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2013年12月17日火曜日

12/17 都教委、過去の「君が代」不起立を蒸し返して「戒告」処分を発令 これって許される?―最高裁で負けたら戒告処分を出し直し。再処分を撤回せよ!

■12月17日、東京都教育委員会は、最高裁判決(9月)で減給処分を取り消された現職の都立高校教員7名(全員被処分者の会・東京「君が代」裁判原告)に対して戒告処分(再処分)の発令を強行しました(定時制の教員1名の処分発令は現時点ではまだですが発令することは確実)。人事部職員課の職員が各所属校に出向いて処分発令通知書、処分説明書を渡しました。このことについて被処分者の会・事務局長の近藤徹さんから報告が寄せられましたのでアップします。

◆処分の内容
 2005年/2006年3月卒業式・4月入学式での減給処分を取り消された教員に、違法な処分を行ったことを謝罪するどころか当時(8年/7年8ヶ月前)にさかのぼって「服務事故」として再処分(戒告処分を出し直す)を強行するという前代未聞の暴挙を断じて許すことはできません。

しかも学校現場の状況を一顧だにせず、学期末の教職員が最も忙しい時期での「所属校での発令」です。
◆被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団、直ちに本日付で抗議声明を出しました。
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「日の丸・君が代」強制・再処分に抗議する声明
 東京都教育委員会(都教委)は、私たちの「『再処分』を行わないこと」を求める申し入れ(11月20日)にもかかわらず、最高裁判所で減給処分を取り消された現職の都立高校教員7名に新たに戒告処分を出し直すこと(再処分)を決定し、12月17日付で処分発令を強行した。これにより「日の丸・君が代」を強制する10・23通達(2003年)に基づく懲戒処分の数は延べ457名となった。

 本年9月、最高裁において2005年・2006年に都教委が行った減給・停職処分が「裁量権の逸脱・濫用」で「違法」として取り消しが確定した。しかし都教委は、違法な処分をしたことを反省もせず、該当者に謝罪するどころか処分を出し直した(再処分をした)のである。私たちは、この前代未聞の暴挙に対して、満身の怒りを込めて抗議し、その撤回を求めるものである。

 周知のように、2012年1月16日の最高裁判決は、起立斉唱・ピアノ伴奏を命ずる職務命令が「思想及び良心の自由」の「間接的制約」であることを認め、減給以上の処分については、「戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについては,本件事案の性質等を踏まえた慎重な考慮が必要」で「処分が重に失し、社会観念上著しく妥当を欠き、懲戒権者の裁量権の範囲を超え、違法」として減給・停職の懲戒処分を取り消した。2013年9月の一連の最高裁判決もこれを踏襲して30件・25名の減給・停職処分を取り消した。

 今回の再処分は、減給処分を違法とした最高裁判決を重く受け止めるどころか、その趣旨を無視して、新たに戒告処分を出し直すことで教職員を萎縮させ「屈服」させようとする都教委の異常な「暴力的体質」を改めて露呈した。
 今都教委のなすべきことは、最高裁判決を謙虚に受け止め、違法な処分により筆舌に尽くしがたい精神的、経済的損害を被った被処分者への謝罪と名誉回復・権利回復を早急に行うことである。また、司法により違法とされた処分を行った組織の在り方を点検し、責任の所在を明らかにし、再発防止策を講ずるとともに、10・23通達に基づく校長の職務命令、累積加重処分システム、再発防止研修など「日の丸・君が代」強制の一連の施策を抜本的に見直し、反省することである。

 私たち被処分者の会・原告団と弁護団は、これまで何度となく、都教育委員会及び教育庁関係部署との話し合いを求めてきた。にもかかわらず都教委は、最高裁判決の補足意見が求めている原告団・弁護団との「話し合い」を拒否して問題解決のための努力を放棄する不誠実な対応に終始している。それどころか、都教委に「謙抑的な対応」を求める補足意見(鬼丸かおる裁判官 2013年9月6日最高裁判決)をも一顧だにせず、処分を乱発しているのである。

 今、東京では、自衛隊朝霞駐屯地で2泊3日の防災宿泊訓練を行う都立高校まで現れ、国旗・国歌問題の記述が都教委の「考え方と異なる」として実教出版の高校日本史教科書を排除するなど、教職員の抵抗を抑え込みながら、子どもたちへの国家主義イデオロギーの注入を教育の目的にしようとする企みが進行している。
 これらは、憲法に国旗・国歌の尊重義務規定などを明記して、この国を「戦争ができる国」にしようとする憲法改悪の動きの先取りに他ならない。

 私たちは、都教委の「暴走」をやめさせ、自由で民主的な教育をよみがえらせるために、「日の丸・君が代」強制に反対し、不当処分撤回まで闘い抜く決意である。「子どもたちを再び戦場に送らない」ために!

2013年12月17日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団
  共同代表  岩木 俊一  星野 直之
連絡先:事務局長 近藤 徹

◆都教委第20回定例会傍聴のお願い
 12月19日の東京都教育委員会第20回定例会で「報告事項(4)東京都公立学校教員等の懲戒処分等について」でこの再処分について報告されるものと思われます。
 なお、この委員会では、私たちが請願した件について「第100号議案 請願に対する回答について(「東京都教育委員会請願処理規則」の一部改正を求める請願)」(都民の請願を教育委員会で審議せよ)も議案(公開)となっていますとなります。

私たちの傍聴・監視行動は都教委への圧力となります。皆さんの傍聴をお願いします。

12月19日(木)東京都教育委員会第20回定例会
 傍聴受付:9時30分~9時50分(都庁第2庁舎30F)
 →傍聴希望者が20名を超えた場合は抽選となります。
 10時~委員会(30F委員会室)
    ↓都教委HP
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/
    ↓都教委第20回定例会
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/gaiyo/ko131217.htm

◆「授業してたのに処分」事件 いよいよ12月19日地裁判決 勝訴へ!
 「君が代」斉唱時に起立・斉唱せず処分された教職員に課される「服務事故再発防止研修」を受講しなかったとして減給6月の処分を受けた元都立福生高校教員の福嶋常光さんの「授業してたのに処分」事件の判決が東京地裁で来たる12月19日に言い渡されます。

 2005年3月の卒業式での2回目の不起立で減給1月の処分を受けた福嶋さんが同年9月、再発防止研修・専門研修(減給・停職処分者対象)の受講を命じられ、研修当日5時間の授業があったので都教委に研修の日程変更を申し出たが認められず、やむを得ず学校で授業をしていたところ、減給6月の重い処分を受けた事件です。

 福嶋さんは、東京「君が代」裁判二次訴訟の最高裁判決(本年9月)で、この再発防止研修の根拠となった不起立による減給1月の処分を取り消されていますので、私たちは、東京都の「裁量権の逸脱・濫用」で勝訴を確信していますが、東京地裁の判断が注目されます。

★「授業してたのに処分」事件・東京地裁判決
 12月19日(木)12時45分 傍聴希望者集合(抽選なし、先着順)
         裁判所前集会
  13時15分 開廷・判決言い渡し
  東京地裁527号法廷 (定員42名)
   →入れなかった人も裁判所前でお待ちください。判決の旗出しがあります。
  14時15分 報告集会:ハロー貸し会議室虎ノ門3F(案内あり)
  14時30分 記者会見(裁判所2F・司法記者クラブ)
*裁判所前に早めにお出で下さい。事務局が案内いたします

◆控訴するな!都教委要請行動に参加しよう! 12月24日(火)
 12月19日の「授業してたのに処分」事件の東京地裁判決は勝訴の可能性が大で
す。都教委が控訴するかどうか注目されます(控訴期限は2週間)。そこで早速24
日(火)に「控訴するな!都教委要請行動」を行います。
 多くの参加をお願いします。(要請行動の場所は都庁第1庁舎です。間違えないよう
に。)

★控訴するな!都教委要請行動
~「授業してたのに処分」事件・東京地裁判決を受けて~
日時 12月24日(火)
    10時45分 都庁第1庁舎1Fロビー集合
           →第2庁舎ではありません。
    11時~ 要請(同庁舎25F117会議室)