2/9「総決起集会」の報告 その二
講演後、闘う現場からの報告があり、8人の方が発言しました。少し長くなりますが、以下順を追って簡単に紹介します。
ここには、様々な現場の状況と、それに抗して闘う仲間たちの姿が見られます。
①変形労働時間制と教育労働者の闘い(東京教組副委員長のOさん)
1年単位の変形労働時間制導入に反対だ。
1年中繁忙期である教員の長時間労働の改善には全くならない。
週五日制導入以降、余裕のなくなった現場では業務を夏休みに移してきた。
結果、夏休みも繁忙期になっている。「まとめ取り」などできない。
繁忙期の教員の勤務時間を公然と延長するだけだ。
アンケートでの<賛成>は数パーセントにすぎず、「業務削減」や「人員増」の要求が多数だ。
②義務制の学校現場から(多摩教組の執行委員のSさん)
最近、組合に相談がモグラたたき状態で舞い込んでくる。しかも未組合員の方からの電話が多く、内容はパワハラが多い。これは、管理職に権限を与えすぎたためだ。
今は、子どもに対応できなくなって、管理職になる人が多い。周りをまとめる力もないから裸の王様状態だ。そして一方的に「目標」を職員に求めるからパワハラになる。
「働き方改革」でも同じだ。具体案を勝手に決め、6校時までの授業をカットし、夏み中の授業時間を増やした。かえって負担が増える。しかし職員の反対を無視して突っ走っている。
また、恣意的な業績評価をやっており、開示請求して不服申し立てで回復したということもあった。学校は閉鎖された空間で、主任級による若手教員へのパワハラも横行している。
大変な児童へのかかわり方についてアドバイスしておきながら、問題が起きると知らんぷりだ。いずれも権力を振りかざすが責任は取らない。このような上下関係が職場を窮屈にしているのだ。
③「天皇奉迎」に子どもを動員することに反対する八王子市民の会の闘い(根津公子さん)
この間の経過を明らかにする中で、「天皇奉迎」をやらせたのは八王子選出の萩生田議員と、彼の後援会の有力者で、町会自治会連合会の会長でもある秋間氏(天皇奉迎八王子実行委員会代表)であることがわかった。
さらにそれに市教委も一緒になっていたことが分かった。こうした動きの中で、「即位の礼」後に新天皇が八王子の天皇の墓に報告に来ることがわかったので、再び子どもた ちに「日の丸」の小旗を振らせないために、市教委、学校長、奉迎委員会に申し入れをした。12月3日、子どもたちの動員はなされず校長たちもほっとして喜んでいたようだ。
その後、市教委に「天皇奉迎」の際のかかわりを質すと、担当職員は「それは市がやったのではない、私個人がやったのだ」と答えた。この問題を引き続き追及していく。
④「天皇代替わり」を闘って(「おわてんねっと」の京極紀子さん)
2018年11月に「おわてんねっと」(終わりにしよう天皇制)を立ち上げ、3年間やって きた。30年前の「代替わり」に比べ、天皇制問題にフタをするようになっている。
しかし少数でも問題提起をする必要があると考えやってきた。
昨年の4~5月は「反天ウィーク」とし、5月1日(代替わり)にデモ(500人)、10月22日(即位の礼)にもデモ(550人、3名逮捕)、11月14日(大嘗祭)の時は東京 駅丸の内口で反対行動をやった。
マスコミも取り上げた。この会は閉じるのだが、2月23日(日)に「解散討論集会」をやるので参加して下さい。
⑤国威発揚オリ・パラへの子どもの動員に反対する(世田谷区教組のFさん)
〇パワハラ校長がいる。某校長は10年間務めたがその間11人の教員が辞めた。
〇都教委から体力向上方針がだされ、以前は、体力測定」は5年生でやったのを1年生 から行うようになった。1年生に腹筋とか握力の検査をさせたりしている。これは意味のないことなのだ。結果は民間業者に委託し、A~Eまでのランク付けをしている。
〇「オリ・パラノート」が配布され、毎年目標を書かされる。多額の予算を振り分けられているが使い道がないので、アスリートを呼んだりしている。
また、オリ・パラに関する絵を描かせているが、みんな「日の丸」が載っている絵になる。児童の動員については、都教委はやらせておいて責任はとらない。人気のないスポーツの観戦で観客席を埋めたいのだ。
しかし熱中症の問題がある。大量の子どもたちを集団で移動させる。しかし交通規制で バスはだめだ。トイレはどうする。
世教組は昨年10月、区と区教委に、「暑さ指数31を上回る場合、中止すること」「全て の移動に区の予算でバスを使うようにすること」などの要請書をしたが、ろくな回答を しなかったので、再度、今年1月に、「世田谷区として、全てのオリ・パラ観戦及び ボランティア活動を中止すること」という要請書を出している。
「オリ・パラ教育」は教育への不当な介入だ。
⑥「聖火リレー」動員に反対する (オリ・パラ動員に反対する練馬の会の池田五律さん)
この会は2月7日に発足した。練馬には二つの自衛隊駐屯地があり、朝霞が拠点になる。
そこには自衛隊体育学校もある。
練馬はセレブレーション会場・聖火リレーの終点会場になる。これらの応援に子どもたちがかり出される。オリ・パラへの動員もある。
⑦「君が代」被処分者たちと高校の現場(被処分者のKさん)
生活指導部に入っているが、生徒会に「ボランティアサポートチーム」を作れと言われた。反対したが、校長から「名前を出すだけだから」と言われた。そうしたら全都立高校の「ボランティア・サミット」に参加させられた。そこでは小池都知事の映像が流された。夏休み後には、ルーマニアの国旗を千羽鶴で作ってくれと言われた。「しない」と言ったら、生活指導主任に持っていった。
第二回サミットでは「何ができるか」を話し合わせた。今年の春には3回目のサミット が開かれる。
自分の学校は「スマートスクールの推進校」にされた。しかしこれには教職員全員が反対した。しかし校長が決定した。若手教員にスマホを使った授業などをやらせている。
ICTパソコンを使うようにと要求された。そこにはスタディサプリが入っており、ベネッセが請け負っている。二学期期末テストからベネッセの採点システムも導入される。ベネッセ漬けだ。民間企業へ教育を売り渡している。
自分は不起立で再任用は年金が出るまでで、その後は再任用も非常勤も認めないという。
そしてこの度、昨年と同じメールが届き、校長がまたそれを渡さず読み上げた。校長も ヒドイと言っていた。
第五次訴訟が来年始まる。引き続き闘う。
⑧自治委員会から(議長の平松さん)
「The Interschool Journal」を出している。学校の言いなりになる生徒会ではなく、自主的な組織として立ち上げた。現在3校に広がる。昨年は大学入試改革が問題になり、文科大臣の記者会見に出た。高校生と大学生が声を上げ中止になった。
高校生の学校内での人権状況は劣悪だ。ボランティアサミットに参加しない場合は、その理由を求めてきた。千羽鶴も「無理やりやらされている」という反発がある。
自分たちは「東京トリエンナーレ」と名付けて高校の前でビラまきを続けている。
昨年10月から初めてこれまで延べ24校になる。
K高校は自由な学校だが最近校則が強まりつつある。そこでのビラの受け取りは良かっ た。生徒の声を聞いて学校運営をすべきだ。ビラまきの初期のころは学校側からの弾圧もあり、警察も出てきたこともあった。
●集会ではその後、<行動提起>として、毎年やっている「卒業式におけるビラまき」が 提起されました。
都教委はビラまきで真実が知られては困るのか、最近は卒業式日程を同じ日に集約してきました。都立高校は夜間も含めると200余りになりますが、今年度は、期日が3月6日(金)が38校、3月7日(土)が98校、3月14日(土)が29校、というようになっています。ビラまきに参加していただける方はご連絡ください。
最後に、「集会決議」とともに、「東京五輪の観戦やボランティアなどに生徒たちを強制動員しないよう求める特別決議」を採択しました。団結がんばろうで終わりました。