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2022年2月10日木曜日

2月6日 「2・6総決起集会」(その二)

2月6日  「2・6総決起集会」(その二)

髙嶋さんの講演の後に<特別報告>として、昨年12月「2017年再任用拒否国賠訴訟」で、大阪高裁で逆転勝訴を勝ち取った梅原聡さんに報告してもらった。

◆梅原聡さんの報告(要約して紹介)











まず、「控訴理由書」では、一連の最高裁判決を大量にコピペし、府教委の主張を丸呑みにした地裁判決を批判し、きちんと裁判官自らの頭で考えて判決を出すように求めた。

争点は二つ。①「意向確認」の問題、②裁量権の問題。

①「意向確認」というのは、再任用にあたり「君が代」斉唱の職務命令に従うかどうか、を問われ、これにYesと答えれば合格、そう答えなければ不合格、とするもの。キリシタンの踏絵そのもののやり方である。

自分は就職指導で、思想・信条に関する質問には答えないよう指導する。大阪府の商工労働部も、違反質問にあたると指摘、府教委に改善の要請をしている。

その結果、翌年から「・・国歌斉唱の起立斉唱の職務命令を含む・・」の文言が消えた。府教委自身問題があることを認めたのだ。

②の「裁量権」について。

大阪府では再任用の合格率は2014~17年度は99.7%と、さらに高くなり希望者はほぼ全員採用された。したがって、私たちを狙い撃ちにした再任用拒否が、裁量権の逸脱濫用にはあたらないとした一審判決は明らかに間違っていた。

高裁の判決は、「裁量権」については私たちの主張をほぼ認め、「他の希望者と平等な取扱いを受けることについて強く期待することのできる地位にあった」と認定し、再任用拒否は裁量権の逸脱又は濫用として違法と評価される」とした。

これまで裁判所は、府教委の「総合判断」というブラックボックスの中での合否判定を黙認するばかりだった。やっと、普通の感覚の判決が出されたと感じた。

大阪高裁は、その他にもいくつかの理由をあげ、府教委の判断が「客観的合理性や社会的相当性を欠く」と断じ、府に約315万円の賠償金を支払うよう命じた。

ただ、私たちが強く訴えてきた「意向確認」の問題は、ほぼ原判決を維持して、「違憲・違法とは認められない」とした。しかし、この判決で、「君が代」不起立者を再任用から排除することがはっきりと違法とされ、これまで府教委が不起立者を差別的に取り扱ってきたことが明確になった。今回の勝利判決が、「君が代」強制に少しでもブレーキをかけるものになればうれしい。

その後、大阪府は判決を不服として上告したが、梅原さんは最後に次のように結んでいる。これまで府教委が不起立者を差別的に取り扱ってきたことが明確になった。               さまざまな人たちや運動とのつながりが、今回の勝利判決を生んだのだと思います。今回の判決が、現場で苦しんでいる皆さんに、少しの勇気と希望をもたらすものになればうれしいと思います。」

(詳しくは添付の資料をご覧ください)

野党や労働組合が「内紛と労使協調路線の顕在化で活力喪失状況」(髙嶋講演)にある中、上のアンダーライン部分は重要な教訓だと思う。現代の「奇兵隊」が求められているのだろう。現代の「奇兵隊」が求められているのだろう。

次回に続く