6/19 杉並区長選挙 6/20岸本さとこさん 当選
6月19日投票、翌日開票の杉並区長選で、岸本さとこ7万6743票、田中良7万6556票。
わずか187票差で岸本さとこさんが当選しました。渡部さんの報告です。
当初、「住民思いの杉並区長をつくる会」は、区長立候補者がまったく見つからず途方に暮れていました。そうした中、これまでTNI(非営利財団トランスナショナル・研究所、アムステルダム)で活躍してこられた岸本さんが、私たちの要望に応え立候補を決意してくれました(3月末)。
4月10日に開かれた全体会で、岸本さんが紹介されましたが、その資料には次のように書かれていました。「水道民営化に対抗する社会運動の支援と研究を経て、ここ10年は新自由主義に抗して、『公共サービスを取り戻す』ための活動を世界の仲間としてきました。」
その後「つくる会」の活動は一気に活性化しました。
・「杉並、新時代」、「みんなでつくるみんなのまち」、
・「変えよう。住民の声が届く杉並へ」、
・「環境・多様性・公共の力を育む先進自治体へ」、
・「杉並再生!女性の力で!!」、
・「杉並初の女性区長を」(区政90年、すべて男性区長だった)、
などのスローガンを次々打ち出し、<みんなが自分自身の選挙として闘おう>という言葉を合言葉に、「つくる会」に参加する多数のボランティアの老若男女が、それぞれの多様性を生かし、SNSをも駆使し、全都・全国・世界からも応援を受け、最後の最後まで手を抜かずに闘かった結果、勝利しました。<みんなが自分自身の選挙として闘おう>は、17ある駅頭での「一人街宣」ともなりました。
今回の杉並区長選の争点は、新自由主義政策による公共施設等の統廃合や民営化で、公共の物であるべき施設や仕事が金儲けのためのものにされるということでした。その結果、子どもや老人の公共の居場所がなくなり、そこで働く人たちは非正規に代えられる。また「防災」や「駅前再開発」の名のもとに、大きな不動産会社や建設会社などの利益の為に、商店街や環境が、住民の声を無視して強行されるということでした。
世界で新自由主義政策に抗してきた岸本さんは、こうした地域住民の声にこたえて立候補を決意してくれました。だから、住民たちは自らの問題として立ち上がり、選挙戦を闘い抜いたのです。
ところで、新自由主義政策に対する闘いは、全国のどこでも、また世界のどこでも起きています。そして「公共」を取り戻し、「格差拡大」に反対する運動が広がりつつあります。新自由主義政策は「格差の拡大」と「市場の狭隘化」をもたらし、新たな市場獲得の戦争を引き起こします。ロシアのウクライナ侵攻以来、どの国もそれを口実に軍拡に走り、世界平和が脅かされようとしています。日本も軍拡・改憲をしようとしています。
こうした動きを食い止めるためには、新自由主義政策を食い止め、「公共サービス」を再生させることが大事です。今回の杉並区長選の勝利は、「杉並、新時代」を切り開く大きな第一歩になったばかりではなく、自由主義政策に反対し闘っている世界各地の人々の闘いにも励ましを与えたのではないでしょうか。
岸本さんの著『水津、再び公営化!』の「おわりに~草の根から世界は変わる」の結びに、文化人類学者・マーガレット・ミードの次のような言葉が紹介されていました。
「疑う余地はないのですよ、思慮深く、献身的な少数の市民たちが世界を変えうることを。まさにそれが今まで起こってきたことなのですから。」まさに至言である。
全都・全国・全世界の皆さん、応援、大変ありがとうございました。
この力が、「格差拡大」・「世界戦争」を食い止め、「格差縮小」・「世界平和」を作る力になればと思います。