■9月5日(木)、14時から、東京小中「君が代」不起立10人裁判の最高裁判決の言い渡し日でした。
13時過ぎには最高裁前に傍聴希望者が並びました。抽選になり、第一小法廷で、全く無味乾燥の、怒りしかわかない判決が「言い渡され」ました。
10人の上告人の一人である根津さんからの報告です。
◆最高裁判決
★開廷すると、金築裁判長が「主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする」とだけ言い、傍聴席から「理由くらい言え」と野次が沸き起こる中、5人の裁判官は退廷して行きました。所要時間はものの1分でした。
★昨年10月25日に出された控訴審判決は、2012・1・16最高裁判決に倣って、2人の減給処分を取り消し、戒告及び根津の減給6ヶ月、停職1ヶ月処分を適法としました。
きょうの最高裁判決は、わかっていたことでしたが、その控訴審判決がそのまま維持されたということです。
★判決文を見て、裁判官たちのいい加減さに怒りが倍加しました。
「1.上告理由のうち憲法19条違反を言う部分について」と題し、「原審の適法に確定した事実関係の下において、本件職務命令が憲法19条に違反するものでないことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に徴して明らかというべきである。」
「2.その余の上告理由について」と題し、「論旨は、違憲及び理由の不備をいうが、その実質は事実誤認若しくは単なる法令違反をいうもの又はその前提を欠くものであって」「よって、裁判官全員一致の意見で、主文の通り判決する。」たったのこれだけ。
補足意見も反対意見もありませんでした。
★昨年2月に退官した宮川裁判官(すべての処分を取り消すべきとの反対意見)に代
わって就任した弁護士出身の山浦善樹裁判官は自己の意見を表明しませんでした。誠
実さの微塵も感じられません。
★その後、記者会見を行いましたが、出席した大手報道の記者は北海道新聞とNHK
くらい。私に見落としがあったかもしれませんが、とにかく、記者の数は非常に少数でした。報道機関にとって「日の丸・君が代」は過去の事柄なのでしょう。
★会見で吉峯弁護士は、「起立斉唱行為が思想及び良心の自由の間接的な制約となることを認めつつ、思想及び良心の問題を『必要性及び合理性』という緩い基準で、しかも何の説明もせずに用い、判断することは憲法学会ではありえないこと。厳格な基準を用いることが通説だ。司法が政府に追随するがゆえに、結論先にありきの判決なのだ。」と批判しました。
私の処分を適法としたことについては、「何度も処分をされたということは、何度も良心を貫いたということ」と断言しました。
吉峯弁護士に続いて、原告団長のAさん、根津、減給処分取消となったMさんが発言。
★私は、過去の処分歴・不起立前後の態度等を取り上げて秩序判断をした1・16最判は、処分者側にフリーハンドで累積加重処分をしてよいとのお墨付きを与えた。
最判から1年後の今春、すでに不起立4回の田中聡史さんに減給処分を出した現実は、それを実証していることを指摘しました。
▼レイバーネットの記事をぜひお読みください。