3月2日から始まった都立高校の卒業式は3月22日で終わりました。
都教委包囲ネットは例年通り、卒業式当日、ビラまきをしました。
ビラを撒いた高校は(全、定)は例年同様、約60校で、その枚数は約1万5000枚でした。協力して下さったみなさん方ありがとうございました。
全体の傾向としては例年と大きく変わりませんが、以下のような傾向があったと思われます。
<管理職の対応>
比較的穏やかになってきているが、まだまだヒドイ対応もある。
<生徒>
ビラの受け取りについては学校によってばらつきがある。どちらかというと予備校化しつつある「進学校」の方が受け取りは良くなく、普通の学校の方が受け取りが良い。
<教職員>
管理が強まっているせいか、どちらかというと若い教職員の方が受け取りが良くない。生徒に撒かれるビラに関心を持たない教職員!?ってなんだ。そもそもそれがヘンではないのか
年配の教職員の方が受け取りが良い。なかには、歓迎してくれる教職員もいる。
<保護者>
ビラに「ご卒業おめでとうございます」と書いてあるせいか、比較的受け取りはよいが、が、やはり<生徒>と同様の傾向がある。
〇学校側(管理職)の対応として、大抵の学校では「生徒に渡さないで下さい」と言うが、ゴミ箱を置く所もある。学校側はなにを恐れて、生徒にビラを受け取らせたくないのか。
板橋高校ではそれを聞いた市民が「それでも教育者か!」と大変怒ったそうだ。当然です。
〇「政治教育」「主権者教育」が重要なんて言うが、また、「いろいろな意見を」などと言っているが、実際には、生徒たちから「いろいろな意見」を遠ざけ、生徒たちを「洗脳」していることを自ら示しているようなものだ。
以下、ビラまき報告を何回かに分けてアップします。
都立高校卒業式 正門前ビラ(チラシ)まきの報告 2018.3
■A高校
A高校は2人で8:00~9:50実施。120枚配布した。練馬教育問題交流会の2人の人も独自ビラを配布した。お互いに「別のバージョンです」と言いながら渡したが、10名程の人は受け取らなかった。受け取った人は殆どが二種類のビラを受け取ったことになる。
学校対応は「敷地内に入らないでください」と一言だけだった。
Hさんが明るくて「今日はよい天気で良かったですねー」と呼び掛けたりして、生徒・保護者共に文句を言う人もいなかった。
●「練馬教育問題交流会」の人からの報告
私たちの方は、途中一人が帰ったこともあってか、89枚でした。在校生、卒業生、保護者の順番できましたが、生徒の受け取りは3割程度、保護者は7割程度でした。自転車でビュッーは渡せません。校門の表示は「卒業式」、ここは掲揚塔に「日の丸」が掲げられているので、校門の「日の丸」はありません。
のんびりした雰囲気で、OBOGであると思われる兄弟姉妹がまとめてくるという情景もありました。
■B高校
8時前に正門前に着いた。男性が門扉に「日の丸」の旗を括り付けていた。9時45分には教員もいなくなったし保護者の足も途絶えたのチラシ撒きはやめた。一人で撒く。180枚。
生徒はまあまあの受け取り。自転車通学が多いので注意しながらやる。保護者はだいたい受け取った。「ご卒業おめでとうございます」の文字が目に入るので。「ありがとうございます」と言う人は多い。
今年の特徴は学校が何も言ってこなかったこと。教職員でチラシを受け取って「ありがとうごさいます」という人は数人。若い教職員は受けとらない。
■C高校
7時45分~9時45分。8時過ぎに、「日の丸」の設置を見にきた副校長が、「ビラを撒くのをやめてください」という。この人は9時過ぎに、同じことを言う。
チラシは生徒も保護者もだいたい取ってくれた。合計で270枚撒いた。但し、校舎の入口に段ボール箱が置いてあり、チラシを捨てさせる指導をしていたかもしれない。それでこちらは「先生、ビラを捨てさせる指導はやめてください」という。教員は「いらないという生徒のためだ」なんて意味のことを言った。以前は、この学校では門を入ってすぐ正面のところに段ボールを置いていた。
生徒たちはフレンドリーな感じだった。5~6人で集団ではしゃいでいる男子たちがいたが、そのうちの一人の母親がきたら、母親とも打ち解けて、みんなで写真を撮ったりしていた。女生徒たちは口紅をして華やかな感じの子が多かった。髪の毛については、一人の女生徒が茶髪だったが、先生に茶髪が強すぎると言われると、(そういわれるのを予想していた)生徒は、そばの公園で母親と一緒にスプレーで黒髪にした。本人も母親も先生もニコニコした感じだった。
卒業式チラシの「ご卒業おめでとうございます。」は差出だすとすぐわかり、卒業生も保護者も「ありがとうございます」と応じる人が多かった。卒業できてうれしいという気分があふれた感じだった。「プログラムですか」と聞いた人もいた。読んでくれるといいのだが…。
■D高校
この学校の宣伝文句は1900年創立、118年もの長い歴史をもつことと。2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が1958年から5年間定時制に勤務していたことです。生徒は卒業生も含め、ほとんど学生服の制服なので見分けやすい。半分以上が自転車通学。生徒は「読んでください」と声をかけると、8割くらい受け取ってくれました。
全体に素直で、自転車の生徒には渡せないものの、「お早うございます」と声をかけると半分くらい会釈してくれました。逆に保護者の受取があまりよくなく、半数くらいでした。
原則として、路上でビラは受け取らないという世相の反映だと思われます。
教師は通行人と見分けがつきにくく校門を入っていってから気づく例が多数でした。校門内で案内係をしている方が6人ほどいたので、「先生、1枚どうぞ」というと「どんな内容ですか」と問われ「ご卒業おめでとうございます。立たない、歌わない自由があります」というものですと返事すると、はっきり「いりません」と拒否されていました。
チーフ格のようにみえたのですが、ひょっとすると立場上、受け取れなかったのかもしれません。またビラを手にわざわざ話しかけてくれた生徒が1人いて「こういうビラは生徒には渡さないほうがよいと思います」というので「どうしてですか? 国旗国歌の起立斉唱のとき、強制だと勘違いしている人もいるかもしれないので、そんなことはないと知らせるビラなのですが・・・」と答えました。「もう時間がないので」と立ち去ろうとするので「話してくれてありがとう」と答えておきました。態度はていねいでまじめだったので、礼をいう価値がある生徒でした。ただこういう体験は初めてでした。
学校側からは、8時半ごろ副校長と名乗る方がビラを手に出て来て「生徒に撒くなとはいえませんが、生徒に影響が出ないよう配慮をお願いします」と一度言われただけでした。
「自転車の生徒には気をつけており、渡さないようにしています」と答えました。
朝8時5分から10時までで1人で172枚撒きました。自転車通学の生徒が多いことを考えると、かなりよい受取だったと思います。
■荒川工業高校
東京・山谷日雇労働組合の組合員4人で行ないました。7:40に到着。ビラ250枚は受け取りが良く、9:40ころには無くなりました。
先生の受け取り6割、在校生・卒業生・親族の受け取りは9割近くだったと思います。
先生の中には、「ビラまきありがとうございます」とわざわざ言いに来る先生がいました。
教頭は、「卒業式のじゃまになるのでまかないで下さい」「警察に通報します」という対応。通報を受けてパトカー1台と制服警官3名、私服1名が来ました。来ても、ビラまきをさせない理由も無いため、遠くから見ているしかないというものでした。
卒業式当日に、「日の丸・君が代」強制反対のビラまきに対して、当たり前のように警察に通報するとは。「これが都教委の作りたい教師なんだな」と皆思いました。
■F高校
7:30~9:25まで。職員10枚程度、そのうち若い人は3人ぐらい。50数枚撒く。
校長らしき人が「敷地内では撒かないで」と言いながらビラの内容について、「前のときもビラまきの人に言ったが、こんな難しい言葉で言ったって生徒でわかる者は少ないだろう。もっと易しい言葉にしろ」と言う。その教員の態度などから、要するにビラに難癖をつけているようで、決して好意的というものでない。
■日野台高校
7時55分~10時 248枚
到着してぽつぽつと登校してくる生徒に配布を始めると3人連続で受け取ってくれた。
さい先いいな、と思ったのだがその後はそれほどでもない。保護者の受け取りは悪い方だろう。でもやはり卒業式、このくらいの枚数にはなった。校門の看板は「卒業式」の簡素な文字。掲揚塔は3本同じ高さで3つの旗が風もなくぶら下がっている。
「副校長の○○です。」という人が出てきて「生徒に渡さないでください」「交通の妨害になるので離れてください」などのことを言い、生徒に渡そうとすると間に割り込もうとする。「生徒の知る権利を奪わないでください」「私の表現の自由をうばわないでください」などとこちらもいい、「政権批判が出来なくて主権者教育は出来ませんよね」
というと何かをもごもご言っていました。
一度は引っ込んだ副校長でしたがしばらくしてまた来て同様のことを言う。また、別の、小柄だががっちりした感じの年配の人が出てきて居丈高に大きな声で「生徒に渡さないように」「通行の妨害になる」などのことをしつこく言う。「貴方はどういう方ですか」には「学校関係者」とのみ応える。生徒に渡そうとすると「生徒に渡さないように」と大きな声で言う。すると受け取りそうな生徒の手がちぢんで受け取らない。結構生徒に影響力のある人のようです。
「警察に連絡しますよ」と言うので「その方が分かりやすいかもしれません」と応えると副校長に「警察に連絡してください」とあごで使うような言い方をしていました。
その人はしばらくいたものの(その間は生徒は受け取らず、渡せませんでした)いなくなると生徒の受け取りはそれなりによくなりました。さて、あの人は誰なのでしょうか。服装などは多少ラフな感じで・・再雇用の管理職経験者かな、あるいは事務系の偉い人かな、、。
忘れた頃にパトカーが一台通り過ぎてゆく。回りを回っているだけかなと思っていると
しばらくして警官2名がゆっくりと歩いてくる。「通行のじゃまになっているとの通報があったので」「学校からですか」「どこからかは分かりません」「私が法律に違反しているならはっきりとそれを言ってください。そうでないなら私は表現の自由を行使しているだけです」「法律と言うことではなく・・」「警察は法律に基づき仕事をするところでしょう」「苦情が来ていますので・・」「その苦情が妥当なものかどうか警察が判断してください」「判例についても弁護士さん数名から聞いています」などのやりとりを穏やかな口調で行う。警官は少し離れたところで数分間見ていたがそのうちにいなくなる。
9時45分頃に 見覚えのある顔、胸には議員バッジと日の丸のバッジ チラシを受け取ると少し丁寧に見ながら何も言わずに中に入ってゆく。都議の古賀でした。(校長、都教委に何か言うんだろうな)
チラシを受け取った後、返しに来た人が2名。私の差し出したチラシを受け取らずに5秒くらい凝視し「いりません」との人1名。「がんばってください」との励ましの言葉をかけてくださった方2名。
■H高校
7時30分到着 ~10時まで
「『日の丸・君が代』の強制に反対する大田・市民の会」2名と包囲ネット1名で配布。
南部法律事務所の弁護士1名が例年通りの立ち合ってまれた。
この高校の正門は駅方向とは反対側にあるため、生徒は主に駅方向に近い裏門から入ってくる。そのため撒き手は正門2名、裏門1名に分かれて配布を行った。8時の時点では、生徒はほぼ登校完了の様子。9時10分頃から保護者が三々五々やってきた。ビラの受け取りは良好で、クレームをしてくる保護者は見られない。パトカーが回ってきた以前とは大違いである。
9時20分頃、副校長が出て来て、生徒に配るな、敷地に入るな、交通の邪魔になるな、といつもの3点を指摘してすぐに引っ込んだ。在校生と思われる生徒のビラ受け取りは、例年通りあまりよくない。10時直前まで、細く曲がりくねった一方通行路の正門前に乗りつける保護者がいて、いつもながらに慌ただしい風景であった。10時にて終了、配布枚数は、204枚であった。全体的には、例年に比べ保護者の受け取りがよかったとの印象であった。
■I高校
午前8時~10時まで。東京都地域連合労働組合が撒く。到着するとすでに、校庭の三本のポールの真ん中に「日の丸」が掲げられていました。8時過ぎには、ぱらぱらと教員が出勤してきましたが、ビラの受け取りはあまりよくありません。
8時13分ころ、「卒業証書授与式会場」の看板を正門に掲げに来た3人の教員の一人が「敷地内には入らないように」といってきました。
8時半ころから9時前までが卒業生の登校のピークで、自転車で登校する生徒以外は大体受けとっていました。正門前にいた教員は、「自転車に乗っている生徒には、ビラを渡すと危険だから気をつけてください」などといっていました。
保護者はよくビラを受け取っていました。撒いたびらは、221枚でした。