■都立高校の卒業式での正門前チラシ撒きの報告です。日時順ではありません。チラシ撒き報告から学校の様子、教育の現実が透けてみえます。チラシ撒きは有意義です。
<M高校>
朝から雨。7時30分頃から2人で、8時30分~3人で撒く。
生徒の受け取りはきわめて悪い。ただ、在校生?2人、通り過ぎた後戻ってきて「下さい」という。
教頭は「学校前の歩道は学校の敷地だから歩道ではビラを配るな」という。「一般に公開している私道を特定の人間に使用させないのはおかしい」と反論。
9時を少しすぎてから雨がひどくなり、ビラ撒きは9時30分頃、終わりにした。
<H高校>
8時頃到着。しばらくすると二人の男性教員が出てきて、「通行の邪魔になるから校門の真ん中ではやらないで下さい」と言って、なんとか端の方へ追いやろうとする。「撒くなとは言っていませんよ。端の方に寄ってくださいと言っているのです」と言う。
それで少し端の方に寄ると二人は立ち去り、一人が大きなゴミ入れを校門から少し離れたところに置いた。私は「生徒に読まれては困るんですか」と声をかけた。
しばらくすると、校長がやってきて「もう少し離れたところでやってもらいたい」と言って校門の中に入って行った。その後は出てこなかった。
チラシは比較的よく撒けた。ゴミ入れには20枚ほどのビラが入れてあった。
<N高校>
地域の人と3人で行いました。
①8時ちょっとして、私服刑事2名が監視にきました。撒きはじめて暫くすると、生活指導関係の教員がきて生徒が受け取ったビラを回収し始めました。その後4人体制にして校門を固めた。生徒から「せっかくいまもらったのに何でとるの」という声さえ聞こえてきた。そこで、私は、ビラ回収の教員に「強制をしてビラを回収する権限があるのか」と抗議した。すると「強制はしていない」「ゴミになるようならば預かろうと言ってるまでだ」との返事であった。私はさらに続けて、「一体どういう教育をしようと思っているのか。教育基本法を言ってみろ」と言ったら、向こうに去っていった。私服は私たちの写真を撮っていた。校門「警備」の教員は、この私服に近づき親しげに話していた。ビラをまく市民に対しては敵対的な態度なのに。教員が警察権力の手先になってどうするのだ?
②校門チェックで、学校の中に入れてもらえない女子生徒が3人ほどいた。スカートが短いが理由のようだ。1人の生徒は、卒業生のようでケイタイで「お母さん、入れてもらえない」と言っていた。とんでもない話だ。もう一人は在校生のようで、学校の近くの公園の入り口に2~30分くらい座っていたがいつの間にかいなくなっていた。あまりにも酷い状況だ。こういうことをやることが「教育」か。
<板橋高校>
板橋高校は、「10・23通達」の初年度に、卒業生の9割が着席し、来賓の退職教員が唯一刑事罰に科されて、当時マスコミにも取り上げられて話題になった学校です。
今年も、包囲ネット2名、地域と学校を結ぶ板橋の会2名の計4名で、2種類のチラシを配り、各々300枚ほど受け取ってもらいました。
かつては自由な校風で、卒業生の服装も思い思いの個性的なものでしたが、今は全員が制服のブレザーで茶髪もピアスも一人も見当たりません。卒業生と在校生を見分ける一つのポイントは、女子生徒のお化粧でしょうか。生徒の自由を制約する教員側に自由があるわけもなく、チラシを無視する先生も多い中で、こっそり「ご苦労様」と声を掛けて受け取ってくださった先生もいました。
卒業式の日には、去年までは正面玄関上方に「卒業おめでとう」の横断幕があったのですが、今年はその位置に「都立重点支援校指定」の横断幕が、おそらく常時掲載されているらしく、「卒業おめでとう」は正面ではなく脇の方に追いやられて掲げられていました。今の都立高は、意識が常に都教委の方を向いており、卒業式の日すらも生徒より都教委第一であることを象徴しているようでした。
朝方は冷たかった風も登校のピーク頃にはおさまり、早春の陽光は暖かくとてもよい日和になり、卒業生を祝うようでした。
<G高校>
3人で8時頃より始める。受け取りはおおむね良好。
校長と名乗る人物が高飛車に「生徒に渡すな」「校門前で撒くな」「事故が起こったら私の責任になる」という趣旨のことをいう。「これまでもやっていて事故の心配はありません」といっても同じことを繰り返して言う。
校門からちょっとだけずれて撒いているとそのうちに中に入っていった。程なくして「若い誠実そうなお巡りさん」が自転車で来て、「ビラまきで迷惑しているのでやめさせてくれ」という電話があったのでやめてもらえませんか」という。「違法行為はしていないし、特に誰かに迷惑をかけてるとは思いません」と軽くやりとりをした後、お巡りさんは校門のところに自転車を止めこちらを観察。10時に終わり、帰り際にお巡りさんに「卒業式での日の丸君が代が問題になっているのはご存じですね」というとうなずく。「最高裁判決で『関係者が真摯に話し合え』といっているのに向こうは話し合おうとしないのでビラを配っています」というと納得した様子。