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2017年9月15日金曜日

9/13 東京地裁の朝鮮高校無償化裁判に不当判決を糾弾する!

朝鮮高校無償化裁判 不当判決

 9月13日、東京地裁で、朝鮮高校無償化裁判に対する判決が出さました。報道席を除いた83の傍聴席に対し、傍聴券を手に入れるために1,300人を超える人が並びました。
私の隣には「水戸から来た」という方もおり、全国からも朝鮮学校の高校生、卒業生、保護者、関係者など多くの人々が駆けつけました。しかし、判決はすでに報道されているように敗訴(棄却)でした。
 

不当判決に怒りの叫び

地裁前にいた約1,500人の支援者らから大きな怒りの声が上がり、「朝鮮の子どもたちを差別するな!」「朝鮮人の差別反対!」「不当判決を認めないぞ!」などのシュプレヒコールが叫ばれ、<どれだけ叫べばいいのだろう 奪われ続けた声がある・・・・>
という『声よ集まれ、歌となれ』という歌が繰り返し歌われました。
怒りに震え「日本の恥だ」と叫んで立ち去る支援者もいました。



裁判報告会

夕方18:30より、日本教育会館一ツ橋ホールで『朝鮮高校の子どもたちに笑顔を!!
「高校無償化」裁判 東京判決集会』(主催:東京朝鮮高校生の裁判を支援する会/ 朝鮮学園を支援する全国ネットワーク/ ファーラム平和・人権・環境/ 東京朝鮮学校オモニ会連絡会/ 東京朝鮮中等級学校)が開かれ、会場超満員の1,100人が結集しました。

弁護団の方は、
 「本日、たくさんの生徒たちが集まった。しかしショックと落胆を与えてしまった。申し訳ない。判決文は余りにもひどい。しかし、むしろ奮い立たされている。必ず勝つまで闘う。」と述べ、この間の経過と判決文の問題点を指摘しました。
これについては、以下、弁護団から出された<声明>から引用します。
 (東京地裁は)東京朝鮮中高級学校の高級部に在籍していた生徒62名(現在は卒業生)が就学支援金不支給を理由として提起した国家賠償請求訴訟(・・)について、判決(・・)を言い渡しました。
裁判所は、訴訟における被告国側の主張を丸呑みし、原告側の請求を棄却しました。
本判決には、以下に述べるとおり、重大な誤りを多数含んでいます。
 第一に、・・本訴訟の重要な争点ついて判断を回避しています。
 すなわち、・・「規定ハの削除が無償化法による委任の趣旨を逸脱したものであり無効であるから、規定ハの削除による不指定処分は違法である」との原告の主張について判断を回避しています。
 しかし、・・・文科省の決裁文書には「規則1条1項2号ハの規定の削除に伴う朝鮮高級学校の不指定について」と明記されており、・・・規定ハの削除の違法性について判断を回避した本判決は明らかに不当です。
次に、・j・不指定処分の理由について明白な事実誤認を犯しています。
下村文科大臣が(当時)が・・・明言したとおり、朝鮮学校に対する不指定は、「拉致問題に進展がないこと」等によって決められたものであり、これが政治的外交的理由によって決定されたものであることを認めませんでした。・・・
最後に、・・(東京朝鮮学園を)不指定とするにあたって、同各園が規定13条に適合しない理由について個別的かつ具体的な事実を指摘して不指定とすることを要求せず、各地の朝鮮高級学校について抽象的に言われたことや、他の朝鮮学校についての過去の裁判所の判断等によって、・・
「・・規定13条に適合すると認めるに足りない」との文科大臣の認定を合理的なものであると認定しました。これは、文科大臣にほとんど無制限の裁量を認めたものであり、行政法の解釈として明白に誤っています。
以上素描したかぎりにおいても、本判決は、結論においても論理においても明らかに誤った不当極まりないものです。
その後、8人の弁護士の方々がそれぞれ一言ずつ発言しましたが、次のように述べた弁護士もおりました。
 「日本社会の偏見を反映した判決だ」「結論ありき、事実認定なしの判決だ」「これからまた新しいスタートだ。この集会が一致団結の集会になった。、子どもたちの未来に向けて力いっぱい頑張る」


















原告の卒業生たちの発言
◎「負けることなど考えていなかった。あまりの衝撃だ。その理由もわからない。胸がいっぱいだ。母はどんな判決がでても泣くな!と言っていた。もう泣くのはよそう。前を向こう。後輩たちのために闘い、「ウリハッキョ」(私たちの学校)を守る。一世二世たちも闘ってきた。私たちも闘い続ける。
◎悔しい気持ちでいっぱいだ。損害賠償を請求した。しかし判決でさらにつらい思いをさせる。裁判をはじめたのは高校生の時だった。それから学んで弁護士になろうと思った。
一審まで4年、自分は大学を卒業する。しかし裁判は続く。弁護士になりたい。卒業生として裁判に向き合う。
◎朝大生だ。金曜日の文科省前行動に通った。後輩たちの為に、朝鮮人の為に、声を上げ歌を歌ってきた。在日朝鮮人すべての権利に関わる。判決を聞き、裁判官の姿に憤りを感じた。こうなったら最後まで闘う。未来のために必ず勝たなければならない。そうして必ず勝つ。

オモニの会の方々
〇正義は子どもたちにある。学ぶ権利を取り上げないで。弁護団は日本一、世界一だ。
 信じられない。日本には正義があるのか。戦後親たちはいち早く朝鮮語と名前を取り戻した。これのどこがいけないのか。教育の場に政治を持ち込むな。子どもたちは日本と朝鮮の架け橋になりたいと考えている。
〇判決後、娘に「泣くな!」と言った。「お前たちが泣いていてはいけない」と。
〇なぜ闘うのか。子どもの尊厳が踏みにじられているから。これに憤りを感じない親はいない。この国は1910年(日韓併合)からこの日まで何も変わらない。闘わずして坐しているわけにはいかない。最後まで闘う。
〇私は泣きません。政治的外交的理由で子どもたちの権利を奪い、また傷つけられたのです。このような形で終わってはいけない。先輩たちは、負けず、ひるまず、前に進んできた。倒されたら起きる。明けない夜はない。かわいい子どもたちにこれ以上涙を流させない。
〇代を次いでこの闘いをしなければならない。私たちの未来である子どもたちを守っていこう。

校長先生は次のように述べました
無償化制度は、初めて日本政府が、「何人にも」として手を差し伸べてきたと思った。
しかし、今日の結果だ。子どもたちの傷の上にさらに塩を塗ったような判決だ。300万人以上の日本にいる高校生のうち、わずか2000人弱の朝鮮高校生を排除した。これを民族差別と言わず何と言うのか。しかしこの裁判闘争をとおして多くのことを得た。支援する日本の人々がいかに多いことか。99人が見捨てても1人がいればどんなにつらい事でも乗り越えられる。この会場には韓国からの応援の幕も掲げてある。ここには祖国統一の未来がある。
生徒たちにも大きく成長した。大学院に入学した者、司法試験に合格した者もいる。私たちは仕事をこうした生徒たちの姿で示したい。そのためにより多くの行動をする。

その後<愛知><大阪><広島>の支援する会の方々が登壇、発言しましたが、割愛します。

韓国の「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」の方連帯アピール
日本で民族性を守る学校として誇らしい朝鮮学校。本日また、歴史的な痛みと差別を受けた。不義に抵抗する闘いは誇らしい闘争だ。自分たちの問題は自分たちが解決するとして街頭へ、子どもたち、先生たちが立ち上がった。そしてオモニたちも。
不当判決にはあきれて何も言えない。これが裁判か!憤り。抗議。認められない!
これから一層強い覚悟で裁判闘争を闘わなければ。
私たちは勝利の日までみんなと一緒に行動する。日本社会と東アジアの未来と平和のために一緒に闘おう。私たちの子どもが二度と襲われないように闘う。あきらめなければ勝利する。

以下は割愛しますが、集会は大変熱気あふれるものでした。
その中でも特に目立ったのは多くの若い在日の高校生や大学生の姿でした。
また、自らの歴史を背負い、人生と未来をかけて闘う人々の真剣な姿でした。
(これに比べれば「礼」の仕方や「国旗・国歌」などを上から押し付ける「道徳教育」などは話になりません。)(写真はムキンポブログより)