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2013年1月24日木曜日

1/17  重い懲戒処分や分限免職の発動をしないことを求める要請書

                                                  2012年12月21日

東京都教育委員会 教育長 比留間英人様

                                              都教委包囲・首都圏ネット

2012.3.8通知の「服務事故再発防止研修」強化で

「君が代」不起立教員に対し、重い懲戒処分や分限免職の発動をしないことを求める要請書

東京都教育委員会(以下、都教委という)は、2012年(平成24年)3月8日、最高裁1.16判決を援用し、  従来、都教委が「君が代」斉唱時に不起立・不伴奏を行った教職員に対して行ってきた「服務事故再発防止研修」(以下、再発防止研修ともいう)の実施時期・回数及び内容を変更する旨の「通知」を発出し、その「通知」に沿って今年の再発防止研修を強行した。

私たちは従来行われてきた再発防止研修も十分問題と考えるが、今年からの再発防止研修は、一層問題があると考える。

このような研修の強行は、「正しい教育」をしようとする教職員がその信念を放棄することを目的とし、また、これに従わず、不起立を繰り返した場合、都教委は「不起立行為の前後における態度等」を不良と見なして「戒告を超える重い処分」を「選択する」のではないか、さらには、「教員としての資質に欠ける」として分限免職処分を行うのではないか、と危惧する。少なくとも現時点では、その恫喝にほかならず、転向をより露骨かつ執拗に強要するものである。

「通知」は、東京地裁の「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があるといわなければならない」(2004年7月23日決定)、「自己の思想・信条に反することはできないと表明する者に対して、なおも職務命令や研修自体について、その見解を表明させ、自己の非を認めさせようとするなど、その内心に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであるならば、これは、教職員の水準の維持向上のために実施される研修の本質を逸脱するものとして、教職員の権利を不当に侵害するものと判断される余地はある」(2005年7月15日決定)との決定に抵触することを、都教委が知らないわけはないであろう。

さて、昨年度の入学式から連続3回の不起立が現認され、戒告処分を受け続けてきた田中聡史さん(板橋特別支援学校教諭)に対し、都教委が再発防止研修の結果を使って「反省がない」とし、「戒告を超える重い処分」や分限免職を強行するのではないかと、私たちは心配する。東京だけでなく全国の市民が心配し、注視している。

私たちは、都教委が田中さんに対し、重い懲戒処分や分限免職を発動しないよう要請する。

私たちは戒告処分も違憲・違法と考えるが、重い懲戒処分や分限免職処分は、この間の最高裁判決でさえ、認めていないことを都教委には認識してもらいたい。

要請

 1.「服務事故再発防止研修の実施について」(平成24年3月8日 教育庁通知)を撤回し、併せて「君が代」不起立・不伴奏被処分者に対する服務事故再発防止研修の一切を止めること

 2.来春の卒業式・入学式での「君が代」不起立に対して処分をしないこと。

とりわけ、処分の続く田中聡史さん(板橋特別支援学校)に対して、「戒告を超える重い処分」や分限免職処分をしないこと 

3.「君が代」不起立処分の元凶である10・23通達を白紙撤回すること       以上