■参院選の結果についての渡部さんのコメントです。
◆参院戦の結果
前哨戦となった都議選(6月23日)に現れた傾向を再現するようなものでした。つまり、1.自民党の圧勝、2.共産党の躍進、3.民主党の惨敗、4.投票率の下落、5.その他(下の方に書きます)などです。
まず、以下に獲得議席数・投票率を書いておきます。略
投票率 52.61%(前回より5.31%下落)
★ここではまず第一に、「3.民主党の惨敗」から見てみたいと思います。その大きな原因は、民主党政権が公約違反を繰り返したからでしょう。
・鳩山内閣の時には「普天間基地の県外移設」の公約を裏切りました。
・菅内閣の時には「4年間は消費税を上げない」とした公約を破り、引き上げに言及(3年前の参院選で大敗)、公約にもなかったTPP参加を打ち出しました。
・野田内閣の時には消費税引き上げを表明し、大飯原発を再稼働させました。
(また日中関係悪化の原因となった尖閣諸島国有化をしました。)
つまり、「普天間」「消費税」「TPP」「尖閣」などの基本的な問題で、自民党と同じ立場に立つことになったのです。これでは民主党に対する信頼は当然なくなります。
★したがって、「1.自民党の圧勝」は、この裏返しのようなものです。結局、多くの人々は民主党に愛想をつかし、大規模な金融緩和で人為的な市場を作り出すアベノミックス(それは貧富の差の拡大と新たな恐慌に行き着くが)に目くらましされて、自民党に投票したと思われます。
★また、今回の選挙結果について日本経団連会長は「(自民党)圧勝という結果で、うれしい限りだ」と露骨に述べています。原発再稼働・輸出、規制緩和、TPP(いずれも独占への市場作り)を進める自民党に、いかに独占資本が力を入れていたかもわかります。
★これに対し「2.共産党の躍進」は、多くの人々は現実の生活の苦しさから、公約が労働者・人民の立場に近い共産党に期待をよせ、共産党の躍進となったと思います。
実際、この間も
・生活保護受給者が215万人、
・非正規労働者の割合が38.2%、2042万人、
・最低賃金が生活保護を下回るのが11都道府県、
などのニュースが流れています。
★結局、1. 2.は都議選同様、この間の日本社会の階級対立の強まりを表していると言えます。この「階級対立」という言葉は、分かりやすく言えば、<会社の利潤(それは会社純利益、銀行利子、株主配当、地代などに配分される)>と<労働者の賃金>は
反比例するということであり、その反比例の度合いが大きくなっているということです。
★アメリカの例で言えば、7月18日には、アメリカのデトロイト市が破綻し、多くの市民が苦しんでいますが、ニューヨーク株式市場では株価が最高値になっており、CEO(最高経営責任者)らが数十億円もの報酬を得ているという具合です。日本のブラック企業も分かりやすいですね。
そこから、民主党をはじめとする中間的な政党はどうしても存在感が薄くなります。
★「4.投票率の下落」について言えば、
・既成政党に飽き足らない人々が増えている
・多くの党が与党化してしまい争点が明確でない、ということが考えられますが、
・選挙結果は約半数の有権者の意思表示に過ぎない、とも言えます。(それは日本社会の半面の話です)。
★「5.その他」、についてです。
・その一つは、沖縄選挙区(1人区)で、「普天間辺野古移設反対」の糸数慶子(沖縄社会大衆党)さんが自民党候補を破ったことです。これは自民党・日米両政府に対し大きな打撃を与えたと言えるでしょう。
・もう一つは、東京で、脱原発の山本太郎氏(無所属)が当選を果たしたことです。
これは、これまでの維新などの流れとは全く違った流れからの勝利で、たとえ一人であってもその影響力は決して小さくはないと思います。
・三つ目は、維新がある程度議席をとったことです。石原は「ほぼ満足のいく成果を得た」と述べました。これはあれだけ従軍慰安婦問題が騒がれたので、彼としてもかなり議席数が減ると思っていたのでしょう。
しかし橋下は、選挙期間中一貫して、マスコミへの責任転嫁、問題のすり替え、言い訳け、開き直り、の選挙運動を展開しました。
その結果、石原らが考えていたより維新は落ち込みませんでした。このことは、この間日本社会に排外的なイデオロギーが強くなっている、ことを表したものだと思います。彼らは、今後安倍政権に対し、右から圧力をかける危険な存在になるでしょう。したがって、引き続き水に落ちた〇を叩かなければ、人々はひどい目にあうでしょう。
★こうした情勢の中、反動の嵐に立ち向かうため、『8・25全国学習交流集会』の準備が取り組まれています。
▼全国から集う!全国で闘う!
第4回「日の丸・君が代」問題等2013全国学習交流会 8月25日(日)・26日(月)
25日(日) 学習交流集会( 夜 交流集会)
26日(月) 文科省交渉・ 最高裁要請行動
<場所> 日比谷図書文化館地下ホール
<内容> 8/25(日〉
・学習際交流集会
10時 開場
10時20分~ 12時30分
Ⅰ 関東からの報告
Ⅱ 全国からの報告
13時 30分~16時 30分
Ⅲ 討論
・「日の丸・君が代」問題等の状況と反対の闘い、等
・交流集会 日比谷グリーンサロン
17時00分~19時30分
8 /26 (月)
・文科省交渉 10時 衆議院第2議員会館前集合
・最高裁要請行動 予定
<資料代> 500円
<主催>「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会実行委員会
「熱き夏 迎えて涼し 百日紅」