9/9 都教委定例会 渡部さん傍聴記
議事の「報告事項」の(2)に、
『東京2020大会におけるオリンピック・パラリンピック教育の取組について』がある。
その資料の中に「パラリンピック競技観戦」の<参加校数及び児童生徒数>が記載。
都教委は当初「オリパラ学校観戦」の人数を<80万人>としていた。しかしオリンピックでの観戦はなくなった。
4人の教育委員が反対したにも関わらず強行したパラリンピックについては、都教委は8月18日時点で<最大およそ14万人になる見通し>としていた。
本日の資料では、
しかし本日の資料では8月24日公表ではすでに<2万583人>に減少、最終的な実績は<9,563人>に過ぎなかったことがわかった。どんどん激減し、1万人にも満たなくなったのである。
八王子市は3校150人と紹介した(根津情報)が、その後根津さんから86人だったという知らせがあった。
杉並区は45校2000人と書いたが、実際にははるかに少ないだろう。
学校観戦に反対した4人の委員たちはそれぞれ次のようなことを述べた。
〇新井委員:
万全を期すためコストが膨らんだ。検証が必要だ。テレビで中学生が、修学旅行について大人が延期してもやろうとすることに対し、「そこまでしなくていい」と言っていた。アリバイ作りまでして行くべきではない。上から一方的にやらせるのではなく、本当の子どもたちの気持ちを汲んであげるべきだろう。
〇遠藤委員:
①感染を避けるべき、②マイナスのアナウンス効果になるということでやっていいのかと述べた。かなり減ったが、望むべくは0であるべきだった。VR観戦、テレビ観戦、メッセージ動画作成などもあった。わざわざ観戦に行かなくてもよかったのでは。
〇秋山委員:
パラ教育の意義が強調された。テレビで競技を観戦しながら、他の学校とオンラインで交流はよかった。
〇山口委員:
この間議論をしてきたが、これこそ教育そのもの。正解はないかも知れないが、よりベターを目指す。検証が大事だ。各学校でも決定のプロセスをのこしておくことだ。「やればできる」の強調ではなく、パラリンピックでは助けてもらって夢を実現することはネガティブなことではない、はずかしいことでもない、ということがわかったのではないか。
〇これらの声に対し、都教委の担当者は
「学校段階で考える機会になったのでは」と述べていたが、教育委員会でも、学校段階でも「考える機会」を奪っていたのは、彼らだったのであり、その結果、反発を招き、「学校観戦」は惨憺たる結果に終わったのである。
★ところで、東京五輪はコロナ感染を爆発させ、深刻な医療崩壊を引き起こし、終了することになった。そして、「打ちてし止まん」のスガ首相は終了以前に自滅してしまった。
その後自民党の総裁選びに入っているが、スガ氏を推した派閥は内部統制がとれず、アベ氏が「古い体質」の代表ともいえる高市氏を推している。だが両氏は、東京五輪が日本社会の「古い体質」を暴き出したことを理解できていないのだ。そのことは、いずれ明らかになるだろう。