卒業式を前にした、都教委の動向などです。近藤徹さんから寄せられました。
◆これが「都民ファースト」か~卒業式を前に「職務命令」発出が続く
今、豊洲市場問題で石原都政の「黒い闇」が都民の批判を浴びています。しかし都立高校の卒業式では、小池都政の掲げる「都民ファースト」とは正反対の石原都政の「負の遺産」である「10・23通達」(2003年)に基づく「教育破壊」とも言える状況が進行しています。
石原都政下で都教委が発出した卒業式・入学式などで「日の丸・君が代」を強制する10・23通達(2003年)により、子どもたちの門出を祝うべき「最後の授業」たる卒業式が、「職務命令」を受ける教職員にとって「憂鬱で苦痛の場」に変わって14年たちます。
都立高校の校長は、卒業式の実施要項を式の3週間前までに都教委に提出し、2週間前までに「包括的職務命令」を出し、1週間前までに「個別職務命令」(個々の教職員に渡す「職務命令書」)を出すように都教委に「指導」されています(今や「指導」=「命令」です)。
都立高校の卒業式は、いよいよ来週の3月3日から3月4日、8日、9日、11日をピークに行われます。各学校の卒業式の一覧表は、都教委ホームページで見ることができます。
平成28年度都立高等学校、都立高等学校附属中学校及び都立中等教育学校卒業式日程一覧
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/p_gakko/28sotsugyo.html
◆強制のターゲットは生徒 「起立しない生徒がいあたら司会が起立を促す」(式進行表)
保育所、幼稚園でも「国旗・国家」に「親しむ」ことを厚生省の「保育指針」や文科省の「教育要領」で定めようとしていることが問題となっています。2015年6月、下村博文文科大臣(当時)が大学でも「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱を「要請」してから国公立大学で「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱が激増しました。政府、文科省、教育委員会、厚労省、が一体となって、幼児から大学生まで「日の丸・君が代」で染め上げようとしています。
「日の丸・君が代」強制のターゲットは子ども、生徒、若者です。今や、都立高校卒業式・入学式の進行表に「起立しない生徒がいたら司会が起立を促す」とか「(生徒)全員が起立するまで式を始めない」などと記載している学校がほとんどです。「戦争する国」へと暴走する安倍政権のもと、学校での「日の丸・君が代」強制が子どもたちに愛国心を刷り込み、「お国のために命を投げ出す」子どもづくりの道具になっています。まさに「『日の丸・君が代』は戦争への道」です。
「職務命令」に良心的不服従を貫き処分された教職員は延べ478名にのぼります。年々状況は厳しくなっていますが、「『日の丸・君が代」強制は戦争への道」との思いを胸に、闘いを風化させないと頑張っている仲間もいます。
私たちは、「子どもたちを戦場に送らない」決意で憲法を守る闘いと「日の丸・君が代」強制反対の闘いを一体のものとして「命令と処分」の教育行政の抜本的転換をめざして、あきらめずしなやかに闘い続けます。
◆要請に対しての都教委の不誠実な対応~話し合い、検討さえ拒否
2月15日付で、1月25日の「職務命令を出すな・卒業式処分をするな!都教委要請」への回答が届きました。回答全文は被処分者の会HPで見ていただきたいのですが、前年までとと全く同じ「回答」で、「原告団・弁護団との話し合いの場を設定する考えはない」「教育委員会への本要請の報告・議論はしない」という「話し合い」も「検討」も拒否するばかりか、「教育委員会に報告」もせずに事務局たる教育庁が「回答」する不誠極まりない噴飯ものです。「都民ファースト」どころか、「都教委ファースト」そのものです。
1月25日の要請時に、新しい教育委員(秋山新教育委員)に、「10・23通達、関連訴訟の説明をしているいるのか」という問いにに対して矢野課長は、「事務局として教育庁から説明をしている。その中には最高裁判決についての都教委の議決(2012年1月24日)、訴訟のことなども含まれる」と答えましたが、「説明会」の記録を見ても「10・23通達、1・24都教委議決、関連訴訟の説明」の項目などはありません。
都教委要請書、同回答全文は被処分者の会HPにアップされていますのでご覧ください。
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http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/
ここでは、要請項目の10~12に対する回答のみを載せますが、「都民ファースト」どころか反都民的な「回答」であることをご確認ください。
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10 最高裁判決に従い、「紛争を解決する」ための具体的改善策を策定すること。
(回答)卒業式等の式典において国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令が合憲であることは、最高裁判決で繰り返し認められているところであり、職務命令違反があった場合には、個々の事案の状況に応じて厳正に対処します。
また、懲戒処分の取消しは、考えておりません。
なお、判決が確定した事案については、当該各事案に係る判決の内容に応じて、必要な対応を行っています。(所管:人事部職員課)
(回答)最高裁判決に、本件の紛争の特性に鑑みて付言された補足意見があったことは承知しています。
平成24年1月24日の臨時教育委員会で、委員総意の下、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱について」が議決されたことを踏まえ、今後も、学習指導要領に基づき、入学式・卒業式等の適正な実施を目指して、学校を指導していきます。(所管:指導部指導企画課)
11 都教育庁関係部署(人事部職員課、指導部指導企画課、教職員研修センター研修部教育経営課など)の責任ある職員と被処分者の会・同弁護団との話し合いの場を早期に設定すること。
(回答) そのような考えはありません。 なお、団体からの要請等については、総務部教育情報課を通じて御意見等をお聞きするとともに、必要に応じて回答をしているところです。(所管:指導部指導企画課、人事部職員課、教職員研修センター研修部教育経営課)
12 本要請書を教育委員会で配付し、慎重に検討し、議論し、回答すること。
(回答) 平成24年1月16日に出された最高裁判所の判決を受け、平成24年1月24日の臨時教育委員会で、委員総意の下、「入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱について」が議決されました。平成25年9月6日に出された最高裁判所の判決についても、10.23通達に基づく職務命令が憲法19条に違反するものではないと、改めて示されています。
既に方針が決定済みの事項であることから、東京都教育委員会事案決定規程等に基づいて回答します。教育委員会への配付及び教育委員会での検討、議論は行いません。(所管:指導部指導企画課、人事部職員課、教職員研修センター研修部教育経営課)
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◆卒業式処分をするな・再発防止研修をするな・入学式処分をするな!都教委要請行動
卒業式処分を決定する教育委員会(今年は3月23日予定)の前に都教委要請行動を行います。この要請では「卒業式処分をするな、再発防止研修をするな・入学式処分をするな」の3点を中心に要請します。
被処分者の会は、「命令と処分」の東京の教育行政を変えるため、多くの皆さんの参加をお願いします。
★卒業式処分をするな・再発防止研修をするな・入学式処分をするな!都教委要請行動
3月14日(火)
14時45分都庁第1庁舎1Fロビー集合
15時~同庁舎25階116会議室
せ」、通達関連裁判進行状況等随時更新。
各種判決文、声明文、行動予定、資料等入手可能。
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「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
東京「君が代」裁判原告団
事務局長 近藤 徹
携帯:090-5327-8318
e-mail:qq947sh9@vanilla.ocn.ne.jp
事務所:〒160-0008 新宿区三栄町6 小椋ビル401号
被処◎●裁判傍聴に裁判所へ行こう! ―粘り強く闘われている「日の丸・君が代」強制反対の裁判に絶大なご支援を!●◎
◆「君が代」四次訴訟 3月15日に最終弁論(結審)~傍聴支援を!
★東京「君が代」裁判第四次訴訟・最終弁論
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
*いよいよ結審です。
3月15日(水)
10時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順)
11時 開廷
東京地裁527号(定員42名)
報告集会:弁護士会館5階508ABC
◆再雇用三次訴訟高裁控訴審判決 逆転勝訴をめざしています~駆け付けてください!
★東京「再雇用拒否」第三次訴訟・高裁控訴審判決
(東京高裁第5民事部。2011年再雇用拒否の損害賠償請求、原告3名)
*いよいよ高裁(控訴審)判決。逆転勝訴を!
3月22日(水)
12時30分 弁護士会館より高裁に向けて入廷行動
12時45分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順)
13時15分 開廷・判決
東京高裁511号(定員42名)
報告集会:場所未定。追って連絡。
<東京地裁・高裁への行き方> 地下鉄霞ヶ関A1出口。徒歩1分。
1・25都教委要請書、同都教委回答掲載。
「お知ら分者の会HP↓(2月21日更新。下の青のアドレスをクリック・アクセス可)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/