■朝鮮高校生への授業料の無償化からの排除、朝鮮学校に学ぶ権利の抑圧に抗議して、2014年4月以来、裁判闘争が闘われてきました。2016年5月25日に10回目に口頭弁論が行われました。その報告が被処分者の会の岩木さんから寄せられましたのでアップします。
5/25(水)、朝鮮高校生「無償化」裁判・文科省前行動報告
5月25日、11時から東京地裁103号室で東京朝鮮高校生の授業料「無償化」裁判の第10回口頭弁論が行われました。傍聴抽選が10時30分で、10時20分頃に裁判所に行くと、すでに傍聴者控え所は超満員、貰った傍聴抽選番号は603番、最終的には700名近い人が傍聴に並びました。ちょうどこの日は、東京朝鮮中高級学校は休校日とのことで、生徒たち400名以上が傍聴に来ていたのです。大法廷とはいえ入廷できる傍聴者は100名弱、無理だろうと思っていると案の定、抽選にはずれました。
なお、裁判は(以下、5/31付「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」の報告より)、
≪最初に裁判長から裁判体が変わったこと(裁判官の交代)の説明があり、原告側書証(甲79号証)の確認をして、10分ほどで終了しました。原告(高校生側)から被告(国側)に求めていた文科省の内部資料は提出されていず、次回に持ち越されました。今後は、6月末までに出されるはずの国側の開示を踏まえて高校生側が書面を作成し、次回口頭弁論に臨みます。(以下略)、≫ とのことでした。
(裁判終了後の報告集会の内容も含め詳細はhttp://mushokashien.blog.fc2.com 参照)
さて抽選にはずれて、11時から衆議院第一議員会館での「『無償化』裁判・ミニ学習会が予定されていましたが、同時間帯に、生徒たちが文部科学省前で要請・抗議行動を行うとの話があり、そちらに行くことにしました。
文科省前で訴え
文科省前に朝鮮高校生約400名が整列し、スピーチと「どれだけ叫べばいいのだろ…」の歌を交互に繰り返し、高校授業料無償化の即時適用を訴えました。卒業生で現在朝鮮大学校の学生は無償化への期待が裏切られた高校時代の無念さを語りました。
朝鮮高校の教員3年目という若い教師は、6年前朝鮮高校3年生として卒業直前の貴重な時間にも署名活動をしたが今に至るも無償化が実現していない口惜しさを語り、文科省に即時実施を求めました。裁判終了後参加した、支援する会の佐野通夫さんは日本社会のためにも朝鮮高校の授業料無償化の一日も早い実施が不可欠だと訴えました。
11時半頃に文科省前での行動は終わりました。クラス単位で担任の先生からの連絡など受けて解散する生徒の様子に、自分の教師時代を思い出し懐かしく感じました。また、本来ならば、自宅でくつろいだり、部活に励んだり、予習・復習をしたり、あるいはデートをしたりという楽しかるべき休日の予定を措いて、法廷にまた文科省前に駆けつけた生徒の姿に接して、彼らをしてそうせざるを得なくさせているこの国の主権者、元教育労働者としての責任を改めて痛感しました。
次回口頭弁論は2016年8月31日(水)11時~、103号法廷にて。
是非ご都合をつけて参加して下さい。
また、毎週金曜日の16時から17時には朝鮮大学校の学生を中心とした文科省行動も行われていますので、こちらにもご参加を。 (岩木 俊一)