■3月28日、東京都教育委員会(都教委)は定例会を開催し、卒業式での「君が代」斉唱時の不起立などを理由に6名の教職員(都立高校5名、特別支援学校1名 被処分者の会調査)の懲戒処分を決定し、29日に都教委職員が各学校・自宅に出向いて該当者に対する処分発令を行いました。これで卒業式・入学式などで「君が代」斉唱時の起立・斉唱、ピアノ伴奏を強制する都教委の10・23通達(2003年)による処分者数は延べ447名となりました。 近藤徹さんの報告です。
1・16年の最高裁判決を受けて、昨春の処分は2回目以上の不起立等に対しても戒告処分でしたが、今回都教委は4回目の不起立(1名)に対して減給処分の発令を強行しました。
私たちは、都教委の卒業式での不当処分に満身の怒りを込めて抗議すると共に、被処分者を対象に予定されている服務事故再発防止研修の中止を求めるものです。
◆不服従の抵抗が続く 処分者数は昨年の倍に
10・23通達発出から10回目の卒業式。都教委は処分を振りかざして抵抗を抑え込もうと必死になっています。学校現場がますます息苦しくなり、自由にものが言えない雰囲気が蔓延しています。しかし、このような状況の中でも不服従の抵抗が継続しています。
昨年の卒業式の処分者数は、3名(都立高校1名、特別支援学校2名)でしたが、今年は6名(都立高校5名、特別支援学校1名)に倍増しています。
◆卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会を開催
本日、被処分者の会など都立高校四者卒・入学式対策本部は、卒業式処分発令に抗議・該当者支援総決起集会・記者会見を水道橋の全水道会館で開催しました。約120名の人々が参加して集会会場を埋め尽くしました。
集会・記者会見では、対策本部より卒業式を巡る状況の説明、該当者4名の発言などがありました。
今回処分された人たちは、「日の丸・君が代」を強制する10・23通達を以後の学校現場が命令と服従の場と化し、教職員がものも言えない状況に置かれていることをを告発し、この異常な事態を何とか変えていかねばならない、と切々と訴え、参加者の胸を打ちました。
◆処分内容、処分者数
被処分者の会の調査による処分の内訳などは以下の通りです。
(まだ都教委ホームページに発表されていないので最終的には変わる可能性があります。)
<卒業式の処分の内訳>
1.都立M高校 戒告(不起立処分3回目)
2.都立A工業高校 戒告(不起立処分2回目)
3.都立MT高校 戒告(不起立処分3回目)
4.都立K高校 戒告(不起立処分2回目)
5.都立T高校 戒告(不起立処分1回目)
6.都立IT特別支援学校(不起立処分4回目)
計6名
<学校種別>
都立高校5名 都立特別支援学校1名
<発令日> 3月29日(各学校・自宅に処分発令通知書を都教委職員が持参)