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2014年8月24日日曜日

8/18 東京「再雇用拒否」第3次訴訟 報告

■8月18日(月)、東京「再雇用拒否」第3次訴訟が行われました。この裁判について、『原告団ニュース』 が原告の一人の渡辺厚子さんから届きました。ニュースに裁判の内容が載っていますので、アップします。

◆第3回口頭弁論 「東京『再雇用拒否』第3次訴訟原告団ニュース」 第4号(8.20)転載

 8月18日の暑い中にもかかわらず、55人の方が傍聴に駆けつけてくださいました。感謝です。
第3回口頭弁論のこの日は、第2準備書面を提出しており、代理人の弁護士からこれらを要約した意見陳述が行われました。

1.原告ら準備書面(2)は、原告らが非常勤教員採用に対して合理的期待を有することを論じたうえで、本件採用拒否自体が思想良心、信仰に基づく不利益取扱いであることから憲法19条、同法20条に違反すること、本件採用拒否が裁量権の逸脱・濫用であり違法であることを主張するものです。

2.非常勤教員制度は、再雇用制度が原則廃止されたのと同時に施行されました。非常勤教員制度は、定年退職等に際しての教職員の生活保障を趣旨とする再雇用制度を引き継ぐものであり、その採用率は、例えば平成24年度が98.1%と極めて高いものであって、採用選考にあたっては特に試験は設けられていません。原告ら非常勤教員採用選考申込者が、定年後も非常勤教員として採用されると期待することは合理的であるといえます。

3.また、国歌起立斉唱命令についての、平成23年6月6日最高裁第一小法廷判決は、あくまで「職務命令の憲法19条違反」という上告理由に対する判断であることに留意する必要があります。この判決は、起立斉唱命令違反を理由として不合格としたことが、思想良心、信仰の自由を理由とする不利益取扱であるかどうかを判断したものではありません。また、同判決は、起立斉唱命令が間接的であっても思想良心の自由を制約するものであることを認めたとものであると言えます。本件においては、この最高裁判決を前提として、本件採用拒否が、思想良心を理由とする不利益取扱かどうかの判断が改めて問われなければなりません。

4.そして、原告らは、前回の平成26年5月9日付求釈明申立書において、非常勤教員合格者のうち、過去に懲戒処分を受けた者の懲戒処分の種類等について釈明を求めましたが、被告は一切明らかにしません。非常勤教員合格者が過去に受けた懲戒処分の理由としては、体罰等が考えられます。体罰は言うまでも無く生徒の人権を侵害するものであり、極めて信用を失墜させる行為であることは明らかですが、都教委は、体罰という人権侵害行為を行い、懲戒処分を受けた者について「重大な非違行為に該当せず、在職時の勤務成績が良好である」として、非常勤教員として採用している可能性があります。都教委が、原告らの不起立行為のみに着目し、採用拒否したことは、原告らと他の非常勤採用希望者との間で、また、原告らと他の懲戒処分を受けた者との間で、差別的取扱いをするものであって、平等原則に反し違法です。また、原告らが職務命令違反とされた行為は、卒業式における国家斉唱時に国旗に向かって起立をしなかったという消極的なものです。そして、本件採用拒否は、原告らからその職を奪うものであり実質的には免職と同様のものであるといえます。都教委が不起立行為を本件採用拒否の判断に結びつけたことは、いわば針小棒大なものであって、比例原則違反の違法なものであります。

▼次回・第4回口頭弁論 11月13日(木)15時より 地裁527号法廷