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2014年3月18日火曜日

3/14 都教委包囲ネットの文部科学省交渉の報告】

 3月12日、教育委員会制度見直し案について自民・公明が合意した。
政府は、これに基づき「地方教育行政法改正案」を4月上旬に閣議決定、今国会に提出する方針である。

3月14日、文科省は沖縄県・竹富町教に対し、科書の変更を直接要求する是正要求を出した。 竹富町の慶田盛安三教育長は「教育は中立でなければならないのに政治介入だ」と強く反発した。

3月14日、都教委包囲首都圏ネットワークの文科省交渉が参議院議員会館・会議室で行われた。

 

◆文科省交渉

文科省からは、初等中等教育局初等中等教育企画課・林剛史氏、他に教科書課から3人、内閣官房教育再生実行委員会議担当室から1人の、計5人が対応した。(都教委では何ら交渉権限のない情報教育課としか出てこない。いかに都教委が、都民に閉ざされた異常なところかということである)。              こちらの参加者は10人だった。

事前に出しておいた交渉内容は以下の通り
 1.教育委員会制度について/ 2.中央教育行政について/ 3.第7期中央教育審議会について/ 4.教科書検定制度について/ 5.道徳の教科化について

最初にこちらから、「戦前の国家主義教育が悲惨な戦争をもたらした。戦後の「民主教育」が日本社会を発展させた。しかし『戦後レジームからの脱却』を掲げる安倍政権によって、教育は再び国家主義教育になりつつある。危険である。だから交渉にやってきた」と述べ、交渉に入った。

D青木

交渉では最初に主に1.2.3.をやった。
 その中で林氏は、教育委員会制度見直しについて、特に「いじめへの対応」の問題を出し、<責任者は誰か明確ではない><地域住民の意向を反映していない><教委の会議の形骸化><迅速性・機動性に欠ける>などの理由を述べた。結局自民党が言っていることと同じである。
 そうして、「実際にはあまり変わらない」というようなことも述べる。

 これに対して、参加者から現在すすめられつつある「見直し」について、戦後の教育委員会制度の歴史的経過を踏まえ批判が出された。
 例えば「決定権限」についいては、「上の方だけを見ているが、本来は直接責任論であり、教員が直接生徒・保護者に責任を持って教育活動がなされなければならない」、
 また「教育内容」については「根幹は教育行政は教育内容に関与してはならない。しかし内容に直接関与してきている」、「あまり変わらないのだったらなんであえて見直そうとしているのか」などなど。
 そうしたら、林氏はこんなことを言った。
 「この問題で盛り上がっているのは、皆さんと私たちくらいです。パブコメもこれについては637件、秘密保護法では9万480件でした。」

 交渉に参加した北村小夜さんは、「戦後民主教育がずーっと後ずさりしてきた。最近ある小学校の3年生が荒れ始めている。しかし教員間で話題になるのが遅い。校長は『我が校の恥、口にするな』と言ったという。もっと素直に教員が子どもと関われるような体制を作らなければならない。」

 また、安倍首相の私的諮問機関に過ぎない「教育再生実行会議」と「閣議」などで「見直し」が進むことについての批判がなされた。
 そして、自公合意の見直し案について、新たに設けられる常設の「総合教育会議」(首長・教育長・教育委員+有識者:主宰は首長。教育行政の基本方針を定める「大綱」の中身を協議)の問題性について、「これでは教育委員会は単なる下請け機関ではないか。」
「露骨な政治介入ではないか」という声があげられた。
 しかし、これに対しても林氏は「協議機関ですから。執行は教育委員会ですから」と大きな問題ではないと言わんばかりだった。
また、彼は「地方分権」を持ち出したが、こちらは「今までは文科省からの<指導・助言>であったが、見直しでは<是正>が出てきているではないか」と批判した。
 実際、交渉当日、文科省は沖縄・竹富町に<是正>要求を出していた。どこに地方分権があるというのか。あるとすれば「教育条件整備は地方の責任。教育内容は国が決める」ということだろう。

 その後4.5.についてのやり取りが行われた。
 4.(教科書検定)では、とくに「政府見解を書け」、「バランスのとれた記述」について、「まさに国定教科書になりつつある」という意見が参加者から出された。 

 5.(道徳の教科化)では、「文科省が『心のノート』を全面改訂したものを出す、検定教科書ができるまではそれで行く、指導は学級担任。評価は記述式」などのことが係官から述べられた。
 これに対してこちらから、「これまで教科とは科学的な根拠を持ったものだった。しかし道徳科は科学からはずれたものになる」「それは戦前の首位教科『公民科』と同じではないか」などの批判が出された。

ちなみに、交渉の席上、文科省から『今後の道徳教育の改善・充実方策について(報告)【概要】というものが配られた。
 そのなかに教科書の見本として『私たちの道徳』(小学校1・2年、小学校3・4年、小学校5・6年、中学校)の紹介があった。中身はつまらない説教話である。
 例えば、中学校では「人物の生き方を通して、自己の生き方を考えていくことができるように、先人、偉人や著名人のメッセージや格言などを豊富に盛り込んでいます」という具合である。ここには人民大衆の豊かな生活や思想などはみられない。
<現体制に従順ないい子ちゃんを作る>という意図が見え見えである。

以上が文科省報告であるが、こういう交渉、要請は多くの団体がやった方がいい。

◆3/20(木) <「教育国会」抗議、国会前座り込み&リレートーク>
日時:3月20日 114から18時まで
場所:衆議院第二議員会館前 
プラカード、パネル、横断幕、旗、など持ってきてください。