都立高校卒業式 正門前ビラまきの報告(その5) 2018.3
■こ高校
「教育を考える多摩西部市民の会」として3名でまく。7時55分~9時50分。250枚くらいか。生徒の受け取りはよくないがそれでも卒業式、多少はよくなっている。保護者の受け取りも今ひとつではあるがそれでもこのくらいの枚数にはなる。
「校長の○○です」という人が何か言いそうだったので、こちらで「教育委員会からのことですよね。十分に注意して行います」といい、「よろしくお願いします」でおわり。
ここは線路沿いの通用門から生徒のほとんどが入る。反対側の正門は自動車で来た保護者が駐車場に車をあずけてくるぐらいでした。
正門に1名、通用門に2名の布陣でおこなう。通用門の掲示板には「卒業証書授与式」の紙が張ってある。ずっと奥の式場のところに「卒業式」の看板。校門の右に都旗、日の丸は校門から1mくらい入ったところの照明灯だろうか、の柱に長い金属ポールに付けたものをひもで結んでいる。風もなく、たれているので両方とも何かわかりにくい。
■さ高校
2人で撒く。7時45分~9時30分。190枚。
ここは以前も生徒だけでなく保護者も受け取りが悪く、2年前には70枚くらいだったが
今年は2名でもあり、このくらいは配布できた。
女子のほとんどは袴、男子はスーツが多いが紋付き袴も10名を超えるくらいはいたか。普通の高校では制服での卒業式がここ2年くらいの間に一気に進みこのような格好の卒業生は見られなくなったが、昔のナンバースクールだけは認められているようで1つの格付けになっているのでしょう。
校門脇の掲揚塔に旗が3つ風もなくぶら下がっている。卒業式の看板が見あたらないと思っていると奥の昇降口のところに「卒業証書授与式」の看板。
「副校長の○○です」という人が 敷地内で撒かないでくださいとしつこく言う。ここは
高校前の交差点から正門までの、どうみても歩道のところが高校の敷地なんだそうで、以前にもいわれたことがある。「常識の範囲内で行います」と応じるが「敷地からは出てください」を繰り返す。しばらくのやりとりの後、「別の措置をとることになりますが」と、「はい、分かりました」ととりあえず終わりました。気がつくともう一人の撒き手は交差点まで移動して配布している。私は逆側からくる人を中心に配布するようにしたら、車道に出ることが多くなり、結果として副校長の希望にそう感じになりました。幸いなことに車道は高校側はほとんど車が通らず(反対側はかなり車が通るのですが)助かりました。
副校長の隣にいた人、知っている人だよな、と考えていたら昔の同僚でした。その人が少ししてからきて、「ありがとうございます。申し訳ありません。」 こちらも「都教委からいわれていると大変ですね、このような配置の学校は他にないでしょうから大変でしょう」とお互いねぎらいあう。
■ し高校
東京・山谷日雇労働組合の組合員5人で行ないました。式は14時からなので、12時45分から開始。150枚くらい撒きました。
在校生・卒業生・親族の受け取りは9割くらい。「警備」の腕章をした教員が3~4人。妨害はなく、民間会社の駐車場の近くでビラをまいていたメンバーに、校長が、「校長の○○です」と寄ってきて「ここは民間の敷地なので、車の出入りに注意してください」というのみ。「警備」の腕章をした教員が一人、ビラまきメンバーの所に来て話しかけてきました。ボランティアでホームレス支援の炊き出しを手伝っている、と言ったその教員は、
山谷の現状とか聞いてきましたが、「日の丸・君が代」処分に対しては、自分の立場を明らかにせず、こちらのメンバーが「(不起立の教員を)見殺しにするの?」と聞いても、はっきりと答えず、ということでした。
都教委の締め付けの前に、良心的な教員でも口を閉ざすという状況に、怒りと同時に残念さも覚えました。
■す高校
2名で撒きました。この高校は、女子はほとんどが和服と袴で、男子も紋付き袴の生徒もいました。背広姿の卒業生もいました。保護者は母親は胸に大きなリボンをつけて、「卒業式 〇高校」の看板の前で写真撮影が人気でした。私も、シャッターを頼まれました。
だいたい、約300枚近くを撒くことができました。
有名な進学校で、ビラまきにもこれまで注意されることはなかったのですが、今回は中間管理職らしき人物が「ビラを撒かないでください」と言ってきた。ほとんど無視していたのですが、それから30分ほどした頃、校門内から大きな声で私の名前を呼んで、元同僚が出てきました。「後2年で終わりだ」といった世間話をして、「受付ですから、失礼します」と言って中に入っていきました。きっと学校の中で、ビラを撒いているのは誰だ、といった話しがされていたのだと思います。それで元同僚が確かめに出てきたのだと思います。この進学校の特徴は、毎年そうですが、何時になっても登校する卒業生が絶えないことです。
もう一人の撒き手からの報告。
保護者が「日の丸・君が代」強制するなというけれどオリンピックなどでは日の丸も君が代のあるでしょ。こちらが「オリンピックなどは嫌だと思う人は行かなければいいし、やらなければいいが卒業式で強制するのは選びようがないでしょ」というと、「ああそうですか」と言って、それ以上にはならなかった。
■せ高校
7時30分から9時20分。200枚撒いた。
校門前につくと校旗、日の丸、都の旗が校門横のポールに3本並んで立っていた。高さが気になるのか、何回も確認しながら設置していた(都教委から下町大空襲の犠牲者の慰霊のため、半旗にするようにとの指示が出ていたことを後で知った)。看板の文字は「卒業式」だった。
直ぐに管理職と覚しき人がとんで来て、「敷地内に入らないように、子どもたちにまかないように、事故に気をつけるように」と命令口調で言ってきたので、「生徒のみなさんに読んでほしくて来たのですよ。撒き方は心得ていますから」と言って、目の前で登校してきた生徒にビラを手渡した。しばらくするとまた出て来て、もう一人にも同じことを言うので、「わかってます。気をつけて撒きますから」と語気強く言ったら引っ込んだ。
8時頃になると何と10人もの教員が門のところに居並んだ。道路に反対側に立って威圧する風な人もいれば、気まずそうに立っている人もいた。8時半頃になると5人に減ったが、10人も居並んだのには驚いた。
自転車通学の生徒が半分以上いたが、遠くから声をかけると上手に受け取ってくれる生徒が多かった。おおよそ生徒100枚、教職員20枚、保護者80枚くらい手渡せたと思う。
■そ高校
7時25分から9時40分 ビラ200枚
校門に立てかけるように大きな日の丸、門柱の横に木の板に「卒業式」と書かれた看板がすでに設置されていた着くと直ぐに管理職らしい人が出てきて「早いですね」と声をかけてくる。「教職員のみなさんにも読んでほしくて早く来ました」と言うと、笑いながら「ご苦労様です」と返答。「敷地内に入らないで、自転車の子が多いので気をつけて」と申し訳なさそうに言って引っ込んだ。監視体制は一切なし。そういう状況の中で、通行人や卒業生の親類だという方といろいろ話ができた。
ここも自転車通学の生徒が半分以上という感じだったが、受け取りは良かった。生徒120枚、教職員30枚、保護者50枚くらいだったか。「君が代?」と声をかけ、にこっと笑って受け取った教員もいた。教員の若い層は表情が硬く、手を出さない人が多かった。
■た高校
8時前に正門前に着くと、すでに日の丸の据え付け作業が始まっていました。
すぐ後に地域の「9条の会」の方がきて、その方は「憲法って、何だろう?」と題した日弁連作成の小冊子を、私は包囲ネットのビラを撒きはじめました。(しばらくして、「9条の会」の方もう1名が加わりました。)
教師や生徒がちらほら登校してきます。
彼らが入っていく背後に目をやると、校舎に「学力向上推進校」の垂れ幕が掛かっているのに気づきました。また、正門の横に「体力気力鍛錬道場指定校」という大きな横断幕が取り付けられているのが目に付きました。
後者の意味がわからなかったので帰宅してから高校のホームページを見ると、校長名の「た高校11のお知らせ」という文書(昨年11月付け)の中に「生活指導」という項目があり、以下のように記載されていました。
*携帯・スマホ等は朝集め、放課後返却します
*アルバイト禁止です。・「体力気力鍛錬道場」指定校です。部活動全員加入です
*化粧・装身具・染髪は厳禁です
*制服・自転車指導を強化します
要するに、部活動に全員を加入させるというのが「体力気力鍛錬道場」の意味のようです。その是非はともかく、ネーミングのセンスに驚かされます(「気力」を「鍛錬」する「道場」って、なんなんでしょうか?)。
アルバイト禁止など他の事項についても疑問符が付くところでしょう。最近の都立高校ではこんなことがまかり通っているのかとビックリしました。
8時20分ぐらいになると、生徒たちが続々と登校してきました。
正門の前に2人の教員(生活指導担当でしょうか)が出てきて、「その髪じゃ(式場に)入れないよ」(茶髪の女子生徒がけっこういました)とか「化粧を落としなさい」(これはかなり多かったです)とか「ピアスを外しなさい」(男子もいました)とか(自転車の生徒に)「危ない!斜めに横断しないの」とか、間断なく声をかけていました。まさに上記の「お知らせ」を実践していたわけです。
しかし生徒たちはどこ吹く風という様子で、「(髪を黒くする)ヘアスプレー持ってきたから」などと答えながら入っていきます。
ビラについては、屈託なく受け取ってくれる生徒もいれば、無視して通り過ぎる生徒もいましたが、前者は圧倒的少数派でせいぜい2割ぐらいだったでしょうか。念のために書いておきますが、生徒たちのビラの受け取りを教師が規制することはありませんでした。
自転車で入っていく生徒も多く、1人ではいろいろな方向から門を入っていく生徒に対応しきれないこともあって、撒けたのは40枚ほどでした。
8時30分頃、「卒業証書授与式」の看板が取り付けられました。毎年思うのですが、なぜ「卒業式」と言えないのでしょうか。
9時近くになると生徒たちは減り、その少し前から保護者たちがやってくるようになりました。
ちょうど9時頃、正門前にいた教師の1人が「もう生徒は来ないので帰ってください」と言ってきました。もちろん「保護者にも撒きますので」と答えましたが、こんなことを言われたのは初めてでした。
そのすぐ後、今度は副校長らしき人が出てきて、例によって「敷地に入らないでください」などと言った後、口調は穏やかでしたが「ゴミが出るんですよね。どうするんですか?」と因縁を付けてきました。これも初めてのことで驚きましたが、視野の及ぶ限りでビラが捨てられた様子はなかったので、「この周りで気づいたら拾っておきます」と答えておきました。
そうこうしているうちに保護者も少なくなってきたので、9時半頃学校を後にしました。
■その他、報告が寄せられない学校もたくさんありました。
★葛飾区の高校には全日制、定時制全部。9校。
★多摩地区の学校
・α高校 140枚。
・β高校 60枚
・γ高校 100枚
上記の3校とも「卒業式」となっていた。卒業証書授与式ではなかった。前は、「卒業証書授与式でなければだめだ」といわれた。「卒業式」になってよかった。