■3月の卒業式における「君が代」不起立で処分された教職員に対して、東京都の教職員研修センター(水道橋)で「服務無事故再発防止研修」が行われ、被処分者6名のうち5名が受けさせられた。(1名は退職)
研修場所となった都教職員研修センター前には朝8時過ぎに、80名以上の人々が集まり、抗議・支援行動が行われた。
◆抗議・支援行動
★最初に被処分者の会が、都教委に対して行った今回の研修に対する質問に対し、4/4に<研修は内心に踏み込んだものではない>と回答してきたことを報告した。
また、今回はこれまで7階でやって「研修」を抗議・支援の声が聞こえるからというので、地下2階に移したという。
★研修が始まる前、澤藤弁護士は都教委に次のように述べた。
「研修自体が間違いである。反省しなければならない点はないのだ。処分そのものが間違いだ。最高裁判決でも、問題解決を呼びかけている。にもかかわらず、それさえ無視してやっている。新たな大きな問題を引き起こすことになる。
(警備のために出てきていた約10人の都教委職員に向かって)
あなたたちの良心に訴えたい。研修を強要される人たちは、思想・良心に基づいて行動した尊敬されるべき人々だ。転向をせまるような行為は一切やめてもらいたい。」
★その後、<被処分者の回・東京「君が代」裁判原告団>と<河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会>から抗議文が都教委に渡された。シュプレヒコールを行った後、被処分者たちを拍手で送り出した。
★その後、かつて「再発防止研修」を受けた福嶋さん(「授業をしていたのに処分裁判」の原告)は次のように語った。
「研修を受けて、都教委は間違っていることがわかった。何を反省したらよいのか。
講師の声が聞こえなかったので、《聞こえない》と言ったら、<静かにして下さい>と言われた。<職務命令が法律に違反していたら、実行違反に含めない>と説明されたので、『憲法違反の職務命令には従えない、反省することは何もない』と思った。また、
『憲法や国際人権規約、子どもの権利条約を説明せずして何が研修か』、『一方的限られた事柄だけで何が研修か』、『レジュメもなければ、質問も許さない。これで何が研修か』『反省できる研修でないから反省できない』 と思った。」
★一旦解散し、約3時間半後、12時過ぎ、被処分者らは「研修」を終えて出て来てその報告をした。
○Aさん:振り返りシートに書いたことを読まされ、彼らの意に沿わなかったのか、書くべき<参考例>を示された。それには「これからは上司の命令に従ってやっていきたい」と書いてあった。
○田中さん:昨年と同じだった。職務命令に対する説明もあったので<職務命令も憲法・法律に逸脱することがある>と述べると、何の回答もなかった。
○Bさん:「悪いことをした」と感じさせるようなものだった。
○Cさん:地下は寒かった。繰り返し同じことなので、<精神的苦痛を感じる>と言ったが、繰り返された。内容は都教委に都合のよいところだけを使ったものだった。
○Dさん;たいへん疲れた。質問したが答えなかった。「シートには思想・信条に関することは書かなくて良い」と言われた。(書かれると後で都教委にとってまずいことになるからか?)
★まさにこの「研修」は、研修の名に値しない、「一方的な、いじめ、懲罰、弾圧、思想転向強要」に他ならないものであった。
屈せず闘われた被処分者の皆さん、本当にご苦労様でした。ここに日本・アジア・世界の未来があります。
レイバーネットにも報告があります。