連休最終日の9月23日(秋分の日)、東京・代々木公園で、『9・23さようなら原発さようなら戦争全国集会』(主催:「さようなら原発」一千名署名 市民の会)(協力:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)が開かれました。
集会には25000人が参加し、終始盛り上がりのある集会になりました。
■集会の内容
今回の集会は、「戦争法案強行採決もどき」後、初めての大集会だった。この集会では改めて、「戦争法反対」・「原発再稼働反対」・「辺野古新基地反対」などの大きな運動が合流した。そして、「安倍政権打倒!」というスローガンの下、大衆運動が全国的に発展しつつあることが証明された。
したがって、この集会をあえて集約するならば、シールズの奥田さんの言葉を借りて言えば、「新しい闘いの準備は出来ている。我々は安倍を倒す!!」、と言えよう。
■集会での発言
集会では以下の方々の発言がありました。
①<呼びかけ人の落合恵子さん>
②<呼びかけ人の澤地久枝さん>
③<弁護士の河合弘之さん>
④<原発原告団の武藤類子さん>
⑤<原発事故で北海道へ避難されている宍戸隆子さん>
⑥<川内原発増設反対鹿児島県共闘会議の野呂正和さん)
⑦<総がかり実行委員会の上野千鶴子さん>
(ここで、山本太郎議員からのメッセージが読み上げられました)
⑧<シールズの奥田愛基さん>
⑨<沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの木村辰彦さん>
⑩<韓国から、カトリック平和のための福島訪問ツアーの方>
⑪<フランスの映画監督のカトリーヌ・ガドゥさん>
⑫<呼びかけ人の大江健三郎さん>
⑬<呼びかけ人の鎌田慧さん>(行動提起)
その中から何人かの発言を紹介します。
(残念ながら②<呼びかけ人の澤地久枝さん>の発言は最初私のいた位置が悪かったのか、よく聞き取れませんでした。ただ、「気をおとすことなく私たち一人ひとりが闘っていこう」というようなことを述べていたと思います。そこで、その後私は聞き取りやすいところに移動しました。)
③<弁護士の河合弘之さん>
日本は世界一の地震国である。 日本が滅びるとすれば、原発と戦争でである。そこへ我々を連れて行こうとしているのが安倍政権である。だから私たちはそれを倒さなければならない。できることをすべて国民運動としてやる。川内原発が再稼働したが、私たちが闘っていたから他での再稼働はさせていない。10対1で私たちが勝っているといっても良い。私たちの闘いに自信を持つべきである。そして自然エネルギーの運動を強めよう。
高浜原発、事故が起これば琵琶湖の水は飲めなくなる。1000万人以上の人に影響が及ぶ。この再稼働を止めた。闘いは必ず勝つ。正義の闘いは勝つ。世界は自然エネルギーに向かっている。すでに風力発電量が原子力発電量を上回るようになった。この世界の流れに乗っかっていこう。一喜一憂してはいけない。
⑥<川内原発増設反対鹿児島県共闘会議の野呂正和さん)
ゲート前基金に全国から750万円集まった。それで、ゲート前での5日間の集会をやることができた。2号機が10月に再稼働予定だ。しかし問題が多い。蒸気発生器が古くなっている。しかも4年間動いていない。
三菱重工業の原発はアメリカのカリフォルニアで廃炉になっている。それが川内で使われている。10月12日には全国集会を企画している。「戦争法」が出来、戦争になってミサイルが飛んで来ようものなら、日本は全滅だ。全国で再稼働を許さない運動を強めよう。
⑦<総がかり実行委員会の上野千鶴子さん>
「安全保障関連法案に反対する学者の会」では、「案」をとって闘い続けることになった。この間<反安保>、<反原発>、<反基地>の運動が大合流した。それに加え、<反知性・反理性に対する闘い>が加わった。それは、敵は一人、安倍だということが明らかになったからだ。
「立憲主義」とは「私が国の主権者だ」ということだが、(これを知らしめる上では)学問、学者も役に立った。また、学者と学生の共闘も、特別の感慨がある。1970年の闘争では、学生は教授らと対決した。そして学生たちは負けると敗北感に陥り、若い世代に政治的シニシズム(冷笑主義)が広がった。しかし、2015年夏の経験は40年前のシニシズムを一掃したと確信する。
今回は誰も諦めなかった。日々に路上に出てくる人が増えていった。そういう時代が来たのだ。シールズの方に「戦後70年先輩たちが維持してきたから、自分も自分の子もこれから先の70年を同じように経験したい」と言われた。闘いは終わらない。民主主義は今や国会の中にあるのではなく、国会の外にある。今後の70年は私たちにかかっている。
⑧<シールズの奥田愛基さん>
これまで世間では「若者が無関心」と言ってきた。しかしそんなことをいうのは意味がない。そういう人には「自分の頭で考えて物を言ってください」と言いたい。
「戦争法案」は欠陥がある。だから改憲論者も反対した。かつて仲井真知事を支えた翁長さんも怒って、国連に行っている。今こそ戦争反対、憲法守れと言わなければならない。
安倍政権には辞めて頂きたいと思っている。自分の気持ちの中には悲壮感が全くない。
(参院本会議の)採決の時、朝まで抗議した。新年を迎えた朝のようだった。新しい闘いの準備は出来ている。我々は安倍を倒す!!
⑨<沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの木村辰彦さん>
辺野古反対維持にも関わらず、政府は10月から埋め立ての本格工事をすると明言した。
9月14日の翁長知事の埋め立て承認取り消しの決断は、沖縄プラス本土で支持が表明されている。「戦争法案」の闘いと沖縄の闘いが結びつき、世論が広がり、翁長知事の決断につながった。これに対して防衛省は行政機関にも関わらず、「民間人として」国土交通省に援助を求めている。こんなことはありえないことである。
闘う決意を翁長知事は国連人権委員会で世界に発信した。カリフォルニアのバークレイ市は辺野古新基地建設反対の決議をあげた。埋め立ての土砂搬出連絡会も出来て搬出阻止に向けて動いている。これらの力を一つにすれば、阻止できる。辺野古を止めれば戦争法案を止めることができる。
⑫<呼びかけ人の大江健三郎さん>
10歳の時戦争が終わった。戦後70年間同じような思いで生きてきた。今人生の終わり。
自分は70年間平和・民主主義の中で生きてきた。今日本は最も危険な転換期だ。その危機に抗して生きていかなければならない。この間、若い人たちの発言を聞くと、そこには新しい文体があり、新しい人たちがいた。この人たちが最大の危機を生き延びなければならない。
「さようなら原発、さようなら戦争」この言葉の力を自覚しているか。我々が今完全に終わらせると決意しても、それからが大きな仕事である。日本の歴史以来、最も重い時期である。生きる情熱を失なわないとしても、若い人たちに託して死んでいかなければならない。今の志を持続していくことを心から願う。希望する。
唯一、最大の望み。皆さんに託す。大きな困難があるだろう。みなさんのご健闘を心から願う。希望の兆候は見えている。若い人たちが発している言葉、文章は新しいものだ。
■デモ
集会終了後、二手に分かれてデモ。
日教組 など労働組合は代々木公園→原宿駅→青山通り→日本青年館のコース