都立高校卒業式 正門前ビラまきの報告(その2)2018.3
■野津田高校
2人で撒く。交通の便の悪い場所にあり、自転車通学の生徒も多く、ビラまきにはなかなか大変でたが、150枚以上のビラが撒けました。
①この学校でのビラまきは、2004年に2人が警察に逮捕されましたことがありました。校門前に広いバスロータリーがあり、このバスロータリーの奥の校門前でビラまきをしていて逮捕されました。このバスロータリーが学校の私有地だというので、不法侵入の不当な言いがかりでした。このために、バスロータリーの外でのビラまきになりました。このために、バスで登校する生徒には撒けないという不利な条件でした。
ビラまきをしていますと、生徒から回収したピンクのビラを持った教員が現れました。「どういう権利があって生徒のビラを回収しているのだ」「憲法を知っているのか」とせめますと、「憲法は守らなければならない。これは生徒の方から持ってきたのだ」と嘘ぶきました。「何を言っているのだ。生徒から無理に回収しているところを見ているのだぞ」というと、「勘違いだ」などと国会の安倍や麻生のような言い訳をしてきました。
私は「教育とは何かわかっているのか」「教育基本法を言ってみろ」、「我々の時代では教育基本法を暗唱しなければ教員になれなかった」といって、教育基本法(旧)の冒頭からスラスラ暗唱して、「教育は人格の完成を目指すものなのだぞ」といううと、「すみませんでした」といってかえってリ来ました。この教員はもう一人のKさんの方に行って、「えらい人が来るからな」と言ったようで、「偉い人は誰だ」と聞くと「管理職だ」と答えたようです。
③その「偉い人(?)」がKさんの方に行って、「警察に連絡をするから」と脅したようです。事実、いつの間にかロータリーの中に白い車が長く止まっていて動かない車がありました。警察なのかもしれません。
学校関係者がKさんの方に教えに来ました。都教委関係者が来て、「箱を置いて回収しろ」と言っていると。校門の中はロータリーの外側の私たちからは遠くて見えなかったのですが、都教委が来て学校にそのようなことを命じているならば大きな問題です。都教交渉で糾弾する必要があるように思います。
■K高校
この日は早朝から降雨で、しかも真冬並みの寒さでした。例年、地域の人たちが10人ほどで参加してくださっていたのですが、この日の寒さが過酷で参加者は4人でした。230枚程度が撒けました。毎年同校でビラまきをしていますが、これまで警察が来たり、校門で箱を置いたり、校長がいろいろ言ったりしてきましたが、今回は何もなくビラまきを終えました。長いビラまきの歴史の中でたどり着いた状況です。警察に撮影されたり、跡をつけられたこともありました。校門に教員が大きな箱を置いて回収していた時もありました。この時にはかなり激しく抗議をして箱を撤収させたこともありました。校長が必ず一言いいに来たのですが、今回は何も言わなかったです。学校側も寒くて出なかったこともあるかもしれませんが。
■L高校
7時45分に着く。8時頃に校旗と「日の丸」を出した。看板は「卒業式式場」。その後男性がきて、「なにを撒いてるのか」というのでビラを見せ、「毎年卒業式に撒いているビラです」というと、「ビラはまかないでください。正面なんかで撒かないで下さい。あんただって自分の家の前でビラを撒かれたら迷惑でしょう」という。私は「何言ってんですか。個人の家の前とは違うでしょう。」というと、それについては言わず、「正門前で撒かないでください。撒くのをやめてください」という。私は「校長さんですか。副校長さんですか」と聞くと「そんなこと言えません」と言った。その後、その人は大きなポリバケツを二つ玄関前に置いた。私は「そこにビラを入れさせるってんですか。そんなことすべきじゃないでしょう」と大声で言う(門のところから玄関までは距離がある)。
その後、ビラを受け取った生徒のところに、「警備」をしている教員が近づいて、生徒からビラをとりあげたようなので、私は「生徒のビラを取り上げて捨てるんですか。そんなことおかしいでしょう」というと、教員はビラを生徒に戻し、生徒はそのまま玄関に入って行った。卒業生は約130人くらいだそうだ。
生徒は自転車通学が多く、取る人取らない人のばらつきがある。また門が2ケ所だったが1ケ所でしかできなかった。若い教職員はビラを受け取らなかった、それに対して、被処分者のIさんの他にも、「ビラを撒いてくれてありがとうございます。本当は僕たちがやらないといけないのに」とまでいう教職員がいた。茶髪生徒が自分で持参したスプレーで先生に黒にしてもらっていた。
教員が生徒に対して、「校歌を歌えよ。大きな声で歌えよ」と言っていた。「国歌」とは言ったなかったと思う。
保護者はだいたい受け取った。撒き手が2人に増えたので、後半はほぼ撒くことができた。
門の前を通る人も、ビラを差し出すと割と受け取った。年配の女性はビラをみて、安倍内閣の批判をした。「でもなんてったって、国民が悪いんだよ。ああいう人を見抜けなくて。安倍の支持率が高いなんてどうなってるんだか」と言っていた。
■M高校
2人で撒く。8時~10時 350枚くらいか
校門には「卒業式」の簡素な文字。しばらくして職員が「日の丸」を横開きの校門の端に置く感じで立てかける。そのような構造になっているらしい。
ぽつぽつ来る生徒は良く受け取る。保護者も受け取る方だと思う。人なつこい感じの生徒が多い印象。以前はいわゆる突っ張り風の生徒が少なからず見かけられたが今年はそんなこともなく、校門に数名の教員はいるものの服装・身だしなみのチェックもなくそうする必要のある生徒も見られず。女子生徒3名、2名は卒業生と分かるが1名はスカートのしたにジャージのいわゆる埴輪ルック。さて、と思っていると校門前でジャージを脱ぐ。
少し驚きました。
以前はしつこく言う副校長がいたり、公安警察が数年に渡り近くにいたり、と言うこともあったが、今年はこれといった注意もなく 校門の教員も好意的な感じでした。年配の保護者?(生徒の祖父?)チラシを受け取り校門を入る頃紙を丸めつぶす音。この人くらいか。
■板橋高校
7:50~9:20
校舎改築中のため、これで3年連続正門から70m程離れた東門前でのチラシ配り。
小雨模様でしたが、何とか最後まで傘を差さずに撒ききることができました。2種類のチラシ配りのお手伝いをしました。
「学校と地域をむすぶ板橋の会」のちらしは、A5版折り畳みカラー印刷。「日の丸・君が代」を強制する教育はおかしい、一緒に考えましょうと声を掛けながら配っていました。去年は板橋区内の8つの都立高の卒業式で配ったそうです。
「いたばし九条の会」は、卒業式独自のチラシというわけではなく、日弁連作成の憲法絵本『憲法って、何だろう?』というA5版24pのパンフレットに、
(ダウンロード可能:https://www.nichibenren.or.jp/activity/human/constitution_issue/what.html)
自作の「一緒に守ろう!"平和憲法"」というリーフレットを折り込んだものを配っていました。しっかりした冊子なので、霧雨状態の中で配るには好都合でした。
総勢7人で配りました。大人(保護者・教職員)よりも、生徒の受け取りがよくないのが昨年からの傾向です。
9時前に一度副校長らしき黒い式服の男性が「敷地内に立ち入らないで」「生徒に配らないで」と言ってきましたが、それに対して、九条の会の年配の男性がものすごい剣幕で、
「なぜ生徒に配っちゃいけないんだ」「あんたはそれでも教育者か」などとくってかかったら、その気迫にたじたじとなって、すぐに消えて二度と現れませんでした。
■O高校
7時50分から、2人で撒く。卒業生も在校生も普段と同じ8時半登校らしく、その時間にほとんどの生徒が登校してきました。
雨も配っているうちにどんどんひどくなり、チラシもぬれて受け取りはあまりよくありませんでした。それでも「おはようございます」より「卒業おめでとうございます」に反応して受け取ってくれる生徒もいました。
教員は半分ぐらい受け取ってくれたでしょうか、「ご苦労さま」「生徒の受け取りはどうですか?」と声をかけてくれる人もちらほらでした。
行ったときは奥のポールに旗はなかったのですが、いつの間にか日の丸が揚がっていました。
いつもの副校長が、「いつもの方ですね、おわかりだと思いますが、危ないから自転車の子には渡さないように、敷地内には入らないでください。」と言ってチラシを1枚受け取っていきました。
8時40分ぐらいから生徒達の登校が途絶え、保護者はまだ姿を見せずだったので、
寒さと雨に負けて帰ってきました。たくさんチラシを持って行ったのですが、100枚弱しか撒けませんでした。
■P高校
7:40~9・40. ここは進学校です。特に女子生徒は華やかな和装で、校門前は記念写真撮りでにぎやかでした。しかし、ビラの受け取りはよくありませんでした。
しばらくして、副校長が出て来て、「車の通行が激しいので気を付けて下さい」と言うので「ハイ、気を付けます」と答えると、「生徒や保護者に何かあったら、しかるべき措置をとります」と言うので、「しかるべき措置って何ですか」と聞くと、それには答えず、中に入って行きましたので、後ろ姿に「都教委からそう言えと言われているのですか」と
声を掛けましたが、そのまま行ってしまいました。
ビラの受け取りは生徒・教職員・保護者とも余り良くなく、78枚だけでした。ただ、いつもビラを受け取ってくれる生徒は今日も受け取ってくれました。
■Q高校
8時に学校に着くも、卒業式は午後から駅そばのホールでやるとのこと。出直す。
11時~14時。2人で撒く。
12時きっちりに警察権力1人現れて隠しマイクで状況報告していましたがすぐ引き上げました。
配った枚数230枚。受取は、生徒が30%ぐらい、保護者が50%くらいかな。在校生の一人が話しかけてきて「君が代を歌わないのが犯罪なのですか?」とびっくりしていました。学校の先生に「君が代」不起立で処分された先生がいることなど全く知らないと言っていました。
サラリーマンような格好の今風の若い教師たちの姿がありましが、ビラなどになんの関心むもなくスイスイ動き回っているのにはびっくりしました。数人固まって昼飯から帰ってきた中で一人が「なんですか、それ」といって受けとっていきましたが、緊張感もなしで受け取っていきました。「日の丸・君が代」をめぐる緊張感というものすら知らない教師が増えているんだなと思いました。
■R高校
7時45分から一人でビラまき開始。主事さんが入学式の立て看板を設置。生徒、保護者が登校し始める。保護者の受け取りは良かった。生徒はほとんど受け取らない。驚いたのは卒業男子生徒が袴姿で来たこと。管理職が来て、この辺りは目の不自由な人が通るので、気をつけて撒いて下さいと声をかけてきた。
何でこんなに袴姿が多いのか聞くと、本校は制服が無いので多いとのこと。校門前で写真を撮る家族も多い。9時終了。約80枚。
■S高校
1人で撒く。受け取りがよくなく、70枚くらいになりました。雨は降らなかったのですが、影になった場所で寒くて辛かったです。生徒も保護者も受け取りが余りよくなく、受け取って返しに来る保護者もいました。
ビラまきをしていますと、60台くらいの男性が話しかけてきました。保護者だと思ってビラを渡していたのですが、住民だったようです。「思想良心の自由だと言いますが、みんなが立っている中で1人だけ座ることなど、私には絶えられませんね」と。私は「それが信念というものです」と。すると「法律で起立斉唱が決まったのではないですか」と誤解を述べてきました。そこで「国旗国歌法は、日の丸を国旗、君が代を国家と定めているだけで、強制をするものではありません」と。そうすると「ああ、そうなんだ」と応えたのですが、次にこういいました。「私の職場にも共産党の人がいましたが、優秀なのにいつまで経っても平のままで、給料も低いままであった。いいことなど全くない」と。そこで、私は「誇りが残ります」と応えると、「ふーん」といって離れていきました。しかし、私たちはいつの間にか希少生物のように見られているのだと愕然としました。