■7/3 共同通信報道 大阪市立泉尾北小問題
児童朝礼に「愛国の歌姫」、大阪市立小、市民団体が不適切と抗議
大阪市立泉尾北小(小田村直昌校長)が改元に伴う10連休後の5月8日、全校児童を集めた朝礼に「愛国の歌姫」と呼ばれる女性歌手を招き、初代天皇とされる神武天皇に関する歌や、「ああ勇ましく、日の丸が行くぞ」という歌詞のオリジナル曲などを聞かせていたことが3日、分かった。(写真下)
市民団体が「国民主権にそぐわない内容。公立学校でこのような集会は不適切で、児童や保護者に謝罪すべきだ」と市教育委員会に抗議。
市教委の担当者は取材に「神話など不確かな内容を教育の場で取り扱う際は、多面的な捉え方をするよう留意すべきだった」と話している。
関係者によると、朝礼では小田村校長が5月1日に即位された天皇陛下について、神武天皇から126代目に当たると説明。歌手からは、仁徳天皇にまつわる「民のかまど」の話もあった。小田村校長は同小のホームページに朝礼の様子を写真とともに掲載。「とてもいいお話」などとコメントした。歌手に謝礼は支払っていないという。
市教委の聞き取りに小田村校長は「文部科学省の通知にのっとって実施した」と説明。文科省が4月22日付で都道府県教委などに出した通知は、代替わりに際し「国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当」としている。
小田村校長は銀行勤務を経て2012年に大阪府大東市立小の校長に就任。その後、大阪市教委の公募で同市立小の校長になった。保守派の講演会やインターネット動画などで発言している。泉尾北小は「校長は多忙で、対応できない」としている。
特定の価値観押し付け
ジャーナリスト青木理(あおき・おさむ)さんの話
「政治的中立が求められる教育の現場で、しかも全校児童が参加せざるを得ない朝礼で、神武天皇など事実に基づかない神話を基に特定の価値観を押し付けていると言える。信教や思想信条の尊重といった観点から憲法違反だし、教育の原則にも反する。外国籍の子どもらへの配慮も全くない。一部の右派にみられる戦後民主主義に対する肥大化した憎悪が、稚拙かつ乱暴な方法で教育現場に表れているのだろう。校長は趣旨をきちんと説明すべきだ。」
■抗議文の賛同締め切りは7月7日です。
以下で個人署名が可能です。
http://form01.star7.jp/new_form/?prm=6a6b423%2F2--21-0583fb