■4月3日(金)、田中聡史さんの「再発防止研修」が行なわれました。これに対する抗議・支援行動が都教職員研修センター前で行われ、約65名が集まりました。
◆「研修」抗議
田中さんがセンターに入る前からシュプレヒコールが繰り返され、会では被処分者の会の星野さんが、センター前に居並ぶ都教委の職員(10人)に対し次のようなことを述べました。
「安倍首相は『戦争する国』に向かって5月にも戦争立法を国会に提出する。『日の丸・君が代』の強制はこの国をモノも言えない危険な国にする。
田中さんへの再発防止研修もそれと一体のものであり、イジメ、嫌がらせ、人権侵害以外の何物でもない。教育破壊の先頭に立っている都教委に対し私たちは最後まで闘う。」
センターへの申し入れは、「被処分者の会」、「解雇させない会」、平松弁護士が行いました。
平松弁護士は、次のようなことを述べました。
「最高裁判決で減給以上の処分取り消しは数十件になっている。田中さんの減給も取り消されることになろう。係争中の件で、なぜ田中さんに再発防止研修をするのか。レッテル貼りである。不当な研修を即刻中止せよ。内心を問う違憲違法な研修をなぜ強行するのか。」
これに対し、センター課長は、全く答えず、
「予定通り実施する。議論をするつもりはない。」との答え。
参加者からは、
「官僚的・権力的対応で、一片の誠意も見られない。恥ずかしくないのか!」
「センターには<教師が伸びる子供が伸びる 東京都教職員研修センター>という大きな垂れ幕が掛かっているが、やっていることは、全く反対のことだ!」
という声が上がりました。
また、都立高校の現場の実態を暴露する次のような声も上がりました。
「生徒が軍隊みたいな学校で辞めたいと言っていた。生徒指導部長は、生徒たちを怒鳴り散らしていた。担任もちょっとしたことで生徒の胸ぐらをつかんで怒鳴っていた。
今の学校は荒廃している。生徒の人権侵害、暴言暴力が横行している。
そのことを校長に訴えても『生徒から苦情が来ていないので、何の問題もない』と言う。
教員の人権も踏みにじられている。今の都立学校に言論の自由、民主主義はない。
全部上意下達で、教員をロボットのようにこき使っている。意味のない事務仕事で朝の7時ころから夜の10時ころまでパソコンに向かって事務作業が強いられる。
その象徴が『日の丸・君が代』だ。間違っている。研修はイジメだ。」
◆「研修」後
田中さんの研修は9時から12時過ぎまで行なわれました。
センターから出てきた田中さんは次のように述べました。
「研修の内容は例年と同じだった。これは2004年の地裁決定に反している。地裁決定では、『行政はこういうこと(同じ様に転向をせまるようなことを繰り返すこと)はしてはならない』と述べている。
<振り返りシート>が書かされたが、『地方公務員法にしたがって全体の奉仕者としてやっていく』と書いた。『日の丸・君が代』で侵略戦争が行われ多くの犠牲者が出た。起立ができないのは、公共の福祉から当然です。」
田中さんは気負いもせずに、あくまでも自然体でした。
集会には山谷の労働者の人たちも数名駆けつけ、
「8回も処分されながら闘っている田中さんに、私たちも大きく励まされています」
と述べていました。
今回表面上は全都で「たった一人の反乱」になった田中さんですが、田中さんは孤立していないことが本日も証明されました。これからも再発防止研修は続きますが、その度ごとに都教委や管理職の嫌がる抗議行動は続けられます。私たちは持久戦を闘っています。