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2013年6月11日火曜日

6/7 東京「君が代」裁判 第3次訴訟の報告集会と傍聴者の感想

■裁判後、弁護士会館で開かれた報告集会について、青木さんと近藤徹さんから寄せられた報告をアップします。

◆青木さんから
 東京「君が代」裁判・第3次訴訟、第12回口頭弁論は午後5時近くまで東京地裁103号法廷で行われた。午後5時から弁護士会館で報告集会が行われ、約80名が参加した。 最初に、証言を行ったYさんとKさんが挨拶した。Yさんは、クリスチャンの立場から、信仰者としても証言したが、これが自分にとっていかに重いものであったかを、Kさんは、教育委員会の姿勢が特別支援校の教育の現状といかに乖離しているのかを、それぞれ語った。
  次に、承認尋問を担当した弁護士が挨拶した。それぞれの証人には若い新進の弁護士も担当しており、正義感に燃えた若い法曹人が育っていることが大変に心強い。
 会場からの発言やアピールがあり、最後に弁護団から、次回以降の裁判の方向性が示された。教育法学、行政法等の学者証人の意見書も3件提出される見通しであり、それを受けて、立証の計画の検討が行われる。
◆近藤徹さんから
★東京「君が代」裁判三次訴訟の第12回弁論が、6月7日、東京地裁で行われました。今回の弁論は、原告証人尋問の2回目で、2名の原告、都立高校教員・クリスチャンと特別支援学校教員の尋問が行われました。法廷には、原告の知り合いのクリスチャン、初めて裁判を傍聴された人など多くの人で地裁の大法廷(定員98名)が満席になりました。バー内の原告を含めると106名の人が傍聴に駆け付けてくれました。御礼申し上げます。

◆傍聴者の胸を打った原告の証言
法廷の報告一端として傍聴者から寄せられた感想、意見の一部を掲載しますので参考にしてください。

○前回もそうでしたが、1時間半に及ぶ証人尋問を聞いているとその人の半生が浮かび上がってきます。今回もそうでした。 
 Yさんの弁論には、「地の塩たれ」「石が叫ぶ」など、クリスチャンではない私でも、聞きかじって知っている聖書の言葉も引用され、格調の高いものでした。それにもまして、いくつか心に残る言葉がありました。「指導とは、生徒の心に変化を起こすこと」「祈ることによって生徒と教師を神がつなぐ」「神という大きな力があるから、生徒との関係が悪くなってもあきらめず祈る、そして祈ることは生徒のことを忘れないということ」等々。
 それに対する都側の弁護士の尋問は最低でしたね(最低だから「得点」が稼げた面もありますが)。曾野綾子を持ち出して、クリスチャンでも「君が代」賛成派がいることを立証しようという浅はかさ。だいたい、人の話をきちんと聞いてないし・・あきれました。
 報告集会でYさんが話されていましたね。「私の信仰のことを皆さんの前でお話しするのは、ある意味で苦痛であった。この問題に関しては『沈黙の自由』もあるはず。でも、あえてお話しした」と。確かに辛い1時間半だったと思います。でも法廷の皆さんに大きな感動を与えましたね。お疲れ様でした。

 特別支援校のKさんの話も、10/23通達以降、現場がどのようにひどく変えられたかをビビッドに語ってくれました。「いやあ、話には聞いていたけど、こんなにひどいんだ」と驚きました。
 フロアー形式から、スロープを上って卒業証書を取りに行かなければならなくなったことの理不尽さ。車椅子で上るので、常に危険がつきまとう。常に職員が「見守り」をしなければならない。以前は、式が長くなってつらくなる生徒のために、横になるためのマットが用意されいたが、それも撤去されたため、式を短くしようと言うことで、生徒による(「普通」校で言うところの)「送辞」「答辞」も短くせざるを得ない・・・とのお話し。聞いていて、あまりの理不尽さに腹が立ちました。

 それに対して、都側の反対尋問は、「スロープを上って壇上で卒業証書をもらうということで、生徒が誇りに感じると言うこともあるのではないか」という趣旨の質問。失笑ものですね。日の丸を正面に張り出すことだけを優先し、生徒の喜びも安全性も無視していることに頬被りした犯罪的な質問!
 今後、都側のやり方の不当性を一層明らかにしていかなければならないと感じました。お二人とも、お疲れ様でした。(K、被処分者の会請求人)

○Yさんの地域にある教会の牧師です。教会が集まった集会でYさんに来ていただき、講演と報告をしていただいたことがあります。
 キリスト教会は基本的に多様性を認めて生かし合うところですが、真実と信頼については 捻じ曲げることはできません。都教委による強制と阻害、人権侵害とは、はっきり戦っていきましょう。応援しています。(稲垣裕一 日本基督教団西東京教区全前社会部委員長)

○学習指導要領の国旗・国歌条項を根拠にした反対尋問はこれまでにもあったが…。 学習指導要領の法的拘束性がないとして反論するのも良いが、学習指導要領そのものを 根拠に反論するのも一考。「特別活動」の項目には、特別活動全体の目標が書かれてあって、そこには、「生徒の自主的活動」の尊重云々とある。卒業式は特別活動であるから、生徒の自主的活動であり、教員から生徒への一方的指導被指導関係の下にあるものではない。 (青木茂雄 再雇用拒否撤回第二次原告団)

○「Y教諭が授業に向かう廊下で、校長が職務命令書を強引に渡そうとした」という校長のやり方は、根津さん・河原井さん裁判の尋問(5月9日)で、都教委の江藤巧(たくみ)職員課長(当時)が、「停職で生徒の前に立てないことより、学習指導要領に基づき国旗国歌の指導を受けるべき生徒の前で不起立が行われる方が、影響が大」と証言したのと同様、生徒より都教委に屈服数る方を優先していると思った。(永野厚男、公表可 教育ライター)

▼次回法廷(第13回弁論)8月2日(金)、10時30分開廷(10時集合)、527号(定員42名)