12/18 都教委包囲ネットの オリ・パラ反対行動総括集会
12月18日(土)夜、東京しごとセンターで、
「コロナ緊急事態、オリ・パラ反対の取り組みを総括する12・18報告・討論集会」
(主催:都教委包囲首都圏ネットワーク)が25人の参加で開かれた。
集会で最初に包囲ネットから
①コロナを理由とした緊急事態反対(伏見)
②2021年東京オリ・パラ反対の取り組みの総括と今後の展望(渡部)
が提案された。
①では、コロナを理由とした「緊急事態宣言」が私権制限の改憲(「緊急事態条項」)への一里塚となる。だから、反対に立ち上がり諸闘争に取り組んだ。
10月末の衆院選で改憲勢力が3分の2を超えた。だから、「議会主義」に陥らず、「直接的な運動が行える全国的な大衆運動、そのための共同闘争を進めよう」と提案された。
②では、オリ・パラ教育の目的は「子どもたち利用した挙国一致体制の『総動員体制』づくり」だったこと。そのため無観客になっても「学校観戦」にこだわったこと。しかし東京の多くの自治体で反対運動が起き、実施されたのは62自治体中4つのみ、動員した児童・生徒数は98万余りのうち9,568人(0.9%)であったこと。
にも関わらず都教委は成功したかのように宣伝(大本営発表?)していること。
が報告された。
また、反対世論の盛り上がりにも拘わらず、オリ・パラや「学校観戦」を止められなかったのは我々の力不足であったことが述べられ、今後については、情勢を正しくつかみ、闘いを堅持しつつ連帯の輪を広げること、が語られた。
その後、以下のような報告がなされた。
③「東京教組オリパラ観戦反対の取り組み」(小田)
「学校観戦」については2018年10月に新聞報道された。が、一般教員には知らされなかった。2019年9月にほとんどの教員が観戦に動員されることを知った。組合の都教委要請に対して都教委はまともに答えなかった。あくまでも強行する姿勢だった。それに対し続々と中止を決める区・市が出てきた。
闘いの中で明らかになったことは、
・都教委は組合ときちんと向き合わないこと(特に指導部)、
・地教委、校長は都教委に忖度しかしないこと、
・都の教育行政を変えるには幅広い連携が必要なこと、だった。
④「オリ・パラ学校観戦を強行した八王子市教委への申入れ・抗議行動」(根津)
・根津さんはまず、12月16日に行われた都教委定例会に出された「今年度上半期の都民の声(教育・文化)」について、9,993件中「オリ・パラ教育に関するもの」が最多の2,255件であったこと、「陳情」では総計140、そのうちオリ・パラに関するものが86件で最多、そのすべてが学校観戦中止を求めるものであったこと、を報告した。
・八王子での「申入れ・抗議行動」は、
「天皇奉迎」に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」で行われた。
この会は先代天皇が先々の陵に天皇交代のことを報告する際、子どもたちが動員された(2919年4月)ことに抗議し作られた会(同9月)だった。
この会の抗議のせいか同12月に現天皇がきた時には子どもの動員はなかった。
今回の子ども動員に対しては、八王子の校長たちから批判的な声がでていたので、市教委に対し中止するよう申し入れをした。だが最終的には108校中3校の86人が参加した。
そこで9月21日に、市教委と3つの学校長に
「パラリンピックに学校連携観戦を強行した八王子市教委に猛省を求める質問・要請書」
を出した。しかしその「回答」は質問に対してまともな回答ではなく、さらに校長への質問に対しては「個別に回答することは控えさせていただきます」(校長に対する口封じ)というようなものだった。
⑤「オリンピック災害」おことわり連絡会から(京極)
オリ・パラ反対の闘いを世界に発信することができた。オリ・パラによる傷の深さがはっきりした。監視システムが残るなど、これから様々な問題が起きてくる。
・「聖火リレー」はナチスが始め日本だけその名を使っている。
世界では「トーチリレー」という。しかも全国をくまなく回った。まさに「総 動員」で国民を一つにまとめるためだった。
・反対する者に対する監視・弾圧がひどかった。武蔵野市で逮捕された人は4か月も勾留された。「顔認証」も導入され、迷彩服の自衛隊・警察による警備になった。
・「元首」としての天皇と「オリ・パラ教育」で子どもを狙い撃ちにした。
・森発言で反発した世論も、女性の橋本に代わると引いてしまった。しかし彼女は森のことを「私のお父さん」と呼ぶなど、「家父長制」的枠組みでオリ・パラは行われた。オリ・パラでダメージを受けたのは女性と子どもたちだった。
・こんなに問題があるのに、2030年の冬季五輪の札幌招致などがすでに出ている。こ れに対し、一緒に闘った人たちで「2030年札幌五輪を止めよう!招致に反対する全 国・全世界共同アピール」(2021年12月11日)を出した。
賛同(個人・団体)を募っている。
<メール:info@2020okotowa.link 連絡先:080-5052₋0270>
(第一次締め切り2021年12月31日)
⑥渋谷区からの報告(渥美)
8月25日からパラリンピックが始まった。コロナ下での子どもの動員をやるなと申し入れた。
子どもの動員についてはワクチンを打つと言っていたが打たないまま連れて行っている。しかも渋谷区は夏休みをパラが終わる9月5日まで延長した。
(なお、報告者から出されたt9月16日の区教育委員会での教育長報告には次のように 記されていた:渡部注)
「子供たちは、得点が入るたびにタオルを振り回したり、一生懸命拍手をしたりしてエ ールを送り、その迫力と競技に打ち込むアスリートの姿を見て、驚きと感動に満ちた観 戦になった。」まるで自画自賛の忖度文である。
ちなみに、報告には渋谷区の「園児、児童・生徒の3割となる、3,127人が参加した」 とあるが、参加しなかった7割の子どもたちのことは何も述べていない。
しかも課長説明には、学校観戦は「子供たちの人生の糧となるようなかけがえのないレ ガシーを、一人一人に残していくことを目指している」とある。
白々しいとしか言いようがない。
以下、自由討論になり、葛飾区、江東区、江戸川区、練馬区、特別支援学校や高校などの報告もだされたが割愛する。
96才で参加された北村小夜さんはつぎのようなことを述べた。
1932年のロスアンゼルスオリンピックの時自分は7歳だった。大変な騒ぎだった。そして結果を天皇に報告していた。今回天皇が「元首」として宣言、「祝い」という言葉を使わなかった。哀れみ深い天皇を演じた。「元首」としての確立だ。
これを何とかしたい。
また、今後の展望に関しての意見では、
改憲の危機が迫る中で大衆的な規模での反対運動を発展させることが求められている。その為にはいろいろな闘いをしている人々がつながることが重要だ。という意見が多かった。
現在、政局が急速に右傾化する中、同じようなことを考えている方々・団体は多いと思う。
私達もそうした連帯の輪の広がりを求めている。
全国の闘う仲間の皆さん、共に手をつなぎ、前進しましょう。