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2016年10月12日水曜日

アレックス・マーシャル著『コリン・キャパニックは日本人でなくてよかった』

『コリン・キャパニックは日本人でなくてよかった』

        アレックス・マーシャル(英国ジャーナリスト)
              訳:田口 俊樹さん(翻訳家)

 

 コリン・キャパニックがアメリカ国歌を拒否しても――今やこれに賛同して同じ行動を取る選手も出てきた――動じない人がひとりいるとすれば、それは60代後半の細身の日本人女性、根津公子さんだろう。

 根津さんほど長期にわたって国歌を拒否している人は世界的に見ても例がない。
元教師の根津さんは20代の頃から国歌を軍国主義の象徴と見なし、国歌演奏時の起立を拒否しつづけ、そのためにこれまで罰金を科せられたり、半年にも及ぶ無給の停職処分を受けたりしてきた。
そればかりか、演奏時間55秒の『君が代』に対する態度矯正のため、無数の再教育講習を受けることを強要されたこともある。
『君が代』は天皇の統治が「さざれ石の巌となりて苔のむすまで」続くようにと願う歌である。彼女には、自宅周辺に右翼団体にやってこられ、街宣車で東京じゅうをつけまわされ、
「帰れ、帰れ」(そう叫ぶことで、彼女が北朝鮮出身だとほのめかしている)と大声を張り上げられた時期もある。郵便でカミソリの刃を送りつけられたこともあった。殺人を意味する昔からよくある脅迫である。

 要するに、根津さんの体験はキャパニックをはるかに凌いでいるということだ。にもかかわらず、彼女は彼に対してこれ以上ない同情を示して言う。
「彼はまだ28歳です。彼のやっていることは選手生命を危うくするものです。わたしの行動がほんとうに職を失う危険をもたらしたのは50代の頃のことで、わたしの子供たちはすでに成人していました。だから(彼らには)自分の世話は自分でできました。わたしもまだ20代で、家族を養う責任を負っていたら、わたしが50代で取ったような行動は取れなかったでしょう。だから彼には深く感銘を受けています」

 アメリカ人の中には、キャパニックが国歌を拒否したことを何か新しいことのように思う人もいるかもしれない。しかし、国歌拒否など世界じゅうで常に起きている。スポーツの世界でもそれ以外の世界でも。国歌を聞く者がその国の現状を批評する際、国歌の持つ象徴的な価値観や理想主義的な歌詞(アメリカ国歌の一節「自由の地、勇者の故郷」などその好例だろう)が利用されるというは、しょっちゅうおこなわれていることである。

 こうした抵抗運動が興味深いのは、抵抗運動それ自体に関することだけではない。そのような事態の出来(ルビ、しゅったい)、さらにその抵抗が惹き起こす反応。それらはその国における国家主義の現状を大いに露呈させる。
インドを例に見てみよう。国歌『ジャナ・ガナ・マナ』演奏時の起立を拒否したことで 映画界から追放された人物が、この2年間で数人いる。
この歌はナレンドラ・モディ首相のもと、インドに国家主義が復活したことで、ますます大きな公的役割を演じているように見える。たとえば、マハラシュトラ(ムンバイのある州)では映画を上映するまえに国歌を演奏することが義務づけられている。それはケララ州などほかの州でも同様である。

 33歳のマヘク・ヴィアスは、偶然としても思わぬ巻き添えを食ったひとりだ。
2014年、ムンバイの映画館で南アフリカ人の恋人がインド国歌に起立しなかったことで、うしろに坐っていた観客から嫌がらせを受けた。彼が怒鳴り返すと、逆にひどく殴られた。
ヴィアスは、この出来事がモディ首相のもとでインドを覆うこれまでにない空気と関係があるとは思っていない。「実際、ムンバイで国歌を演奏することを決定した政党は十五年前の国民会議派だったんだから」と彼は言う。

しかし、そんな彼も、国歌に対するさまざまな態度がさまざまな場面で軋轢を生んでいるとは思っている。
「国民の反応がいいということで、今はスポーツの試合のまえに国歌が演奏されてるけど、それはおかしいよ。会社に出勤したり空港に到着したりしたときにも、毎日国歌を歌ってるわけじゃないんだから。ぼくはインドを信じてるし、多くの国民が自由のために命を落としたという事実もそのとおりだと思うけど、だからといって、誰もが国家主義的態度をこれ見よがしに見せなければならないということにはならない。人に押しつけていいということにもね」

 イスラエルでも最近、国歌拒否問題が大いに注目を集めた。二〇一二年、サリム・ジュブラン最高裁判事が宣誓就任式において国歌『ハティクヴァ』を歌うことを拒否し、論議を呼んだ一件だ。
ジュブランはクリスチャンであり、アラブ系イスラエル人でもある。だから「ユダヤの魂が……今もエルサレムの地を渇望している」と心から歌うことはできなかった。

しかし、国家主義者はそんなことなど斟酌しなかった。彼の態度への激しい批判がやむことはなかった。同様の論議は、セルビアや、サッカー選手が国歌を歌うことを拒否したフランスでも起きている。
(極右政治家、マリン・ル・ペンは案の定、理由のいかんにかかわらず、国歌を歌わなかった選手の存在を政治的に利用しようとした。)
 しかし、国歌抵抗運動が最も長く続いているのは日本だろう。その歴史は第二次世界大戦時にまでさかのぼる。当時、国歌は天皇をカルト的人格に仕立て上げようとする明確な役割を演じていた。戦後、新たに教職員組合が結成されたが、そのスローガンは「教え子を二度と戦場に送るな」というもので、組合結成の目的のひとつが、学校の始業式や終業式に堂々と演奏される国歌に反対することだった。

 根津さんは子供の頃は喜んで『君が代』を歌ったと言っている。日本人であることが誇らしくてならなかったそうだ。「わたしたちは誰より幸運だと思いました。
特別な行事のときにしか歌われなかったから、『君が代』を聞くたびにわくわくしました。」
しかし、大学時代、戦時中に中国や韓国で日本軍が犯した残虐行為を本で読み、自分には与えられている未来が戦時中の中国や韓国の人々には一切なかったことを知ると、起立などとてもできなくなった。

 教員生活を続ける中で、国歌に対する彼女の態度が問題視されることはほとんどなかった。それが1990年代になると、政府は愛国心を育むことを狙いとし、さらには給与と関連づけてまで教員の起立を強制するようになる。その結果、対立が表面化するようになり、事態も緊迫する。
そんな中、よく知られているのは1997年の事件だろう。
東京の北部のある学校(注:所沢高校)で、国歌斉唱のおこなわれる入学式を生徒たちが集団でボイコットしたのだ。この事件はその後数週間にわたって、彼らはほかの生徒の模範となる生徒なのか、それとも最も恐るべき日本の十代なのか、という論争を全国に巻き起こし、事件を扱った“マンガ”まで現われる。

 根津さん個人にとって状況が一変したのは2003年のことである。この年、右翼扇動家、石原慎太郎を知事として頂く東京都は、同年におこなわれる入学式と卒業式において起立しなかった教員を処分することを発表した。(その後、大阪府も同類の右翼扇動家、橋本徹のもと、東京に倣った。)処分をちらつかされた教員はその大半がおとなしく服従したが、根津さんと数人の教員は断固拒否を続けた。
そのため、まず一ヵ月の賃金カットを受け、次はそれが半年に延びた。そのあとまず一ヵ月、続いて三ヶ月の停職処分を受ける。あまつさえ毎年、別々の学校に異動させられた。
その中には通勤時間が自宅から二時間もかかる学校もあった。どう見ても、管理者は彼女をひたすら退職に追い込もうとしたのである。

 日本の国民の大半がこのような粗暴な新政策を受け入れている事実は、おそらくこの国が国家主義に大きくシフトしていることを示しているのだろう――もっとも、教員たちの主張をきちんと理解している国民が数少ないという事実もあるが。
つまるところ、戦後70年以上も経ったのである。国歌は現在の大半の国民にとって、大いに敬愛する天皇の統治が地質学上ありえないほど長く(小石が岩に変わる!)続くようにと願う歌にしか聞こえていない。

 「家族はわたしの行動を受け入れてくれました」と根津さんは話す。「こういう母親だということはわかってくれていました。ですが、同僚の教員や友人の中にはわたしを排除しようとする人もいました。それがとてもつらかったです。それでも、わたしが弱気になると、誰かが支えてくれました。新たに起立を拒否する先生も現われました。それでわたしも頑張らなければいけないと思ったのです」

 都が管理締め付けに大成功を収めて以来、日本の空気は少しも変わっていない。〈ガーディアン〉紙によれば、今年の7月、ある元首相はオリンピック選手団に向かって「大声で国歌を歌う」ように言い、歌えない選手は「日本代表の資格がない」と見なすとまで宣したという。
安倍晋三が、国歌を歌うことは日本が本来持っている自信の証しだと訴え、今なお国歌を押しつけつづけているのもなんら驚くにあたらない。

 根津さんは2011年に退職して以降も国歌から離れることができないでいる。現在いくつも法廷訴訟を抱え、受けた処分の撤回を訴え、さらに国歌に起立を強制することが思想、信条の自由に反することを立証しようとしている。

 キャパニックは根津さんの例からどんな教訓を得ればいいのか。
アメリカにおける人種差別問題と、シンボルとしての国歌をどう扱うべきかという論争を世界的に巻き起こしたという点で、彼の目的は達せられた。そう考えるのが現実的な解答ではあるだろう。
日本の戦争責任と『君が代』が国歌としてふさわしいのかどうかという点について、日本の教員たちは、70年に及ぶ抵抗の中でそこまでの論争を惹き起こしてはいない。
根津さんにしても今のところ勝ったとは言えない。それでも、キャパニックが学ぶ教訓はほかにもあるはずである。それは人々が彼の抵抗にすぐに無関心になっても、だからといって抵抗をやめる必要はないということだ。

 キャパニックが学ぶべき一番の教訓。
それは根津さんにとってはいささか散文的すぎるかもしれないが、それでも彼は学ぶべきだ、自分が日本人でなかったことをどれほど感謝すべきか。
「この国でスポーツ選手が彼のようなことをすれば、チームから追放されるでしょう」と彼女は言う。
「一瞬にして選手生命を断たれてしまうでしょう。だからこそ、わたしは自分が正しいと信じることを断固やり抜こうとした彼の決意に感動するのです。」

田口さんについての紹介。
 彼は、エドワード・スノーデン(元CIA・NSA職員)が暴露した機密情報を著したグレン・グリーンウォルドの本「シチズンフォー・スノーデンの暴露」の訳者でもあります。(映画化もされています。ご覧になったかも知れませんね)
田口 俊樹に関してはWikipediaでも検索できます。


コリン・キャパニック選手の国歌起立斉唱拒否と根津さん

「河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会ニュース№58号(2016.10.05)」に渡部さん執筆の「コリン・キャパニック選手の国歌起立斉唱拒否と根津さん」の付録がついていました。この問題については包囲ネットブログでも断片的に紹介してきましたが、渡部さんの文はまとまっているので紹介します。



 コリン・キャパニック選手の国歌起立斉唱拒否と根津さん      
   
                                    渡部秀清(「ひのきみ全国ネット」<首都圏>)

★8月26日、アメフトのコリン・キャパニック選手が、試合前の国歌斉唱場面で、人種差別と警官の暴力行為に抗議して起立斉唱を拒否した。アメリカでは賛否両論が渦巻き、国際的にも注目された。オバマ大統領はキャパニック選手の行動を「表現の自由」の問題であるとして擁護した(9月5日)。

★そうしたところ、『共和か死か!~世界国歌の旅』(2015)の著者アレックス・マーシャル(イギリス人)から、レイバーネットの松原さんへ手紙が来た(9月6日)。
「2014年にあなたは、私が国歌について書いていた本のために、 根津公子さんへのインタビューを手配してくれました。・・・・アメリカで今、アメリカンフットボールのコリン・キャパニック選手が、公子と同じように、アメリカの国歌にすることを拒んで、大きな注目を浴びています。・・・私は、世界中で同時に起きている国歌への抗議について、公子や日本の教員たちの物語を含めて、論説を書こうとしています。」
そして、「(1)最近公子に何が起きていますか?彼女はまだ裁判で争っていますか?
(2)公子は コリン・キャパニック選手のことを聞いていますか。それについて何かコメントしていますか?」と質問してきた。

★根津さんは早速返事を書き、教え子の田島夏樹さんに英訳してもらい、送った(9月7日)。
根津さんはその中で、<コリン選手が「黒人や有色人種への差別がまかり通る国に敬意は払えない」「差別は私にとってフットボールより大事なこと。見て見ぬふりをするのは自分勝手だ」と発言したことを知って、痛く感動しました。><「私を含め、国旗国歌問題がある国に住む人たちは、コリン選手の問題提起から学びたいものです。>と書いた。

★一方「ひのきみ全国ネット」<首都圏>では、9月15日の田中聡史さんの今年最後の再発防止研修に合わせ、オバマ大統領がキャパニック選手を擁護したチラシを作り、出勤する研修センターの職員たちにまいた。何人かが受け取った。

★同日、米国の外交問題隔月刊誌『フォーリン・ポリシー』にアレックスの論説『「国歌斉唱拒否」のキャパニック選手は日本人でなくて幸運だった!』が掲載された。
そこで、そのことをメールで流し(9月17日)、「どなたか訳して下さいませんか」とお願いしたところ、たちまちのうちに数人の方がそれを翻訳し、送ってくれた。
最終的には、翻訳家・田口俊樹さん(元都立高校教員Hさんの紹介)の翻訳をメールで流すことになった(9月22日)。
私はこの間の動きで、改めて国内外の人々の連帯した力を知ることが出来た。この場を借りて、協力してくださった皆さんにお礼を申し上げます。

★「日本の戦争責任と『君が代』が国歌としてふさわしいのかどうかという点について、日本の教員たちは、七十年に及ぶ抵抗の中でそこまでの論争を惹き起こしてはいない。根津さんにしても今のところ勝ったとは言えない。それでも、キャパニックが学ぶ教訓はほかにもあるはずである。それは人々が彼の抵抗にすぐに無関心になっても、だからといって抵抗をやめる必要はないということだ。」
なお、アレックスの論説の冒頭には、「コリン・キャパニックがアメリカ国歌を拒否しても――今やこれに賛同して同じ行動を取る選手も出てきた――動じない人がひとりいるとすれば、それは60代後半の細身の日本人女性、根津公子さんだろう。根津さんほど長期にわたって国歌を拒否している人は世界的に見ても例がない」と書いてあり、最後の方には次のように書いてあった。

「日本の戦争責任と『君が代』が国歌としてふさわしいのかどうかという点について、日本の教員たちは、70年に及ぶ抵抗の中でそこまでの論争を惹き起こしてはいない。根津さんにしても今のところ勝ったとは言えない。それでも、キャパニックが学ぶ教訓はほかにもあるはずである。それは人々が彼の抵抗にすぐに無関心になっても、だからといって抵抗をやめる必要はないということだ。」

 





2016年10月10日月曜日

「部下が悪い」「トップは責任がない」?? 石原元都知事の非常識と無責任

「部下が悪い」「トップは責任がない」?? 石原元都知事の非常識と無責任  

※近藤徹さんからの寄せられました。
トップの社長が深々と謝罪する―「欠陥自動車」問題なとでの記者会見の光景だ。
ところが、豊洲市場問題(地下空間、有害物質により汚染など)の石原慎太郎元都知事の発言、態度はこれとは正反対。「部下が悪い」「トップは責任がない(責任を取らない)」との無責任な態度だ。これは非常識であるばかりか居直りだ。そもそも中央卸売市場の築地から豊洲移転を決め、押しつけた張本人の態度とは思えない。

◆裁判を闘い続けて13年―粘り強く奮闘

こんなとんでもない都知事の下で都教育委員会(横山洋吉教育長・当時 石原の「一の子分」と言われる)が発出した10・23通達(2003年)により卒入学式などでの「君が代」斉唱時の不起立・ピアノ不伴奏などで延べ428名もの東京の公立学校の教職員が処分されています。
処分された教職員が10・23通達撤回、不当処分撤回を求めて司法に訴え、裁判闘争を闘って13年目になります。
東京「君が代」裁判原告団は、四次訴訟(10~13年処分取消請求)原告14名、再処分・都人事委員会・審査請求人16件・14名、14~16年卒入学式処分・都人事委員会・審査請求人9件・7名、再雇用拒否撤回第二次訴訟原告22名、再雇用拒否撤回第三次訴訟原告3名の計60名(延べ人数)の都立学校(都立高校、都立特別支援学校)の現・元教職員で構成されています。
東京「君が代」裁判第三次訴訟は、東京地裁・高裁で26名の減給・停職処分の取り消しが確定し一部勝訴したものの、最高裁の上告棄却・上告受理申立不受理の不当な決定で、戒告処分取消・損害賠償請求が認めらませんでした。
このような状況を打開し戒告を含む全ての処分の取り消し・損害賠償を勝ち取るために、後続の東京「君が代」裁判第四次訴訟、都人事委員会審理の闘いが重要です。特に、地裁に係属している東京「君が代」裁判第四次訴訟は、10月より山場の証人尋問が行われます。
「日の丸・君が代」強制は「戦争への道」との思いを胸に、命令と処分による教育支配、再発防止研修の強化など都教委の卑劣な攻撃と正面から対決して闘います。ご支援をお願いします。
以下、四次訴訟原告からの訴えです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆司法に届け、私たちの叫び

 ~10月14日(金)の原告本人尋問にご参加を~

■2014年3月に提訴した東京「君が代」裁判第四次訴訟も、以来2年半が過ぎました。この間の皆さんのご支援に心から感謝申し上げます。

■この訴訟も、10月14日と11月11日に原告本人尋問が予定され、いよいよ最重要段階に入ります。私たちはこれまで、11回の口頭弁論で原告が必ず陳述し、「譲れない不起立の思い」「「学校現場がいかに破壊されたか」「証書を自分で受け取れるフロア形式こそ」「戦争は教室から始まる」「再発防止研修は思想変更を迫るもの」などの主張を繋いできました。最後の弁論に立った原告は「夭折していった子どもたちへ、今後も怠けず、子どものために尽くす、と誓った日を私は忘れるわけにはいきません」と結びました。

■弁護団は、訴状の冒頭で「最高裁判決に漫然と従ってはならない」と訴え、最高裁を視野に据えながら弁論を組み立ててきました。その後、佐々木裁判長の3次訴訟での地裁判決を徹底批判し、「通達の真の狙い」「学習指導要領は大綱的基準であること」などを再度強調しつつ、「教育の自由と不当な支配」「生徒の学習権」「国際人権」「『儀礼的所作』のごまかしと価値多元性」など、様々な観点から我々に大義があることを主張してきました。

■その総決算の場が本人尋問です。ここで佐々木裁判長に私たちの思いをぶつける中で、ぜひとも「すべての処分の撤回」と、「通達の違法・違憲性」を勝ち取っていきたい、その決意で臨みます。当面、1回目の原告本人尋問(7人)をぜひ傍聴してください。心からお願いいたします。
(四次原告 KY)

■田中聡史です。私も原告の一人である東京「君が代」裁判第四次訴訟の証人尋問が以下の日程で行われます。私の本人尋問は10月14日午後です。他の原告の方々の本人尋問も併せて、ぜひ傍聴してください。今回は定員98名の法廷です。

★東京「君が代」裁判第四次訴訟・証人尋問1回目
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 10月14日(金)
  9時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順) 
  9時55分 開廷 16時30分まで(昼食、入れ替えあり)
  東京地裁103号(大法廷 定員98名)
  内容:原告証人尋問 (7名 予定)
  報告集会:ハロー貸会議室虎の門(案内あり)

★東京「君が代」裁判第四次訴訟・証人尋問2回目
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 11月11日(金)
  9時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順) 
  9時55分 開廷 16時30分まで(昼食、入れ替えあり)
  東京地裁103号(大法廷 定員98名)
  内容:原告証人尋問 (6名 予定)
  報告集会:場所未定。追って連絡。

 
<こちらもよろしく!> 予定に入れておいてください。
★東京「再雇用拒否」第三次訴訟・控訴審第3回口頭弁論
(東京地裁民事19部。2011年再雇用拒否の損害賠償請求、原告3名)
 12月5日(月)
  13時30分傍聴希望者集合(抽選なし・先着順)
  14時開廷 
  東京高裁511号(定員42名) 
  報告集会場所未定。追って連絡。

2016年9月28日水曜日

9/24 根津公子さんの話を聞く会(千葉・船橋市)

根津公子さんの話を聞く会

9月24日(土)午後、船橋市勤労市民センターで、「教え子をふたたび戦場に送るな!『君が代』不起立裁判勝利/根津公子さんの話を聞く会」が開催された。ぼく(T.T(千葉高教組市川支部「ひょうたん島研究会」)m実行委員会の一人として、集会後の懇親会も含めて参加した。高木正さんの報告です。























           


★このDVDのクライマックスは、08年3月末に予想された免職を阻止できたことが確認された都立南大沢学園養護学校の場面と、その免職阻止のために連日行なわれた対都教委闘争の場面だったと思う。都教委闘争については、ぼくも端っこの方でだが参加したことを、誇りに思っている。

根津さんの話は生い立ちから始まり、お父さん、あるいはお父さん世代の「戦争責任」を問いただしたことも話してくれた。お父さんの返事は、「沈黙」だったと、たしか言っていたと思う。

★その後、短大を卒業し、江東区・八王子市の中学校で家庭科の教員になり、同じく八王子の石川中で働くようになって、「日の丸」をめぐる闘いに突入したのだと思う。
 根津さんが示してくれた年表によると、94年3月に「日の丸」を下ろし、同年4月に初の処分(減給1カ月)を受けたようだ。千葉との関係でいえば、その頃ぼくも参加していた運動「不起立に市民権を!」で、根津さんに来てもらったことを覚えている。
 その時のぼくにとっての根津さんの第一印象は、「闘士という感じじゃなく、穏やかに話す人だなあ」というものであった。その「穏やか」な語りは、今回の集会まで一貫していると、ぼくは思う。



















★今回の集会タイトルに含まれる「裁判勝利」については、具体的には、今年の6月に確定した最高裁での「勝利判決」を指しているはずだ。でも、この最高裁判決の前には、昨15年5月の東京高裁「逆転勝訴判決」があった。
 実はぼく、その判決を、直接高裁の場で聞いている。それも、原告席、つまり根津さんのほとんど間近で。だから、この勝訴判決を聞いた時の、根津さんの表情を、ぼくはよく覚えている。

 懇親会の席でも根津さんに直接言ったのだが、「ハトが豆鉄砲を食らったような顔」をしていた。隣にいた弁護士に言われて初めて、勝訴と知ったようだった。

 集会の最後にある参加者が感想を述べていた。「常にこれら『日の丸・君が代』闘争の先頭に、根津さんがいた。」
 まさにその通りだと、ぼくは思っている。(16/09/26丑三つ時)

2016年9月25日日曜日

9/15 田中聡史さんの「再発防止研修」に対して抗議行動を展開

■昨日9月15日、3月卒業式で「君が代」斉唱時に起立せず減給処分を受けた田中さん(特別支援学校教員、四次訴訟原告・人事委審理請求人)を対象に、センター研修Ⅱと称して、「服務事故再発防止研修」が行われました。(近藤徹さんの報告です。)

◆抗議に40余名参加

時々雨が降る中、早朝8時過ぎから被処分者の会が呼びかける抗議・支援行動が東京・水道橋の東京都教職員研修センター前で展開され、40名を超える原告・元原告・支援者らが参加しました。大阪からも仲間が駆け付けてくれました。



































被処分者の会ら5団体が、同研修センター総務課長に抗議声明、要請書などを手交しました。
また、該当者の代理人として弁護団より平松真二郎弁護士が、「(研修が)憲法が保障する思想・良心の自由を侵害し、違憲・違法であり、即刻中止を求める」と申し入れました。同課長はいつものように要請・申し入れに正対せず、「上司に報告する」「研修は行う」との答えを繰り返すだけで、参加者の怒りをよびました。














◆6ヶ月も続いた人権侵害のイジメ―生徒の教育を受ける権利も侵害

田中さんは、4月15日に減給処分が発令されてから何と6ヶ月間、「再発防止研修」という名の下、都教委・校長の厳重な監視下におかれてきました(監視はこれからも続きます)。他の被処分者のセンター研修は2回ですが、田中さんだけは研修センターに呼び出しての「研修」が5回も行われました。田中さんをターゲットにしたイジメ、人権侵害です。
「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があるといわなければならない」(2004年7月 研修執行停止申立に対する東京地裁決定 須藤典明裁判長)との司法の決定を無視して行われる「研修」は、今や憲法違反の違法なものであることは明白です。
しかもセンター研修は、学校の授業・教育活動に優先して強制され、生徒の教育を受ける権利の侵害でもあります。実際、都教委は学校の教育活動・授業計画は全く無視しています。例えば以下の通りです。

★6月15日の「所属校研修Ⅱ」では、TSさんが期日変更を求めたがセンターが拒否。当日の小学部3年の「買い物学習」に半数の生徒が行けず、学校で「留守番」となった。
★9月15日は、再来週の遠足を控え、校外で歩く練習をする予定であったが、期日変更が認められず、人手が少ないので職場の同僚に「申し訳ない」と言って研修に来さるを得なかった。
◆センター研修Ⅱの内容―まるで「犯罪者」扱い
今回のセンター研修Ⅱ(通称「まとめ研修」)の内容は以下の通りで、毎年各被処分者にほぼ同じ内容で行われています。
★被処分者1人を講師を含む研修センター職員4名、校長の計5名で取り囲んで行われる。トイレに行くときもついてくる。
★・研修センター幹部職員が、問いを発しながら「服務指導」と称し、職務命令、地方公務員法、学習指導要領などの説明、注意などを行う。「・・・するように」などと都教委の指導に従わせるのが目的。(40~50分程度)
★受講報告書の作成と「振り返り」(チェックマークを付ける)(30~40分程度)。各項目に反省を書かせ、都教委の指導に従ったことをチェックさせるのが目的。
★「研修部長訓話」と称して研修部長室に移動して、受講報告書の読み上げを強制し、研修部長が偉そうに「訓話」をする。(20分程度)
これでは教員としての誇りを傷つけるのみか、まるで「犯罪者」扱いです。許し難いものです。
2004年に再発防止研修が始まってから、これまでほぼ三百人が受講しましたが、このような弾圧に負けず、田中さんを含め、誰一人「反省」した人はいません。
研修を終えて出てきた田中さんは、職場の状況を報告し、「研修では毎回同じ質問を繰り返しおり、明らかに東京地裁決定に反している。教育行政としてすべきでない」などと改めて怒りを表明しました。被処分者の会は、今後も該当者の思いを共有して、粘り強く再発防止研修の中止を求めて闘っていきます。

▼大阪からの激励の挨拶
















▼「研修」を終えて報告する田中さん













◆集会の案内 

学校に自由と人権を!10・23集会
 憲法を変えさせない! 誰も戦場に送らせない!
 ―「日の丸・君が代」強制反対! 10・23通達撤回!―


●集会の日時・場所
 2016年10月23日(日)
  13時15分開場 13時30分開会 16時30分終了
  千代田区立日比谷図書文化館(日比谷公園内 日比谷野外音楽堂横)


●資料代 500円
集会の主な内容
 講演 「戦争できる国と教育」
    青井未帆さん(憲法学 学習院大学教授)
 特別報告 「『君が代』訴訟の新しい動きと勝利への展望」 
      澤藤統一郎弁護士(東京「君が代」裁判弁護団副団長)
 特別報告 「思いを語る―18歳選挙権、ヒロシマ、沖縄、憲法」
      東京高校生平和ゼミナール


●主催:10・23集会実行委員会(10・23通達関連裁判訴訟団・元訴訟団 14団体)


―賛同人・賛同団体になってください―
賛同金 個人:1口500円 団体:1口1000円 何口でも結構です。
振込先 郵便振替 【口座番号】00120-5-599413
【加入者名】「日の君」10月集会実行委員会

◆「日の丸・君が代」強制反対の裁判の傍聴をお願いします。
 ―お気軽にどうぞ―
★東京「再雇用拒否」第三次訴訟・控訴審第2回口頭弁論
  (東京高裁第5民事部。2011年再雇用拒否の損害賠償請求、原告3名)
  9月26日(月)
   13時30分開廷(30分前集合 先着順)
   東京高裁511号 報告集会:場所未定。追って連絡。

★東京「君が代」裁判第四次訴訟・第1回証人尋問
 (東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 10月14日(金)
  9時55分開廷~16時30分(9時30分集合、先着順 昼食休憩・入れ替え
あり)
  東京地裁103号法廷 内容:原告証人尋問 
  報告集会:ハロー貸会議室虎ノ門3F(徒歩5分 案内あり)
 
★東京「君が代」裁判第四次訴訟・第2回証人尋問
 (東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 11月11日(金)
  9時55分開廷~16時30分(9時30分集合、先着順 昼食休憩・入れ替え
あり) 
  東京地裁103号法廷 内容:原告証人尋問 
  報告集会:場所未定。追って連絡。

2016年9月23日金曜日

国歌演奏で起立拒否のQB、タイム誌の表紙飾る

9月23日(金)のYAHOOニュース 写真と記事

★  【AFP=時事】国歌演奏の際に抗議の意思表示をした、米アメリカンフットボール(NFL)、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)のQBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が、米タイム誌(Time Magazine)の表紙を飾ることになった一方、リーグで「最も嫌われている」選手であるという世論調査の結果が判明した。

★キャパニックが人種差別や社会的不公正、警官による黒人への暴挙が繰り返されていることに抗議して試合前の米国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」の演奏で起立を拒否したことで、米国ではスポーツの垣根を越えて大きな議論が巻き起こっている。

★国歌演奏の際にキャパニックが膝をつく行為は、NFLをはじめ他のスポーツリーグにも拡大している。
  米女子プロバスケットボール協会(WNBA)では21日、負ければシリーズ敗退となるフェニックス・マーキュリー(Phoenix Mercury)とのプレーオフで、これが最後のチャンスになると踏んだインディアナ・フィーバー(Indiana Fever)の全選手が、キャパニックと同様のジェスチャーをみせた。

★所属するマリッサ・コールマン(Marissa Coleman)が「バスケットボールよりも大きなこと」と呼ぶ行為にフィーバーの選手が及んだ背景には、警官が黒人男性を射殺した一連の事件が引き金となり、ノースカロライナ(North Carolina)州シャーロット(Charlotte)を揺るがす暴動に発展した怒りが全米中に広がっている問題がある。

★タイム誌は今週号の表紙に、ユニホーム姿のキャパニックが膝をついた写真とともに、「とても危険な闘い(The Perilous Fight)」という見出しをつけると、同選手の抗議行動によって、「個人の名誉、誇り、そして愛国心に関する議論」が高まっているという記事を掲載した。
  28歳のキャパニックは先日、自身の抗議行動について非礼な行為だと批判する人物から、殺害の脅迫を受けたことを明らかにしている。

★一方、米スポーツ専門局のESPNが前週に行った世論調査では、キャパニックがNFLで最も嫌われている選手であるという結果が21日に公表された。
  1100人を対象に350人以上の選手に関して行われたこの調査では、29パーセントの人々がキャパニックを「大嫌い」と答えており、最も多い割合を占めた。
  しかしながら、キャパニックに対する見解は人種によって大きな違いが出ており、同選手についてアフリカ系の42パーセントが「大いに」好ましいとしている一方で、白人の37パーセントが「大いに」気に入らないと答えている。【翻訳編集】 AFPBB News

お知らせ 10/20 都教委包囲要請行動

10/20 都教委包囲要請行動を行います。ご参集ください。






9/8 都教委定例会 根津公子さんの都教委傍聴記

根津さんの都教委傍聴記

アメリカでフットボールの大会で国歌斉唱を拒否したコリン・キャパニック、彼の行為についてオバマ大統領は「個人の意見を表明する権利を行使したということであり、それは合衆国憲法において保障されている。」と言った。都教委や安倍首相に同じ質問をしたいものです。

●根津公子の都教委傍聴記(2016年9月8日)
英語教育にも「日本人の自覚と誇り」か!


■議案

議案は校長の任命と懲戒処分案件3件でいずれも非公開議題、公開議題は≪来年度高校入試実施要綱について≫と≪「東京都英語教育戦略会議」報告書について≫の報告のみ。懲戒処分は非公開報告事項としてもあった。公開議題に費やした時間はわずか35分。 以下、

≪「東京都英語教育戦略会議」報告書について≫報告します。
★…英語力を高めることには反対しないけれど、これまでも言ってきたように、「ノンエリート」高校の学校予算を削って「エリート」高校生の留学費用に充てるなどの不公平性、「日本人の自覚と誇り」の押し付け、ボランティア活動を義務付ける2020東京オリンピック・パラリンピック「おもてなしプロジェクト」は看過できない。「使える英語力」に格差及び「愛国心」を持ってくるな、と言いたい。

★エリート都立高校生を海外留学させる「次世代リーダー育成道場」(2012~)、国際高校の国際バカロレア認定校(2015)、英語教育重点校及び同推進校の指定(2014~)等と並行して、今年度からは、都が作成した英語教材「Welcome to Tokyo」及びDVDを小学校5・6年生、中学生、高校生に配布し、英語教育及び「日本人としての自覚や誇り」育成に都教委は莫大な金を投じている。これらの取り組みは、私が定例会を傍聴するようになった2011年からかなり頻繁に報告されてきたことだ。

★グローバル化が進む国際社会において世界における日本の力を高め、国際協調を進めるために英語によるコミュニケーション能力が必要とされることから行ってきたこれらの取り組みだが、現在の英語教育の課題及び改善の方向性・具体的方策について提言を行うために2013年、都教委は「東京都英語教育戦略会議」を設置したという。政府の「グローバル人材育成戦略」(2012.6)、文科省の「グローバル化に対応した英語教育改革推進計画新実施計画」(2013.12)、都教委の「都立高校推進計画新実施計画」(2014.2)「東京都教育ビジョン」(2014.4)に基づくという。

★同会議は、「使える英語力」の育成のための英語授業の改善、小学校英語教科化を見据えた、教員の指導力・英語力の向上が今後の大きな課題といい、24の提言をしたとの報告だった。その報告書(「グローバル社会を切り拓く人材の育成に向けて」)が配布された。

★「小学校教員採用で英語科教員の採用をしっかりやってほしい。JICAの研修生を動かすべき」(木村教育委員)との意見は出されても、これまでの取り組みや提言についての疑問や反対意見はない。都教委はどこまで子どもたちと教員を振り回すのか。子どもたちは都教委のいいようにいじくりまわされている。

2016年9月8日木曜日

コリン・キャパニック選手(28)は「アメリカ国歌」起立斉唱を拒んだ

アメリカンフットボールのコリン・キャパニック選手(28)が8月26日に行われたプレシーズンマッチで試合前の国歌斉唱でベンチに座ったまま立ち上がらず、起立を拒否しました。
このことに対し、一方では多くの批判が出ているようですが、他方では彼を支持する声も多数出ているようです。

これについて、詳しくは以下をご覧ください。渡部さんの報告です。

<「選手生命を絶たれてもいい」 米アメフト選手が国歌を歌わなかった理由が深い>
spotlight-media.jp/article/322174672729394863
<クオーターバック、コリン・キャパニック選手が国歌斉唱で起立しなかったのは、人種差別を是正しない国に誇りは持てない、という抗議の表明だった。>



















この中では、意外にも米軍人たちが彼を支持し、「Twitterでハッシュタグ「#キャパニックを支持する軍人たち(#VeteransForKaepernick)」を作ったマーカス・ニューサムさんは2000~2011年までの11年間、陸軍で従軍していた元軍人の方です。
キャパニック選手の行動が「国の為に命を懸けるアメリカ軍の人たちに対して失礼だ」という批判的な意見に対して抗議をしたかったためハッシュタグは作られました、という事も紹介されており、「賛同する軍人であふれかえった」ということです。

また、彼 コリン・キャパニック選手の所属するフォーティナイナーズは、「宗教や表現の自由をうたう米国の精神に基づき、個人が国歌演奏に参加するかしないか選択する権利を認める」と同選手の決断を尊重するとの声明を発表した。

NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)は声明で、演奏中に選手たちが起立することを奨励するが強制ではないと指摘した、ことも紹介されています。

さらに、米国憲法で「言動の自由」に関して規定されている条例も紹介されています。
 修正第1条
 (信教・言論・出版・集会の自由、請願権)
 合衆国議会は、国教を樹立、または宗教上の行為を自由に行なうことを禁止する法律、
 言論または報道の自由を制限する法律、ならびに、市民が平穏に集会しまた苦情の処理を求めて政府に対し請願する権利を侵害する法律を制定してはならない。


なお、大統領選に出ているトランプ氏は「他の国に行ってプレーしろ」とも言っていますが、彼(コリン・キャパニック選手)の2人の同僚もその後彼に共鳴し起立を拒否したようです。
※インターネットで検索するとたくさんの記事があります。

ところで、「ひのきみ全国ネット」<首都圏>では、今年1月30日、イギリス人のアレックス・マーシャルが書いた『共和か死か!~世界国歌の旅』(2015年)という本(「共和か死か!というのは、この本の最後に紹介されているパラグアイ国歌の題名です)
から日本部分を訳したパンフレット(頒価300円)を出しました。(渡部訳)
そこには、日本における「君が代」強制反対闘争が紹介されており、その中で、根津公子さんの闘いが詳しく紹介されていました。


そのアレックスから最近、根津さんへのインタビューの手配をしてくれたレイバーネットの松原さんに手紙が来ました。
その一部を以下に紹介します。


◆アレックスさんからの手紙

I don't know if you've heard, but in the USA right now, an Americanfootball player, Colin Kaepernick, is getting a lot of attention for refusing to stand for the US anthem in a similar way to Kimiko.
(あなたが聞いているかどうか知りませんが、アメリカで今、アメリカンフットボールのコリン・キャパニック選手が、公子と同じように、アメリカの国歌に起立することを拒んで、大きな注目を浴びています。)
He ismaking a protest about race relations in the US.
(彼はアメリカにおける人種関係で抗議しています。)
I am trying to write an article about anthem protests around the world to coincide with it and want to include Kimiko and the Japanese teachers stories in it.
(私は、世界中でそれと同時に起きている国歌への抗議について、公子や日本の教員たちの物語を含めて、論説を書こうとしています。)
However, I was wondering if you could help with two questions:
(しかし、私はあなたが二つの質問に助けてくれるか自問しています。)
1) What has happened to Kimiko lately? Has she been in court again?
(1)最近公子に何が起きていますか? 彼女は再び裁判で争っていますか?)
2) Has Kimiko heard of the Colin Kaepernick story and does she have any comment on it?
(2)公子は コリン・キャパニック選手のことを聞いていますか。そして、それについて何かコメントしていますか?)
Would you be able to help me with those questions? I realise you would have to contact Kimiko, but I'd be extremely grateful if you could.
(あなたは、これらの質問について手伝ってもらえませんか? あなたは、公子と連絡がとれると思います。それが出来れば大変うれしいです。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これに対し、根津さんは返事を書くと言っています。
アレックスがどのような論説を書いてくれるか楽しみです。
(なお、私たちが作ったパンフレットはアレックスに届いています。)

2016年9月5日月曜日

8/29 再発防止研修に抗議と大阪のMさんの都教委への抗議 

8/29田中さんの再発防止研修に抗議と激励の行動をしました。抗議行動が終わってから、大阪のMさんが都教委への抗議行動をしました。 渡部さんの報告です。

















★8月29日(月)、今年3月の卒業式で「君が代」処分(減給10分の1、1ヶ月)された田中聡史さん(石神井特別支援学校)への「再発防止研修」(3回目の所属校研修)が、またしても都の研修センターで行われました。(抗議・支援行動に約60名が参加)。
これについてはすでに近藤徹さんなどいくつかのメールで流れていますがので、簡単にします。

★抗議の中で、まず代理人の澤藤弁護士は、かなり力を入れて都教委を糾弾しました。
これについては、<澤藤統一郎 「憲法日記」 8月29日号> 
  <http://article9.jp/wordpress/?p=7400>
「 転向を強要してはならない。良心に鞭打ってはならない。『服務事故再発防止研修』強行に抗議する。」をご覧ください。

★つづいて、<被処分者の会>、<ひのきみ全国ネット>、<練馬教育問題交流会>、<河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会>から要請文が都教委職員に手渡されました。

★田中さんが研修所に入った後の集会では、今回も大阪から駆けつけてくれたMさんは次のように述べました。
 「警察(車道に2台の警察車両)までも動員して田中さんへの弾圧をしている。こんなやり方が法治国家で許されるのか。しかも授業を犠牲にしてやっている。こんなことがありうるのか。なぜ、田中さんだけ所属校でやらないのか。それで、7月に都教委に情報公開をかけた。8月25日にやっと公開されたが、何も理由がわからなかった。」

★研修終了後、出てきた田中さんは次のように述べました。
 「今回は、まとめとして<振り返りシート>を記入させられた。最後の方の設問は、内容を理解したか、今後どういうふうにするか、というようなことだった。明らかに、同じことの繰り返しであり、思想・良心の自由に踏み込むものだ。裁判所の決定(東京地裁、2004年7月)にあたかも挑戦しているかのようだ。教育委員会はこのような態度をとるべきではない。」

★ところで、その後、大阪から来たMさんの行動がありました。
大阪から来たMさんは、抗議集会終了後、参加者が帰った後に、情報公開で、所属校から研修センターへの変更理由が何も述べられていないことに対し、質問しようと研修センターに入ろうとしました。
しかし、職員2人がゲートの前に立ちはだかり入れさせません。雨もひどくなっていたので、せめて屋根のある所に行って話をしたいと言っても全く無視です。
そこで、Mさんはその場で都教委に電話をし、「こんなことが許されるのか、これから都教委に行く」と言い、都教委に向かうことになりました(渡部も同行)。
都教委に行く。

★都教委に行くと、文書課(1人)と情報教育課(2人)が対応しました。そして、研修センターの対応の酷さについて話すと、情報教育課のKさんが、センターに連絡を入れてくれ、「これからもう一度そちらに行きたいと言っている」と伝えてくれました。
しかし、研修センターからの返事がなかなか来なかったので、Mさんは、Kさんが連絡してくれたことに礼を言い、直接もう一度研修センターに行くことにしました。
研修センターに着くと、すでにゲートは空けられており、透明ドアの後ろに2人の職員が私たちを待っており、中に入れ、椅子と机のあるところに連れて行き、話をすることになりました。

★Mさんは、「先ほどの2人に謝ってほしい。雨の中ヤクザ以下に扱われた。集会が始まる前にも『情報公開の件で質問したい』と言っている。しかし、終了後来たら、全然対応しない。しかも雨が土砂降りの中。あんな対応があるか。人間扱いではない。」
それに対し2人の職員は「緊張した一連の流れの中だったので・・・」と答えたので、Mさんが「じゃ、今はどうなの。当然だったと言うのか。それで押し切るのか、それならそれでいいよ。」と言うと、一人が「ちょっとした雨除けのところで待ってもらうのが一般的・・・」と答えた。

★それで、Mさんは「私を通さなかった先ほどの2人の見解を聞きたい。自分は大阪から6月15日の再発防止研修抗議集会に始めて来た。一番わからなかったのは、校外学習があるのに、また変更願も出ているのに、それを無視し研修をやっていることだった。また、他の二人(高校勤務)は所属校で研修をやっているのに、なんでここでやるのかということだった。それで情報公開した、しかしその疑問は解けなかった。こんなことはどこで決めたのか。誰の責任でやったのか。資料には研修について、『やむをえないときには相談を』『校長が計画を作る』とも書いてある。支援学校の田中さんだけどうしてセンターでやるのか。差別ではないか。」と質問しました。すると、彼らは、「やむを得ない場合というのは、身内の不幸、台風などの自然災害・・・」「場所はどこでやってもいいことになっている」などと答えたので、Mさんは、「それは通らない。考えられないことだ。もっと真摯に対応すべきだ。今日は犯罪者以下の扱いをされた。聞く耳を持たなかった。
都教委は裁判所の決定も守らず、市民からの声にも耳を傾けずやっている。聞く耳をもって欲しい。こうやって会えたのもKさんのお陰だ。」ということで終わりました。

★結局、今回は、田中さんの所属校での再発防止研修が、どうして研修センターでの研修になったのか、その理由は分かりませんでした。
しかし、大阪のMさんの努力で、研修センターの職員二人と会って、ゲート前での職員の2人の振る舞いに対する抗議と田中さんのセンター研修への変更理由の質問を、直接行うことが出来たのではないかと思います。
Mさん。大阪から来ていただき、本当にありがとうございました。

2016年9月2日金曜日

都教委包囲ネットは秋~冬のビラまきを開始します。

東京では、これから4年間にわたり小・中・高校で行われる、「オリンピック教育」(年間35時間)を批判したビラまきをします。









8/29 憲法違反の再発防止研修に怒りの声―抗議行動の報告

◆憲法違反の再発防止研修に怒りの声―裁かれるべきは都教委だ!
(近藤徹さんの報告です。)

★8月29日、早朝より、3月卒業式で「君が代」斉唱時に起立せず処分されたTSさん(特別支援学校教員、東京「君が代」裁判第四次訴訟原告、人事委員会審理請求人)に対して「所属校研修」という名目でありながら都教職員研修センターに呼び出しての「服務事故再発防止研修」が行われました。
台風10号の影響で時折雨が降る中、早朝9時過ぎからの抗議・支援行動には被処分者の会の呼びかけに応えて、約60名の人が参加しました。被処分者イジメの再発防止研修に対して該当者と思いを一つにして、大きな怒りのシュプレヒコールと発言が会場前を圧しました。早朝からの行動に参加した皆さんに御礼申し上げます。

★今回の研修は、「所属校研修Ⅱ」(1回目・6月15日「地方公務員法及び適正な教育課程の実施」及び演習「振り返りシート」、2回目・7月15日「事例問題等の演習」、3回目・8月29日「研修内容の振り返り」 注:カッコ内はテーマ)の3回目でした。これまで「所属校研修」は、学校の授業など本人の勤務に配慮して、事前に該当者の希望を聞き日程を調整して、文字通り「所属校」で行われてきました。今年もTSさん以外の該当者(2名)に関しては、これまで通りの「所属校研修」でした。ところがTSさんい関しては、これまでのやり方を変更して、一方的に日時を指定し、「所属校研修」を「教職員研修センター」で行うことを本人の「要望書」を無視して強行したのでした。
まさにTSさんをターゲットにした威嚇・弾圧です。

◆「転向を強要してはならない。良心をむち打ってはならない。」



★弁護団から、「転向を強要してはならない。良心をむち打ってはならない。」と澤藤
弁護士が該当者TSさんの代理人弁護士として申し入れを行い、対応した研修センター総務課長に趣旨を都教育長(中井敬三氏)と都知事(小池百合子氏)に伝えるように要請しました。
申し入れ全文はブログ「澤藤藤一郎の憲法日誌」に出ています。
http://article9.jp/wordpress/

★続いて被処分者の会など4団体が抗議声明、要請書などを総務課長に渡しました。しかし、総務課長は、ただただ「本日の研修は予定通り実施します」と繰り返すのみで、まともに答えようとせず、参加者の怒りをかいました。「都民の声を聞く」と言いながら、全く聞かない教育委員会の姿勢を広く知らせて行かねばなりません。



◆「日の丸・君が代」強制は戦争への道―再発防止研修は「物言わぬ教師」作りの道



★再発防止研修抗議行動では、「『日の丸・君が代』強制は戦争への道」であることが語られました。再発防止研修は、従わない教員に「率先垂範」して「君が代」を歌うよう「転向」を強要するシステムであり、抵抗する教員を根絶やしにするために徹底的にイジめ、「見せしめ」にするもので、まさに「もの言わぬ教師」作りの道具です。

★最近、文部省や都教委は「アクティブ・ラーニング」なる言葉をよく用いますが、「日の丸・君が代」強制によって「積極的・活動的に学習する」(アクティブ・ラーニングする)生徒は決して育ちません。「日の丸・君が代」強制は、「お国ために命を投げ出す」子ども作りを狙ったもので、「子どもたちを再び戦場に送らない」決意を新たにする抗議行動となりました。





●TSさんに対する再発防止研修はこれで終わらず、9月以降に「センター研修」(2回目)が予定されています。期日が決まり次第、被処分者の会は、抗議・支援行動を呼びかけますので、参加してください。

8/25 都教委定例会 根津公子さんの都教委傍聴記

傍聴の前に、チラシ撒きをしました。



久しぶりに都教委定例会を傍聴しました。感じたのは、教育委員のイエスマンぶりです。
まあ、そういう人間を都知事が選ぶのだから当たり前といえばあたりまえなのですが。特に宮崎緑委員はひどかった。無意味なコメントを一言二言いって、月40数万円の手当がもらえるとは!(例会は月2回のみ)
東京の中野区では、90年代まで教育委員の準公選制が残っていましたが、そうした制度上のしくみがいかに大切なものか、あらためて感じました。




●根津公子の都教委傍聴記(2016年8月25日)
 オリンピック・パラリンピック教育にまたまた金を注ぎこむ
公開議題は、議案が ①来年度使用の高校教科書採択について ②第2期都教委いじめ問題対策委員会への諮問事項について。報告が ③オリンピック・パラリンピック学習ノートの作成・配布について。非公開議題には、いつもながら処分案件4件のほか、ここ連続していじめ問題の報告が上がっていた。公開議題はわずか30分で終了。山口教育委員の姿はなかった。

①来年度使用の高校教科書採択について
 小中学校は4年に一度教科書採択が行われるが、高校の教科書採択は毎年この時期に行われる。高校の教科書採択で2013年以来問題になっていたのが、実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」が「日の丸・君が代」について「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述したことに対し、都教委が「都教委の考え方と異なる」と各学校に「通知」し、選定を事実上禁止してきたことである。この記述は事実であるから、都教委は「間違い」とは言えず、しかし、都教委の好みだけで実教出版及び学校に圧力をかけてきたのだった。
 このうち、来年度使用の「高校日本A」がこの記述を削除した。都教委や大阪府教委の妨害による、会社存続の危機からの苦渋の決断だったのではないかと思う。したがって、都教委は「高校日本史A 新訂版」については「通知」は出さず、「高校日本史B」については引き続き「考えが異なる」として「通知」した(6月23日の定例会で決定)。
 今日は各学校が選定した教科書一覧が示され、教育委員によって採択がなされた。教育委員から意見はなく、形式的にことが進んだというところ。ちなみに、「高校日本史B」を選定した学校はゼロ、「高校日本史A 新訂版」を選定した学校は7校だった。この7校は3年間、この教科書を選定できなかったということなのだろう。

②第2期都教委いじめ問題対策委員会への諮問事項について
 第1期都教委いじめ問題対策委員会の最終答申が出たのが今年7月、その答申を踏まえて「いじめ総合対策 第2次」を策定し、来年度から各学校に取り組ませるとのことだが、「その取り組みの成果と課題を不断に検証、評価して、その改善を図っていくことが求められる」。そこで、第2期都教委いじめ問題対策委員会に諮問するのだという。取り組みの成果が少ないのは、答申や策定の視点が間違っているからなのだ。個々人の生徒に優劣をつけない社会や学校をつくる努力をしない限り、そのことを子どもたちに提示しない限り、いじめは解決しない。そこを見ようとしないで、「都教委はやっています」のポーズはやめてもらいたい。

③オリンピック・パラリンピック学習ノートの作成・配布について
 都教委は、多額の金を注ぎこんで「オリンピック・パラリンピック副読本」を小学校4年生から高校3年生までの全児童・生徒に、またDVD教材をすべての学校に3月末までに配った。そして、今年度4月から年間35時間のオリンピック・パラリンピック教育を各学校に課し、「愛国心」の刷り込みを、年間を通して不断に行っている。そこに今度は「学習ノート」を副読本と同じく、4年生以上の全児童・生徒に配布するのだという。この9月から2020年までの4年間、継続して使用し、子どもたち一人ひとりが、学習・体験したことや調べたことなどを記入し、オリジナルなノートをつくり上げる、と謳う。すでに印刷に回っているとのこと。これも、「都教委はやっています」の自己アピール以外の何物でもない。子どもや教員はまた、過重負担を強いられる。

 この報告に対し、遠藤教育委員だけが疑問を呈した。「4年生から高校3年生まで同じもの、高校生にとって子供だましのようなものを配るのか。配布を否定するのではないが、年齢によって関心も違う。高校3年生は2020年には大人だ」 今日の定例会で初めての意見らしい発言だった。しかし、事務方の答えは、「学年に応じて作り上げるノートはそれぞれ関心が違っても、それぞれが書き込める形式になっている」の一言で終わりオリンピック・パラリンピック教育にまたまた金を注ぎこむ
…都教委は、多額の金を注ぎこんで「オリンピック・パラリンピック副読本」を小学校4年生から高校3年生までの全児童・生徒に、またDVD教材をすべての学校に3月末までに配った。そして、今年度4月から年間35時間のオリンピック・パラリンピック教育を各学校に課し、「愛国心」の刷り込みを、年間を通して不断に行っている。そこに今度は「学習ノート」を副読本と同じく、4年生以上の全児童・生徒に配布するのだという。この9月から2020年までの4年間、継続して使用し、子どもたち一人ひとりが、学習・体験したことや調べたことなどを記入し、オリジナルなノートをつくり上げる、と謳う。…
全文
 ↓
http://www.labornetjp.org/news/2016/0825nezu

2016年7月29日金曜日

7/28 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

7月28日(木)の都教委傍聴記です。


 ▲傍聴前にビラを配布

民主主義のない学校で「いじめ対策」はできるのか?

 公開議題は議案が<来年度使用の都立中学校、特別支援学校小学部・中学部用教科書の採択について>、報告が<いじめ問題対策委員会答申について>。
他は非公開議題。5件の懲戒処分のほかに、<いじめ防止対策推進法28条に基づく調査について>が上がっていた。
<教科書採択について>は、小・中学校は4年に一度の採択で、4年間は同一の教科書を使うことが「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」によって定められている。採択は小学校が一昨年、中学校が昨年だったので、来年度は今年度と同じ教科書を使うことを確認した。

<いじめ問題対策委員会答申について>

都教委がいじめ問題対策委員会に、「いじめ総合対策」に示された取り組みの進捗状況の検証、評価、いじめの防止等の対策を一層推進するための方策について諮問したところ(2014年10月)、その最終答申が出たとのことで、資料が配布され、答申内容についての報告がなされた。
答申をもとに、今年10月頃の都教委定例会で「いじめ総合対策 第2次骨子」が、来年2月頃の定例会で「いじめ総合対策 第2次」を策定するとのこと。骨子には教員対象の研修プログラムと子ども対象の授業プログラムを示して、教員に研修を課し、来年度から「いじめ総合対策 第2次」を使って、全公立学校で取り組みを開始するという。

 答申に書かれた一つを挙げると――いじめの「未然防止・早期発見の取り組み」では、スクールカウンセラーによる全員面接を小5、中1、高1で実施。
「早期対応の取り組み」では、児童・生徒のトラブルや気になる様子の情報収集、実態把握、いじめ認知、対応。「重大事態への対処」では、いじめをきっかけとした欠席日数が30日を経過したら重大事態発生と捉え、組織として調査・対応する、とある。
 
「児童・保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときには、重大事態が発生したものとして報告・調査に当たる。」「『いじめ発見のためのアンケート』を年間3回以上実施する」「社会全体の力を結集し、いじめ問題に対峙する。地域、関連機関との連携」等々も。明記しなくても当然行うだろうということも文字にしている。

報告を受けての教育委員の発言は、「ポケモンゴーは夏休みに入ってからだから指導は難しいだろうが、教員に指導をしたか」とか、「いじめられたかいじめたかだけでなく、見て見ぬふりをしたかもアンケートで訊いてほしい」とか。

 木村教育委員の発言にはかなりの傍聴者がびっくり。「答申、よく行き届いている」と前置きして「(答申は)子どもの目線ではなく、指導する立場からの書き方だ。イギリスやオーストラリアの学校では、『あなたは民主主義社会の一員だよ。あなたが黙っていると何が起きるか』と問いかける。子どもの組織を作ったらいいのでは」と。

答申は確かに子どもの目線ではないし、木村教育委員が挙げたような子どもへの問いかけは適切な指導だと思う。しかし、である。職員会議での発言禁止や「日の丸・君が代」の強制など、都教委が学校の民主主義を奪い尽しておきながら、よくもこのようなことを言えるものだ。あきれ果てる。
 子どもがいじめを大人社会から学んでいることに思いを馳せ、弱肉強食、上意下達の大人社会を変革することが最も大事なことだという認識からの発言は、今日も皆無だった。また、膨大な事務量を押し付けて教員を忙しくさせ、放課後の教室でゆっくり子どもと過ごす時間を教員から奪っていることがいじめ発見を遅らせるのではないかという視点からの発言もなかった。子どもたちとの時間が確保できれば、アンケートに頼らずとも、子どもたちの様子は教員にわかるものだ。アンケート自体が密告を煽ることにつながりはしないか、とも私は杞憂する。

 非公開議題の≪いじめ防止対策推進法28条に基づく調査について≫は、重大事態のいじめが発生したことによる調査の報告のようだ。前回の続きか。

「傍聴で声を発した人」に対する新たな制裁措置」

前回の定例会で退出際に声を発した」として教育長から「退場命令」が出された傍聴者について、私はこれまでと同じ措置かと思い、(次回の傍聴は禁止され、それ以降の傍聴からは宣誓書を書かないと傍聴させてもらえない)と記したが、
今回、都教委は新たに次の告示を出した。
「次回」の1回ではなく、「次回から3回の傍聴は禁止」だという。
ヤジが飛ぶのは議事運営に問題があるからか?と教育委員・教育長は一切思わないのだろうか。自己の言動を疑り振り返ることは大切なこと、と私は思うのだけれど。

全文はレイバーネットを見てください。↓

http://www.labornetjp.org/news/2016/1469760793920staff01

7/14 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

7月14日に行われた都教委定例会についての根津公子の都教委傍聴記です。

■公開報告事項4点のうちから報告します。

●都立高校補欠募集の一層の活用・推進〔生徒の進路変更の希望に応え、再チャレンジを支援する仕組みの強化〕に向けて
 補欠募集について各学校の対応がバラバラなため、都民から様々な苦情が寄せられていることや、今年2月に出された不登校・中途退学対策検討委員会報告を受けて、「都立高等学校補欠募集の実施に関するガイドライン~中途退学防止のサポートネットの強化に向けて~」を策定するとともに、補欠募集要綱の一部改正を行い、それに基づく補欠募集を今年2学期より行うとの報告であった。
 新たに加えた理念は、「欠員を補充することだけでなく、高校入学後に、将来の目標が変わり他の高校で勉強したいなどの進路変更希望にも応えることで、中途退学を未然に防ぎ、教育の機会を確保すること」という。

根津コメント
都立高校の不登校3500人余、中途退学2700人余(2014年度)が生じることの原因がいまの学校の在り方、東京の教育の在り方にありはしないかと検証す
る視点が、教育委員には全くない。
都教委事務方、教育長と同じような考えを持ち、事務方の提案・報告を追認するだけの教育委員たちでは、不登校・中途退学が減ることも、補欠募集が「生徒の再チャレンジを支援する」ことにもならないだろう。本気で議論し解決したいのならば、都教委とは全く異なる教育感を持つ教育委員が必要なのだ。
 小学校入学時から子どもたちは差別選別教育の中に置かれ、学ぶ楽しさを奪われていく。また、自分の頭で考えるのではなく、指示に従うことを教え込まれ、それらによって自己の確立ができず、自己肯定感が育たない。日本の子どもたちの自己肯定感は世界的に見て非常に低い。その大きな原因は、学校教育にあると言っていい。都教委が教員を管理支配しないことが、不登校・中途退学についての一番の解決策であることは間違いない。
 私が教員であった時の体験でも、教員集団が校長や教育員会から管理支配されず、生徒たちを管理支配しない学校をつくったときには、生徒たちは皆、学校が大好きだった。生徒たちの手で学校生活をつくり、学校に生徒みんなの居場所があったからだ。そうした事実を都教委及び教育委員は知るべきなのだ。

■他に、「高校生元気アップスポーツ交流事業(地方創生事業)について」「東京オリンピック・パラリンピック教育フェスティバルの開催について」の報告があった。どちらも「2020年オリンピック・パラリンピックへの機運を高めることを目的としたオリンピック・パラリンピック教育。国威発揚、「愛国心」育成を意図した、生徒を使った“やらせ”だ。

■報告事項の議題に「『いじめ防止対策推進法』第30条1項に基づく報告について」というのが上がっていたが、この件は非公開議題とされた。そこで、この条文に当たってみたところ、『いじめ防止対策推進法』第30条1項は次のように記す。
 「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」には、「地方公共団体が設置する学校は、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。
 そして、同条2項及び3項で、「報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、調査を行うことができる。」「地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。」と記す。
 極めて重大ないじめの報告が議題になるということだ。

 非公開議題に移るところで傍聴者が退室させられるときに、傍聴者の一人が「○○小の子どもが殺されたのを知ってるか!」と声を上げた。この非公開議題と関連あるからのことばだったに違いない。しかし、教育長はその人に、「退場命令」(次回の傍聴は禁止され、それ以降の傍聴からは宣誓書を書かないと傍聴させてもらえない)を出した。どういう思いから声をあげたのかを、教育長たちが考えることはないのだろうな。

全文はレイバーネットを見てください。

http://www.labornetjp.org/news/2016/0714nezu

2016年7月27日水曜日

7/19 岸田さんのピアノ裁判 東京高裁で勝訴!

7月19日、岸田静枝さん(元小学校教員、音楽専科)の都人事委員会修正裁決・減給処分取消訴訟(東京高裁 平成27年(行コ)第395号懲戒処分取消等請求事件)の判決があり、岸田さんが勝訴しました(岸田さん、おめでとう!)。近藤さんからの報告です。

★東京高裁第7民事部(菊池洋一裁判長)は、一審東京地裁判決(2015年10月)を支持して、岸田さんのピアノ不伴奏による職務命令違反を理由とした処分について、「本件処分は・・・社会通念上著しく妥当を欠き、懲戒権者の裁量を逸脱したものとして違法」と判示し、東京都教育委員会による停職1ヶ月の原処分(2010年3月30日付)の都人事委員会による減給10分の1・1月への修正裁決(2013年2月7日付)を取り消しました。

★岸田さんは、過去4回(2004年5月戒告処分・不起立、2004年12月減給1月・再発防止研修を受講せず、2005年3月・減給6月・不起立、2005年12月戒告処分・再発防止研修でのゼッケン着用)の処分歴がありますが、過去の処分歴を理由とした今回の処分を「違法」として取り消したことになります。累積加重処分及び都教委に追随して最高裁判決が違法とした減給処分を出した都人事委員会裁決が断罪されたのです。

★岸田さんは、クリスチャンとして、職務命令が憲法19条思想良心の自由に反するのみならず、憲法20条の信教の自由にに反すると一貫して主張してきました。判決では、「制約される信教の自由の内容、制約の目的や必要性、制約の態様、程度等を総合して判断されるべき事柄」として原告らの主張を斥ける一方、一審にはなかった「内心における信教の自由は憲法19条の思想及び良心の自由の宗教的側面」という文章が加えられています。

★また、「1審原告の過去の非違行為は、いずれも、1審原告個人の信仰及び歴史観・世界観のために職務命令に違反したという点で共通しており、1審原告個人の信仰等に照らし、同様の職務命令の回数が増えればこれに伴って現実の支障や混乱の有無にかかわらず違反行為の回数だけは増えるという関係にあり、1審被告(注・都側)の主張は、これをそのような事情のない一般の非違行為と同列に論じる点で相当ではない」、「1審原告が本件不伴奏行為を反省していないとの一事をもって、本件処分に裁量権の行為を誤った違法がないということはできない」と都教委の主張を斥け、累積加重処分を断罪しています。

★全体として、一審判決よりも踏み込んだ判決になっており、都教委が2週間の期限内に最高裁に上告/上告受理申立をするのか注目されます。

7/21 都立高校KSさんの再発防止研修抗議と激励

再発防止研修の報告が近藤徹さんからありましたのでアップします。

7月19日及び21日、3月の卒業式で「君が代」斉唱時に起立せず処分されたYTさん(19日 都立O高校教員)、KSさん(21日 都立M高校)に対する都教職員研修センターでの「服務事故再発防止研修」(2回目のセンター研修)に抗議し、該当者を支援する行動が現地で行われました。この行動は、被処分者の会の呼び掛けによるもので、両日とも約40名が早朝から3時間にわたる行動に参加しました(21日は雨の中での行動となりました)。たった一人で研修の受講を強制された該当者(受講者)からも「シュプレヒコールが部屋まで聞こえ、心強かった」と支援・激励に対して感謝が寄せられています。

▼再発防止研修がいかに不当なものであるかを申し入れる平松弁護士






卒・入学式などで処分された教職員を対象とした再発防止研修は、2004年8月に始まり、毎年繰り返されて来ました。特に2012年以降質量共に強化された再発防止研修が、「違憲違法の可能性がある」とした裁判所の決定(2004年7月)を無視して、毎年毎回同じ内容で行われてきました。これは、まさしく、被処分者を「恫喝」し精神的・物理的圧迫を加える「イジメ」です。教職員をイジメる都教委に「イジメ」を語る資格はありません。違憲違法な研修を繰り返す都教委こそべきであり、裁かれるべきです。

受講者は研修室に缶詰にされ、都教委職員・校長ら5人取り囲まれ、「研修」を強要されるのです。にその内容は、用意された質問への応答、都教委の「模範解答」の指導、受講報告書作成、振り返りのチェック、研修部長指導・訓話などです。
「研修」の度に、①職務命令に従え、②「君が代」を率先垂範して歌うのは教職員の責務、が強調されます。

▼「研修」を終了して出てきたKSさん



このように都教委が、教員に授業をさせず、生徒の授業を受ける権利を侵害し、違憲・違法な研修を優先していることは教育条件の整備に責任を持つ教育委員会として断じて許されるものではなく、教育行政に対する都民の期待に背くものです。
私たちは、決して都教委の「懲罰・弾圧」に屈せず、生徒が主人公の学校を取り戻すため、「日の丸・君が代」強制を断じて許さず、「再発防止研修」強行に抗議し、不当処分撤回まで闘い抜きます

2016年7月26日火曜日

7/19 都立A高校のYさん再発防止研修

7月19日(火)、午前中、都立A高校のYさんに対する「再発防止研修」が水道橋研修センターで行われ、抗議・支援行動に約40名が集まりました。渡部さんの報告です。

●Yさんも、午前中は2時限の授業がありましたが、(またすぐ夏休みに入るというのに)、教育破壊の都教委は「授業より再発防止研修が大事」と、呼び出しているのです。

■澤藤弁護士の申し入れ



★こうしたことに対し、澤藤弁護士は門前に出てきた都教委役人に次のように抗議しました。
「都の教育行政は異常だ。国歌への敬意を強制、不起立者を処分し、再発防止研修を課しているが、そもそも「職務命令」が異常、処分が異常、研修も異常、それが当たり前とする感覚も異常だ。
 
★戦後教育の出発は、教育は国の支配から自由というものだった。個人の尊厳が国家に上回るというものだった。1947年の教育基本法は、国家の統制からの自由な民主教育を定めた。そうして子どもの人権を尊重、教師の教育の自由を尊重し、権力の介入を否定した。
しかし、国旗・国歌の強制はその介入の象徴だ。かつての都立高の式には国旗や国歌はなかった。
1989年の学習指導要領、1999年の「日の丸・君が代」法制化があったが、それでも強制はなかった。内心の自由を告知した。
 これを完全に抹殺したのが2003年の「10・23通達」だ。当時、極右の石原知事は、教育委員に米永、鳥海、横山らを据え、さらに不起立者に対する累積加重処分で弾圧してきた。
 
★再発防止研修の異常について言えば、Yさんは良心の命ずる所に従った。何を反省せよと言うのか。今、都知事選が行われている。平和・立憲主義で「平和都市東京」を目指して闘われている。明るい光が差し込む希望が出てきた。いずれ変わる時が来る。職員の皆さんも、都教委に忠誠を尽くすことを考え直してもらいたい。




●また、都教委の役人(今回は5~6名)たちが見守る前での集会では、次のような発言がなされました。

*<三次訴訟原告の方>

 自分たちは不起立で再雇用拒否された。しかし、研修を受けた際に、処分されたのは「セクハラや体罰と同じ」と言われた。しかし、セクハラや体罰で重い処分を受けた教員たちは合格している。

*<四次訴訟原告の方>

 再発防止研修を受けた人に、「どうでした」と聞くと、いつも「同じでした。設問も、用例も、判例も」と言う。つまり、同じ質問を繰り返し、思想転向を強要しているのだ。
これは、2004年の東京地裁決定、また最高裁判決(「間接的な制約」)をも超えている。
都教委では憲法違反がまかり通っている。

*<研修を終えたYさん>
すぐ職場に戻るため、発言はしませんでした。しかし、このような違憲・違法の研修に対し、毅然とした対応をとったようです



2016年7月20日水曜日

7/24 第6回「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会 大阪

下記の要領で全国学習交流集会があります。ご参加ください。 

第6回「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会
        ~たたかいを全国から大阪へ 大阪から全国へ~
 

 <主催> 集会名実行委員会
 <場所> エルおおさか5F大会議室
 <日時> 2016年7月24日(日)
      第Ⅰ部(10時半~12時) 各地の闘いの報告
      最高裁での減給・停職取り消しの勝利判決をかちとった東京をはじめ、
      千葉・神奈川・広島・福岡等からの報告
      
      第Ⅱ部(13時~)文化行事〔歌等〕(13時半~) パネルディスカッション     〔テーマ〕「戦争法廃止」とむすび、地域・学校から「日の丸・君が代」強制       に抗う
     〔パネラー〕永嶋靖久(「君が代」処分撤回弁護団)、
               芦間高校教員、同元保護者・生徒等
         今春の大阪弁護士会の「君が代」強制への人権救済勧告をかちとった
         生徒・保護者・教員の共同の取り組みを中心に、地域での活動も含め         て今後の闘いの方向を考えます。〕

      第Ⅲ部 大阪での「不起立」処分裁判、教科書不正採択や高槻市の常時掲揚         への抗議・撤回等の闘いの報告
      
      まとめと課題提起

      デモ(16:30~17:00) 大阪市役所まで
      <参加費>800円

2016年7月17日日曜日

至急!! 7/19と7/21の再発防止研修抗議・当該者支援行動に結集を!

 ■再発防止研修・田中聡史さんの場合

2016.3月の卒業式での「君が代」不起立で戒告処分された田中聡史さんの再発防止研修は、「所属校研修Ⅱ 2回目 事例問題等の演習」という名目で、所属校での授業をさせずに教職員研修センターに呼びつけての「服務事故再発防止研修」で、第2回は7月す日に行われました。「所属校研修Ⅱの3回目は8月29日に予定」されており、更にその後、「センター研修Ⅱ」(通称「まとめ研修」)が行われます。近藤徹さんからのお知らせです。
■YTさん、KSさんの再発防止研修は、「所属校研修Ⅱ」終了後の「センター研修Ⅱ(2回目)」(通称「まとめ研修」)です。なお、この両名の所属校研修は、田中さんとは異なり、文字通りそれぞれの所属校で行われました。

★YTさん(都立O高校)の場合
 7月19日(火) 都教職員研修センター前 
  8時20分 集合・行動開始
  8時35分 弁護団申し入れ
  8時50分 該当者(受講者)入場、激励行動
  11時(予定)研修終了後、該当者激励行動 

 
★KSさん(都立M高校)の場合
 7月21日(木) 都教職員研修センター前 
  8時20分 集合・行動開始
  8時35分 弁護団申し入れ
  8時50分 該当者(受講者)入場、激励行動
  11時(予定)研修終了後、該当者激励行動


■裁判の傍聴を!
★東京「再雇用拒否」第三次訴訟・控訴審第1回弁論
(東京高裁第5民事部。2011年再雇用拒否の損害賠償請求、原告3名)
 →地裁の不当判決に反撃して逆転勝訴に向けた闘いが始まりました。
 7月25日(月)
  13時傍聴希望者集合(傍聴抽選なし・先着順)
  13時30分開廷
  東京高裁511号
  報告集会:場所未定。追って連絡。

★東京「君が代」裁判第四次訴訟第11回口頭弁論
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 7月27日(水)
  10時30分傍聴希望者集合(傍聴抽選なし・先着順)   
  11時開廷 
  東京地裁527号法廷(定員42名)
  報告集会:場所未定。追って連絡。
*毎回満席で入廷できない人が多くいます。早めにお出でください。

★東京「君が代」裁判第三次訴訟・第4回最高裁要請行動
*集めた署名を最高裁に提出し要請を行います。
 7月28日(木)
  13時45分 最高裁西門集合・時間厳守 
  14時~ 要請  要請者(予定):3名
 <行き方> 地下鉄永田町駅、半蔵門駅徒歩5分 最高裁南門から左手、国立劇場寄り

7/15 田中聡史さんの再発防止研修との闘い

●渡部さんの報告

 7月15日(金)、「君が代」不起立で減給10分の1、1か月処分の田中聡史さん(石神井特別支援学校)に対する再発防止研修が都の研修センターで行われた。センター前には研修抗議と田中さん支援の為に約50人が集まった。(わざわざ大阪や千葉からも抗議・支援に駆けつけてくれた方がいた。)
★田中さんが研修センターに入る前、代理人の澤藤弁護士は次のように語った。

 「所属校研修」と言いながらなぜ田中さんに限ってセンターに呼んでやるのか(他の該当者二人は所属校で行われている)。本人には大きな負担であり、懲罰的な研修だ。いじめ・嫌がらせの研修だ。心理的負担で圧力をかけ、攻撃し、思想良心の自由を投げ出すように仕向けている。
 また、子どもの教育権を侵害すしている。受講を拒否しているわけでもない田中さんは
 授業に差し支えないように申し出ている。しかし、都教委はこれを全く無視して(授業があるのに)呼び出している。子どもの教育の事を一顧だにしない教育行政とは何か。まじめな教員が不真面目な教委にいじめられている。
 アベコベの図式だ。「授業していたのに処分」された福嶋さん(裁判で福嶋さんが勝訴)
 と同じあやまりが、再び繰り返されている。
 2004年の東京地裁決定では、「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があると言わなければならない」
と述べている。再発防止研修はこれらにみんな反している。都教委に警告せざるを得ない。

その後、「被処分者の会」、「ひのきみ全国ネット」、「練馬問題研究会」などからも申し入れがおこなわれ、さらに田中さんが研修センターに入った後もシュプレヒコールや集会が続けられた。

★研修終了後、出てきた田中さんは次のようなことを述べた。

 研修では、理科の授業で教科書を使わずに授業していることについて問うような事があった。しかし、同じ内容の繰り返しだ。2004年の決定に反している。このような違法性の高い研修はすべきではない。中止すべきだ。
 今年私は3年生の学年担任だ。最小の人数で教育活動をしている。本日の午前中も授業があり、心苦しかった。同僚に謝ってから研修に来た。こうしたことを都教委はやっている。不当な研修だ。最後にはいつものように「全体の奉仕者として今後もやっていく」と書いてきた。

★なお、「教育公務員特例法」<第四章 研修の機会第二十二条>には、
 「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる」と書いてある。都教委のやっていることは、これに照らしても違法であり、教育の破壊としか言いようがない。

●千葉の近さんから報告

 7月15日、「君が代」不起立教員への都教委「いじめ研修」抗議(激励)行動に参加のため水道橋の都教委研修センター前に出向きました。
到着すると、田中先生が研修センターに入るところで、“激励”に間に合いました。
4階で恫喝・脅迫・嫌がらせに耐えるT先生を支援する声を門前で上げ、その後、各地の報告など門前集会がつづきました。
わたしもチョッとだけマイクを握りました。
「今日は、良心を守るT先生の側に立つ良心としてここにきました。」とここに来た気持ちを話しました。その後「入り口に並ぶ都教委の皆さん、皆さんは教員・公務員として採用されたとき日本国憲法を守ると宣誓していますよね。そのあなたたちが、なぜ良心を踏みにじる側にいるのですか? 憲法を守る側に立つことができないのですか? わたしは、千葉県立高校の教員として38年間、憲法遵守義務を負う立場で生きてきました。
いま、その義務から解放されても、気持ちは変わりません。」と話しました。

帰りの電車のクーラーに耐えながら、
「昔(40年前)は都立学校といえば、自由で待遇もよくて全国の教員の憧れだったのに…」と考えたりしてました。今や、「全国の教員が同情する」都立学校の状態が都教委によって作り出されています。
教員の職場環境が悪いということは、生徒の教育環境が悪いということです。
いじめ研修を受けさせられた田中先生は、今日も授業があるというのにいじめ研修を強制するために授業を行わせずに研修センターに呼び出しています。子どもたちの教育を考えず、権力の徹底を強引にすすめる都教委は、安全を考えない原子力安全委員会と同じです。
東京都“非”教育委員会とでも名前を変えるべきでしょう。
門前に立つ都教委職員(多くは元教員でしょう)の精神にも悪影響です。千葉県教委のお役人の一人は生徒から「僕たちの学校を残して!」と追求され、精神のバランスを崩してしまいました。
都教委は田中先生の心を傷つけているだけでなく、都教委職員の精神にも頽廃を強制していることを忘れないでもらいたいです。
わたしは千葉県民ですが、東京の様子を見ているだけで、悲しくなります。
もし、わたしが東京の教員だったら処分され、いじめられ、クビになっていたかもしれません。現在、千葉県も東京化してきて学校・教員・授業・教室は萎縮しています。
結果、教室はDV空間となって教育が失われていきます。誰も得しません。そういうことを防ぐのが、教育委員会のお仕事だったはずです。今では教育委員会が教育の破壊者となってしまっています。

●大阪から夜行バスで参加されたMさん
7月15日の田中聡史さんの再発防止研修に抗議する行動に参加しました。6月15日に続いて2度目の参加です。今回も、雨の中50人が駆けつけ熱気に溢れていました。
  一つ疑問があります。「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があるといわなければならない」との2004年7月23日の司法判断を踏まえ、何らかの法的措置で都教委を追い込むことは出来ないのでしょうか。

2016年7月2日土曜日

お知らせ 7/17  河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会の総会と講演会

■  河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会の「2016年度総会&講演会の集い」

日時 2016年7月17日(日)13時15分開始
    13:15 総会('15年度活動・決算報告 '16年度方針・予算案)
    14:00 講演 池田浩士さん
場所 スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎4F)たんぽぽ舎4階 (JR水道橋駅より徒歩7分)
    千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4F たんぽぽ舎 TEL03-3238-9035 

    地図→http://vpress.la.coocan.jp/tanpopotizu.html
参加費 500円
講演 「学校という戦場ー『日の丸・君が代』『勤労奉仕』の歴史を振り返りながら」
講師 池田浩士さん


◇池田浩士さんから
 日本の敗戦後、多くの教育者たちが「二度と教え子を戦場に送ってはならない」という固い決意で学校教育に携わってきました。けれども、こんにち、「戦後民主主義の時代」は遠い過去となり、憲法蹂躙が重ねられてきた末に、政府が「平和安全法制」と呼ぶ戦争法規によって、私たちはつに、日本という国家が戦争をする時代に足を踏み入れてしまいました。
 教え子を戦場に送ることも、もはや遠い未来のことではないでしょう。

 けれども、この「戦場」を、文字通りの戦地、戦争の前線としてだけ思い描くとすれば、私たちは「戦争」のイメージを誤って抱くことになるのではないでしょうか。戦争は必ず「前線」と「銃後」との両方で戦われるからです。「学校」は、まず何よりもその「銃後」の戦いで大きな役割を果たしす。そしてその戦いは、まだ「前線」が存在しない時から、つまり戦争が始まる前から、いわば銃後の戦場として、戦いを始めるのです。

 「日の丸・君が代」を通した天皇制愛国教育や、「道徳」の教科化は、少なからぬ人びとが危惧し警鐘を鳴らしてきたように、銃後の教育の重要な実践です。そしてさらには「ボランティア活動」さえもが、じつはこれと無関係ではないことを、過去の歴史が物語っています。戦争教育は、「平和」や「社会貢献」の顔つきをしていました。
 戦前・戦中の学校教育の中で、学校は「銃後の戦場」としてどのような役割を果たしたのか?――これを具体的に振り返りながら、いま私たちが立っている地点を改めて見つめなおしてみたいと思います。

★ 最高裁「都の上告棄却」決定のうれしい知らせ後、初めての総会です。

 もう一度学校における「日の丸・君が代」について、本質的なところから考えたいと池田浩士さんに講演をお願いしました。14時から講演の予定です。会員でない方もどうぞご参加ください。

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
〒185-0033 東京都国分寺市内藤2-38-3 田中コーポ105 多摩教組気付 
(緊急連絡先:根津090-3543-8743) Email sasaerukai-santama@nifty.com

6/19 根津さん河原井さんの最高裁判決 裁判勝利の報告会について

6月19日(日)、根津さん河原井さん最高裁判決勝利集会がありました。

①佐々木有美さんがすぐレイバーネットにその報告を載せてくださいました。
ご覧ください。
http://www.labornetjp.org/news/2016/0619nezu







「自分の考えをつらぬくことを学んだ」~根津さんの教え子も勝訴を祝福 佐々木有美

「まさか生きている間に、こんな勝利判決が確定するとは思っていなかった」と根津公子さんは声をはずませた。5月末日最高裁は都の上告を棄却した。これで、「君が代」不起立に対する根津さん6カ月、河原井純子さん3カ月の停職処分取り消し、都にそれぞれ10万円の損害賠償を命じた高裁判決(須藤典明裁判長)が確定した。根津さんの数ある裁判の中でこの勝利判決は初めてのことだった。6月19日、裁判勝利報告集会が中野商工会館で開かれ、約60名が参加した。主催は、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会。

以下略。レイバーネットをご覧ください。

②近藤順一さんがコメントを寄せてくださいました。

★報告集会に参加して、いろいろ考えることが多かったです。
まず、停職裁判の一定の前進に乾杯。原告・弁護士の方々に敬意を表します。「一定の」というのは、この停職裁判を梃子に憲法判断、「10.23通達」職務命令、全処分・再防は違憲を勝ち取ることこそ目標です。今回の最高裁決定(須藤判決)は違憲の可能性ありとして限りなく接近しています。
★岩井報告には示唆が多かった。
まず、一つひとつの闘い・判決の影響です。特に最高裁の判決は、上告人に対して直接には下されるものですが、憲法・法律の及ぶ国民に基準を示すもののようです。
(同時に日本の人権状況などを国際的に示すものでしょう。)岩井報告がピアノ判決の藤田反対意見を取り上げたことは重要です。

★ピアノ判決は、その後の闘い、特に最高裁判決にマイナスの影響を及ぼしたと言われてきました。確かに「間接的制約」さえ認めていないこの判決は第1波【2011】第2波【2012】第3波【2013】の最高裁判決に多大な制約を持っています。今回の停6取消の決定でも都側の違憲を最後に止めています。しかし、ピアノ裁判と判決は、「10.23通達」に先行する闘いとしてその先進性を持っていると思います。1999年の決起とその後の闘いは、「音楽教師」なので“当然伴奏”として「間接的制約」さえ認めなかったのですは、その裏面ではそれゆえ「教育の自由」そのものを侵害し音楽教員としての尊厳(教育する者として・思想良心、信教の自由を発揮する者として)を深く傷つけられたのです。藤田意見書は、そのことを言っていると私も思います。我々は、我田引水ではなく、判決、意見の本質をとらえる必要があります。

★これまでの「10.23通達」関連の最高裁の対応は、すべて法廷に呼び出して判決を下してきました。私のようなたった一人の上告人に対してもです。今回、決定通告によって対応したことはどういうことでしょうか。一つには、都側へのダメージを緩和することがあるかもしれません。そして、その先、これまでの最高裁が集中判決を下してきたことから、3次訴訟、2次再雇用の最高裁対応も近いかもしれません。
最高裁がこれまでの憲法判断を切り替えるとすれば、どんなことでしょうか。それは岩井弁護士も示唆したように、児童・生徒・保護者の教育権の侵害でしょう。職務命令に従うことは教育公務員の法的義務としても、そのことによって、児童・生徒の多様な思考に制限を加え、結局保護者、国民の思考の自由を侵害となるのだという方面から違憲の方向を出すかもしれません。つまり、教員は秩序、公益を維持することは当然だが、国民への自由制約はNOとすれば、国家の痛手は最小限に止められるという論理です。
 今、処分は、以前のようなステップ型ではなく、フラット型となっています。都側は、このフラットの間に、「過去の処分歴等」をやらかすのを待っています。今回のセンター呼び出しも、そのひっかけでしょうか。

★最後に、私の確定判決「悪質度合いが大きい」も、大いに悪影響を与え、減給以上を是認する根拠に導いていること、痛恨の極みです。