2020年2/9 包囲ネット主催「2・9総決起集会」報告 その一
2月9日(日)の「2.9総決起集会」は90名が参加して、東京しごとセンター講堂で開かれました。
◆2.9集会主催者挨拶に立った都教委包囲首都圏ネットワークの見城さんは
次のように述べました。
「昨年日本は天皇代替わりで大騒ぎし、大阪のある小学校では、民主主義と対極にある皇国史観に基づく集会が行われ、東京の八王子では天皇奉迎に小学生が動員された。
戦前、労働組合を否定し民主主義を否定した。現在も安倍政治の下で、労働組合を否定する動きが出ている。ヘイトスピーチなども広がっている。これはファジズム的動きだ。
だから、今回は関西生コンへの弾圧を取り上げることにした。ファシズムへの警戒心と闘いを重要視していきたい。
◆そこで、「関西生コン弾圧反対弁護団」の永嶋靖久弁護士に講演していただくことになりました。
永嶋弁護士はこの間の弁護活動を踏まえ、具体的に多くの事を語ってくれました。
参加者のアンケートには、
・「関ナマの話は時々聞いていましたが、永嶋弁護士からの説明で、トンデモないと思いました。やはり、政治的に強い組合だから当局は恐れているのでしょうか」
・「とても興味深かった。関ナマ労組をつぶす為が徹底的に行われている。弾圧に反撃していかなくてはならないと思う」などの声が寄せられました。
●永嶋弁護士の講演の一部。
ここではその講演をとても全部紹介できませんので、その根幹部分だけを紹介したいと思います。
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関西生コン(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)は、企業別労働組合ではなく、産業別労働組合だ。この業界には中小企業が多い。そこで、中小企業の使用者団体との連携を強め、過当競争による共倒れを抑制する事業協同組合化の実現によって、大企業との対等取り引きを求めて成果を上げてきた。
(要するに中小企業の労働者と経営者が力を合わせて大企業に対抗してきたわけです(反独占統一戦線?:渡部注)。
しかし、大企業側からの切り崩しと警察・検察による弾圧により、経営者の一部が切り崩され、労働者に対する酷い弾圧が始まった。
例えば、経営者と労働者が一緒に逮捕されても、経営者は起訴されず、労働者だけが起訴される。また、労働者が倒産争議の際の解決金を要求すると恐喝、ストやビラまきをすると威力業務妨害などで逮捕される。
2月5日現在の逮捕者はのべ89名(実人数57名)、捜索個所は百数十か所。大阪、京都、滋賀、和歌山、奈良と近畿全域に及んでいる。しかも、委員長は6回、副委員長は8回逮捕され、警察をたらい回しにされ、ずーっと警察署に入れられている。
2018年8月28日の逮捕から本日(2月9日)で531日になる。そして警察や検察は、調べを受けている組合員の家族にまで組合脱退を誘導したりしている。また保釈金は高く、保釈条件は一切組合活動ができないものだ。
(これらの弾圧は、憲法28条の団結権・団体交渉権・争議権を否定し、労働組合法第1条2項の刑事免責を否定するもので、2019年12月9日には、労働法学者有志の声明文
「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」も出されている:渡部注)
総じて、このような資本と権力が一体となった関西ナマコンつぶしが現在進行している。
この講演を聞いて、今や、労働者の基本的な権利は独占資本と権力によって尽く踏みにじられ、労働者はまさに無権利状態に陥れられつつあると感じました。
まさに戦前における組合つぶしと同じです。そして戦前の日本は、組合をつぶすことによってファシズム体制を完成させたわけです。