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2014年4月1日火曜日

3/14 都教委包囲ネット 文部科学省交渉の記録

■3月14日(金)午後、都教委包囲ネットは、教育委員会制度の改悪などについて 文部科学省と交渉の場を持ちました。このことについては3月18日のブログにすでに載せてあります。今一度、それと合わせて見てください。

■なお、4月7日(月)に包囲ネットは国会前座り込み・リレートークの抗議行動を行います。ご参加くだい。

s-D文科全体                

◆3.14文科省交渉の記録      2014年3月14日   13:00~14:30
                                              参議院議員会館102会議室
◇文科省側出席者
・初等中等教育局教科書課検定調査第一係長  嶋田
・初等中等教育局教科書課企画係長      岩岡
・初等中等教育局初等中等教育企画課教育委員会係長(併)専門官     林 
・初等中等教育局教育課程課課長補佐     美濃
・内閣官房教育再生実行会議担当室            原田

(1)教育委員会制度について
① 教育委員会制度の趣旨についてどのように認識しているのか。それがどのような歴史的経過を経て作られたのかということが省内でどれだけ共通理解を得ているのか。
② 現行の教育委員会制度をどのように総括しているのか。どのような不都合点があってその変更を考えているのか。

【文科省・林】教育委員会制度の歴史的な経過はふまえている。こんどの改定によっても基本的なしくみは残されていると考えている。現行の教育委員会制度の問題点は、①権限と責任の所在が不明確であること②地域社会の意向を必ずしも反映していない③合議体の会議は月に2回しか開催されず、内容も形骸化されている④意思決定が機動的におこなわれない、などである。
(We)歴史的な経過について質問したい。米国使節団の勧告の内容は、教育における地方分権の趣旨から国の関与をできるだけ限定することに主眼が置かれているが、そのことは踏まえているのか。
【文科省】教育委員会制度は、必ずしも米国使節団の勧告のみによってできたものではない。地方分権にしても、民主的教育にしても、国内での議論を踏まえたものである。民主的ということであれば、首長が民意を代表しているから、その意思は尊重されて当然である。現在では予算執行のみの権限である。
(We)さまざまなレベルで問題が考えられるべきである。
(We)民意の反映というが、中野区の準公選制は適切に運用され、教育について皆で考えていこうという雰囲気が盛り上がった。文科省はこれを不適切として廃止するように指導した経緯がある。
【文科省】民意の反映は難しい課題だ。選挙で勝ったからといってすべてを決定して良いわけではない。多元的にすることによってどこでどのように反映されるかが重要だ。野区の場合、4回選挙が行われたが、立候補者が固定化し、投票率も低かった。
(We)さきほど、今回の改定では意思決定のシステムを変更するだけだ、との発言があったが、教育の内容に行政が介入している。東京都の例でもこれは明らかである。
(We)ここで、質問の③④についても併せて返答していただきたい。

③ 首長の権限を強化すると、教育内容への政治介入が大になるが、それが教育にとってどれだけプラスになると考えているのか。また、 首長の個人的指向(嗜好)によって教育が左右されてしまうおそれはないのか。
④ 国の権限強化は地方教育行政の趣旨に反するのではないか。 

(We)中央教育委審議会の審議が形骸化されているのではないか。十分な審議がなされたか。教育再生実行会議の結論に縛られすぎている。教育関係者の意見を十分に聞いたのか。現職の教育長も首長も多くが改定に反対である。パプコメ3週間は短か過ぎる。パプコメでの意見は反映されているのか。
【文科省】議論そのものは関係者の議論だけということにはなっていない。パプコメ3週間で673件の意見だ。特定秘密法の2週間で96480件に比べると圧倒的に少ない。国民全体の議論になっていない。
首長の権限が強くなる方向であることは間違いないか、A案が議論のポイントになっているが、どうやってその影響力を抑えるかだ。マイナス面もあるが、プラスの面もある。

(2)中央教育行政について
①「教育再生実行会議」の法的位置付けと、中央教育行政の中での役割についてどのように認識しているか。②「教育再生実行会議」の結論が中央教育審議会の議論を縛っているのではないか。
③ 首相の単なる私的な諮問機関である「教育再生実行会議」は、中央教育行政の手続きを崩壊させているのではないか。

【内閣官房教育再生実行会議担当室・原田】
①について、教育再生実行会議は閣議決定により設置されたものである。
②について、教育再生実行会議は、大きな方向性を示すものである。中教審はその方向性を踏まえて細部を審議するものである。

(We)おかしいではないか。それでは中教審では縛られた議論しかできない。中央教育行政の形骸化だ。再度訊くが、教育再生実行会議の法的位置付けは何か?中教審には法的な根拠がある。審議委員も手続きを経て選ばれる。
【内閣官房】教育再生実行会議は閣議決定により設置されたものである。
【文科省】中教審は文科大臣の諮問機関であり、教育再生実行会議は内閣の諮問機関である。諮問機関であることには変わりがない。

(3)第7期中央教育審議会について
① 「今後の地方教育行政の在り方について」の審議期間は8カ月である。現行の地方教育行政制度の根幹をなしている教育委員会制度の改変を議論するためには余りにも短期間であったのではないか。十分な審議がされたと考えているのか。
② 審議期間は8カ月は政治日程から要請された期間ではなかったか。
③ 「審議議会報告」への意見公募期間はわずか3週間である。これで十分であったと考えているのか。
④ ヒアリングをした関係団体はどのような観点から選んだのか。この団体の中に教員の団体である教職員組合や校長会等が含まれていないのはどうしてか。
⑤ 公募意見、関係団体へのヒアリングの意見は答申にどのように反映されているのか。【文科省】第7期中央教育審議会についてだが、通常の審議期間に比べれば期間は短かったが、回数そのものは多く、密度が濃かった。月に2回審議した。4月25日に中教審総会で諮問を受け、年内に答申せよとの大臣の要請だった。ヒアリングは補完的なものであり、委員として入れなかったものを選んだ。教職員組合からは意見書を受け取った。A案で、教育委員会を執行機関にするかどうかがポイントだ。総合教育会議は協議の場であって、執行権限は伴わない。                                 

(4)教科書検定制度について、教科書採択について
① 検定制度の強化は国定教科書づくりになるのではないか。
② 戦後の検定制度の趣旨に反するのではないか。
③ これまでの教科書訴訟等の最高裁判決にも反するのではないか。

【文科省初等中等教育局教科書検定第一係長・嶋田】
質問①について、教科書検定制度は専門的学術的な観点から行われるものであり、検定制度の改定は、検定がよりバランスのとれたものとするためのものである。
質問②について、検定制度の趣旨は教育を受ける権利を保障するためのものである。質問③について、最高裁は、裁量権の逸脱がないようにとの趣旨である。申請した教科書について、ある事項についてバランスのとれた記述がなされているかどうかの観点から検定しているのであり、裁量権の逸脱はないと考えている。

(We)「教育基本法や学習指導要領の趣旨に反する」という理由で、検定不合格にさせることができる制度にしようとしているのではないか。検定は飽くまでも、個々の具体的な記述内容に即して、「必要条件を満たしているかどうか」の審査として行われるものではないのか。「趣旨に反する」という理由ひとつで不合格にするとしたら、検定制度の逸脱ではないのか。
【文科省】「教育基本法や学習指導要領の趣旨云々」という記述は現在の検定規則にも
ある。また、この趣旨で、検定規則を変えるということにはまだなっていない。

(5)道徳の教科化について
① 道徳の教科化がどうして必要であるのか。
② 道徳の教科化は、画一的な教材を通して、児童・生徒の内面の価値観を統制することに繋がるのではないのか。
③ 道徳の評価をどのようにして行うのか。それは戦前の修身教育の復活ではないのか。

【文科省初等中等教育局教育課程課課長補佐・美濃】
教育再生実行会議の第一次提言では、いじめの解決の方策が提言された。いじめの事前防止と道徳教育を抜本的に充実し、新たに教科にするとした。教科の条件は専門の教員がいることと、教科書と評価があることであるが、今回の教科書と評価についてのみ考えている。評価はいわゆる数値化した評定ではなく、教科書については現在『心のノート』の改訂版として『新しい道徳』を編集しつつある。

ここで時間切れ

文科省交渉の評価
① 地教行法の改定により、教育委員会に対する首長の権限が強化されることに対して、文科省の官僚も多少の危機感は感じているようである。
② ポイントは、教育委員会の執行機関としての側面をどれだけ残すか、総合教育会議をどれだけ形式的なものに封じ込めるか。条文化の過程の中で文部官僚は多少の抵抗はしているようである。
③ しかし、今回の改定で教育に対する首長の権限が格段に強化されるようになることは否定できない。
④ 教科書検定については、制度論に終始して、検定の実態に即して回答していない。