配布。門の脇の歩道にはまだ雪が山になっている。誰かが片付けないものなのだろうか。昔なら教員が数名で片付けたと思うのだが、今はその余裕もないのでしょう。
生徒の受け取りは良好。9時近くなり、生徒が途絶えたところで、また正門に移動、保護者の受け取りも良好で、かなり好意的な姿勢で受け取ってくださる人も数名いる。
校長、副校長とおぼしき人が3名くらいでいつものやりとりをする。どの学校でも管理職のいうことは「敷地内に入るな」「校門前で撒くな」「生徒に渡すな」というところですが、語調や態度、しつこさなどがそれぞれです。
校門警備の人は元被処分者、もう1名は生物教員とのことだったので、福嶋さんの「授業してたのに処分」の裁判が全面勝訴した報告ビラを渡した。

<H高校>
青梅線、そして駅から遠い。8時10分頃につく。玄関のところに大きく「祝卒業」の文字が飾ってある。雰囲気も少し柔らかくなったか。しばらく配っていると校長と名乗る人がありきたりの注意。「十分に注意して行います」と応えると「よろしくお願いします」。元同僚とも少し会話。
9過ぎくらいか、校門警備の人が「福生警察がきています」と教えてくれる。玄関の近くにいる人か。この学校は以前から警察はいつもいる。チラシの受けとりはおおむねよかった。

<HK高校>
「河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会」の4人が7時40分頃に到着。
校舎の改築工事をしている。出勤してきた職員らしき人に尋ねたところ、「はい。今日、卒業式です。ほかで…」とは教えてくれたのだが、私たちが手にしていたチラシに目をやり、「チラシ配りに来た人に(場所を)教えることはできない」と言った。
 卒業式は八王子駅近くの大ホールだった。9時少し前になってしまった。でも、間に合ってよかった。
 撒きはじめて10分も経つと、副校長がやってきて、「敷地には入らないでくださ
い。できれば生徒には撒かないでください」と言った。
 「そうおっしゃるのは、悲しいですね」と返事をすると、「最近は、教育ちょう(……)がうるさいので」という。「お話はお聞きしました」と私たちが言うと、副校長は「よろしくお願いします」と言い、頭を下げて戻って行った。昨年の副校長ではなかった。
「おめでとうございます!」とチラシを差し出すと、ほとんどの生徒は「ありがとうございます!」と最高の絵顔で受け取ってくれた。保護者の受け取りもかなり良かった。

昨年、この高校の校長と副校長は、歩道で撒いていた私たちに向かって、「敷地に入るな」と言い、「ここは公道でしょ」と返すと、「違う。旧内務省の土地だ」と言ってのけた。私たちもそれに乗じて、「では、許可を取りたいので、旧内務省の電話番号を教えてください」と、遊んだが。昨年の副校長は、校門を数歩入ったところで、生徒からチラシを取り上げもしたのだった。

2014年3月10日月曜日

3/8 都立高校チラシ撒き 田無工業高校の場合

■田無工業高校は2013年7月に“防災訓練”を自衛隊の朝霞駐屯地で行った高校です。2014年2月に、二年生全員に行った防災訓練は、場所は都立の施設に移しましたが、指導は自衛隊がしました。

★7時50分頃に到着。チラシを受け取った教員がその場で読んで、いらないと返してきた。8時前に40歳くらいの男性が来て、ビラを受けとり通用門の所にとどまり、チラシを読んでいたので、「先生ですか」と聞くと「支援センターからきた」と言った。その後その男性は校舎の中に入っていった。

★先の男性(以後、支援センターとする)が出て来て再び通用門のところに来たので、もう一度どこから来たのか聞くと「支援センター」と答える。「何しに来たのですか」と聞くと「こういうの(チラシ撒き)を監視に来た」と言う。
そこに校長が出来て、「ここで撒くな、じゃまだ。妨害するな、やめろ」という。こちらが「ここは歩道ですから撒くのは自由です。」というも、校長「妨害するな。ビラ撒きは教育活動を妨害するものだ。だから撒くことがいけないのだ。歩道は人が通り交通の妨害にもなる」という。(通常言う「敷地内でまくな」というのとも違う)支援センターも校長と一緒になって「撒くな」という。
校長は私が学校の前の家のところにカバンを置いたのを見とがめて、「人の家に断りもなくものを置くのはおかしい。片付けろ」という。私はそのカバンを道路の端に置いたら、道路に置くのはおかしい」とわめく。そこに副校長がきた。校長は副校長に「あのカバンを写真に撮っておくよう」と命令したので、副校長はカメラをとりに校舎にもどる。「写真なら自分で撮りますよ」と言って、道路のカバンを自分のカメラで撮った。

★校長は、「カバンをどかせ。道路にものを置いていいと思うのか。常識がない」という。
私はカバンを手に持った。そしたら校長は校舎の方に退いた。支援センターはそのままいた。そこに、副校長がカメラを持ってアタフタと戻ってきたがカバンがないので、「あれカバンがない」という。私が「カバンは手に持っていますから」というが、副校長がカメラをかざしているので、私が副校長とカメラを撮る。副校長は「私は写真を撮っていないのに、自分を撮るのはおかしい。消しなさい」という。そして副校長と支援センターは私を取り囲む形になる。その際、支援センターが私の右腕をつかんだので、「なにをするんです。腕なんかつかんで」という。そこに校長がまた来て、それを聞いていたが黙っていて、そのまま、また校舎の方にもどる。副校長ももどる。支援センターもうろうろして校舎の方に行く。

★地域の人が来て2人でチラシ撒きを始める。この間、教職員は卒業式の看板を出したり、自転車の生徒の誘導をしたりしていた。静観していた。その後、さらに2人地元の市民がチラシ撒きに合流。正門、裏門の二手に分かれて撒くが、裏の通用門が閉められたので、4人で正門前で、「おめでとうございます」などの言葉をかけて撒く。

Image1森 
★教職員たちも生徒に対して、「おはよう」とか「おめでとう」などの言葉をかけていたので、正門前はにぎやかだった。生徒も保護者もチラシを受け取った。
支援センターは校門内に立って、こちらを見ていた。メモなどとっているので、「何をメモしているんですか。そういう公安の刑事みたいのことはやめた方がいいですよ」というとやめる。
校門前の道路を通る人にも撒く。おばさんは「学校も変わったみたいね。うちの息子の頃は都立は自由だったけどね。なにしろ、安倍だからね」と言った。10時に終わる。

レイバーネットのブログにも、報告が載っています。

http://www.labornetjp.org/news/2014/0308hokoku

2014年3月9日日曜日

都立高校 卒業式チラシ撒きの報告

■都立高校の卒業式での正門前チラシ撒きの報告です。日時順ではありません。チラシ撒き報告から学校の様子、教育の現実が透けてみえます。チラシ撒きは有意義です。

<M高校>
朝から雨。7時30分頃から2人で、8時30分~3人で撒く。
生徒の受け取りはきわめて悪い。ただ、在校生?2人、通り過ぎた後戻ってきて「下さい」という。
教頭は「学校前の歩道は学校の敷地だから歩道ではビラを配るな」という。「一般に公開している私道を特定の人間に使用させないのはおかしい」と反論。
9時を少しすぎてから雨がひどくなり、ビラ撒きは9時30分頃、終わりにした。

<H高校>
8時頃到着。しばらくすると二人の男性教員が出てきて、「通行の邪魔になるから校門の真ん中ではやらないで下さい」と言って、なんとか端の方へ追いやろうとする。「撒くなとは言っていませんよ。端の方に寄ってくださいと言っているのです」と言う。
それで少し端の方に寄ると二人は立ち去り、一人が大きなゴミ入れを校門から少し離れたところに置いた。私は「生徒に読まれては困るんですか」と声をかけた。
しばらくすると、校長がやってきて「もう少し離れたところでやってもらいたい」と言って校門の中に入って行った。その後は出てこなかった。
チラシは比較的よく撒けた。ゴミ入れには20枚ほどのビラが入れてあった。

<N高校>
地域の人と3人で行いました。
①8時ちょっとして、私服刑事2名が監視にきました。撒きはじめて暫くすると、生活指導関係の教員がきて生徒が受け取ったビラを回収し始めました。その後4人体制にして校門を固めた。生徒から「せっかくいまもらったのに何でとるの」という声さえ聞こえてきた。そこで、私は、ビラ回収の教員に「強制をしてビラを回収する権限があるのか」と抗議した。すると「強制はしていない」「ゴミになるようならば預かろうと言ってるまでだ」との返事であった。私はさらに続けて、「一体どういう教育をしようと思っているのか。教育基本法を言ってみろ」と言ったら、向こうに去っていった。私服は私たちの写真を撮っていた。校門「警備」の教員は、この私服に近づき親しげに話していた。ビラをまく市民に対しては敵対的な態度なのに。教員が警察権力の手先になってどうするのだ?
②校門チェックで、学校の中に入れてもらえない女子生徒が3人ほどいた。スカートが短いが理由のようだ。1人の生徒は、卒業生のようでケイタイで「お母さん、入れてもらえない」と言っていた。とんでもない話だ。もう一人は在校生のようで、学校の近くの公園の入り口に2~30分くらい座っていたがいつの間にかいなくなっていた。あまりにも酷い状況だ。こういうことをやることが「教育」か。

<板橋高校>
 板橋高校は、「10・23通達」の初年度に、卒業生の9割が着席し、来賓の退職教員が唯一刑事罰に科されて、当時マスコミにも取り上げられて話題になった学校です。
今年も、包囲ネット2名、地域と学校を結ぶ板橋の会2名の計4名で、2種類のチラシを配り、各々300枚ほど受け取ってもらいました。

かつては自由な校風で、卒業生の服装も思い思いの個性的なものでしたが、今は全員が制服のブレザーで茶髪もピアスも一人も見当たりません。卒業生と在校生を見分ける一つのポイントは、女子生徒のお化粧でしょうか。生徒の自由を制約する教員側に自由があるわけもなく、チラシを無視する先生も多い中で、こっそり「ご苦労様」と声を掛けて受け取ってくださった先生もいました。

卒業式の日には、去年までは正面玄関上方に「卒業おめでとう」の横断幕があったのですが、今年はその位置に「都立重点支援校指定」の横断幕が、おそらく常時掲載されているらしく、「卒業おめでとう」は正面ではなく脇の方に追いやられて掲げられていました。今の都立高は、意識が常に都教委の方を向いており、卒業式の日すらも生徒より都教委第一であることを象徴しているようでした。

朝方は冷たかった風も登校のピーク頃にはおさまり、早春の陽光は暖かくとてもよい日和になり、卒業生を祝うようでした。

<G高校>
3人で8時頃より始める。受け取りはおおむね良好。
校長と名乗る人物が高飛車に「生徒に渡すな」「校門前で撒くな」「事故が起こったら私の責任になる」という趣旨のことをいう。「これまでもやっていて事故の心配はありません」といっても同じことを繰り返して言う。
校門からちょっとだけずれて撒いているとそのうちに中に入っていった。程なくして「若い誠実そうなお巡りさん」が自転車で来て、「ビラまきで迷惑しているのでやめさせてくれ」という電話があったのでやめてもらえませんか」という。「違法行為はしていないし、特に誰かに迷惑をかけてるとは思いません」と軽くやりとりをした後、お巡りさんは校門のところに自転車を止めこちらを観察。10時に終わり、帰り際にお巡りさんに「卒業式での日の丸君が代が問題になっているのはご存じですね」というとうなずく。「最高裁判決で『関係者が真摯に話し合え』といっているのに向こうは話し合おうとしないのでビラを配っています」というと納得した様子。

2014年3月7日金曜日

お知らせ 3/14文部科学省への申し入れ、 3/20衆議院第二議員会館前座り込み・抗議行動

■都教委包囲首都圏ネットワークは、安倍政権の国家主義教育・教育破壊に対して,文科省がどのように考え、対応しているのかを質すために、文科省への申し入れと同時に、国会前抗議行動を行います。急ですが、みなさん、万障お繰り合わせの上、ご参加ください。

◆<3月14日(金)、文科省申し入れ行動>
日時:3月14日(金)13時~14時30分頃まで文科省への申し入れ
          その後、17時まで討論・会議
場所:参議院議員会館102会議室   通行証渡し:12時10分~13時10分まで。
文科省から官僚2名が来る。窓口は都教委包囲ネット。都教委包囲ネットで、要請文を出した。

皆さんの参加を希望します。各団体、個人が、申し入れ書、質問書を持って来てください。文科省に対して、それを読んで渡すという事にはなりませんが、渡すことはできます。

◆<3月20日(木)に「教育国会」に対して、国会前抗議行動>
日時:3月20日 14時から18時
場所:衆議院第二議員会館前 
抗議の形態:座り込み、リレートーク。国会に提出される「教育委員会制度の改悪」「教科書問題」等々に関して、その場でもしっかりアピールする。

・この日は「公務労協(公務公共サービス労働組合協議会)の2014春季生活闘争集会(日比谷野音)」。その後、国会請願行動があるので、それに呼応・連帯しましょう。

3/4 都立高校チラシ撒き T高校の場合

<T高校> ビラを撒いた側
8時頃着く。正門前でビラを撒き始めると出勤してきた校長が最初にビラを受け取り、「ビラを撒かないで下さい」と言ってきた。「撒くのは自由ですから」と言うと、「では、敷地内に入らないで下さい」と言って門の中に入っていった。

しばらくすると、女性教員が出勤してきた。ビラを見て、「日の君ですか。ご苦労様です」と丁寧にお礼を言ってくれた。

生徒や保護者もやってくるようになった。生徒は男子・女子ともに和装が圧倒的に多い。
校門前で並んで嬉しそうに記念写真をとっている。しかし、ビラの受け取りはあまりよくなかった。

ここは2003年「10・23通達」が出た頃、保護者も生徒も反対運動に立ち上がった。
しかし、いまではそうした雰囲気はない。これも日本社会の右傾化の風潮の表れであろう。

保護者の一人の父親がビラを受け取り、「私もこのビラに賛成です。私は今日『君が代』は歌いません。」「都教委包囲・首都圏ネットワークというネットワークを作っているんですか」と尋ねてきたので、「そうです。今日はいくつかの高校でビラまきをしています」と答えた。

<T高校> 保護者(父親)のフェイスブック報告(大阪の仲間が見つけて、包囲ネットに転送してくれました。)

保護者の報告
「 娘ちゃんの高校卒業式。『都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットワーク』のメンバーが高校の門前で「君が代」に立たない自由があるとした趣旨のビラを配っていた。もちろん熱烈支持、連帯だ。

娘ちゃんの高校は結構リベラルなはずなんだけど、もう、そんなの「日の君」の強制圧力の前には通用しないんだね。
  開式のあいさつで「起立」って言われてさ、単に「始めます」の一言、んで何も言わずに「君が代斉唱」さ。「君が代斉唱・起立」では立たない人もいるだろうから、それを言わずに立たせる。せこい。
もちろん、すぐ着席したけどね。「君が代」で立てと言わないことが、せめてもの抵抗なのかも知れないけど。私のまわりでは起立を拒否した人はいなかったなあ。生徒がどうったかは見えず。

それにしても〝来賓〟として来て、あいさつした都教委の役人は「日本の誇りだ」なんだをコンピュータの音声のように抑揚のない声で語っていた。あんな心のないあいさつは初めて聞いたなぁ。ああ、白々しい。東京の教育を悪くしているのは彼らなんだなぁと実感した。

ともあれ、18年、無事に生き延びた娘ちゃんを祝おう。おめでとさん。
ちなみに、「君が代」より受けたのが、クラス別の入場曲。それっぽい曲が多い中、ホラー映画「リング」のテーマ曲♪来る~~きっと来る~~で、入場したクラス、卒業式に壊滅的な笑いの一撃をかました。次に受けたのは「あまちゃん」の主題歌でした。

▼その後、また大阪の仲間から以下のようなメールが届きました。
その保護者に、「包囲ネットの方にお伝えしますね」とコメントを送ったところ、下記のコメントがありました。

●よろしくお伝え下さい。本当に励まされたし、感謝の気持ちで一杯です。
  彼らのような方々が民主主義を担保してくれていると思います。

2014年3月3日月曜日

都立高校卒業式時、正門前で撒いている都教委包囲ネットのチラシ

■高校正門前で撒いているチラシです。漫画は壱花花さん。

卒チラシ表

卒チラシ裏

3/1から都立高校の卒業式始まる。チラシ撒きも始まる

3月1日(土)から都立高校の卒業式が始まりました。都教委包囲ネットをはじめ、各地域の人たちも高校正門前チラシ撒きを始めました。

その主立った学校の報告をブログにも載せていきます。

<0高校> 
8時から9時50分まで、小雨が降り続く中、ビラをまき開始。包囲ネット2人、『学校と地域を結ぶ板橋の会』の人4名。一緒に活動しました。 撒き始めると副校長が出てきて、「毎年お願いしていると思いますが、校門の中に入らないでください。それから、生徒にはなるべく渡さないでください」と言ってきま
したが、口調はおだやかで、笑顔を浮かべていました。

そのほか妨害めいたことはまったくありませんでした。                                ビラの受け取りはとてもよく、教職員は半数以下でしたが、生徒と保護者は7割くらいが受け取ってくれました。

<AS高校> 
9時頃に管理職らしき女性が出て来て、「ビラが捨てられると地域から苦情が来ているのでビラ撒きをやめてほしい」「学校の工事との関係で、周辺と緊張関係があるので」という。  登校時の、学校内に入るときのビラなので、何を言ってのか理解に苦しむが、「中でビラを捨てている人が多いのですか?」「無理に渡しているわけではありません」「これから保護者が多くなるので、いい大人がビラを路上に捨てるとは思えません」
というと、困った顔をして校内に入って行ってしまった。

しばらくしたらまた出て来て、「敷地内に入らないで下さい」といった。それ以上何も言わず。

<SM高校> 
7時45分くらいから撒く。在校生にも撒いた。9時前後に保護者も大分きた。それで9時10分くらいにはチラシがなくなってしまった。

学校側は管理職らしい年配のものが、「敷地内では撒かないでください」と言っただけ。
小学校で教えた生徒に3人も会った。生徒が「先生何しての?」と聞いてきた。説明。楽しかった。

<F高校> 
8時20分頃から撒く。
9時過ぎに管理職が出て来て、「ここで撒くな。門の前に立つな。生徒に渡すな」と言ってきた。
役職と名前をきく。副校長のSさん。態度が乱暴。こちらが「歩道で撒くのは自由です」と言っても、
「そんなことはない。邪魔だ。警察に通報するぞ」と言った。 こちらが「どうぞ、通報してください」と言ったとき、校内から出て来たスーツの男性がいて、その男性に対して、副校長は「警察の人!」と呼びかけたが、
男性は副校長の方は見ずに、どんどん遠ざかっていった。

私が副校長に「警察の人なんですか」と聞くと、「そうだ」と答えた。そこでこちらが大声で、「警察のヒトーっ。逮捕してくだサーイ」と言ったが、警察の人は振り向きもせずにどんどん遠ざかっていった。副校長はやや唖然とした感じだっだが、気を取り直して、こちらに対して「どきなさい」「(注意を)言いましたからね」という。
こちらが「ききましたよ。ちょっとまって下さい。写真を撮りますから」と言ったら、いなくなってしまった。 こういう管理職はめずらしい。こういうことをするのを任務と思っているのか。都教委におぼえめでたい?!

警察は正門前のスーパーの自転車置き場(道の向こう側)にもいた。

2/27 東京都教育委員会 傍聴記  根津公子さん

■2月27日(木)の東京都教育委員会の定例会の傍聴報告です。レイバーネットに恒常的に掲載されていますので、そちらを見て下さい。

◆根津公子の都教委傍聴記(2014.2.27)
「体罰根絶」「いじめ防止」は、ことが起きた時のアリバイ作り?

委縮させられた教員に、子どもたちがいじめを直視し、立ち向かえるような働きかけ・授業など、できるとは思えません。「自由のない教師に自由を教えることはできない」のです。
 子どものいじめが、大人社会の反映であることは、論を待ちません。いじめ防止のために都教委がすべきことは、まずは教員を自由にすること、支配介入を止めることです。私の体験でも、職員会議の論議によって教育活動を行えていた学校では、いじめが社会問題化していた時期であっても、教員は子どもたちに自治活動を促す働きかけができ、子どもたちがいじめに走ることはありませんでした。教育委員会の支配を払いのけ、先生たちが頑張ってくれていると、教員たちの姿から生徒たちは感じ取り、学んでくれていたのでした。そうしたことを私は生徒たちから何度も告げられていましたから、教員を自由にすることがいじめの解決への一番の近道であると、自信を持って言うことができます。

全文→  http://www.labornetjp.org/news/2014/0227nezu

2014年2月25日火曜日

2・21都人事委員会審理の報告 請求人が意見陳述

■2月21日(金)、2010~12年に10・23通達に基づく校長の職務命令に従わず処分された事案について、東京都人事委員会公開口頭審理が開催されることになりました。その報告が近藤徹さんから寄せられましたのでアップします。

◆卒業式直前の都人事委員会公開口頭審理

地方公務員の処分の取り消し請求は、いきなり裁判所に提訴できず、先ず各自治体の人事委員会に審査請求をしなければなりません。                                               都立学校の「君が代」不当処分撤回の闘いは、2004年3月の卒業式での大量処分に反撃する都人事委員会への不服審査請求(2004年4月)に始まり、同年4月17日に被処分者の会が結成されたのでした。

それから10年、東京「君が代」裁判一次訴訟の最高裁判決(2012年1月16日)、同二次訴訟の最高裁判決(2013年9月6日)を経て、東京地裁には東京「君が代」裁判三次訴訟(2007年~09年処分取消請求)、再雇用拒否撤回二次訴訟(07~09年再雇用拒否国賠請求)・三次訴訟(11年再雇用拒否国賠請求)が係属して、後続訴訟が粘り強く闘われています。

そしてこの度ようやく、2010~12年に10・23通達に基づく校長の職務命令に従わず処分された事案について東京都人事委員会公開口頭審理が開催されることになりました。合計14件・12名(2010年4件、11年7件、12年3件 人数の重複あり)が今回の公開口頭審理の対象です。

◆都教委は「ブラック官庁」 都人事委員会公開口頭審理で都教委を告発

 安部政権のもと、教育の全面的改編の突破口として教育委員会制度の改悪への動きが新聞などで報じられる中、昨日2月21日、「君が代」処分取消を求める東京都人事委員会公開口頭審理が都庁人事委員会審理室で行われました。

「日の丸・君が代」を強制する10・23通達から11回目の卒業式を目前にした人事委審理は、傍聴席(40席)が満席となり、緊張と熱気が漂う中、8人の請求人が意見陳述を行いました。以下、請求人の意見陳述のほんのさわりだけ紹介します。

◎クリスチャンとして「日の丸・君が代」の強制には従えない。理不尽な命令は教職員をロボットにし、生徒たちの個性・人権を奪う奪う。
◎最高裁で減給処分を取り消された教員に再処分するなど前代未聞の暴挙を行う都教委は「ブラック企業」と化している。10・23通達以降、生徒のことは二の次、三の次となっている。
◎10・23通達で学校運営が大きく変化した。個々の生徒の状況に目を向けず上意下達の学校運営が弊害をもたらしている。
◎「最後の授業」としての卒業式が変質した。特別支援学校の対面方式の生徒を中心にした卒業式がなくなった。
◎多様な意見が尊重されるべき学校で、教員が自由に議論できなくなり、少数意見が排除されており、生徒の自由な思考を育てられなくなっている。
◎10・23通達から10年以上経ったが、都教委は頑なに話し合いを拒否している。これは教育からもっともかけ離れた態度だ。10・23通達に始まる一連の東京の教育行政は、「不当な支配」に該当する。
◎退職時には再雇用を拒否され、働く場を奪われた。都教委の制裁はアナクロニズム、戦前の「非国民」排斥だ。
◎最高裁で減給処分は裁量権逸脱、違法とされたにもかかわらず2013年卒・入学式で減給処分を出したのは違法だ。再発防止研修は精神的靴を強いるものだ。

各意見陳述で、10・23通達とそれに基づく処分が、1.思想・良心の自由に対する侵害、2.教育行政の教育への不当な介入、であることが改めて明らかにされました。
また、10・23通達が教育の荒廃をもたらしたことが具体的に指摘されました。

2/17 都教委による再処分取り消し 不服審査請求の記者会見

■都教委による再処分に対して、2月13日(月)、東京都人事委員会にへ不服審査請求を行い、2月17日記者会見をしました。その報告が近藤徹さんから寄せられてましたので、遅くなりましたがアップします。

◆都教委の横暴には怒りを通り越してあきれてものが言えない!

 2月17日(月)、被処分者の会・同弁護団は、再処分の取り消しを求めて都人事委員会に不服審査請求を行い、都庁記者クラブで記者会見をしました。記者会見には、都庁記者クラブ加盟社を始め12社が参加し、ました。請求人側からは、当事者4名、弁護団、被処分者の会事務局が会見に臨みました。  会見では、当事者、弁護士などからの発言(一部は下記参照)を受けて、各社の記者からも活発な質問がありました。

○最高裁で減給処分が取り消され敗訴したら、謝罪するどころか7、8年前の事案で戒告処分を出し直す、という都教委の横暴には怒りを通り越してあきれてものが言えない。

○戒告処分の経済的不利益は当時よりずっと重くなっている。これはイジメだ。

○学校現場の状況の悪化は目を覆うばかりだ。職員会議などで自由闊達な意見も言えない状況。校長が全て決めるので発言しても無駄だと発言する人もいなくなっている。

○行政に大甘の裁判所も都教委は「やり過ぎだ」と減給処分を取り消した。都教委の力で押さえつけるやりかたが断罪されたのだ。常識では考えられない都教委の対応だ。最終的な勝利を確信している。

◆早速、NHK首都圏ニュースが報道
   ↓
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140213/k10015227451000.html

国歌斉唱で再処分 取り消し求め請求
2月13日 21時16分

都立高校で行われた入学式や卒業式の国歌斉唱の際に起立しなかったとして、東京都教育委員会から戒告の処分を受けた教職員7人が「裁判の判決が確定し、いったん処分が取り消されたにもかかわらず、再び処分されたのは不当だ」として、13日、都の人事委員会に処分の取り消しを求める審査を請求しました。

請求を行ったのは、都立高校の教職員7人です。
7人は平成17年から翌年にかけて都立高校で行われた入学式や卒業式の国歌斉唱の際、起立しなかったとして、東京都教育委員会から減給10分の1、1か月の処分を受け、処分を不服として裁判で争っていました。そして、去年9月、「減給処分は重すぎる」とした判決が最高裁判所で確定したため、処分はいったん取り消されましたが、都教育委員会は「学校の規律や秩序を保つためには処分が必要だ」として、去年12月、7人に減給よりも軽い戒告の処分を改めて行いました。これに対して、7人は「再び処分を行ったのは不当だ」として、13日、都の人事委員会に処分の取り消しを求める審査を請求しました。
教職員らは記者会見で「8年から9年も前のことで改めて処分を出すことに怒りを感じる。そもそも思想、良心の問題を強制するのはおかしいので、これからも撤回を求めていきたい」と話し、今後、裁判で争うことも視野に入れているということです。

2/11 「教育の国家支配に反対する2・11大阪集会」は、約500名の参加で成功。

■2月11日に「教育の国家支配に反対する2・11大阪集会」が500名の参加で成功しました。大阪の山田さんの報告です。

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◆集会・デモ
集会と難波までのデモも含めて、「日の丸・君が代」強制と教職員処分に対決する意志を市民のみなさんとともに確認し、闘いの展望を切り開くものとなりました。
 また東京や全国のなかまのみなさんと今後のより強い連帯から全国ネット結成への具体的な行動の一歩ともなりました。
 三宅晶子さんの力のこもった講演や大阪の橋下・維新や安倍政権の「戦争する国」とそのための教育の国家統制の動きと闘う市民・団体の発言にも大きく力づけられました。 ご参加・ご協力頂いた全ての皆様に敬意と感謝の気持ちをお伝え致します。これからも2月末からの高校や小中学校での卒業式や被処分者の人事委員会・裁判闘争など、多くの取り組みにもご参加・ご協力をお願い致します。

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◆三宅晶子さんの講演を聞いて
★メインの三宅晶子さんの講演は、素晴らしいお話でした。
 古本屋で見つけた『前夜』10号の季刊誌に掲載された三宅晶子さんの「市民的不服従と抵抗の思想」の文に感銘を受け、反論書や陳述書に無断引用させて頂いていましたが、2月11日の講演は、「想起の文化」ということで、ドイツと日本を比較する年表をもとに、戦後日本の問題点を照らし出すものでした。

★「想起」とは、「過去のことをおもいおこすこと」です。「過去」とは何でしょう?
ドイツでは、「ナチの暴虐が引き起こした被害」であり、それに加担したドイツ人の「加害」のことです。日本では、「天皇制国家と天皇の軍隊の暴虐が引き起こした被害」であり、それに加担した日本人の「加害」のことです。

★ドイツでは、そのナチスの「世界史に残る戦争犯罪の加害」を記録し、絶えず「想起」し、自国で戦犯を裁きつづけてきました。日本ではどうでしょう?
日本人自身の手で戦犯天皇を裁いていないし、天皇ヒロヒトと天皇制の「戦争犯罪の加害」を記録し、「想起」もしていない。反対に、この「戦争犯罪の加害」がなかったという連中の跋扈を許している。

★ドイツでは、「国民としての共同想起」が、ドイツの国として、ドイツ民族として、ドイツ人一人一人として政治・教育・文化すべての領域で行われてきたのです。街角の標識や記念碑にいたるまで。日本となんという違い!
これは、日本人として、恥ずかしいことであり、「想起の文化」をつくりえずに、 68年間も、人間としての「恥辱」をさらして来ていると思いました。

★ここからの転換、それは、今の安倍・橋下の戦争への動き、『日の丸』『君が代』の強制に「抵抗することに確信」を持つことで切り開けると三宅晶子さんの話を聞いて考えました。

★その時に、配られた資料の中に黒田伊彦代表の基調報告の文があります。
「愛国心教育」とは、「神武建国神話で培おうとする」「皇国史観」が本質だと書かれています。また、入れ墨調査拒否で処分された大阪市交通局のYさんは、「君が代」不起立は「教育そのものだ」とメッセージに書かれています。熱い連帯のことばです。
ZAZAメンバーの野村さんは、「今回の『意向確認』」は「思想調査の強要」であり、これは人生で2回目。1回目の「38年前の心の負債を返す絶好のチャンス」「絶対に負けられない闘い」と書いています。
 また、「大阪ネットワークニュース第4号」の「口元チェック」通知を撤回せよの文
や、菅さん、梅原さんの文もなかなか光っています。編集長の意気込みが伝わってくるニュースです。
これら、資料が、ビラや書類の山に埋まらず、きちんと読まれて、保存ファイルに収
納されることを祈っています。

2014年2月12日水曜日

2014年2月8日土曜日

2/2 都教委包囲・首都圏ネットの2.2総決起集会 つづき

田無工業高校の自衛隊駐屯地宿泊防災訓練問題  練馬平和委員会・坂本さん
★田無工業高校(下の写真)の自衛隊駐屯地宿泊防災訓練について、「防災訓練」と称して「自衛隊体験入営」させたbことについての詳細な報告が、坂本さん(練馬区平和委員会・ウオッチする市民の会)からなされました。坂本さんたちは練馬区民として自衛隊をウオッチして30年になるそうです。坂本さんは防衛省・自衛隊もブラック企業だと言われました。

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★田無工高の生徒34名に対して教員6名、教育庁6名、自衛員24名で行ったところはどんなところか。
 自衛隊朝霞駐屯地(写真)は、北朝鮮のロケット発射というと、真っ先にパック3を入間基地とかいろいろの基地から朝霞駐屯谷集合させるところです。そこでは1日1万発の実弾を撃ったりしています。敵が攻めてきたら人を殺す訓練をするところです。確かに3.11とか鳥インフルエンザとかで活躍していますが、そういうこともやっているが防災が主ではない。「自衛隊の施設でしつけとか防災訓練とかやるのはおかしい。駐屯地の自衛官はだれもそう防災訓練やしつけをやるなんて思っていない。自衛隊はそういう組織ではない。消防がやればいい。」

★宿泊施設にはイラク派遣の時、自衛隊員が旭川とか全国から朝霞にきて泊まり、最後の訓練をしていました。プレハブの建物をつくり、ドアを蹴破って突っ込んでいく訓練を学校(朝霞高校、新座総合高校)の目の前でやっていました。そこからイラクに発っていったのです。家族は生徒たちが泊まった外来宿舎に泊まりました。

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★当日、私は朝早く起きて自衛隊のフェンスのところで写真を撮り続けていました。都立高校の高校生がそんなことをやるのは前代未聞のことだからです。どんなとをやったのか。やったことはひとつなのに、都教委の出した「服務命令書」と防衛省の文書とでは大きな違いがあります。(資料参照)
 例えば、高校側の「復命書」で「部屋の使い方などの説明」とあるところは、自衛隊文書では「基本教練教育予行(停止間、行進間の動作)」となっています。また、「基本的な生活、グループ学習」とあるところは、自衛隊文書では「基礎教練(停止間、行進間の動作)」です。この基礎教練とは何かというと「行軍(行進訓練)」です。A地点からB地点に移動するだけです。自衛隊用語では「行軍」です。高校生がやったことは行軍。しかし、復命書ではそんなこと書いてありません。行軍は防災訓練ではない。また、都教委「復命書」で「課外学習(部屋の使用方法等)」とあるのは、自衛隊文書では「着隊指導(ベッドメイク、点呼の要領等教育)となっています。ベッドメイクというのは自衛隊では重要な軍事訓練です。ホテルなどのベットメイクではない。行軍とベッドメイクは入隊訓練、自衛官になるための予備訓練です。防災訓練ではありません。最後の日に何をやっていたか。子どもたちは隊員と一緒に走っている。「全体とまれ」とか。
 都教委は「しつけ」なんて言ってるけれど、そういう訓練がしつけか。自衛隊はいじめ、パワハラ、セクハラ当たり前。事故があつたら命令がなければ動かない。そういう組織なんです。
 僕が写真を撮っていたんですがヤメロとは言わない(言えない)。
そして、明日2/3から3日間江東区の運動施設で自衛隊が参加した防災訓練がある。女性も20名参加して、今度は2年生全部がやる。
 私は見学を要請しましたが、やっと3日目の午後だけ許された。いろいろ制約事項が書いてあった。おかしい。でも、前とちがうかなど取材・見学に行く。

★自衛隊員は国防軍に悩んでいます。国防軍にはいるとは思わずに自衛隊に入ったわけです。私たちはビラを撒いていますが、上官からはアカのビラなどとっちゃいけないよと言われているけどビラを結構とります。
 こういう私たちの不断の努力が必要だと思います。運動をしていくことです。

●「秘密保護法も共謀罪も盗聴法もいらない」 破防法・組対法に反対する共同行動の安藤さん。
 2005年~2006年頃、包囲ネットが国会前で教育基本法を改悪反対の闘いをし、共同行動が共謀罪新設反対の闘いをしていていた。その時の縁で、「日の丸・君が代」の強制も共謀罪も憲法違反で、戦争への道、民衆の管理強化の道だ、個々の課題を越えて共闘していきたいと連帯の決意が述べられました。
 安藤さんは昨年12月に秘密保護法が制定された以降、治安立法の制定・強化、共謀罪新設、盗聴法の拡大が準備され、国会上程がもくろまれていることに警鐘を鳴らし、これに共同して反撃していこうと発言されました。

●その後、会場から、宮城県の小学校教員の土屋さんの、軽妙で、楽しい、それでいてすごい闘いについての発言がありました。。
小野さん(愛知県の元教員)から、集会の総括的発言と、4月に全国ネットの集会を開催する提起がなされました。

<集会名> 「許すな!『日の丸・君が代』強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 4・2全国集会」
<日 時> 2014年4月20日(日) 13:00~17:00
<場 所> 東京・日比谷図書館文化館(日比谷野音隣りの日比谷図書館・地下)
<講 演> 高橋哲哉さん(東大教授)
<内 容>(予定)・高橋哲哉さんの講演/ ・全国からの報告/ ・闘いの提起/ ・全国ネットについて/ ・そ       の他
   *翌4月21日(月):午前…文科省要請、午後…都教委要請
<主催> ・「4・20集会」実行委員会
     ・許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク(準備   会・仮称)

●このほか、包囲ネット事務局から、卒業式のチラシ撒きの行動呼びかけ、集会決議、集会の閉会挨拶を行って、集会を終わりました。

⑮青木
 参加者も多く、内容も充実し、東京のみならず大阪、全国、さらには市民運動とも連帯し、ともに闘う決意を固め合う「総決起集会」になりました。頑張りましょう。

2014年2月6日木曜日

2/2 都教委包囲ネット「2・2総決起集会」の報告の続き

⑤シツキ 

写真:高橋さんの講演についての質疑

■「現場からの報告」
●「『君が代』不起立と闘うということ」 板橋支援学校の田中聡史さん
 田中さんの報告についてはこれまでも紹介していますので割愛しますが、都教委や校長はこの集会でみんなに知らされるのを恐れたのか、田中さんに対して1月31日(金)に「2月3日(月)朝校長室に来るように」と言ってきました。

 2/3に田中さんが行ってみると、副校長立会いのもとで、「職務命令に従って職務を遂行するように」「卒業式では「国歌」斉唱時に、どうするつもりか」「2012年の最高裁判決で職務命令が合憲だとされたことは理解しているか」「公務員としての立場をわきまえて行動するように」などのことを言ってきたようです。
 それに対し田中さんは、「卒業式でどのようにするかは今のところ決めかねているので何ともいえない」「起立斉唱の職務命令は思想および良心の自由の制約となるので、
  文書による命令は出さないでほしいと願っている。」と返答したということです。

田中さんへの不当・執拗な攻撃が始まりました。
田中さんを支援するために、田中さん(美術の教員)の彫刻作品の「絵はがき」(2枚、300円)が完成しました。改めて協力依頼をしたいと思います。

●「職場はいまどうなっているか」 業績評価裁判で勝利した世田谷の大嶽昇一さん
 昨年9月から現場の管理職や教員たちに話を聞いてまとめた『今、学校現場は 現職の先生たちの生の声です』という詳しい資料を出され、話されました。
 この資料には、<管理職><現職教員><若い教員>それぞれの声が載せられています。
★ある副校長は次のようなことを述べています。
「勤務時間が毎日12時間以上である」「体調が悪くても、通院する時間がなく、日々薬等を処方して、仕事を続けている」「副校長から『教諭』へと自ら降格人事を希望する人が多い」「相談する人が回りにいない。いつも、一人で悩むことが多い」などなど。

★若い教員は次のようなことを述べています。
「<数値目標>いつも言われます。『学級通信を何枚出したか』、『給食の完食率100%か』、『図書の本を学期1人が10冊以上借りている』、『おはようのあいさつが、クラス全員の子が大きな声で言える』など。実際にどの先生も数値目標達成しているのかなあといつも疑問に感じています。」「子どものためにと思って学校の先生になったのですが、現実は違いました。時を考えて教員を止めます。自分が駄目になってしまいます。」などなど。
★また、大嶽さんは、この1月香川県で、藤田英晃先生が「勤務評定裁判」で勝利したことを報告しました。 

●「『君が代』不起立減給処分取り消しでも再処分(戒告)」 Fさん(割愛します)
⑨福嶋

●「授業していたのに処分」裁判で勝利確定 福嶋常光さん(割愛します)  写真

●大阪から「橋下大阪市政・松井大阪府政・維新の会との闘い」について
 「『君が代』強制反対・大阪ネット」の被処分者ら4人の教職員から
山田肇さんは攻撃の概略と闘いについてはなされました。
「2011年に橋下の「君が代」条例が出されて、それから2013年3月までに職務命令に違反したとして約50名が処分されている。3回違反したらクビとなっている。再任用の拒否とも闘っている。今年から「口もとチェック」として歌っているかどうかを調べることもやろうとしている。
 大阪では、最高裁の判決以前に大阪高裁の確定判決=「歌うことの強制は内心の自由を侵す可能性が高い。従って歌わない自由も尊重されなければならない」があるので、処分撤回署名を出してたたかっている。」と。

大阪 

辻谷博子さん(元高校教員)の発言。
 橋下の府条例に対してある政治学者は「大阪は新自由主義の実験場にされようとしてる」と言いましたが、本当にそうなった。安倍教育改革の先兵として橋下の行為があった。2011君が代強制条例、2012職員基本条例(処分条例、府立学校条例、教育基本行政条例、教育基本整備条例、が出された。教育公務員の管理支配と公教育のコストダウンをはかるものだった。
 私は2012年、「君が代」起立斉唱に反対、条例は許せないと思って座った。処分取り消しだけでなく条例が憲法違反であることともたたっていく。運動が大事だ。

佐藤訓子さん(元小学校教員)
 「東京で田中聡史さんは戦い続けている。大阪でも闘っている。きちんと口元にチャックをして堂々と座り続けるしかないと思っている。すでに子どもたちは立たされ、歌わされもいる。私たちは天皇の臣民にも赤子にもならない。子どもたちを天皇に命を捧げる者にしてはならないと思っている。」

吉田正弘さん(府立高校教員) 
 「去年20年ぶりの卒業式の担任だつた。今年は外回りにされた。大阪では弁護団が気合いが入っていて、2回処分を受けたら、差し止め訴訟をすると言ってくれていて、誰が処分を受けてもすぐ訴状を提出する体制が出来ている。この木曜日、職員会議で校長に対して「教員ひとりひとりの前に来て口元をチェックするのか」と聞いた。校長は「致しません」言った。管理職は「維新の凋落があり、風向きは変わっている」と言っている。闘いに寄って「風向き」を変えていこう。」

続く。

2014年2月5日水曜日

2/2 『日の丸・君が代」強制反対!教育の国家支配と闘おう!2・2総決起集会』開催

■2月2日(日)午後、都教委包囲・首都圏ネットワーク主催で、卒業式を前にした恒例の「総決起集会」を開きました。主催者の「予想を超える130名}が参加しました。
主催者仲間と「これは情勢に対する人々の危機感の反映ではないか」と話し合いました。

全体

◆集会の内容

午後1時開催の集会では、まず<基調報告>として包囲ネットの永井栄俊さんから「都教委『改革』における新たな段階(教育改革の流れと問題点)」が報告されました。
この中で、都立高校の教育が、現在いかに民主教育と程遠いものになっているかを「宿泊防災訓練と自衛隊の連携問題」「生徒指導統一基準(規律規範・道徳の徹底→生徒処分の厳罰主義)、「学力スタンダードの導入」、「教科書の統制」「学習指導要領の改定」等を示して明らかにしました。また、それを貫徹するために、都教委は教職員の管理支配を強化し、超過勤務、働く権利のはく奪等々を行っているも指摘しました。
つまり、教職員から生徒まで、教育内容を含めすべてがんじがらめに統制され、まさに「ブラック企業化する教育現場」になっているのです。

③

■ついで、埼玉大学准教授の高橋哲(さとし)さんによる講演が行われました。
タイトルは「憲法『改正』と安倍政権の教育政策の流れ」でした。
この講演は、大変わかりやすく、かつ全面的で、内容豊かなものでした。
とてもここでは紹介しきれませんが、概要のみ以下に紹介します。

★まず、「はじめに―安倍政権のめざす教育改革とは―」として、その主軸は「新自由主義」にあると述べられ、それはこれまでの「生きる力」から「行き抜く力」という言葉にも表れていると述べられました。そうして、「改革」の狙いとして、
 ①エリートの早期選別・教育財政の重点投資 
 ②新自由主義教育改革を実行するための支配体制作り
 ③新自由主義に伴う社会病理への治安対策としての保守主義・復古主義教育が挙げら  れると述べられました。

★次に、「Ⅰ憲法改正の狙い―復古主義と支配体制の強化―」として、参加者全員に配布された自民党の「日本国憲法改正草案」の条文に沿いながら、具体的に説明されました。
ここはこの講演の圧巻でしたが、次のような柱建てで説明されました。
(1)復古的・保守的国家への回帰
   ここでは、「天皇」「国旗国歌」「国防軍」「靖国国家神道」「家族」「外国人参政権」  などの扱いについて、具体的にどうなっているかが説明されました。

 (2)国民支配の国家体制づくり ー統治機構(ガバナンス)の改革ー
    ここでは、「立憲主義の形骸化」(改正手続、国民の憲法尊重義務)「人権制約   の強化」(「公共の福祉」から「公益、公の秩序」へ)、「統治機構の改革」(内閣   総理大臣の権限強化、緊急事態宣言、道州制)などが説明されました。
 (3)国民の支配体制としての教育―憲法26条新3項の意味―
    ここでは、3項に「国は、教育が国の未来を切り拓く上で欠くことのできない   ものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない」という文言が   付け加えられ、「国民の権利としての教育」から「国家の道具としての教育」へ、
   したがって「条件整備」ではなく、自由主義教育改革を遂行するための「環境整   備」となっている、ことなどが説明されました。

★次に、「Ⅱ安倍政権の教育改革」として、次のような柱建てで説明されました。
 0、安倍政権の教育改革案の策定主体 ここでは、実質的には、自民党の「教育再生  実行本部」が担い、そこが打ち出したものが具体化されていると説明されました。 1、新自由主義教育改革の展開―エリートの早期選抜と重点投資―
   ここでは、「6・3・3・4制」の見直し、大学改革が説明されました。
 2、新自由主義教育改革を推進する支配体制の形成
   ここでは、<教育委員会の諮問機関化と首長による教育長任命><教員統制の強  化>、<教科書検定・採択制度の改定>などが説明されました。
 3、治安対策としての国家主義・復古主義―道徳教育の強化―
   ここでは、<道徳の教科化と教科全体の道徳化>、<治安対策としての「いじめ  対策」>が説明されましたが、「いじめ」は新自由主義的教育改革による病理であ  り、それはこどもたちの「社会的反乱」のようなもので、これに対する治安維持と  しての「いじめ防止対策」であると指摘されました。
★おわりにー安倍政権の何が問題かー
  ここでは、<「イデオロギー」の問題ではなく、「教育の支配」の問題><教育を  まもる親・市民とのつながりの重要性><「ハードルの低い」政治課題での共闘を  >ということが強調されました。

高橋哲さんの話はかなり頭を整理させるものでした。つづく。

2/11 大阪集会に集まってください。

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2/1~2/2 「日の丸・君が代」問題等全国ネットの形成に向けた第二回目の準備会開かれる

■2月1日午後~2日午前、東京しごとセンター(飯田橋)で、「全国ネットの形成」に向けた話し合いが行われました。渡部さんの報告です。

◆各地からの報告
 会議では各地の情勢が語られましたが、この間の安倍政権の暴走に対し、人々が危機感を抱き声を上げつつあることがわかりました。
●大阪でも、「橋下市長の求心力が落ちてきており、中原教育長も『口元チェック』に逃げ腰になっている。校長たちも彼らについっていったらとんでもないことになると思い始めた」ということです。

●基調提案の論議では、「ネットワーク」の性格などについて、
活発な意見交換がなされました。
★その中で、
 ・教育現場の人々の要求を吸い上げていくことが大事。
 ・若者たちが置かれている労働現場がどういう状況になっているかを知らなければな  らない。
 ・教員だけ、わかるものだけの運動になってはいけない。
 ・戦争できる国への突破口が「日の丸・君が代」だ。
 ・その強制は、教員を介して生徒・保護者に移りつつある。
 ・ゆるやかな形のネットワークがいいのでは。などの意見が出されました。

★「運動の柱」(経過について)などについても意見が交換されました。
 この全国ネットは、昨年2月大阪で行われた『「日の丸・君が代」強制えんかい!「競 争」「強制」の教育でええんかい!私たちは黙らない!2・11全国集会』で呼びか けられました。
★それを受けて、昨年8月東京で行われた『第四回「日の丸・君が代」問題等2013年全国学習交流会』で、具体的な動きを開始する提案が行われました。
★それを受けて、昨年11月大阪で、第一回『「日の丸・君が代」強制。処分を許さず、 安倍政権の改憲・教育破壊に反対する全国ネットワーク(準備会・仮称)をめざす全 国会議』が開かれました。
★今回の会議は第二回目の準備会会議となりました。

★今後の具体的な取り組みとして、以下の集会を持つことが決定されました。
<集会名> 「許すな!『日の丸・君が代』強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 4・2全国集会」
<日 時> 2014年4月20日(日) 13:00~17:00
<場 所> 東京・日比谷図書館文化館(日比谷野音隣りの日比谷図書館・地下)
<講 演> 高橋哲哉さん(東大教授)
<内 容>(予定)・高橋哲哉さんの講演/ ・全国からの報告/ ・闘いの提起/ ・全国ネットについて/ ・そ       の他
   *翌4月21日(月):午前…文科省要請、午後…都教委要請
<主催> ・「4・20集会」実行委員会
     ・許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク(準備   会・仮称)