■3月6日(木)杉浦さんの裁判の判決がありました。全面勝訴です。近藤徹さんの報告をアップします。
◆杉浦さん再任用更新拒否訴訟・地裁判決 全面勝訴!
―都側の不合格理由を全て斥け、都教委を断罪!
●合計70万円の損害賠償を命じる
昨日3月6日、杉浦孝雄さん(元都立杉並工業高校)の再任用更新拒否訴訟で東京地
裁(民事19部 古久保正人裁判長)は、「裁量権の逸脱・濫用」を認定して、本人
が希望した再任用を不合格として、非常勤教員を合格としたことの「逸失利益」50
万円及び精神的苦痛に対する慰謝料20万円、計70万円の損害賠償を被告東京都に
命じました。
●都側の不合格理由を全て斥け、都教委を断罪!
判決は、争点「本件再任用不合格に国賠法上の違法性があるか」について事実をきめ
細かく認定して、都側の不合格理由が細川校長(当時)の判断に依拠したものであ
り、細川校長が「現任校に配置できない」とした理由①~⑥を検討した上で、都側/
細川校長の不合格理由を全て斥け、「著しく合理性、社会的相当性を欠く理由による
場合には、これに基づく不合格の判断は、裁量権の逸脱、濫用があったと言うべきで
ある」として、(1)逸失利益50万円、(2)慰謝料20万円の支払いを命じたの
です。特に精神的苦痛に対する慰謝料を認めることは滅多になく「快挙」です。
判決文での不合格理由の検討では、都側が不合格理由とした、杉浦さんの教育活動、
職員会議での発言、分会役員としての校長交渉での事実、などを全て検討し、「校長
の学校運営を阻害したとは言えない」「職務に意欲を持って取り組み、意欲的に生徒
を指導している」としました。
職員会議での挙手裁決を禁止する都教委の「学校運営適正化通知」(2006年4月
13日)により職員会議が上意下達の機関と化する中で、杉浦さんの職員会議発言、
校長交渉での発言を「学校運営を阻害したとは言えない」とした点は大きな意義があ
り、教職員を励ますものです。
東京地裁古久保裁判長は、東京地裁民事19部裁判長就任直後(青野裁判長の後任)
の土肥元校長の非常勤教員採用拒否訴訟では、請求を棄却しましたが、2013年1
2月19日の「授業してたのに処分」事件では原告福嶋常光さんの訴えを全面的に認
め完全勝訴しています。