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2016年6月17日金曜日

6/15 田中聡史さんの「君が代」不起立処分の「再発防止研修」

■抗議と激励行動

6月15日(水)午前中、石神井特別支援学校の田中聡史さん(今年3月の卒業式での「君が代」不起立で減給10分の1、1ヶ月)への「再発防止研修」があり、それへの抗議・支援行動が都研修センター前で行われました。参加者は33人。
その中には、わざわざ大阪から駆けつけてくれた<大阪ネット>の2人もおりました。

渡部さんの報告です。

■抗議と激励行動

たった一人(今回は田中さんだけ)の研修に、センター前には10人の職員が立ち並び、
車道には警察・公安車両も控えるという物々しさ。これが、安倍の言う「自由で民主主義」の実態である。

毎回、「再発防止研修」に来られて、ともに闘ってくださる澤藤弁護士は、都教委に抗議して次のように述べました。

「田中さんの代理人であるだけでなく、クラスの子どもたち、校外指導の教員たちの立場で抗議する。
「日の丸・君が代」の強制は憲法違反であり、思想・良心の自由を行使した田中さんへの処分と研修は田中さんの良心を鞭打つ行為である。

「今回の研修日程(6月6日校長より、6月15日午前中と告げられる)は、授業(校外見学)に差し障るとして、田中さんは日程変更<せめて午後に>を要望した(6月10日)。
 校外での実地見学は子どもたちも楽しみにしていた。しかし、都教委はそれを無視し研修を強行した。授業より研修、子どもたちへの配慮とは無縁。
子どもたちの教育を受ける権利をないがしろにして何のための研修か。憲法をないがしろにした石原知事や、その後の前(猪瀬)知事、現(舛添)知事こそ研修を受けるのにふさわしい。

「田中さんに何のために研修をするのか。研修とは名だけで、良心に鞭打ち、反省を迫るだけだ。怒りをこめて抗議する。
「2004年の東京地裁決定でも、『繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、 公務員個人の内心に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があると言わなければならない』と述べている。この決定を都教委は受け止めるべきである。


澤藤弁護士の申し入れ(全文) 憲法日誌より
  ↓
http://article9.jp/wordpress/

しかし、門のところに出てきたW課長は、「ご意見は伺った。上に伝える。本日の研修は必要である。」と棒読みのように答えたので、糾弾の声があがりました。

授業への支障を考え、前もって要望した変更さえ認めず、自分たちの研修を強行する、
このようなことは誰が考えても許せるものではありません。教育委員会という名に値しない行為です。しかも、研修センターの屋上からは【めざせ!授業力向上、東京教師道場実施】などと書かれた大きな垂れ幕がかかっているのです。

抗議文の手渡しと抗議
以下の団体から抗議・要請文が都教委に渡されました。
<被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団>
<日の丸・君が代」強制反対!不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク>
<河原井さん、根津さんらの「君が代」解雇をさせない会>
<ひのきみ全国ネット>
<練馬教育問題交流会>(注:練馬区には石神井特別支援学校があります)

田中さんが研修中(10:00~11:00)
シュプレヒコールが行われ、それぞれの参加者が発言しました。

大阪から参加された2人の発言

●Yさん
 東京の闘いに勇気づけられている。大阪では現在13人が人事委員会闘争?裁判闘争を闘っている。河原井さん・根津さんの最高裁での勝訴確定は大きな前進だと思う。
 あれで、大阪での「3回不起立したら免職」という条例は、違法だという事が明らかになった。
大阪での研修は、1回1時間だけ。やる必要もないような研修だ。東京の研修は異常だ。
本日朝早く着いたので、8:00頃ここに来た。すでに職員が並んでいて中に入れてもくれない。警察も異常だ。研修を権力的な形でしか出来ないことが分かった。
7月23日には大阪で「全国集会」をやります。


Mさん
 東京の延べ500人に近い人々の闘いは誇りだ。裁判でも大きな成果を上げている。
 この夏、東京でやっていた「全国集会」を大阪でやる事になった。是非来て欲しい。
 これまでの成果をもとに<百万人署名>をやったらどうか、という話も出ている。
 今度の集会を新たな出発点にしたい。


■研修終了後、出てきた田中さんの発言

「スーパーへに19人の子どもたちを5人で引率して行く予定だったが、(再発防止研修で)半分は留守になった。<せめて午後に>との要望も受け入れなかった。教育委員会は現場の実態を理解していない。だから対応できない。懲罰としての研修ありきだ。こうしたことはやってはならない。
「2004年の地裁決定に反している。最高裁判決にも反している。裁判所の判断を軽視している。研修はこれまでと同じ内容だった。20分の講義と20分の振り返りシートだ。
それには、「全体の奉仕者として職務を遂行する」と書いた。


●これからの「研修」日程
7月15日「事例問題等の演習」
8月29日「研修内容の振り返り」

研修時間(共通)10時から11時まで
研修場所(共通) 都教職員研修センター407会議室


コメント
今回の研修で、都教委の体質(授業無視=子ども無視)が一層はっきりしました。
要するに彼らは教育のことなど二の次なのです。ただただ、「言われた通り命令に従え」と言うだけなのです。このようなことに対し、私たちはいつまでも黙っているわけには行きません。