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2014年4月22日火曜日

4/20 「許すな!『日の丸・君が代』強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 4・20全国集会」開催

 

■4月20日(日)、東京・日比谷図書文化館で、159名の参加者して全国集会が開かれた。渡部さんからの報告です。  (下記写真はレイバーネットから)

  Image1レイバー

◆最初に、高橋哲哉さん(東大教授)の講演
『安倍政権は憲法と教育をどう変えようとしているのか』

②髙橋哲哉さんの講演

★かつて2003年から2006年にかけて、特に第一次安倍内閣の時に、教育基本法改悪反対の闘いをみなさんとともに闘った。しかし、改悪を許す結果となり、その後現場では圧力がかかるようになった。もう一度、この流れを止め、戦後教育が目指した民主的・平和的教育を取り戻さなければならない。ところが、最低最悪の安倍政権の下、ますます厳しい闘いを強いられている。

★しかし、戦後教育の理想を信じて絶望せずに闘っている仲間がいる。同僚、組合、市民社会のサポートもあるが、孤立感があるかもしれない。しかし、全国には闘っている仲間がいる。ネットワークで連帯し、安倍政権を退陣に追い込み、現憲法の最良の実現、再建をしなければならない。

★安倍政権の改憲の意図は改正草案で示されている。それは「戦争ができる国」にするためだ。そのため9条を変え、「国防軍」の保持や「集団自衛権容認」を考えている。
しかし、反発が強いので、96条改正案を出した。また解釈改憲では、「限定容認」と言っている。ただし、これは重要な変更になる。なぜならこれを突破口にして、いくらでも解釈改憲が可能となるからだ。

★安倍政権は国の基本を変えようとしている。「戦争ができる国」にするためには、国民の意識改革が必要だ。現憲法では、「人類普遍の原理」が基本になっている。改憲案では、「天皇を戴く国家」が基本となっている。これは「人類普遍の原理」の否定である。
 その結果、国民より先に「天皇を戴く国家」があるようになる。教育では現場より先に国家権力であり、上からのものに従えとなる。「国民主権」は(人類ではなく)「国民」という限定的なものであるが、さらにその「国民」以前に「国家」、しかも「天皇を戴く国家」ということになる。そうして天皇は「元首」化され、「国旗・国歌」の尊重義務を教職員だけではなく国民全てに要求することになる。
 「君が代」が国歌であることは憲法違反である。「君」は天皇であり、その世が永く続くという歌だからだ。しかし、この間、その「君が代」の起立斉唱を強制してきた。

このように普遍的原理が変えられてしまう。権利の意味も変わる。自民党は「天賦人権説は採用しない」と言っている。これは帝国憲法への先祖返りだ。人権は「天皇を戴く国家」の枠内に制約される。

★教育再生もすべてそこに行き着く。自民党の「教育再生実行本部」の資料などを見ると、「自虐史観」という言葉が目に付く。「教科書改革実行プラン」では政府見解を書き込むように述べている。これでは「国定教科書」になる。また、「近隣諸国条項」の見直しも述べられている。戦前戦中の他国に対する多大な損害・犠牲を与えたことを否定しようとしている。
こうした動きに多数の国から批判・懸念が表明されている。靖国参拝に対しても。こうしたことは国際的に通用しないことだ。

★「道徳教育」の教科化について。
『心のノート』の1・5倍もある『私たちの道徳』という教科書が作られている。天皇も再び入ってくることになろう。それらを彼らは最終的に目指している。「天皇を戴く国家」の教育を立ち上げようとしている。これまで現場で進められてきた教育をことごとく崩すことによって、「天皇を戴く国家」にしようとしている。

★「君が代」不起立への処分による脅迫が強まっている。石原は、自分は国歌を歌わないと言った。これは権力者の究極の無責任だ。要するに、権力者である自分に従えということだ。安倍は「天皇陛下万歳」に唱和した。こうしたことは結局、教育破壊に通じる。

★「日の丸・君が代」強制は、教育の破壊、民主主義の破壊だ。上から有無を言わさず、ある特定のイデオロギーを押し付けるものだ。自分の頭で考えるやり方を破壊するもので、日本の教育、国を破壊するものだ。民主主義は自分の頭で物を考えることが重要だ。
しかしこれを否定しようとしている。なんとしても、この流れを止め変えることが必要だ。ともに頑張りましょう。
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高橋さんは以上のように、安倍政権が考えている国家像と結びつけて「教育再生」の狙いを明らかにしてくれました。
それは「戦争ができる国」のための教育であり、「天皇を戴く国家」のための教育でした。2006年の教育基本法改悪から8年、日本の社会と教育はここまで来てしまったのです。

◆集会の様子
★しかしそうした情勢の中でも、強制・処分にも屈せず粘り強く闘っている仲間たちが今回の『4・20全国集会』に結集しました。
⑥東京の闘い

 集会では、<宮城><新潟><千葉><神奈川><愛知><兵庫><広島><福岡>からの報告に加え、とくに大きな闘いとなっている<東京>と<大阪>からの報告が行われました。

⑬根津さんから
⑦大阪の闘い-1

⑧大阪の闘い-2

▼大阪からの報告、
・「口元チェック」通知に対する撤回闘争の末、撤回させたこと
・「君が代」不起立2度目の累積(これまで「減給」)を「戒告」どまりにしたこと
・「君が代」不起立での「戒告」処分が取り消されたこと(教委の不手際で)
などの成果があった。
しかし、同時に、学校の「管理規則」の改悪により学校教育に対する完全な政治・行政支配が強まり、安倍「教育再生」の先取り実施があることも報告。

▼その後、「全国ネット」形成に向けての提起と討論、
「集会アピール」と「行動提起」などが行われ、次のような「まとめ」がなされました。
○攻撃は全面的であり、深刻である。
○全国の運動のネットワーク化を引き続き進める。
○具体的な闘いの現場に駆けつけよう。
○当面の安倍「教育再生」に対する闘いを発展させよう。
 ・4月21日(月)文科省交渉、都教委要請行動/ 諸団体の諸行動への参加など

◆大阪ネットの黒田さんより閉会挨拶
★安倍政権による「戦争する国」に向けての国家改造が進みつつある。「国民精神総動員」(1937年)のようなものであり、民主教育の解体である。まるで、キメラ(ギリシャ神話に出てくるライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ怪獣)が暴れまわっているようなものだ。

★本日159名が結集した。これはこれからの闘いの大きな一里塚になる。「戦争が廊下の奥にいる」と言った人がいる。今は「戦争が教室の前、安倍の後ろに立っている」と言える。かつて「国民学校」では「校長が大隊長で、以下、中、小隊長となっていた。

★今日、それでも大阪では三つほど成果(上に紹介)を勝ち取った。絶望からの連帯ではなく、希望からの連帯に支えられた運動でなければならない。
……人は後ろを向きながら前に進むともいう。多くの過去に学びながら、前に進もう。
今集会は、全国ネットの必要性を希望の連帯として確認した。