■都教委傍聴記(2015年11月12日) 根津さんの報告。
◇自画自賛の教育委員発言にむなしさ募る
…また、「学力に課題のある地域や学校へは指導主事が訪問して継続的な支援」を行うのだという。今食べるものがない、安心して暮らすことができない貧困の中に置かれた子どもにとっての関心事は、学力どころではない。親の収入と子どもの学力の相関関係を見れば、学力を高めるための施策は、「指導主事の訪問」ではなく、子ども貧困を根本から解決することだ。東京都・都教委が、新自由主義経済・非正規雇用・弱者切り捨てを方針とする国政に意見をあげ、同時に都に権限がある、生活保護の手続等の緊急救済をすることだ。オリンピックに使うお金をこうした子ども達に回すことだ。このことが、教育委員の人たちにわからないはずはない。見たくなくても見てもらわねばならない。…
全文→http://www.labornetjp.org/news/2015/1112nezu
■都教委傍聴記(2015年11月26日) 根津さんの報告
「SNS家庭ルール」に乙武委員が異論!
…都知事は記者会見で「SNSを使う時間が長ければ長いほど学力が低下する…いじめ
の温床にもなっている」から「ルール作りをしたい」のだと述べた。定例会で指導部
はアンケート調査結果をもとに、「1日1時間以上利用しない」などの「SNS学校ルー
ル」「SNS家庭ルール」を決める取り組みをすると報告。
それに対して乙武教育委員が、「家庭での過ごし方にルールを作っていいのか、マ
ナーではなく。この手法、いまさらの感がある」。頷けた。…
公開議題に議案はなく、報告が5点。①「SNS東京ルール」の策定について ②「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」の骨子について ③都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会の最終報告について ④「東京都発達障害教育推進計画(案)」の骨子について ⑤立川学園特別支援学校(仮称)の開校予定年度の変更について であった。①③④は②で取り上げていることでもあった。なお、今日の定例会に先立ち、都知事が昨日の定例記者会見で2017年度までに優先的に取り組む「教育施策大綱」を発表した。その内容は①~④と重なるものだった。「最終的には私(知事)の判断で…まとめ」たという。名実ともに、教育の政治からの独立がなくなったことを印象付ける。
前回の報告で、「都教委の教育政策がますます、差別選別・弱肉強食・自己責任の新自由主義教育になっている」と記したが、今回も、それを増殖させる報告ばかり。本当に恐ろしい。