■3月31日(日)、日比谷野外音楽堂で行われました。集会の報告を二つアップします
◆集会報告(渡部)
★会場は超満員だった。
主催者を代表は次のように述べた。「今、歴史の大きな転換点にある。排外主義、憲法改悪の動きが強まっている。そうした中で朝鮮学校排除が起きている。20世紀は戦争の時代と言われるが、その初頭に日本は朝鮮半島を併合し、土地、財産、名前まで奪った。
本日私たちは、無償化から朝鮮学校を排除した安倍政権を糾弾するため在日の多くの人々と民主・人権を守る日本人が結集している。今日を朝鮮学校を守る、歴史的な日として記憶しよう。」
★2010年の「高校無償化」以来、朝鮮学校は3年間排除されてきた。昨年12月発足した安倍右翼反動政権はすぐに、「高校無償化」から露骨に排除する方針を打ち出し、
この2月には文部科学省令を改悪し、朝鮮学校だけを排除するに至った。
また、東京都、埼玉県、千葉県、宮城県、大阪府、大阪市、水戸市、福岡市などの自治体で、朝鮮学校や保護者への補助金が停止されている。いかに、ひどい状況が進行しているかということである。
★メッセージでは、鎌田慧さん、三宅晶子さん、デビ・スカルノさん、キム・ミョンジュンさん(映画「ウリハッキョ」監督)らが、現在の日本社会の動きに対し、一様に危機感を表明した。
★集会では、
<東京朝鮮高級学校生徒のステージ>(素晴らしい踊りと歌だった)
<朝鮮学校高校性代表発言> <朝鮮学校校長代表発言> <大阪・愛知訴訟団からの報告> <朝鮮学校生徒父母からの発言> <集会アピール>と続いた。
いずれの発言からも、日本政府が朝鮮学校の生徒たちをどれほど「いじめ」、厳しい状況に追い込んでいるか、生徒・教職員・保護者たちはそれに屈せず苦しみながらも闘って行こうとしているか、ということが痛いほど伝わってきた。
★集会後のパレードでは、銀座数寄屋橋あたりから東京駅あたりまで、右翼の街宣車がデモ隊と反対側の車線に陣取り、デモ隊向けて大音響でわめいていた。歩道にも右翼の一団が陣取り、デモ隊に向けてプラカードとスピーカーで攻撃していた。(あまりの喧騒で道行く人々は立ち止まって見ていた。中には、デモ隊に拍手をする人たちもいた。)
まさに、「日の丸・君が代」強制反対闘争同様、基本的人権・民主主義・平和を守る闘いがこのようにして闘われているのである。(渡部報告)
◆集会報告(長谷川和男さん:実行委員会代表)
★3月31日(日)の、日比谷野外音楽堂で開催した「朝鮮学校はずしにNO!すべての子どもたちに学ぶ権利を!3・31全国集会&パレード」が成功裏に終了できたことをご報告させていただきます。
日比谷野外音楽堂を埋め尽くした在日の皆さんと日本の全国で「高校無償化」朝鮮学校排除反対、自治体による補助金カットに反対して闘っている仲間の皆さんが心を一つにして、「絶対に諦めない!勝利するまで闘い抜く!」ことを固く決意できる集会にすることができました。
★参加者約6000人、右翼の街宣車が大音量で妨害活動を展開する中、整然と長蛇の列が銀座から東京駅、常盤橋公園までパレードを展開しました。弁護士の方々8人も参加して下さり、事故やトラブルもなく「朝鮮学校差別反対」「地方自治体の補助金復活」を力強く沿道の人たちに訴えました。
★朝から小雨のぱらつく中で朝9時30分から準備を始めたスタッフは、このまま雨が続くのか不安を感じながら作業を進めました。午前10時には私たちの思いが天に通じたのか雨も上がり、少々寒かったにもかかわらず、正午から続々参加者が会場に詰めかけました。
集会前の会場では、朝鮮大学校の学生たち数十人が壇上に上がり、自分たちが作詞作曲した「声よ集まれ、歌となれ」の歌唱指導を行い、3年間、無念の思いを胸に卒業していった高校生の思いを、代表の学生たちが訴えました。
★午後1時、実行委員会代表として私が挨拶させていただき、その後、鎌田慧さん、三宅晶子さん、デビ・スカルノさん、キム・ミョンジュンさんが連対のメッセージをそれぞれ訴えました。会場は、破れんばかりの拍手と歓声に包まれました。
なんといっても素晴らしかったのは、朝鮮高校生による華やかな舞踊と心にしみる「花」の合唱でした。このように清純な高校生に痛みと悲しみを感じさせることの罪深さを実感させられました。
続いて全国に10ある朝鮮高級学校の学生代表が北海道から福岡まで全校から参加してくれました。代表の神奈川中高級学校の代表が、この3年間、自分たちが感じた率直な胸の内を報告してくれました。会場からは「そうだ!許せない!」という共感の声が日本人の占める席からたくさんかかっていました。
続いて朝鮮学校校長会の副会長のチェ・ヨンテ茨城朝鮮初中高級学校校長は、過去3回も「高校無償化」から除外された子どもたちを送り出した苦しい胸の内を率直な言葉で語りかけました。
大阪・愛知の訴訟団と東京の学園理事長からのメッセージが報告されました。
大阪からは藤永壯さんと大村和子さん、愛知からは矢崎晶子さんが報告されました。
東京からもキム・スノン理事長が「東京も訴訟の方向で検討を進めている」との報告がなされました。
★戦後68年間、幾度となく繰り返されてきた朝鮮学校に対する弾圧と攻撃を、在日一世や二世がその都度不屈の思い出はねのけてきたウリハッキョの歴史を思い返すと、絶対にあとには引けない闘いであるとして、不退転の決意で望む力強いアピールが行われました。
続いて全国のオモニ会代表がずらりと勢ぞろいして、「子どもたちの純粋な想いをこれ以上踏みにじらないで欲しい」と切々と訴える言葉は、会場を埋め尽くす参加者の胸に深い感動を与えました。
最後に、集会宣言を満場一致の拍手で採択して、パレードに移りました。
★パレードは17梯団、次々と駆けつける市民を加えて、6000人を超える人々が、右翼の街宣車が大音量で妨害の口汚い罵声を浴びせる中、整然と日曜日の銀座の街を行進しました。
実行委員会や集会発言者を先頭に、午後3時にスタートしたでも隊列は1時間たっても最後尾が出発できないほど、次々に駆けつける市民で膨れ上がりました。
途中、右翼の街宣車からペットボトルが投げつけられましたが、デモ隊列には届かず、さしたる混乱もなく無事終了することができました。
★「ウリハッキョ」を絶対に守りぬくと闘ってきた在日の皆さんと日本の差別を許さないと立ち上がった日本人が、この集会とパレードを通じて、本当に心を一つにできたことです。多くの皆さんの献身と努力の結集で、東京集会は成功しました。